1 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 17:50:23.66 ID:SnLg+Lij0
暁「おまけに体を洗うのも週に2日だから・・・」
雷「いくら雷達が駆逐艦といっても」
電「汗をかいた後は、やっぱり臭うのです・・・」
暁「せめて香水でもつけてくれたら・・・」
雷「はぁ・・・どうにかならないかしら」
電「・・・なのです」
4 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 17:56:50.05 ID:SnLg+Lij0
暁「それにしても、響が最初にこの鎮守府に来たときはびっくりしたわね」
雷「えぇ、入渠のときに・・・」
電「浴槽の中に、いきなり石鹸を入れて体を洗い始めるだなんて」
暁「おまけにお湯を抜こうとして、栓を一生懸命探していたわね」
雷「まぁ、今はそんなことしなくなったけど」
電「・・・・・・」
暁「・・・お互い、姉妹だからこそ言いにくいことなのよね」
雷「雷達はまだ良いけど」
電「自分の家族が裏で陰口を言われるのは、正直辛いのです・・・」
暁「最近は暁達にも飛び火が・・・」
6 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:03:04.07 ID:SnLg+Lij0
響『・・・・・・』
弥生『』ヒソヒソ
望月『』ヒソヒソ
響『』
夕立『』クサイッポイーwww
春雨『』クスクス
響『・・・・・・』
島風『みんな酷い・・・! 揃いも揃って陰口なんて・・・!』
天津風『ほんと、なんとかならないかしら・・・あの人に相談してみましょう』
響『』グス
7 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:12:12.38 ID:SnLg+Lij0
暁「・・・ってことがあって」
雷「そのとき、たまたま雷達も見ちゃったんだよね」
電「響ちゃん、可哀相なのです・・・」
暁「・・・・・・」
雷「・・・あ、響から聞いたんだけど」
響『え? なんでお湯を全部抜こうとしたかって?』
響『日本では、みんなが同じ湯船に体を浸からせることを、ごく当たり前にしているけど』
響『ソビエトでは、それはちょっと衛生的に抵抗感のあるものなんだ』
響『それに、日本では水道料金は基本料と従量加算で計算されるけど』
響『ソビエトでは基本料はとられるけど、それ以上に水道料金が請求されることはないんだ』
響『だから、思いっきり水が使えるんだ』
響『もちろん、水が豊富ってわけじゃないけど』
響『そういう習慣だったから・・・』
雷「・・・って言っていて」
暁「そんなことがあったの」
電「文化の違いなのです」
響「あれ、みんなどうしたの?」
暁「」ビク
雷「あ・・・」
電「響ちゃん・・・」
8 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:16:24.29 ID:SnLg+Lij0
暁「響・・・お願いだから、毎日暁達と一緒にお風呂に入りましょう?」
暁「髪なら痛まないように、優しく洗うから!」
雷「ほ、ほら、やっぱり汗かいた後って、ベタついて気持ち悪いでしょ?」
電「せ、石鹸は良い匂いなのです!」
響「・・・嫌だ」
暁「響! どうしてお姉ちゃんの言うことが聞けないの!?」
暁「みんなが普通にしていることでしょ!? 入るったら入るの!」
雷「ちょ、ちょっと落ち着きなさい!」
電「はわわ・・・!」
響「・・・・・・」
9 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:23:50.08 ID:SnLg+Lij0
響「・・・みんな」
響「気持ちはわかるけど、どうしても直らないんだ」
響「ソビエトでは、皮膚は自らの脂分に守られている状態であるべきで」
響「毎日お風呂に入って、石鹸でキレイに洗ってしまうものではないと、一般的に考えられているんだ」
響「髪も同じで、地肌の脂分が奪われてしまって」
響「毛髪も傷んで、切れ毛や抜け毛の原因になると考えられているんだ」
響「簡単に言えば、ハゲる原因になるってことかな?」
響「だから、本当は体を洗うのも」
響「1週間に2回は、洗い過ぎなくらいなんだ」
暁「でも不潔じゃない!」
響「!?」
雷「ちょ、ちょっと!」
電「暁ちゃん! 言い過ぎなのです!」
暁「あ・・・」
響「」グス
10 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:27:24.57 ID:SnLg+Lij0
暁「・・・響」
暁「郷に入っては、郷に従えって言葉知ってる?」
暁「響が戦後過ごした国の文化も、もちろん大切だけど」
暁「ここは日本なの」
