ピカチュウ「うるせえ!変な名前つけやがって!」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:36:30.61 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「うるせえ!変な名前つけやがって!」

ピカチュウ母「まあ!親になんて口をきくのかしら!この子ったら!」

ピカチュウ「てめぇらなんか親じゃねえ!何が光宙(ピカチュウ)だ!ポケモンの名前じゃねぇか!おかげで就活がまったくすすまねえ!」

ピカチュウ父「ピカチュウ!就活がうまくいかないのはお前自身の責任だ。
どうせ名前を呼ばれたら『はい!』なんて答えているんだろう!そこは『ピカァ!』と答えなさい!これからは個性の時代なんだからな!」

ピカチュウ「ふざけんな!そんなことしたらその時点で落とされるわ!」

ピカチュウ母「いいじゃない。そんなノリの悪い会社なら」

ピカチュウ「よくねぇよ!」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:37:58.48 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ父「とにかく私達はお前を愛しているからこそ光宙(ピカチュウ)と名付けたのだ。お前だって名付けられた時に嫌だと言わなかったろ!」

ピカチュウ「言えるわけないだろ!生まれたてなんだからよ!」

ピカチュウ母「あら、じゃあなに?ピチューって名前がよかったの?確かにピチューのほうが可愛いわよね!」

ピカチュウ「ちげえよ!なんでポケモンのキャラの名前を自分の子供につけんだよ!ふざけ過ぎだろ!」

ピカチュウ父「そうカッカするな。お前だって子供の頃は『僕ピカチュウ!』とかいって喜んでただろ。いまさらごちゃごちゃ言うなんて大人気ないぞ」

ピカチュウ「子供の頃はDQNネームとかわからなかったから意味もわからずはしゃいでたんだよ!」

ピカチュウ母「DQNネームですって!!!ピカチュウ!いい加減にしなさい!!!」

ピカチュウ「な、なんだよ・・・」

ピカチュウ父「そうだぞ。お前は嫌かもしれんが私達はお前を心から大切に思って光宙(ピカチュウ)と名付けたんだ。それをDQNなどと・・・。母さんの気持ちを考えなさい・・・」

ピカチュウ「ご、ごめん・・・言い過ぎたよ・・・」

ピカチュウ母「あなたの名前はキラキラネームよ!DQNネームなんかとは違うの!」

ピカチュウ「まったく一緒だよ!言い方変えただけだろ!やっぱふざけてんだろ!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:39:37.10 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「もういいよ!面接行ってくる!」

ピカチュウ父「ピカチュウ、これからは個性の時代だ。名前を呼ばれたら『ピカァ!』と言うように」

ピカチュウ「だから言わねえよ!」

ピカチュウ母「そうよ、あなた。そんなこと言っちゃだめ!面接なんだから100万ボルトを繰り出す時みたいに『ピーーカアア!!』じゃないと!ねっ!」

ピカチュウ「『ねっ』じゃねぇよ。返事は『はい』だろ!『ピ』も『カ』も言わねえ!!」

ピカチュウ母「もったいないわよ。せっかくピカチュウなのに。ほら、人事の人に覚えてもらえるわよ!」

ピカチュウ「悪い意味でな」

ピカチュウ父「人事も『ピカチュウゲットだぜ!』ってしたくなるから採用されやすくなるぞ、きっと」

ピカチュウ「ならねえよ!絶対ならねえよ!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:41:34.11 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「とにかく行ってきます。今日はこれだけしかないから、終わったらまっすぐ帰ってくるからな」

ピカチュウ母「いけ!ピカチュウ!君に決めた!」

ピカチュウ「うるせえよ!いい加減ポケモンから離れろ!」

ピカチュウ母「気合いが入ると思って・・・」

ピカチュウ「『行ってらっしゃい』でいいだろ!」

ピカチュウ父「今日は電化製品の会社の面接だったな。きっと大丈夫だ!なにせお前は電気タイプだからな!」

ピカチュウ「だからポケモンから離れろって!べつにそういう理由で受けるわけじゃねえから!」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:43:11.83 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ父「ま、頑張ってきなさい。失敗したっていいんだからな。いつもいつでもうまくいくなんて保証はどこにもないんだから」

ピカチュウ「だからポケモンから離れろってば!いい言葉だけどさ!」

ピカチュウ「ちっ!馬鹿な親を持つと人生狂うぜ!」

電化製品の会社の面接

面接官「はい、では次は・・・ん?ピ、ピカチュウ?でいいのかな?ピカチュウ君」

ピカチュウ「はい」

就活生「クスクス」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:45:24.59 ID:u22YKu7aO

面接官「ピ、ピカチュウ君はなぜ当社を?(ww」

ピカチュウ「御社の経営方針に〜〜〜だからです」

面接官「なるほど」

就活生「電気タイプだからじゃないんだ(ボソッ」

面接官「こ、こら。名前で人をからかうのはやめなさい(ww」

ピカチュウ(イラッ)

面接官「コホン。当社は数々の電化製品を売り出しています。あなたが特に大切だと感じる電化製品はなんですか?」

ピカチュウ「特に大切だと感じる電化製品、ですか・・・テレビです。家族でよく見るので」

就活生「ポケモンみないといけないもんな(ボソッ」

面接官「コラ!だからやめなさい!(ww」

ピカチュウ(イライライライラ)

