1 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 17:21:34.35 ID:U6SQ9gWw0
博士「そうじゃのぉ…」
灰原「悪かったわね？心が弱くて！」
コナン「ゲッ灰原！」
灰原「そういうあなたも繊細なところが…って、そういえばないわね」
コナン「あぁ…」
博士「そういえば小さいころから新一は強かったからのぉ」
コナン「そうかぁ？」
博士「あぁ。あ、そろそろ時間じゃ」
コナン「え？どこか行くのか？」
博士「そうじゃ！今から博士同士の研究会をするんじゃ！！じゃあ、留守番頼んだぞ！」ガチャッバタンッ
コナン「博士がねぇ…」
灰原「…でもあなたって…」
コナン「ん？」
灰原「何があっても泣かない気がするわ」
コナン「そうかぁ？」
灰原「そうよ…」
でも、この時から嫌な予感がしていた…
−−名探偵の傷ーー
3 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 17:32:06.06 ID:U6SQ9gWw0
翌日
コナン「おはようお前ら！」
みんな「おはよう！」
灰原「おはよ」
コナン「おぅ！！」
高校生男「ったく！お前また馬鹿したんだろ？」
高校生女「馬鹿って何よ！？竜こそ馬鹿でしょ！？」
高校生男「うっせぇお前に言われたくねぇよ！」
高校生女「んだとぉ！？一発くらえ！」バシッ
高校生男「てめぇええええええええ！！」
ギャーギャー ワ〜ワ〜
灰原「仲良しね。あの二人。まるであなたと…」チラッ
コナン「……」
灰原「工藤君？」
コナン「あ、いや…」
灰原「……」
コナン「なぁ灰原…」
灰原「何」
コナン「薬くれねぇか？」
灰原「ハァ！？」
歩美「？」
元太「どうしたんだよ？」
光彦「？」
灰原「あ、あぁああああ！！忘れ物したみたいだから！先に行ってて！」
歩美「う、うん…？」
4 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 17:45:00.33 ID:U6SQ9gWw0
灰原「みんな行ったみたいね」
コナン「あぁ…」
灰原「で？あなた、何考えてるの？」
コナン「何って…元に戻りてぇんだよ」
灰原「ちょっと？どうせあの高校生二人を見て元の体が恋しくなったんだろうけど、ダメよ」
コナン「なんでだよ！？」
灰原「当り前じゃない！？あなたの体がもたないわ！あなたちょっと元に戻りすぎよ？」
コナン「戻りすぎ！？全然戻ってねぇだろ？」
灰原「ちょ！何言ってるのよ！？あなた、一週間前にも戻ったわよね！？」
コナン「そ、そうだけど…！」
灰原「とにかくダメよ。はい。この話はやめやめ。」
コナン「い、いいじゃねぇか！俺は大丈夫だって！」
灰原「ちょっといい加減にしなさ…いよ…！？」
コナン「…」
灰原(え？目がうるんでる？)
コナン「わかった…じゃあ行こうか…」
灰原(…)
5 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 17:59:33.60 ID:U6SQ9gWw0
学校
歩美「はぁ〜！算数終わった〜！」
元太「やべぇ明日のテスト」
光彦「いつもやばいじゃないですか！」
元太「う、うるせぇ〜///」
コナン「…」
灰原「…ちょっと工藤君？」
コナン「？」
灰原「なんで暗いのよ？」
コナン「…」
灰原「工藤君？」
コナン「なぁ…灰原…」
灰原「何よ」
コナン「俺、このまま何年も戻れないままだと思うか？」
灰原「何よ急に…あなたらしくないわね？」
コナン「……そうだな…」
灰原「何があったのよ？蘭さんとケンカしたの？」
コナン「いや…そういうわけじゃねぇんだけど…その…」
灰原「はっきり言いなさいよ」
コナン「急に不安になってきてよ…怖いというかよ…」
灰原「あなたがそんなこというなんて意外ね…」
コナン「…そうだな…本当に…お、俺…どうしちまったんだ？」
灰原「ちょっと、大丈夫？」
コナン「…あぁ…。な、なぁ…もし、戻れなかったら蘭は…」
灰原「…悲しむでしょうね…」
コナン「……あぁ」
灰原「ほら、そろそろ次の時間始まるわよ」
コナン「あぁ」
6 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:09:00.67 ID:U6SQ9gWw0
授業中
コナン「…」
灰原「工藤君、あなたまだ何か悩んでるみたいね」
コナン「…なぁ灰原…俺、昨日夢でみたんだ」
灰原「何を？」
コナン「俺が黒の組織に殺される夢を…」
灰原「ちょっとあなた…私じゃあるまいし…」
コナン「だけどもし、俺が、俺が死んだら…蘭は…！」
灰原「蘭さんだけじゃないわ。みんなが悲しむわ」
コナン「…お、俺が、し、死んだら…み、みんな…が…」
灰原「……」
灰原(そっとしておいた方がいいわね…でも、工藤君…！)
