ハルヒ「最近はツンデレよりデレデレの方が需要あるの……?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/12(木) 23:38:34.02 ID:DuuyNFUQ0 ハルヒ「これは由々しき事態ね」 キョン「どうかしたのか」 ハルヒ「どうりでいつまでたっても二期が始まらないと思ったのよ!」 キョン「?」 ハルヒ「これは急務を要するわね」 ハルヒ「ちょっと、キョン!」 キョン「……なんだかデジャブを感じるぞ」 ハルヒ「明日よ!明日までに……」 キョン「嫌な予感しかしない」 ハルヒ「この本読んでデレデレになってきなさい!」 キョン「……何?」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/12(木) 23:48:34.48 ID:DuuyNFUQ0 キョン「……あー、ちょっといいか」 ハルヒ「なによ」 キョン「なんか勘違いしてないか?」 ハルヒ「?」 キョン「俺がデレてどうするんだよ!気持ち悪いだけじゃないか」 ハルヒ「やってみないとわかんないじゃないの」 キョン「そんなもんに需要はない!やるならお前が一人で勝手にしろ!」 ハルヒ「団長命令に逆らおうっての、アンタ」 キョン「想像してみろ!俺が好きな女子にベタベタ抱きついたりキスをせがんだら気持ち悪いだろ!」 ハルヒ「うーん……」 ハルヒ「……ふふ……えへへ」 ハルヒ「……わ、悪くないわ」 キョン「あのな」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:00:06.20 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「いろいろ調べた結果、いちゃラブとも言うらしいわ」 キョン「そんなことは知らん!俺は断じて協力しないからな!」 ハルヒ「ちょっと試しになんかやってみなさいよ」 キョン「……お前は人の話をまるで聞いてないな」 ハルヒ「た、たとえば……その」 キョン「……」 ハルヒ「後ろからぎゅーっと抱きしめて、優しく頬を寄せて『愛してるぞハルヒ』、とか……」 キョン「!?」 ハルヒ「不意にキスして、『お前がいないともうダメだ』、とか……んふふ」 キョン「お、おい、ハルヒ……頭大丈夫か?」 ハルヒ「んふ……んふふ……えへへ」 キョン「……大丈夫じゃないみたいだな」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:09:36.68 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「と、とにかく!時代の流れについていくことは大切なのよ!」 キョン「そういうと聞こえはいいな。聞こえがいいだけだが」 ハルヒ「今日の活動は有希に借りたその本の研究ね」 キョン「ああ、なんて無駄なことに時間を……」 ハルヒ「放課後が楽しみだわ!」 キョン「今すぐ風邪を引く方法はないものか」 ハルヒ「風邪?それもいいわね」 キョン「?」 ハルヒ「風邪の看病をするうちに、ってシチュエーションね……メモしとこ」 キョン「ダメだ……こいつはもうダメだ」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:18:23.75 ID:ti+qhm9/0 〜放課後〜 ハルヒ「何よ、今日は誰も来てないの!?」 キョン「やはりそうくるか……」 ハルヒ「し、仕方ないわね!二人だけでも勉強会よ!」 キョン「地獄を見る、そんな気がする……」 ハルヒ「ほら、とりあえずさっきの本出して」 キョン「わかったよ……ほら」 パラパラ キョン「で、何をどう研究するんだそんなもん」 ハルヒ「そうね……あ、この辺のページにしましょ」 キョン「……」 ハルヒ「ほら、こんな感じで」 キョン「こんな感じでってなんだよ」 ハルヒ「あたしのこと、ぎゅーって」 キョン「……もう帰っていいか?」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:25:28.33 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「ちょっと!待ちなさいよ!」 キョン「こんなもん付き合ってられるか!」 バタン ハルヒ「なによ!バカキョン!明日覚えときなさいよ!」 ハルヒ「……」 ハルヒ「……ちょっとくらいしてくれたっていいじゃない」 ハルヒ「仕方ないわ、今日は一人でデレデレキャラの勉強ね」 ハルヒ「ふむふむ……」 ハルヒ「あー……こういうのいいわね」 ハルヒ「んふふ……」 ハルヒ「ニヤニヤ」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:35:18.50 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「はー……」 ハルヒ「一回でいいからこういうおめでたい性格になってみたいもんね」 長門「……」 ハルヒ「わあ!