1 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:22:18.71 ID:IGs2B9CM0
提督「響、ちょっとこの書類頼むよ」スッ
響「わかった」
提督「えーと、ここは・・・確かこうだったな」
響「」カキカキ
提督「今度は・・・これも調達しておくか」
響「」カキカキ
響「・・・・・・」
2 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:24:53.43 ID:IGs2B9CM0
響「(私には変な癖がある)」
響「(今ここで私が、これをしたら、あれをしたら)」
響「(一体どうなるんだろう?)」
響「(そんなことばかり考えてしまう)」
響「(今もそうだ)」
響「(私は司令官の秘書艦、執務室で一緒に仕事をしている)」
響「(私も司令官も真剣に仕事をしている)」
3 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:31:16.80 ID:IGs2B9CM0
響「(ただ、もし今ここで私が司令官を殴ったら)」
響「(一体どうなるんだろうか?)」
響「(司令官は怒るのだろうか? 痛がるのだろうか?)」
響「(それとも呆然とするのだろうか?)」
響「(もし他の艦娘が偶然その光景を見てしまったとき)」
響「(私は罵倒されるのだろうか?)」
響「(そして私は、一体何を感じ、何を得て)」
響「(何を失うのだろうか?)」
響「(それが悪いこと、する必要性がないとわかっていても)」
響「(どうしても妄想してしまう)」
響「(私は頭がおかしくなってしまったのだろうか・・・?)」
響「(・・・手が震えてきた)」
響「(仕事に集中しよう)」
響「(・・・・・・)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
4 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:33:13.14 ID:IGs2B9CM0
暁「やっぱりみんなで作ったご飯は美味しいわね!」
雷「当たり前よ! 雷がいるんだから!」
暁「それどういう意味よ! 暁が一番お姉ちゃんなんだから!」
電「はわわ!」
響「・・・・・・」
5 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:36:29.97 ID:IGs2B9CM0
響「(正直、今の生活は満足している)」
響「(優しい司令官、愛する姉妹、大切な仲間達)」
響「(私は1人ではない、みんながいる)」
響「(でもやめられない)」
響「(・・・・・・)」
響「(今は暁達と一緒に食事をしている)」
響「(みんな楽しそうだ)」
響「(もちろん、私も楽しい)」
響「(幸せな食事風景だ)」
6 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:40:44.86 ID:IGs2B9CM0
響「(でも、もし今ここで私が突然粗相をしたら)」
響「(みんなはどんな反応をするのだろうか?)」
響「(慌てる? 親切に掃除をしてくれる? 戸惑う?)」
響「(楽しい時間を中断されて、少し悲しい気持ちになる?)」
響「(それとも私を心配してくれる?)」
響「(私は? 私は恥ずかしがる? 濡れた衣服と下着が気になって不快になる?)」
響「(泣く? みんなに申し訳ない気持ちになる?)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
7 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:44:22.87 ID:IGs2B9CM0
雷「暁、クッキーなんて作れたのね」
暁「ふふん、すごいでしょ!」
電「美味しそうなのです!」
響「・・・・・・」
8 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:48:57.52 ID:IGs2B9CM0
響「(あぁ、確かに美味しそうだ)」
響「(暁はすごい、一生懸命頑張ったのだろう)」
響「(心からそう思っている、そう思って当然なのに)」
響「(なのに、私は・・・)」
響「(何故か自分の思っていることとは正反対の)」
響「(思ってもいない感情が頭に過ってしまう)」
響「(不味そうだ、失敗すれば良かったのに・・・と)」
響「(どうしてだろうか? 本当にそんなこと思っていないのに・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
10 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:50:43.49 ID:IGs2B9CM0
『夜 第六駆逐部屋』
暁「...zzz」
雷「...zzz」
電「...zzz」
響「・・・・・・」
12 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:55:23.04 ID:IGs2B9CM0
響「(夜寝る前の妄想も欠かせない)」
響「(もし私が明日の遠征で大活躍したら?)」
響「(轟沈の危機に陥りそうな電を間一髪で助けたとしたら?)」
響「(一体どうなるんだろう?)」
響「(電は泣いて私に感謝してくれるのだろうか?)」
響「(暁達も安心して、もっと姉妹の絆が深まるのだろうか?)」
響「(司令官は褒めてくれるのだろうか?)」
響「(私は1人、嬉しさに身を震わすのだろうか?)」
響「(楽しいな・・・楽しいな・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・そろそろ眠気がきた)」
響「(明日の夜は、どんな妄想をしようか)」
響「(楽しみだなぁ・・・楽しみだなぁ・・・)」
13 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 22:58:36.52 ID:IGs2B9CM0
響「・・・・・・」
暁「響? 顔色が悪いけど大丈夫?」
響「・・・・・・」
暁「どうしたの? 具合悪い?」
響「いや、大丈夫・・・」
暁「そう・・・無理はしないでよね?」
響「うん」
響「・・・・・・」
14 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:02:38.03 ID:IGs2B9CM0
響「(今日は嫌な1日になってしまった)」
響「(いつもの日常だったのに、アレが来てしまった)」
響「(ときどき、突然ふと嫌なことを思い出すときがある)」
響「(それも、中々頭から離れずに、ものすごくイライラしてしまう)」
響「(心臓の辺りがグーッと締め付けられるような感じがして気分が悪い)」
響「はぁ・・・はぁ・・・!」
響「(今日は我慢しよう・・・夜になったら早く寝てしまおう)」
15 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:05:26.24 ID:IGs2B9CM0
