古泉「失恋した者同士、食事でもどうです?」ハルヒ「フン!」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:51:21.06 ID:PBK256b70 キョン「有希、今日の放課後はどこか行きたい所あるか?」 長門「貴方となら、どこにでも行く」 キョン「……ああっ、畜生!可愛いなぁ有希!!」 古泉「いやぁ、相変わらず彼と長門さんは仲睦まじいですね」 ハルヒ「……ふん。何よキョンったらあんなにデレデレして。     あんなだらしない顔じゃあ、一緒にいる有希の恥じゃない」 古泉「まぁまぁ、恋愛というものは往々にしてそういう物ですよ。    長門さんの方も嬉しそうですし、優しく見守りましょう」 ハルヒ「……うー」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:57:39.40 ID:PBK256b70 ちょっと世界救ってくる。後は任せた 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:08:31.49 ID:qHY1wu6uO 古泉「涼宮さん涼宮さん」 ハルヒ「…なによ」 古泉「今日の日曜洋画劇場はハリーポッターと秘密の部屋ですよ」 ハルヒ「…あっそ」 古泉「…はは」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:11:00.74 ID:qHY1wu6uO 古泉「涼宮さん涼宮さん」 ハルヒ「…なによ」 古泉「最近寒くなってきましたね。風邪をひかないように、体調管理には十分注意しましょうね」 ハルヒ「…そうね」 古泉「…はは」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:13:15.31 ID:qHY1wu6uO 古泉「涼宮さん涼宮さん」 ハルヒ「…なによ」 古泉「外、暗くなってしまいましたね…」 ハルヒ「…そうね」 古泉「…帰りましょうか」 ハルヒ「…うん」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:17:26.85 ID:qHY1wu6uO 古泉「うー、寒い。廊下は冷えてますね」 ハルヒ「…ええ」 古泉「寒くないですか?」 ハルヒ「…ええ、大丈夫よ。古泉くん」 古泉「そうですか」ニコッ ハルヒ「…、あ…」 キョン「ん?古泉と、ハルヒじゃないか」 長門「…」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:20:42.45 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「……」 古泉「おや…あなた方もこれからお帰りでしたか」 キョン「ん、まぁな。長門がなかなか図書館から出ようとしなくてなー」 長門「…迷惑だった?」 キョン「んな訳あるか」 ハルヒ「……」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:23:31.96 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「……」スタスタ 古泉「あ、涼宮さん!で、では僕たちはこれで。涼宮さんっ」タタッ キョン「あ、ああ…」 長門「……」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:26:06.21 ID:qHY1wu6uO 古泉「涼宮さん…っ涼宮さん!」 ハルヒ「……」スタスタ 古泉「はぁっ…やっと追いつきました。歩くの早いですよ、涼宮さん…」 ハルヒ「……に…よ…」 古泉「え?」 ハルヒ「なによ…なんなのよ!涼宮さん涼宮さん涼宮さんって!」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:30:32.87 ID:qHY1wu6uO 古泉「涼宮さん…」 ハルヒ「うるさい!呼ばないでよ!名前呼ばないでよ!」 古泉「……」 ハルヒ「どうせ、笑ってるくせに…っ私が、有希に、負けたって…キョンとられたって…!」 古泉「……」 ハルヒ「う、うぅ…っ」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:35:12.04 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「なんで…キョン、なんで…っ私…キョンの、こと…っ」 古泉「……」 ハルヒ「…ッグス……ズズッ…」 古泉「……」 ハルヒ「……ごめん、古泉くん。私…最低ね…」 古泉「そんなことはありませんよ」 ハルヒ「……」 古泉「さぁ、帰りましょう」ニコッ 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:41:40.99 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「…そうね、帰りましょう」 古泉「あ、そうだ。失恋したもの同士、食事にでも行きませんか?」 ハルヒ「ふっ…なにそれ、古泉くんにしては笑えない冗談よ?それに古泉くんは失恋してないでしょ?」 古泉「はは…(現在進行形でしてますよ、涼宮さん)」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:45:25.02 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「まあ、でも…そうね…気晴らしにはなるかもね。