ゆ、有希、あんたいつからいたの!?」 長門「5分27秒前」 ハルヒ「顔出したんなら声くらいかけなさいよ、まったく……」 長門「……それ」 ハルヒ「え?ああ、この本?面白かったわ、ありがと」 長門「……興味がある?」 ハルヒ「ま、まあ……ないこともないわ」 長門「わかった」 ハルヒ「?」 長門「qawsedrftgyhujikolp;@:」 ハルヒ「ゆ、有希……?」 長門「なんでもない。今日はもう帰る」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:43:46.52 ID:ti+qhm9/0 〜その晩〜 trrrrrrrrrrr キョン「……はい、もしもし」 ハルヒ「あ、キョン?」 キョン「こんな時間に一体何の用だ?」 ハルヒ「え?……あー、その、あれ……なんであたし電話かけたんだろう」 キョン「俺が知ってるわけないだろう、そんなこと」 ハルヒ「悪かったわよ……でも、せっかくだしちょっと何か話しましょうよ」 キョン「もう寝るところなんだ、すまんな。明日にしてくれ」 ハルヒ「あ、まって……」 キョン「切るぞ、じゃあな」 ブツン ハルヒ「おやすみ、って言いたかったのに……」 ハルヒ「!」 ハルヒ「あたし何言ってんの……?」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 00:56:34.91 ID:ti+qhm9/0 〜翌朝〜 キョン「はー、寒いと学校までの道のりが倍ほど長く感じるな」 てくてく 長門「……」 キョン「おお!こんなとこで会うなんて珍しいな長門!いつも空飛んで通学してるのかと思ってたぞ」 長門「……」 キョン「そ、そう怒るな……冗談だ」 長門「言っておきたいことがある」 キョン「?」 長門「涼宮ハルヒの要望で、一時的に彼女の性格を改変した。あなたが通常通りに接すると彼女を深く傷つける恐れがある。注意して」 キョン「なんだって?……まためんどうなことを」 長門「今朝はこれを伝えるために飛ばずに徒歩で通学した」 キョン「な、何!?」 長門「……冗談」 キョン「そ、そうか……」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 01:07:36.96 ID:ti+qhm9/0 〜教室〜 キョン「おーす」 ハルヒ「あ……きょん」 キョン「!」 キョン「(これはかなり危険だ……空気が俺にそう言っている……)」 ハルヒ「遅いよぉ……ばか」 キョン「あ、あのー……ハルヒ?」 ぎゅー ハルヒ「寂しかったんだから……」 キョン「!?!?!?」 ハルヒ「んー……きょん……」 すりすり キョン「(長門の奴、なんだってこんなことを!)」 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 04:41:40.35 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「んふふー」 ぎゅー キョン「は、はは、ハルヒ、ちょっと離れてくれないtと鞄が下ろせないんだが」 ハルヒ「やだー」 キョン「やだってお前……」 ハルヒ「ぎゅー」 キョン「いいかげ……」 『深く傷つける恐れがある。注意して』 キョン「……頼むよ、ハルヒ」 ハルヒ「んー、じゃーねぇ……」 キョン「……」 ハルヒ「頭なでなでして?」 キョン「ぐ……こ、こうか?」 なでなで ハルヒ「えへへ……」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 05:05:15.52 ID:ti+qhm9/0 生徒「ざわざわ」 キョン「ああ、周りの視線が痛い」 ハルヒ「んー……きょん」 キーンコーンカーンコーン♪ キョン「ほ、ほら!もう席つかないとな!」 ハルヒ「むー」 〜授業〜 キョン「(授業中は大丈夫だろう……)」 ハルヒ「ね、キョン」 キョン「なんだよ、授業中だぞ……」 ハルヒ「教科書忘れちゃったの、見せて?」 キョン「いっつも教科書なんか読まないくせに」 ハルヒ「だめかな……ぐす」 キョン「ぐ……ほら、これで見えるか」 ハルヒ「ふふ、キョンやさしい」 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 05:21:08.83 ID:ti+qhm9/0 キョン「(あいつの鞄の中から覗いている教科書のことに触れると……まずいんだろうなあ)」 ハルヒ「♪」 キョン「はあ……」 ハルヒ「……」 すっ キョン「!」 