【艦これ】とある那珂ちゃんのおはなし


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1 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 04:35:49.36 ID:Lmhq/5Qw0


突発的に思いついたものをゆっくり書いていきます。
前に書いた艦これのもの【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406217601/】

ぶっちゃけ出だしだけ思いついたので結末まで決まってないです。


2 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 04:39:25.95 ID:Lmhq/5Qw0


○○鎮守府というところに、那珂ちゃんという艦娘さんがいました。
いろんな鎮守府に、いろんな艦娘さんがいます。
沢山の個性を持っています。
提督さんによっては、一人の艦娘さんを何人も連れています。

「愛ゆえに」ということなのでしょうか。

那珂ちゃんは、みんなのアイドルです。
皆に優しいアイドル、かわいい女の子です。
彼女の提督さんも、那珂ちゃんが大好きでした。

3 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 04:45:30.26 ID:Lmhq/5Qw0


那珂ちゃんをリーダーに、たくさんの艦娘さんが、海に出ます。
敵をやっつけて、怪我をしたらゆっくりお休みします。
この那珂ちゃんは、ホントは敵も味方も、自分のファンになってくれればいいなと思っていました。

「那珂ちゃんのアイドルパワーでみーんな、幸せになればいいのになぁ」

そんなことを思って、毎日を過ごしていました。

ある日、提督さんが艦娘さんと歩いているのを見かけました。

「あれ?誰だろ…見覚えあるなぁ、あの服」

一瞬見えたのは、かわいいオレンジ色の服。

「あ、もしかして神通ちゃんとか川内ちゃんが、新しい仲間になったのかな?」

そう思い、こっそり後をつけてみました。



4 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 04:50:48.44 ID:Lmhq/5Qw0


てくてく、てくてく歩いていくと、気が付けば普段、提督さんが「来ちゃいけないよ」と
念押ししている場所でした。

「な、なんでこんなところに来るんだろう?」

そう思って顔をのぞかせた時、中ちゃんはとっても驚きました。
提督さんの横にいた子の髪は、お団子頭に、ふた房ぴょこんとはねた特徴的なもので
毎日、那珂ちゃんが鏡で見ているものと、同じだったのです。

「え…?」

提督さんと、もう一人の那珂ちゃんが入っていった部屋の奥は見えませんでした。
でも、部屋に備え付けられていたドアプレートには、こう書かれていました。


『解体室 ※関係者以外立ち入り禁止』


6 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 04:56:19.93 ID:Lmhq/5Qw0


艦娘の、解体。
それはどんなことなのか、彼女たちはよく知りません。
其処の部屋に入って、出てくるのは提督さんだけなのですから。
でも、解体というのは、とてもさみしいことだと、那珂ちゃんは考えていました。