その時、彼の目に、光る何かが輝いていた。それを彼はただ必死にこらえていた…
7 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:19:43.22 ID:U6SQ9gWw0
休み時間
コナン「……」
灰原「工藤君、大丈夫？」
コナン「あぁ…」
灰原(…大丈夫じゃないじゃない。必死で涙こらえてるように見えるけど…)
でも、もう彼はもう、こらえるのが限界まできていた…
コナン「…」
灰原「工藤君…」
コナン「はいば…、ふぇ…」
その瞬間、彼はそのまま机に突っ伏した。もう限界だったのだろう
8 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:29:56.19 ID:U6SQ9gWw0
灰原「…」
コナン「…」
灰原「工藤君…もう悩むことはないわ…あきらめちゃだめよ。未来を信じなさい」
コナン「…あぁ、そ…そう…ふぇ…」
灰原「もう涙をこらえられないのはしょうがないわね。出すだけ出しなさい」
コナン「…あぁ…」
この瞬間、彼に少しの希望と勇気が新たに心の中で生まれたのであった…
翌日
昨日、あの後、彼は泣きつかれるまで泣いた。休み時間であったため、灰原に連れられ人気のない所で
彼はたくさん泣いた。そして次の日から復帰…だったのだが…
蘭「ちょっとコナン君！顔色ものすごく悪いじゃない？しかも熱があるわよ？」
コナン「だ、大丈夫だよ蘭姉ちゃん。学校行けるよ！」
コナン(まぁそれほどの熱じゃねぇからな…ちょっとクラッとするだけだしな…)
9 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:44:12.66 ID:U6SQ9gWw0
学校
コナン(やべぇ…なんか気持ち悪くなってきた…気分わりぃ…)
歩美「コナン君、大丈夫？」
元太「お前、熱あるんだろ？保健室行けよ。ひどくなったらやばいぞ？」
光彦「そうですよ！」
コナン「だ、大丈夫だから…！」クラッ
コナン(やべ…もう無理…)
歩美「コナン君、やっぱり行った方がいいよ！ね？」
コナン「・・・・・・」
歩美「コナン君？」
コナン「……」
灰原「ちょっと！話すのもつらいんじゃないの？やっぱ行きましょう？」
コナン「……ぁ…」クラッバタンッ
一同「！？」
灰原「ちょっと！しっかりしなさい！！江戸川君？」
コナン「はい…ば…ら…」
元太「ほ、保健室だ！」
ざわざわ
コナン「だ、大丈夫だよ…」クラッ
コナン「…ッ！」
灰原「ちょっと！？頭おさえてよくそんなこと言えるわね！？頭痛いんでしょ？」
コナン「…す、少し…な…ッ！！」
コナン「…くっ…ごほっ…ごほっごほっごほ！！」
灰原「と、とりあえず小嶋君！おんぶよろしく！」
元太「あぁ！コナン、大丈夫か？」
コナン「だ、大丈夫だよ…」
灰原「あなたさっきイスから倒れたのよ？とにかく、言うこと聞きなさい」
コナン「……」
元太「よいしょっと！」
コナン「わりぃな…元太…」
元太「気にするな！」
灰原(完全にお姫様だっこね)
10 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:52:05.85 ID:U6SQ9gWw0
保健室
コナン「……」
灰原「江戸川君、寝た？」
コナン「……」
歩美「でも苦しそう…」
元太「あぁ…」
光彦「３９°ですよね…すごい高熱」
灰原「ったく、無理してるからよ」
コナン「……」
コナン「…ん…俺…」
灰原「起きたみたいね」
コナン「あれ俺、いつの間に寝てたのか？」
灰原「えぇ。まぁ小嶋君にお姫様だっこされてる時から意識は半分なかったと思うけど」
コナン「あぁ。俺が憶えてるのは元太に『わりぃな…元太…』って言った、あのあたりしかわからねぇ」
歩美「だからずっと無言だったのね」
コナン「え？」
歩美「歩美達、ずっとコナン君に話しかけてたんだけど、コナン君、ずっと苦しそうな顔してたから」
コナン「そうだったのか…悪いな…もう意識飛んでたかもしれねぇ…」
灰原「それより、気分はどう？」
11 名前：vipにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日：2013/05/29(水) 18:56:15.30 ID:U6SQ9gWw0
コナン「あぁ…なんか調子よくなってきたぜ！」
灰原「本当ね…」
コナン「なんか昨日までの俺が馬鹿らしくなってきた」
灰原「え？」
コナン「もう俺、悩まないからよ！お前も悩むなよ！」
灰原「あなたに言われたくはないわよ」
コナン「悪かったなぁ…」
灰原「クスッ」
コナン「ぷっ」
灰原・コナン「ぎゃははははははははははははははははははははははははｗｗｗｗｗｗｗｗ」
元太・歩美・光彦「？」
このとき、二人の間に新たな希望が生まれたのだった…
−−名探偵の傷ーー
終わり