ハルヒ「キョンの手、すべすべ……」 キョン「あ、あのな」 ハルヒ「いいなあ」 さわさわ キョン「ゆ、指を絡めるんじゃない!」 ハルヒ「だって」 キョン「授業中だぞ、だってもくそも……」 ハルヒ「キョンが目の前にいるのに触れられないなんて辛いよぉ……」 キョン「ぐ……」 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 12:59:42.09 ID:ti+qhm9/0 〜昼休み〜 ハルヒ「やっと授業が終わったわね!」 キョン「さ、さて谷口たちと昼飯でも食ってこようかな」 ハルヒ「だめー」 ぎゅー キョン「わ、よ、よせ!周りが見てるから!」 ハルヒ「もー……じゃあ見てなかったらいいのね?」 キョン「いや、そういう問題では……って、わ!いきなり腕を引っ張るな!」 ハルヒ「ほら!部室行くわよキョン!」 キョン「わ、待て!痛い痛い!」 谷口「なんだあれ」 国木田「いつもとそんなに変わらないような気もするけど」 谷口「……それもそうか」 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 13:07:24.78 ID:ti+qhm9/0 〜部室〜 ハルヒ「だっこー」 キョン「するか!」 ハルヒ「えー」 キョン「お前な、自分で何を言ってるかわかってるか?」 ハルヒ「んーとね……よいしょっと」 キョン「……なんで俺の膝の上に座るんだ」 ハルヒ「今日からあたしの指定席ね!」 キョン「人の話を聞けと言うのに……降りんか!」 ハルヒ「……ぐす」 キョン「う……」 ハルヒ「キョンは、あたしのこと……きらい?」 キョン「いや、だからその」 ハルヒ「きらいなんだ……ひっく……」 キョン「ま、待て!落ち着け!」 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 13:26:38.38 ID:ti+qhm9/0 キョン「(こんなことでまた閉鎖空間でも作られたらかなわんからな……)」 ハルヒ「……だってさっきから冷たい」 キョン「わ、悪かったよ……ほら、泣くな」 なでなで ハルヒ「えへへ」 キョン「はあ、まったく」 ハルヒ「ねぇ、許したげるから一つお願い」 キョン「……なんだ」 ハルヒ「あたしのこと抱きしめて、『好きだよ』って言って?」 キョン「却下」 ハルヒ「ぐす……」 キョン「わー!」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 13:34:32.96 ID:ti+qhm9/0 キョン「避けては通れんようだな」 ハルヒ「ね……お願いだから」 しゅっ キョン「(こいつ、このタイミングでポニーテールにするか……)」 キョン「……こ、こうか」 ぎゅ ハルヒ「あ……もっと強く」 ぎゅぎゅ ハルヒ「んっ……そんな感じで……」 キョン「す、す……」 ハルヒ「だめ!もっと顔寄せて……耳元で……」 キョン「ぐぐ……」 ハルヒ「ん……お願い」 キョン「す……好きだぞ」 ハルヒ「あん……あたしも……」 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 13:44:24.07 ID:ti+qhm9/0 キョン「(あああああああああ何を言ってんだおれはああああああああああ)」 ハルヒ「やだ……あたし今すっごい幸せになってる」 キョン「(あああああああああ何を言ってんだお前もおおおおおおおおおお)」 ハルヒ「ぞくぞくするよぉ……」 キョン「ね、熱でもあるんじゃないか」 ハルヒ「あるかもね……」 ぐっ キョン「わわ!なんだ、急に!」 ハルヒ「熱計るの、おでこ貸して」 キョン「(近い近い近い近い)」 ハルヒ「もー……何よ、これ」 キョン「……な、なんだよ」 ハルヒ「こんなの我慢できるわけないじゃない」 キョン「何をいって……んん!」 ちゅ 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 14:08:41.40 ID:ti+qhm9/0 キョン「(なんだこれ、夢か?)」 ハルヒ「ちゅ…ちゅ…んん……っぷぁ」 ハルヒ「はー……はー……頭の中、まっしろ」 キョン「こっちの台詞だ」 ハルヒ「でも、幸せ」 キョン「(なんだよその顔……)」 ハルヒ「なんかね、すごいの」 キョン「な、なにがだよ」 ハルヒ「さっきから、もうずっとよ」 ハルヒ「胸がきゅーってなって、背筋がぞくぞくして、震えがとまらないの」 キョン「……」 ハルヒ「頭もぼーっとしちゃって……なんかうまく喋れないわ」 キョン「そ、そうか」 ハルヒ「あー……なんなのよこれぇ……」 ぎゅー 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 14:21:21.16 ID:ti+qhm9/0 キョン「(はやく昼休み終わってくれ……)」 チラ キョン「(まだ五分しかたってない……だと……?)」 