どこに連れてってくれる?」 古泉「え?あー…そうですねぇ…えっと…(話題を替えるために振ったのはいいが、何も考えてなかった…まずいですね…)」 古泉「…さ…」 ハルヒ「さ?」 古泉「サイゼリア…」 ハルヒ「……」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 21:50:36.85 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「……」 古泉「そ、そんな非難の目で見ないでくださいよ」 古泉「学生のオアシス、サイゼリアですよ…?」 ハルヒ「……」ジトー 古泉「ほら、あそこ、安いですし!財布に優しくて…っ」 古泉「奢りますから…ね…?」 ハルヒ「…ぷっ、あはは!」 古泉「え…」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:00:43.41 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「ふふふっ。だって、サイゼリアって…っ」 古泉「い、嫌ですか?」 ハルヒ「うーん、嫌じゃないの。でも古泉くんだからもっと気品のあるような、高そうなお店に連れてってくれるかと思ったのよ」 古泉「はは、それは誤解ですよ。僕だってただの一般人、学生ですよ。彼と同じ…あ…!」 ハルヒ「……」 古泉「す、すみません」 ハルヒ「…いいの。大丈夫よ、古泉くん」 ハルヒ「あーお腹空いた!はやく行きましょ!」 古泉「…はい」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:06:44.72 ID:qHY1wu6uO inサイゼリア 店員「っしゃーせー」 古泉「やはりこの時間帯は学生が多いですね」 ハルヒ「でも席はあいてるわ。ほら早く」グイッ 古泉「わっ…!」 古泉(わ、わっ…腕を、引かれてる…!) ハルヒ「とりあえずドリンクバーふたつ」 店員「かしこまりましたー」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:19:33.05 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「ドリンクバーって名前負けしてるわ。決まった種類しかないもの」 古泉「そうですねぇ。月毎に種類が変更されるとか…」 ハルヒ「そんなのあまっちょろいわ!日替わりにしなさい!」 ハルヒ「メロンソーダにしよっと」トポトポ 古泉「はは、仰る通りかと。では僕はコーヒーを…」トポトポ ハルヒ「…とりゃ!」ドポッ 古泉「ああ!ちょ、涼宮さんっ、何してるんですか!」 ハルヒ「ふふん、甘い…甘いわよ古泉くん」 ハルヒ「何時なんどき危機が迫るか分からないのよ?もっと神経を尖らせ、アンテナを張りなさい!」 古泉「善処します…あぁ…僕のコーヒーが炭酸と混合されて絶妙なハーモニーを醸し出していますよ…」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:27:53.09 ID:qHY1wu6uO 古泉「これ絶対飲めませんよ…お腹下っちゃいますよ…」 ハルヒ「弱音を吐かない!男でしょ!」 古泉「はいぃ…」 40 名前:>>35 ふひっありがとうございます![sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:32:08.16 ID:qHY1wu6uO 古泉「さて、メニューは何を…」 ハルヒ「私、イカスミパスタ」 古泉「決めるの早っ!まさか、涼宮さん…」 ハルヒ「ふっ…お察しの通り、常連よ」キリッ 古泉「なんと!」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:41:47.04 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「高校に入学した初日、お母さんと生まれて初めてサイゼリアに来たわ」 ハルヒ「私は驚愕したわ、メニューの多さに…そして制覇したいって思ったの」 ハルヒ「誰かがやらなきゃいけない…私は使命感に燃え、メニューをすべてノートに書き出し、その日から毎日通いつめたわ!」 ハルヒ「1日一品!自分でルールも決めて、団活が始まってからも毎日毎日…」 ハルヒ「そして、先日やっと完遂したのよ!」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:48:27.73 ID:qHY1wu6uO 古泉「それはそれは。驚きの域を通り越して尊敬してしまいますよ」 ハルヒ「ふっふっふ!でしょでしょ?!」 ハルヒ「それなのにキョンったら『馬鹿らしい』って一言で…!」 ハルヒ「それだけで、終わっちゃって…」 ハルヒ「私は…キョンに…」 古泉「…涼宮さん、僕にオススメを教えてください」 ハルヒ「え…?」 古泉「僕もパスタがいいです、美味しいパスタはどれですか?」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 22:53:38.92 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「古泉くん…」 古泉「ペペロンチーノとか美味しそうですね、んーでもタラコスパも捨てがたい…梅なんてあるんですか?」 ハルヒ「そ、そうね!私の、オススメ…オススメ、は…」ポロッ 古泉「!」 ハルヒ「っ…ごめんなさい、トイレ行ってくるわ」ガタッ 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:00:11.97 ID:qHY1wu6uO 店員「イカスミおふたつ、以上でよろしーでしょーか?」 