『翌日』
響「・・・・・・」
響「(やっぱりまだ気分が悪い)」
響「(いくら睡眠をとっても、楽しいことをしても)」
響「(1度こうなってしまうと中々気分は晴れない)」
響「(あと3〜4日は続くだろう)」
響「・・・・・・」
響「・・・ダメだ、辛い」
響「アレを使うか・・・」
16 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:12:21.16 ID:IGs2B9CM0
響「」ゴクゴク
響「はぁ・・・」
響「・・・・・・」
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18 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:16:37.30 ID:IGs2B9CM0
響「(あの後、昼寝をしたらすごく気分が良くなった)」
響「(これで元通りだ)」
響「(やっぱり嫌なことを思い出すと気分が悪い)」
響「(これでしばらくは大丈夫だろう・・・)」
響「(・・・・・・)」
22 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:26:52.27 ID:IGs2B9CM0
『洋上』
暁「喰らいなさい!」ズガァァーーン
雷「電! そっちは任せたわ!」ズガァァーーン
電「なのです!」ズガァァーーン
駆逐棲姫「イッターイ!」グス
響「・・・・・・」ズガァァーーン
24 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:30:48.50 ID:IGs2B9CM0
響「(今ここで私が死んだらどうなるんだろう?)」
響「(みんなは悲しんでくれるのだろうか?)」
響「(司令官は? 鎮守府のみんなは?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・いや、考えるのは止そう)」
響「(それだと面白くない)」
響「(だって、私が好き勝手にできなくなってしまうから)」
響「(・・・?)」
響「(私は妄想を楽しんでいる・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
25 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:32:54.56 ID:IGs2B9CM0
『食堂』
暁「響がボルシチ作ってくれるって!」
雷「楽しみね!」
電「なのです!」
響「」トントン
26 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:35:33.23 ID:IGs2B9CM0
響「」トントン
響「」トントン
響「っ!」カラン
響「・・・・・・」
ポタ ポタ・・・・・・
響「指を切ってしまった」
響「・・・・・・」
響「・・・・・・・・・」
響「血・・・」
27 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:37:22.06 ID:IGs2B9CM0
響「(私達艦娘には、人間と同じ血が流れている)」
響「(私にも、暁達にも・・・)」
響「(傷をつければ、血が流れてくる)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・そうだ)」
28 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:41:20.19 ID:IGs2B9CM0
響「」チラ
暁「」グゥ〜
雷「ちょっと! 大人のレディーがはしたないわよ!」
暁「仕方がないでしょ! ちゃんと胃腸が機能している証拠よ!///」
電「ふふ」クス
響「・・・・・・」
包丁『』
響「・・・・・・」
響「(今私は、包丁を持っている)」
響「(非常に切れ味の良い包丁だ)」
響「(今)」
響「(ここで)」
響「(みんなを殺したら)」
響「(どうなるんだろう?)」
29 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:46:04.13 ID:IGs2B9CM0
響「(みんなは痛がるのかな?)」
響「(必死に命乞いをするのかな? 困惑するのかな?)」
響「(やめてぇ! と、叫ぶのかな?)」
響「(騒ぎを聞いて駆け付けた司令官や鎮守府のみんなは)」
響「(私を必死に止めるのかな?)」
響「(私はずっと気になっていた正体を掴むことができて、喜ぶのかな?)」
響「(それとも悲しむのかな? 興奮する? とてつもない喪失感と罪悪感を得る?)」
響「(どうなるのかな? どうなるのかな?)」
30 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:48:30.50 ID:IGs2B9CM0
響「(て、手が震えてきた・・・!)」ガタガタ
響「(い、いつも私を気にかけてくれた暁)」
響「(しっかり者の雷)」
響「(優しい電)」
響「(みんな、わ、私の大事な姉妹)」
響「(愛している)」
響「(でも気になる)」
響「(き、気になって仕方がない・・・!)」
31 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:53:25.27 ID:IGs2B9CM0
響「はぁ・・・! はぁ・・・!」ドクンドクン
暁『痛い! 痛いぃぃぃぃっ!!』ポロポロ
響「はぁ・・・はぁ・・・!」ドクンドクン
雷『やめてぇぇぇぇっ!! いやぁぁぁぁぁっ!!』ポロポロ
響「ハァ! ハァ!」ドクン! ドクン!
電『』ドクドク
響「 は ぁ ・ ・ ・ ! ! は ぁ ・ ・ ・ ! ! 」バクバクバクバクバクバク
暁「響?」
響「!?」ハッ
32 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:54:44.08 ID:IGs2B9CM0
暁「大丈夫? すごい顔していたけど・・・」
響「だ、大丈夫だよ」
暁「そう? それなら良いんだけど」
響「・・・・・・」
響「ふぅ・・・」
33 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 投稿日:2015/04/17(金) 23:58:23.97 ID:IGs2B9CM0
響「(こんな妄想をしていても)」
響「(結局は理性が働いて、私は実際に行動に移すことができない)」
響「(いや、これで良いんだ)」
響「(これで・・・)」
響「(早くボルシチを作ってしまおう)」
響「(みんなの喜ぶ顔が見たい)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・でも)」
響「(やっぱり気になってしまう)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「( ど う な る ん だ ろ う ? )」
終わり