ハルヒ「くんくん」 キョン「な、なんだよ」 ハルヒ「あんたの匂いかいでると落ち着くの……はー」 キョン「もはや病気だぞ、お前」 ハルヒ「じゃあ、キョンが治して?」 キョン「はあ?」 ハルヒ「おくすり……ちょうだい」 ちゅ キョン「!?」 ハルヒ「んん……癖になるよぉ」 キョン「(恨むぞ、長門……)」 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 14:31:51.12 ID:ti+qhm9/0 キョン「は、ハルヒ……腹減らないか?」 ハルヒ「んー、ちょっと」 キョン「飯にしよう、飯!な?」 ハルヒ「いいけど、でももうちょっと……」 キョン「ほら、購買のパンなくなるぞ?急いだ方がいい」 ガチャ 長門「……」 キョン「うわ!」 ハルヒ「ゆゆゆ、有希!?」 長門「誤って昼食用のパンを買いすぎたので、ここに置いておく」 長門「よかったら、食べて……」 バタン ハルヒ「な、なんだったのかしら……有希」 キョン「あいつまた余計なことを」 ハルヒ「でも、これでもっと二人きりでいられるわね……えへへ」 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 14:47:26.15 ID:ti+qhm9/0 キョン「と、とにかく!飯にしよう」 ハルヒ「んふふ」 キョン「……ほら、どいてくれ」 ハルヒ「食べさせて?」 キョン「アホかお前は」 ハルヒ「やーだー、食べさせてくれなきゃやだ!」 キョン「……あくまで退かないつもりか」 ハルヒ「そんなに嫌……?ぐす」 キョン「都合のいい様に泣きやがって……ちくしょう」 ハルヒ「えへへーきょんやさしいから好きー」 キョン「(こいつの性格が戻ったとき、記憶は残るんだろうか?それだけが今心配だ)」 キョン「ほれ」 ハルヒ「あーん♪」 キョン「……なんで俺の指までくわえるんだよ!」 ハルヒ「ちゅぱ……んん、おいひぃ……」 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 14:59:18.39 ID:ti+qhm9/0 キョン「長門の奴ご丁寧に飲み物まで置いてきやがって」 ハルヒ「わかってるわね、有希」 キョン「しかしなんで豆乳なんだ?……俺はこの焼き芋味を貰おう」 ハルヒ「あたしものど渇いたな」 キョン「まだそこにあるから勝手に取って飲めばいいだろ」 キョン「ずちゅー」 ハルヒ「焼き芋味…おいしそうね」 ハルヒ「えい♪」 キョン「んぷ!?」 ちゅ ハルヒ「ちゅ……ちゅぱ……んふ、口移しー」 キョン「おおおお、お前!いい加減に……!」 ハルヒ「ああ……たまんないよぉ……」 キョン「聞いちゃいねえ」 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 17:28:41.43 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「ごちそうさま」 キョン「ごちそーさん」 ハルヒ「さて!」 ぎゅー キョン「何が、さて、だ。離れんかい」 ハルヒ「むりー」 ぎゅー ハルヒ「んー……ねえ、このまま授業サボらない?」 キョン「ない」 ハルヒ「なんでよー、いいじゃない」 キョン「そういうのは誰のためにもならん、ダメなのはお前だってわかってるだろ」 ハルヒ「……はい」 キョン「お、やけに素直だな」 ハルヒ「ねぇ、キョン……もっと叱ってほしいな」 キョン「こいつは……」 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 17:34:34.44 ID:ti+qhm9/0 キョン「なんなんだよ、もう!」 ハルヒ「だって、キョンに叱られると、きゅんってなるの」 キョン「駄洒落のつもりかそれは」 ハルヒ「ばか、違うわよ……なんかね、なんて言ったらいいのかな」 キョン「何とも言わんでいいぞ」 ハルヒ「なんかキョンがあたしのこと考えてくれてるって実感するっていうか」 キョン「……」 ハルヒ「叱ってくれるの、キョンだけだから……」 キョン「(その上目遣いはなんだ一体……)」 キョン「ちくしょう……」 なでなで ハルヒ「あ……嬉しい……」 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 17:43:57.74 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「そんなことされたら、離れられなくなっちゃう……」 ぎゅー キョン「ああ……もう何が何だか」 ハルヒ「きょん……」 ぺろ キョン「おおう!?