なんだかとっても怖くなって、那珂ちゃんは道を引き返しました。
涙が出てくるのはなぜなのでしょう、那珂ちゃんはなんで自分が泣いているのか、よくわかりませんでした。

そうしていると、別な提督さんと、別な艦娘さんの会話が聞こえてきました


「また那珂かよ……いい加減…」

「どうしますか?近代化改修に回しますか?」

「今はそれよりも、こいつ解体に回すわ…ったく」



那珂ちゃんは、とっても悲しいのに、涙も出なくなりました。


7 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:00:19.70 ID:Lmhq/5Qw0


「提督、そういえば、さっき新しい子入ったよね?あの子は?」

那珂ちゃんはアイドルです、だから、どんなにつらくても、笑顔を作るのは得意でした。

「ああ、既にいた子だったってのもあってね、『解体』したんだ」

アイドルだから、動揺だって隠せます。

「ふぅん、どんな子だったの?教えてよ〜っ」

「ないしょだよ、あ、そうだ、明日は一日休みだよ、資材がちょっと厳しいからね」

那珂ちゃんは、どうしていいのか、わからなくなってしまいました。

8 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:05:46.40 ID:Lmhq/5Qw0

気が付けば、艦隊に、戦艦や重巡洋艦もたくさん増えてきました。
でも、この提督さんは、ずっと那珂ちゃんを旗艦にしてきました。

ある日のこと、那珂ちゃんは提督さんに頼まれました。

「那珂ちゃん、ちょっと書類仕事が立て込んでてね、新しく建造された子を迎えに行ってあげてくれ」

「いいよー!ってアイドルに仕事押し付けないでよね〜!きゃは♪」

そんな風に茶化して、彼女は建造された子を迎えに行きました。

扉を閉じる前に聞こえた「建造時間が……だからできるのは…」という言葉は、聞こえないふりをしました。


「おっそーい!、ってあれ?提督じゃない?」

黒いリボンを頭につけた、ちょっとえっちな服装の駆逐艦の女の子。

彼女は名前を、「島風ちゃん」というそうです。

9 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:09:19.88 ID:Lmhq/5Qw0

島風ちゃんは、ちょっと不思議な子でした。
他の艦娘さんとは、あまりお話をしません。
いっしょにいる「連装砲ちゃん」という子たちと一緒におしゃべりをしています。
出撃するとき一緒でも、あまりお話をすることはありませんでした。

那珂ちゃんは、そんな島風ちゃんが心配でした。

ある日のこと、那珂ちゃんはお散歩をしてました。
特に理由はありません、出撃が無くて暇だっただけなのです。
ふと、見覚えのある通路に差し掛かりました。

「…あ、ここ」

解体室へとつながる、薄暗い道。
嫌なことを思い出してしまったな、と、足早に去ろうと踵を返したら、
ごつん、と横から誰かがぶつかりました。


10 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:16:51.87 ID:Lmhq/5Qw0

「おぅっ」という、ちょっと特徴的な悲鳴を上げて
涙目でこちらを見ていたのは、島風ちゃん。

「あ、や、やだ…な、泣いてないもん!」

そうやって目をごしごしとこする島風ちゃん、なんだか心配になった那珂ちゃんは
自分のお部屋に島風ちゃんを連れて行きました。

「やだ、なんであんな暗いとこいくの?」
「解体って、やだ、なんで?わかんない」
「私、あんまりみんなと仲良くしないけど、あそこに連れてかれる子もいるの?」
「貴方は那珂だよね?さっき連れてかれたのも那珂だったよ?」
「わかんない、私わかんないよ……」

那珂ちゃんは、彼女も自分と同じように不安になってしまったんだな、そう思いました。
頭をなでなですると、ちょっと顔をかあら目て、むっとした表情を見せたけど、
安心したみたいで、何処か眠たそうでした。

「島風ちゃん、今日は島風ちゃんもお休みだったよね、一緒にお昼寝しよう?」

那珂ちゃんは、島風ちゃんを一人にしたくありませんでした。
これからは、ずっと一緒にいよう、そう決めました。

11 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:23:03.74 ID:Lmhq/5Qw0

それからは、出撃も、お休みも、那珂ちゃんと島風ちゃんは一緒でした。
二人はとっても仲良しで、ずっと一緒だよ、と約束をしました。

ある日提督さんは言いました。
「島風ちゃんもちょっと強化したいね、そうだ、島風ちゃんを一時的に旗艦にしよう。
 島風ちゃんを頼んだよ、那珂ちゃん」

島風ちゃんを旗艦に、他にも艦娘さんを連れて、ちょっと手ごわい海域に挑むことになりました。
他の艦娘さんからすればとっても厚遇に見えるでしょう。
でも本当は、何度も何度も高速修復材を使っているんです。

「愛情の裏返し、いつでも一緒にいたいから」

提督はそういいます、でも、できる限り負担にならないように、
那珂ちゃんは、島風ちゃんが一番活躍できるように、頑張っていました。

12 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:28:55.22 ID:Lmhq/5Qw0

提督が言うから、頑張れるというのもありました。
あと少しで海域のボスまでたどり着く。
那珂ちゃんは、既に大破していました。

「やだ、提督、帰ろうよ」
島風ちゃんは提督さんに言いました。
「あと一回勝てば島風ちゃんもレベルが上がるし、那珂ちゃんともケッコンできるんだ…あと、あと少しなんだ」
提督さんの耳には、誰の声も届きませんでした。

那珂ちゃんはボロボロな体を引きずって、ボスに挑みました。
何とか被弾をしないですんでいました、敵は後は、戦艦ただ一人。
あと一歩のところです、でも、仲間も、島風ちゃんも、提督に言いました。

