夕立lv150「提督さん帰って来ないね」時雨lv150「…うん」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:27:43.03 ID:pM9+HulGo


夕立「今日も帰って来ないっぽい?」

時雨「…そうだね」

夕立「んー、今日で1週間かぁ…提督さんどこいっちゃったのかな?」

時雨「…きっと、とても大事な用事があるんだよ」

夕立「そうなのかなぁ」


―――― ジリリリリリリリ


時雨「…電話だね」

夕立「うぇーまたー?」


―――― ガチャ


時雨「…はい、……はい、分かりました」

夕立「また演習依頼?」

時雨「うん、相手は新しく着任したばかりの提督みたいだね」

夕立「ねぇ、こっそり艦隊組み直しちゃだめなの?」

時雨「…僕たちにそんな権限はないよ。さぁ、いこう夕立」

夕立「うー」

3 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:29:41.81 ID:pM9+HulGo


新人提督「今日はよろしくお願いします…えーと、元帥殿はどちらに?」

時雨「…すみません、所要で出かけていまして」

夕立「……」

新人提督「あぁ、そうでしたか。では…お手柔らかにお願いしますね」ニヤッ


金剛「くー、腕が成るネー!」

扶桑「相手は…二人、かしら?」

吹雪「で、でもすごい錬度です」

山城「不幸だわ…」

天龍「へっ、その方が手応えがあっていいじゃねえか」

赤城「相手が誰であっても、全力を尽くすだけです」


新人提督「…演習開始!」


5 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:32:09.25 ID:pM9+HulGo


――――ガチャッ


夕立「あーもう!悔しいっぽいいいい!」ウガー

時雨「……」

夕立「あっちは適当に弾幕張ってるだけなのに、なんでこっちの負けになるの!?」

時雨「…仕方ないよ、相手を大破させた数が上でも、艦隊が壊滅したら負けってルールだから」

夕立「納得いかないっぽいいい!」バタバタ

時雨「…そうだね」


時雨「……本当に」


6 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:35:02.18 ID:pM9+HulGo


「なぁ、聞いたか?あの鎮守府の話」

「あぁ、例の楽勝元帥殿のとこだろ?うちも戦わせてぇなぁ」

「マジそれな、でももう依頼入り過ぎて一日10回までだって本営が決めちまったからなぁ…」

「あー早く順番こねぇかなー」


7 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:40:17.87 ID:pM9+HulGo


『度重ナル敗北ニツキ、大佐二降格スル』


時雨「……」ビリッ


――――スタスタ


陸奥「…流石にボードゲームも飽きてきたわねぇ」

長門「訓練場でも行くか?」

陸奥「んーそうねぇ、今の時間だと他の子でいっぱいだし、止めておくわ」

長門「…なら、私は少し辺りを哨戒してこよう」

陸奥「あら、だったら私も付き合うわ。その方が気分も紛れるもの」


時雨「……」


8 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:48:30.59 ID:pM9+HulGo


――――ザワザワ


時雨「……?」


吹雪「…撤回してください。本心でなくても、司令官が私たちを捨てただなんて」

曙「ふ、ふんっ!だって本当のことでしょう?あのクソ提督が一ヶ月鎮守府にいないのよ?それ以外にないじゃない!」

吹雪「司令官はそんな無責任な方じゃありません」

曙「だったらなんで!」

潮「曙ちゃん…」

曙「!」

吹雪「…司令官は、私たちを、見捨てたりしません。私が、一番知ってるんだから…」ポロ…ポロ

曙「……私、だって」


時雨「……」

青葉「最近よくあるんですよね…駆逐艦や軽巡の子たちの喧嘩」

時雨「……」

青葉「司令官から連絡とかは?」

時雨「…」フルフル

青葉「そうですか…連絡があったらすぐに知らせてください。こんな鎮守府、もう見ていられませんし」

時雨「…うん」


11 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 20:59:05.64 ID:pM9+HulGo


――――ミーンミーン

時雨「…」

龍驤「…なんや、やっぱりここにおったんか」

時雨「演習?」

龍驤「んや、夕立が探しとったで。まぁたぶんここやと思っとったけどな」

時雨「…ありがとう、夕立は今どこ?」

龍驤「食堂や、…まだ待っとるんか?」

時雨「…うん」

龍驤「そっか」

時雨「じゃあ…行くね」


――――バタン


龍驤「…ほんま、どこいったんや。あんなええ娘残して」


13 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 21:01:13.03 ID:pM9+HulGo


――――ガチャ


白露「時雨?あ、やっぱりいた!」

時雨「どうしたの?」

白露「お風呂空いたから伝えに来たんだけど…また提督のお部屋の掃除してたの?」

時雨「うん、掃除しないと埃っぽくなるしね。ありがとう、じゃあ入ってくるね」

白露「はーい、ゆっくりしてきてね」


白露「時雨は偉いなぁ…あれ?これって、提督の私服?」

白露「片付け忘れかな?戻しとこっと」

15 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 21:15:53.91 ID:pM9+HulGo