み、耳はやめろ!」 ハルヒ「ふふ、弱いの?」 キョン「そういうことじゃなくて……うわ!」 ちゅ、ちゅ ハルヒ「あたしと一緒だね……」 ハルヒ「好き……好き……」 キョン「(これはまずい……この展開はまずいぞ)」 264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 20:13:35.26 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「すー……すー……」 キョン「あれ、寝たのか……?」 キョン「膝の上で寝られたんじゃ動けんじゃないか」 ハルヒ「くー……くー……」 キョン「……幸せそうな寝顔だな」 キョン「しかし」 キョン「このポニーテール、寸足らずな感じがまたいい」 つんつん キョン「揺れ方も完璧じゃないか……そしてうなじの見え方……」 キョン「思わず息を吹きかけたくなるな、ふー」 ハルヒ「ひゃう!?」 キョン「……」 ハルヒ「……」 キョン「お前起きてるだろ」 ハルヒ「だって寝たふりしたら襲ってくるかと思って……」 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 20:21:03.54 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「でも一瞬ほんとに寝そうになっちゃった」 キョン「寝ててくれて結構なんだが」 ハルヒ「だってここあったかいし、いいにおいで……はー」 キョン「はぁ、まったく……」 ハルヒ「でもね、キョン」 キョン「?」 ハルヒ「あたしが起きてたってポニテ眺めたり、うなじに息吹きかけてくれていいのよ?」 キョン「……」 ハルヒ「ほらほら」 ふりふり キョン「……ちょ、ちょっとだけ引っ張っていいか?」 ハルヒ「んふふ」 くいっ ハルヒ「やーん♪」 キョン「なかなか……どうして……」 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 20:37:26.63 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「ふふ……効果覿面ね」 キョン「髪を上げると耳からうなじにかけてのこのラインが見えるのがまたいいんだ」 ハルヒ「ふぇ……そこなぞっちゃだめ……んん」 キョン「ふー」 ハルヒ「あっ……んん……ねぇ、あたしにも好きなとこ触らせて」 キョン「……ば、場所による」 ハルヒ「んとね……ここ」 ちゅ、ちゅ、ちゅ キョン「わわ!?さ、鎖骨?……変な奴だな」 ハルヒ「この首もとの筋張ったラインがたまんないの……れろー」 キョン「おおう!?……ぬぅ」 ハルヒ「んふ」 ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ キョン「くぅ……や、やっぱりダメだ!」 ハルヒ「えー?なんでー?」 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 21:03:14.88 ID:ti+qhm9/0 キーンコーンカーンコーン♪ ハルヒ「!」 キョン「ほ、ほら……休み時間も終わったことだし」 ハルヒ「むー」 キョン「急がないと授業遅れるだろ、な」 ハルヒ「やだ……授業なんかどうでもいい」 キョン「さっきダメだって言っただろ?授業はちゃんと出ろ」 ハルヒ「……はぁい」 キョン「そ、それでいいんだよ」 なでなで ハルヒ「えへへ」 キョン「……ハッ!」 キョン「(なんか完全に俺今雰囲気に飲まれてなかったか……?)」 ハルヒ「どーしたの、キョン?」 キョン「い、いや……なんでもない」 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 22:09:46.93 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「じゃあ、最後にちゅーして」 キョン「アホか!」 ハルヒ「今更照れることないじゃない……あんなにいっぱいしたんだから」 キョン「その誤解を招くような……あれ、事実だ」 ハルヒ「ほら、んー」 キョン「め、目を瞑るな!」 ハルヒ「一回だけでいいからキョンからして欲しいの」 キョン「ぐ……」 ハルヒ「……だめ?」 キョン「ぐぐ……」 ちゅ ハルヒ「あー、もー」 ぎゅー ハルヒ「しあわせ……」 キョン「(負けた……)」 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:00:33.84 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「あー……」 キョン「お、おい、約束だぞ、降りろよ」 ハルヒ「あれ……」 ぎゅー キョン「何してんだ」 ハルヒ「わかんない……」 キョン「わかんないってことがあるか!」 