暁「キツいことを言うようだけど、いい加減慣れるべきだわ!」
響「うっ・・・うぅ・・・」ポロポロ
電「・・・・・・」
雷「・・・・・・」
13 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:39:38.64 ID:SnLg+Lij0
暁「最近は、少しずつ改善してきているんだから」
暁「暁達と一緒に頑張りましょう?」
暁「前なんて・・・」
響『ふぅー・・・良い湯だった』スタスタ
暁『ちょっと響!? バスタオルで体拭いてから移動して!』
響『どうして?』
暁『床が濡れちゃうでしょ!』
響『私は気にしないよ』ガラ
暁『みんなが気にするの! って!』
暁『待ちなさいよ! どこに行くの!?』
― 食堂 ―
提督『ふむ、このレアチーズケーキ美味いな』モグモグ
響『うん、お風呂上がりのクワスは特別だね』ゴクゴク
提督『』ブーーーッ
提督『響! 全裸で食堂に来るんじゃない!』
響『どうしてかな?』
提督『目のやり場に困るからだ! 君はもっと恥じらいを持ちなさい!』
響『私は気にならないよ。どうして暁達はそんなにピリピリしているんだろう?』
提督『せめてバスタオルを体に巻きなさい! あーあ、床がビシャビシャ・・・』
暁『響ーっ!』
暁「・・・こんなこともあったけど」
暁「折角今はしなくなったんだから」
暁「本当にもう少しよ? 頑張りましょう?」
雷「暁・・・」
電「暁ちゃん・・・」
響「暁・・・」
15 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 18:48:45.33 ID:SnLg+Lij0
暁「響は折角そんなに綺麗な銀髪を持っているんだから」
暁「いつも清潔にして、手入れをしましょう?」
暁「暁の妹なんだから」
暁「立派な大人のレディーにならないと、許さないんだからね!」
雷「そうそう、後体もちゃんと洗って!」
電「特に足と腋の下と耳の裏は・・・」ボソ
雷「電!」ゴチン
電「はうぅぅ・・・」
響「みんな・・・そんなに私のことを・・・」
那珂「あれ? みんなで何しているのー?」
暁「」ビク
電「」ビク
雷「」ビク
響「・・・・・・」
那珂「って、うわ・・・」
那珂「臭いのがいんじゃん、マジ最悪ー・・・」ボソ
響「!?」
響「」ジワ
響「」ポロポロ
響「・・・っ!」ダッ
暁「ひ、響!」
雷「追わなきゃ!」
電「は、はわわ・・・!」
那珂「wwwwwwwwwwwww」
22 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 19:21:19.64 ID:SnLg+Lij0
― 提督室 ―
暁「・・・で、ここにいたわけね」
雷「本当に司令官が好きなんだから・・・」
電「司令官さんの膝に座って・・・羨ましいのです・・・」
響「」グス
提督「(うっ・・・少し臭う・・・)」
提督「・・・なぁ、響」
提督「君は本当に良い姉妹を持ったな」
提督「みんなが本気で君のことを心配してくれている」
提督「批判なんてしない、偽りのない気持ちだ」
響「・・・・・・」
提督「君の気持ちはわかる。だが」
提督「暁達も、いつも君のことを心配しているんだ」
提督「どうか、毎日お風呂に入ってくれないかな?」
響「・・・・・・」
提督「それに、折角美人さんなんだから」
提督「良い匂いでいようよ? な?」
響「・・・・・・」
暁「響・・・」
雷「・・・・・・」
電「・・・なのです」
23 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 19:27:10.95 ID:SnLg+Lij0
響「・・・・・・」
響「・・・わかったよ」
暁「響!」
響「ちょっと慣れるまで時間がかかるかもしれないけど」
響「みんな、一緒に手伝ってくれる?」
暁「当たり前じゃない!」
雷「任せなさい!」
電「みんな、響ちゃんの仲間なのです!」
響「みんな・・・」ウル
響「・・・・・・うん!」
響「Спасибо! (ありがとう!)」ニコ
暁「(天使だわ)」
雷「(天使ね)」
電「(天使がいるのです)」
提督「(天使だ。可愛い)」
25 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/02/15(日) 19:33:10.70 ID:SnLg+Lij0
提督「うぬ、やはり暁型姉妹はみんな仲良しなのが一番だな!」
提督「これで、一件落着かな?」
電「あ、司令官さん、ちょっと相談が・・・」
提督「ん? 何かな?」
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電『川内型軽巡洋艦3番艦の那珂さん、至急工廠に来て下さいなのです』キーン
那珂「ん? なんだろう?」
ガン!! ガン!! ガン!!
――― 終 ―――