店員「しょーしょーお待ちくださいませー」 古泉「……はぁ、まいったな」 古泉(彼と長門さんが付き合い初めて1週間、涼宮さんの精神は毎々酷く不安定になっている…) 古泉(今の涼宮さんを支える事が出来るのは、僕しかいない…僕がしっかりしないと…) 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:11:19.62 ID:qHY1wu6uO 五分後 ハルヒ「お待たせ。あら、古泉くんもイカスミにしたの」 古泉「おかえりなさい。実は初めてでして…」 ハルヒ「ふぅん。さ、食べましょ!いただきまーす」 古泉「いただきます」 ハルヒ「んーやっぱり美味しい!」ズルズル 古泉「…そ、そうですね」ズル…ズル… ハルヒ「…口に合わなかった?」 古泉「い、いえ、はは…、喉が乾きますねぇ…」ゴクッ 古泉「っ!?ぐへあ!」ブーッ!! ハルヒ「ええっ?!」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 23:18:44.56 ID:qHY1wu6uO 古泉(なっ、なんだ?!このコーヒーの味は…!マズッ…不味い!) ハルヒ「……」ポカーン 古泉「ゴホッ、すみませっ…お見苦しい所を…うぇ…」 古泉(しまった…涼宮さん特製メロンコーヒーソーダ、完全に忘れていた…) 古泉(しかも涼宮さんの目の前でこんな醜態を…っ) ハルヒ「…っぷ!あっはっは!今日の古泉くん超変!おっかしー」ケラケラ 古泉「はは…本当にすみません…」 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:28:11.43 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「なんで謝るの?」 古泉「え?」 ハルヒ「古泉くんってそんな表情も出来るのね。なんだか新鮮だわ」 古泉「あ、ありがとうございます」 ハルヒ「あー、もうイカスミ飛びちってる…ほら、口元も汚れてるわ」スッ 古泉「え…」 フキフキ 古泉「っ…あ、わわ…すみません…」 ハルヒ「こら、謝らないの」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:36:58.54 ID:qHY1wu6uO outサイゼリア ハルヒ「ふう、食べた食べた!満腹よ」 古泉「はい、グラタン美味しかったです」 ハルヒ「でしょ?コイズイカスミくん」 古泉「うわ、止めてください…忘れてくださいよ…」 ハルヒ「イヤよ、せっかく握った古泉くんの弱み…ふふふ」 古泉「うう…」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:49:39.64 ID:qHY1wu6uO ガヤガヤ 学生「次どこいくー?」 学生「カラオケいこーよ」 学生「テストめんどくさいよー」 ハルヒ「あれって確か光陽園学院の制服よね」 古泉「そのようですね」 ハルヒ「お嬢様学校とか言ってる割りに遊びまくりじゃない…」 古泉「はは」 ハルヒ「……私も、光陽行けばよかったかな」 古泉「え…」 ハルヒ「そうすれば、こんな苦しい思いもしなくて済んだのに…」 ハルヒ「こんな卑怯で、自分勝手で、ワガママで…」 ハルヒ「そりゃキョンだって振り向かないわよね」 ハルヒ「いっそのこと、会わなければ…」 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 23:57:45.54 ID:qHY1wu6uO ハルヒ「なーんて冗談…」 古泉「嫌です」 ハルヒ「え?」 古泉「嫌ですよ、涼宮さんがいなくなるなんて」 古泉「絶対に嫌です」 ハルヒ「こ、古泉くん…?」 古泉「しかも光陽園?ダメです、そんな所に転校なんてできません」 古泉「もしかして、僕の女装姿がお望みですか?仕方がありませんね、メイド服を朝比奈さんにでも借りて…」 ハルヒ「ちょ、ちょっと何を言って…」 古泉「そういうことですよ、涼宮さん」 ハルヒ「え…」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:05:34.64 ID:+hTYO6NeO 古泉「いなくなるなんて、言わないでください」 古泉「僕の…僕たちSOS団、団長でいてください」 ハルヒ「…ふふ、当たり前よ!私を誰だと思ってるのかしら?」 ハルヒ「これからも私の背中は任せたわよ、副団長!」 古泉「承知致しました。団長殿」 ハルヒ「古泉くんは女装癖アリ、と…」メモメモ 古泉「……え?」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/22(月) 00:14:36.93 ID:+hTYO6NeO 古泉(今はまだ自分の想いは伝えられない) 古泉(…それでいい) 古泉(涼宮さんが、傍にいてくれるだけでいい) 古泉(機関も、閉鎖空間も、彼も関係ない…) 古泉(これは僕と涼宮さんの……) 古泉(…………) 古泉(それに…現状維持が僕の精一杯だから) 古泉「涼宮さん涼宮さん」 ハルヒ「なに?古泉くん」 古泉「また一緒に、来ましょうね」ニコッ ハルヒ「ええ!」 完 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/22(月) 00:18:59.73 ID:+hTYO6NeO これ以上何を書けば…状態なのでこれにて終了です。みんなありがとう、優しいなおまえら。処女作で古ハル書けてよかった。 古泉が好きだ、ハルヒも好きだ、みんな大好きだー!