ぎゅー ハルヒ「何だろ……離れられない」 キョン「あ、あのな」 ハルヒ「……」 キョン「どうしろってんだお前は」 ハルヒ「ごめん、落ち着くまで……こうしてて」 キョン「はあ、まったく……」 ハルヒ「しかたないじゃない……あんたのせいなんだから」 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:10:44.97 ID:ti+qhm9/0 キョン「早く行かんと授業始まるぞ」 ハルヒ「……どうしても行かなきゃだめ?」 キョン「まだ言うか」 ハルヒ「なんか怖いのよ」 キョン「?」 ハルヒ「もしかしたら人生で今が一番幸せな時間で、部屋を出ちゃったらもう二度とそんな時間は来ないんじゃないかって」 キョン「何を大げさな」 ハルヒ「だから……怖いの」 キョン「(こいつ、震えてるのか……?)」 ハルヒ「ごめんね、なんか馬鹿みたいなこと言って……」 キョン「いや、まあ……なんだ、あまり変な心配するなよ」 ハルヒ「ねえ、あたしのこと好き?」 キョン「……あ、ああ」 ハルヒ「ん……ありがと」 ちゅ 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:25:23.36 ID:ti+qhm9/0 キョン「さあ、急ごうぜ」 ハルヒ「……うん」 バタン キョン「うー、部屋から出るだけでこんなに寒いのかよ……」 ハルヒ「……あれ……え?」 キョン「どうかしたか?」 ハルヒ「なんであたし髪くくってるの?」 キョン「え」 ハルヒ「大体なんであんたがこんなとこいるのよ、帰ったんじゃなかったの?」 キョン「……」 ハルヒ「ていうか有希は?」 キョン「お前、まさか……」 ハルヒ「?」 キョン「と、とりあえず教室に戻ろうか」 ハルヒ「いた!ちょっと引っ張んないでよ!」 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:33:12.19 ID:ti+qhm9/0 〜放課後〜 ハルヒ「???」 キョン「……」 ハルヒ「ねえ、ちょっとキョン……今日は何日?」 キョン「前見ろ、黒板の隅に書いてあるだろ」 ハルヒ「あれ?ん?」 キョン「ど、どうかしたのか?」 ハルヒ「ちょっと、ねえ、あたしすごい体験したかもしれないわ!」 キョン「……」 ハルヒ「タイムスリップよ!あたし昨日の午後からの記憶がないのよ!」 キョン「……そうか」 ハルヒ「あの部室の周りに特殊な電磁場でも発生してるのかしら?何にせよこれは大事件よ、キョン!」 キョン「大事件ねえ……」 ハルヒ「ほらほら、ボサっとしてないで!さっさと部室に集合よ!」 キョン「おい待てって……あー、行っちまった」 336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:42:19.56 ID:ti+qhm9/0 〜部室〜 ハルヒ「まだ誰も来てないわね……ってあれ」 キョン「どうかしたのか?」 ハルヒ「誰かが昼食食べ散らかしてそのまま……腹立つわね」 キョン「あ」 ハルヒ「何、これ全部あんたのゴミ?」 キョン「あー……いや、まあ、そんなとこだ」 ハルヒ「信じらんない!さっさと片付けてよね!」 キョン「へいへい」 ハルヒ「まったく……風紀が乱れてるわ!」 キョン「(なんだか俺の方が夢見てたみたいだな……)」 ハルヒ「あ、あれ」 キョン「今度は何だよ」 ハルヒ「わ、わかんないけど……なんか涙出ちゃって……ゴミでも入ったのかしら」 キョン「ハルヒ……」 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/13(金) 23:55:33.73 ID:ti+qhm9/0 ハルヒ「あれ……どうしよ、止まんない」 ぽろぽろ キョン「ハルヒ、ちょっとこっち来い」 ハルヒ「え?え?」 ぎゅ ハルヒ「!?!?!?!?」 キョン「いいか、意味がわからんかも知らんがよく聞いとけ」 ハルヒ「あああ、あんた何すんのよ!?」 キョン「これからもお前は幸せな人生を歩むだろうし、あまり変な心配はするな」 ハルヒ「な、何言ってんの……?」 キョン「今はそれだけ覚えといてくれ」 なでなで ハルヒ「ちょ、ちょっと何よ!よくわかんないけどバカキョンのクセに偉そうなこと言って……ってあれ」 ハルヒ「涙止まった……?」 キョン「はー……面倒な奴だよ、お前は」 351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 00:01:57.76 ID:rR50ljWQ0 〜帰り道〜 ハルヒ「……」 キョン「……」 ハルヒ「ちょっと」 キョン「なんだよ」 ハルヒ「な、なな、なんでさっきから手繋いでんのよ……」 キョン「いやならほどけばいい」 ハルヒ「べ、別に嫌ってほどじゃないけど……むー」 キョン「そうか」 ハルヒ「あー!