「もう那珂は限界だよ!帰ろう!?帰ればまたここまで来れるよ!那珂も限界だよ!」
「あいつさえ、あいつさえ倒せば…あいつだけ残すのは、嫌だ!」

提督は、うわ言のようにつぶやいています。

彼が出した決断は、「夜戦突入」でした。

13 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:33:02.22 ID:Lmhq/5Qw0

結果はとても、散々なものでした。

「やだ…一人にしないって、言ったじゃん」

那珂だけじゃない、旗艦である島風以外も、大破していたのです。
結果、島風だけが残る形で、敵旗艦を轟沈させました。

敵の一撃をかばったのは、那珂だったのです。

島風を護るために、その身に重い一撃を受けたのです。

「あの暗い部屋で終わるより、誰かを護れたなら、えへへ、よかったな」

そう言い残して、彼女は海の底に沈みました。

彼女たちは、海の底に、沈んだのです。

14 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:38:18.06 ID:Lmhq/5Qw0

そんな判断を下した提督に、誰もついていくはずがありませんでした。
彼は司令官としての立場を捨てて、行方知れずとなってしまいました。

一時的に、別な提督預かりとなった島風は、なんとなく海を眺めていました。

「……解体された那珂って、ほんとはあの那珂じゃなかったのかな」

ふと、そんなことを考えました。

「もしかして、全員の記憶は繋がってて、解体された時だけ都合よく記憶がいい感じになるんじゃないかな」

そんなことを、考えてしまいました。

「沈んだ時、あの暗い部屋って言ってた、きっと見たことあったんだね」

「だから、私があの部屋観て、不安だったの、心配してくれてたんだね」

15 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:45:15.41 ID:Lmhq/5Qw0

島風は、とある新人提督のもとに預けられることになりました。

提督のレベルが彼女を追い越すまでは、旗艦、秘書艦というよりは、アドバイス係です。
加勢はしない、という約束で、一緒に何度か出撃したこともあります。

そんなある日、海を漂う一人の艦娘を見つけました。

お団子頭に、ふた房の特徴のある髪の毛。

「あ、提督さんだ!那珂ちゃんだよー!よっろしくぅ!」

新人提督の新しい仲間、那珂。
島風は、なんだかちょっぴり切ない気持ちになりました。
彼女は責任を持って自分が強くしよう、そう考えました。
ふと、那珂と目が会いました、こっちに歩いてきて、一言。
「一人にしないって約束したからね、ただいま!」
そういいました。
その言葉の意味は、他の艦娘や、提督にはわかりませんでした。
でも、島風だけは、その意味を理解しました。
だから、こう返しました。
「早く私に追いついてよね!てか、帰ってくるの、おっそーい!」


16 名前: ◆R7dLXvXtnU[saga] 投稿日:2014/07/28(月) 05:51:57.10 ID:Lmhq/5Qw0

無理矢理すぎるハッピーエンドでごめんなさい。
最近建造してもなかなか那珂ちゃんに会えずにむしゃくしゃしてた。
那珂ちゃんは那珂ちゃんと一緒に近代化改修してます。
あと島風のリボンと那珂ちゃんのアホ毛にシンパシー感じたのでいっしょにしたかったんです。

考えてた構成としては
もうボロボロになった那珂で、最後の出撃のあたりで撤退→島風に近代化改修→艦隊のアイドル島風だよ!みたいなのに
試用と思ってたんですけど、慢心提督になってました。

あと最初は島風じゃなくて雪風にしようとも思ってました、でも雪風だと展開がつらすぎる気がしたので
島風、ごめんなさい島風。


取りあえずHTML化依頼を出して寝ようと思います。


気が向いたらですが、前のSSでも言ってましたが、簡単な1レス小ネタみたいなのでスレ建てたいと思います。
厚かましいですがこんなネタが見たいみたいなのあったら
その時書けたらな、と思ってます。



【艦これ】とある那珂ちゃんのおはなし <おしまい>

20 名前: ◆R7dLXvXtnU[sage] 投稿日:2014/07/28(月) 11:11:14.47 ID:Lmhq/5Qw0

最後にちょっとだけ言いに来ました

那珂ちゃんかわいいやろ!!!艦隊のアイドルやろ!!!
メンテ中遠征行ってもらってるけど那珂ちゃん巡業も大事だからな!!
川内も神通も可愛いよ!?でも那珂ちゃんの初見のキュートっぷり半端ないんだぞ!
あれだからな!那珂ちゃんが建造でいっぱい出るのは「もっと私を見て」ってことなんだって
思ってやればめちゃくちゃ那珂ちゃんが天使に見えてくるから!!メンテ開けたら那珂ちゃんと
向き合って見詰め合って解体なりなんだりするがよろしい!

あっでも一番かわいいのは金剛です



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