時雨「ただいま、提督」

時雨「ごめんね、久しぶりに演習があったんだけど、負けちゃった」

時雨「…うん、僕は大丈夫だけど、夕立がもう限界かもしれない」

時雨「身体はドッグで治せるけど、心はどうにもならないから…」

時雨「もうすぐクリスマスだね、今年は僕も那珂さんと一緒にサンタをやろうと思うんだ」

時雨「他にも漣や龍驤さんも着るんだって、試着を見たけど皆可愛かったなぁ」

時雨「…提督はエッチだから、きっと変な目で皆を見ただろうし、あの場所にいなくて良かったかも」

時雨「あと、そういえば―――」


――――ガチャ


村雨「時雨いるの…ってやだ、真っ暗じゃない」パチ

時雨「…あぁ、村雨か。どうしたの?」

村雨「どうしたのじゃないわよ、こんな真っ暗な部屋で暖房も付けずに何を…」

時雨「…あれ、なんだろ。よく覚えてないや」

村雨「もう、しっかりしてよ。ただでさえ夕立が不安定で大変なのに」

時雨「…ごめん、すぐ、戻」フラッ


――――ドサッ


村雨「…え、時雨?時雨!?ねぇ、ねぇってば!時雨!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:46:19.46 ID:pM9+HulGo


時雨(暗いなぁ…なんでこんなに暗いんだろう?)

時雨(それに、とても寒い。なんでこんなに寒いんだろう?)

時雨(おかしいな、去年の冬は全然寒く無かったのに)

時雨(特に手が、とても冷たい)

時雨(…凍えそうだ)


21 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:46:48.48 ID:pM9+HulGo


時雨(なんだか、感覚が遠くなっていく)

時雨(さっきまであんなに寒かったのに、何も感じない)

時雨(もしかしたら、これが)

22 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:47:52.14 ID:pM9+HulGo


龍驤「時雨が倒れた!?」

村雨「…はい、今妖精さんに見てもらっているんですが…」

青葉「身体には特に異常は見られないらしいです。おそらく、精神的なものかと…」

龍驤「…くっ、なんで気づかんかったんや。夕立が不安定で、時雨が大丈夫な訳ないのに」

村雨「…こんな時、提督がいてくれたら」

龍驤「…今おらんやつのことを期待しても意味ない、とにかくこのことは内密にな」

青葉「ようやく皆さん落ち着いてきましたからね…上手くやるしかないでしょう」

村雨「…あぁ、夕立にはなんて言ったら…」


「あれ?お前らそんなとこで何やってんの?」


「「「!?」」」


23 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:48:28.42 ID:pM9+HulGo


時雨(……?なんだろう、声が聞こえる)

時雨(聞きなれたような、そうでもないような)

時雨(それに…すごく温かい)

時雨(これなら、起きれるかもしれない)


――――この温もりの先に


24 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:49:05.56 ID:pM9+HulGo


提督「時雨…頼む、時雨、時雨…」ギュッ

時雨「――――ていとく?」

提督「時雨!?大丈夫か?頭とか体とか痛いところはないか?あぁそうだ医者、じゃない妖精さんを!」ギュー

時雨「だ、大丈夫だよ。というより痛いよ提督、手、手!」

提督「え?あ、あぁすまん」パッ

時雨「もう、そんなに慌ててど……」

提督「……時雨?どうしたやっぱどこか具合が」オロオロ


25 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:49:37.81 ID:pM9+HulGo


時雨「……」

提督「……」

時雨「提督?」

提督「は、はい」

時雨「……」ガシッ

提督「うおっ」ビクッ

時雨「……」ペタペタ

提督「あ、あの…」

時雨「……」スンスン

提督「時雨さん!?」


26 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:50:18.32 ID:pM9+HulGo


時雨「……」ブワッ

提督「!」

時雨「…あ、あぁ、う…あぁ」

提督「し、時雨…」

時雨「ていとく、提督!良かっ、戻って来て…」

提督「う、うん。いろいろあって、半年も帰って来れなくてすま」

時雨「ひぐっ、良かったよぉ…提督、提督!」

提督「あ、ああああああごめんよ時雨ぇぇぇぇぇぇ!!!」ガバッ


28 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 22:59:58.67 ID:pM9+HulGo


龍驤「…はぁ、なんかもう怒る気もなくなってきたわ」

青葉「んふふふ、これはいい記事が書けそうです!鎮守府中に流してきますね」ピュー

龍驤「ちょ、空気呼んでしばらくは……おらん」

村雨「うぅ…でも良かった、これで一安心ね」

龍驤「…あー、まぁ、そうやな(遠い目)」


その後、提督が一部の艦娘から温かいおかえり(物理)を受けたのは言うまでもない

                                                           艦!!

31 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2015/01/23(金) 23:11:40.46 ID:pM9+HulGo


前に書いてて途中で萎えたやつを掘り出して加筆してみた

たまにはログインしてあげてくださいね

白露の改二はよ



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