もう!なんか調子狂うわね!」 キョン「はは、充分元気じゃないか」 ハルヒ「そういうのが調子狂うっていうのよ!アホキョン!」 キョン「いてえ!鞄の角で殴るやつがあるか!」 ハルヒ「フン……ま、まあ……手が冷えないから良しとしてやるわ」 ぎゅっ 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 00:17:53.48 ID:rR50ljWQ0 ハルヒ「あー、そろそろあったかくなるかと思ったのに、まだまだ冬ね」 キョン「確かに」 ハルヒ「こんなんじゃ気を抜いたらすぐ風邪引いちゃうわ!」 キョン「ま、寝込んだら看病しに行ってやるよ」 ハルヒ「!?」 キョン「なんだ、嫌か」 ハルヒ「あんた、熱でもあるの……?」 キョン「はは、そうかもな……どうも昼間にうつされたらしい」 ハルヒ「……?と、とにかく、あんたに看病されるんじゃ死んでも風邪引きたくないわね!」 キョン「そうか、はは」 ハルヒ「……」 ハルヒ「で、でも!引いたら来ればいいわよ?絶対引かないけどね!」 キョン「なんか今日はおもしろいな、お前」 ハルヒ「うー……き、キョンのクセに生意気よ!罰としてあたしの鞄持ちなさい!」 キョン「ぐえ!」 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 00:25:54.22 ID:rR50ljWQ0 キョン「何でこんな重たいんだお前の鞄……」 ハルヒ「トレーニングのために鉛を仕込んであるのよ」 キョン「!?」 ハルヒ「嘘に決まってんでしょバカキョン!でもそれだけじゃ罰が軽すぎるわ……そうだ」 キョン「まだなんかさせるつもりかよ……」 ハルヒ「そ、その……見たい映画があるから」 キョン「はあ」 ハルヒ「……こ、今週の日曜、それ奢りなさい!当然ランチとディナーもね!」 キョン「……」 ハルヒ「……い、いや?」 キョン「へいへい、まーた金なくなるな」 ハルヒ「あ……」 キョン「……ところでやっぱりお前鉛仕込んでるだろこの鞄」 ハルヒ「……えへへ」 キョン「聞いてねえし」 368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 00:27:34.00 ID:rR50ljWQ0 二年前に慶応落ちた俺から言わせて貰えば お前ら全員落ちてほしい・・・ 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 00:53:48.93 ID:rR50ljWQ0 キョン「(本当に不思議な一日だったな)」 ハルヒ「♪」 キョン「(あれはいったいなんだったんだろう)」 キョン「(長門の奴も何を考えてこんなことをしたのか……)」 ハルヒ「ちょっとキョン、歩くの遅いわよ!」 キョン「手を引っ張るな、ちぎれる……」 キョン「(いつかまたあいつと、あんな風な時間を過ごすことがあるんだろうか)」 ハルヒ「ほら、もたもたしないの!」 キョン「あのな、お前が二人分の荷物を持たすからだろうが!」 ハルヒ「べー」 キョン「はあ、まったく……」 キョン「(……ま、何でもいいか)」 キョン「(とりあえず俺は、当面は自分の財布の心配をすることにしよう)」 おしまい 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 01:01:44.60 ID:rR50ljWQ0 おまけ 〜同時刻・上空〜 ジー 長門「……いい画が撮れた」 長門「部室のカメラも回収して、さっそく編集作業に入る」 長門「……わくわく」 〜数日後・部室〜 『ハルヒ「ちゅー」』 みくる「ひゃううう、し、刺激的ですぅぅ……」 古泉「これはこれは……途中まで音声がないのが悔やまれますね」 長門「カメラを設置した位置が悪かった。仕方なく急遽現場に潜入して別撮りのマイクを設置して対応した」 古泉「素晴らしい判断力と実行力です」 長門「当然のことをしたまで。日曜日も尾行と録画をするので、できれば協力してほしい」 みくる「がってん承知です!」 おしまい 416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/14(土) 01:29:40.27 ID:rR50ljWQ0 これでおしまい 見てくれた人、保守してくれた人乙 気まぐれな投下速度で本当に申し訳ない 後から考えたら別にこれハルヒとか関係ねーなと思いました あと、受験生は全員志望校落ちろ!そんで後期で変なとこ引っかかってそこ行ってしまえ! ありがとうございました