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:48:09.22 ID:u22YKu7aO

面接終了

ピカチュウ「おい」

就活生「え、なに?」

ピカチュウ「お前さっき面接中に何言った?」

就活生「は?なにが?」

ピカチュウ「電気タイプとかポケモンとか」

就活生「うけてたじゃん。面接官に」

ピカチュウ「うけてたとかそういう問題じゃねぇよ。馬鹿にしてんだろ」

就活生「おいおい、お互い面接官に覚えてもらえたからいいだろ。お前にもメリットはあっただろ」

ピカチュウ「ふざけんな!謝れよ!」

就活生「は?いや、何を?意味わかんねーし」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:49:38.53 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「人の名前で笑いとって馬鹿にしてんじゃねえよ」

就活生「だから馬鹿にはしてねえよ。被害妄想だろ。珍しい名前なんだからいじられて当然だろうが」

ピカチュウ「あ?てめぇコラ、いい加減にしろよ」

就活生「お、なんだ?やんのかコラ、こいよ」

ピカチュウ「やってやるよ」

就活生「ホラこいよ、得意の100万ボルトはどうした?ええ?」

ピカチュウ(ピキッ)

就活生「『ピーーカアア!!』とか言って100万ボルト出さねーの?ギャハハハハ」

ピカチュウ「てめぇ!ぶっ殺してやる!!!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:51:33.80 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ宅

ピカチュウ母「あの子、遅いわねぇ」

ピカチュウ父「そうだな。こりゃうまくいったかもしれんな!」

ピカチュウ母「そうかもしれないわね!きっと私達のアドバイスがよかったのよ!」

TV「たったいま入りましたニュースです。先程、電化製品会社『ビッグガメラ』の社内で就活生が就活生に暴行を加えるという事件が発生しました。
加害者は田中ピカチュウ(21)、Fラン大学四回生。
情報によりますと田中ピカチュウ容疑者は被害者と口論になり被害者に一方的に暴行を加えたということです」

ピカチュウ父「え・・・?」

TV「被害者は意識不明の重体です。容疑者は既に身柄を拘束されておら、事態は鎮静化しております」

ピカチュウ母「そ、そんな・・・」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:53:18.70 ID:u22YKu7aO

取調室

ピカチュウ「ほんの出来心だったんです。名前を馬鹿にされたから」

警察官「名前を馬鹿にされてカッとなってやった。それでいいんだな?」

ピカチュウ「はい。間違いありません」

警察官「そうか・・・」

ピカチュウ「俺・・・俺なんでこんなこと・・・俺・・・;;」

警察官「ピカチュウ君・・・君はまだ若い。やり直せる。これから罪を償えばいいんだ。前を向いて歩いていこう・・・。こんな時だからこそ前を向いて・・・な?」

ピカチュウ「刑事さん・・・!」

警察官「狭いところに閉じ込められるのは平気だろ?なんたってピカチュウなんだからさ?ただ刑務所はモンスターボールよりかはかび臭いかもなwwww」

ピカチュウ(イラッ)

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:55:40.83 ID:u22YKu7aO

刑務所

ピカチュウ「新しく入所することになりました。田中です。よろしくお願いします」

刑務官「コラ!田中!下の名前も言わんか!」

ピカチュウ「田中、ピ、、、ュウです」

囚人「???」

刑務官「はっきりいわんか!『田中ピカチュウです』ときっちり自己紹介するんだ!」

囚人「ピカチュウ!?」

ピカチュウ「くっ・・・」

刑務官「おい!どうした!初日からこれでは困るな!ピカチュウは元気なもんじゃないのか?この前テレビで『ピカチュウ元気でチュウ』とか言ってたぞ?」

ピカチュウ(もう、何もかもがどうでもいい・・・)

囚人「ピカチュウだってwwwマジ本名なのかよwwwwwww」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 22:58:09.95 ID:u22YKu7aO

面会室

ピカチュウ母「ピカチュウ!!」

ピカチュウ「・・・」

ピカチュウ母「ピカチュウ、細くなって・・・かわいそうに・・・;;」

ピカチュウ父「どうだ、ここの生活には慣れたか・・・?」

ピカチュウ「うん・・・まあね・・・」

ピカチュウ父「ピカチュウ、父さんと母さんはちゃんと待ってるからな。真面目にやるんだぞ」

ピカチュウ「うん」

ピカチュウ父「父さんな、お前を誇りに思うぞ」

ピカチュウ「え・・・?」

ピカチュウ父「名前を馬鹿にされて怒ったんだってな。父さんも母さんも嬉しいぞ」

ピカチュウ「父さん・・・」

ピカチュウ父「お前がしたことは『罪』だけどな、名前を馬鹿にされて怒ったお前の行動は紛れもない『正義』なんだ」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:00:50.39 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「父さん・・・ありがとう;;」

ピカチュウ父「お前は若いからちょっとやり過ぎただけだ。大丈夫、やり直せる!だから辛くても胸を張れよ!」

ピカチュウ「ありがとう;;俺、頑張るよ;;」

ピカチュウ母「同じ過ちは繰り返さなければいいんだから・・・ね?」

ピカチュウ「母さん;;」

ピカチュウ父「そうだぞ。気絶したらそこでバトル終了だ。さらに追い打ちをかけるのはルール違反だからな」

ピカチュウ「え・・・?」

ピカチュウ母「きっと相手のHPが思ったより低すぎて加減がきかなかったのよね。それか相手の守備力が想像以上に低かったとか?ね?そうでしょ?」

ピカチュウ父「そうだな?ピカチュウ。そうじゃなきゃ気絶した相手に攻撃はしないよな?」

ピカチュウ「・・・帰れ」

ピカチュウ父「ん?」

ピカチュウ「帰れ!もう誰も信じない!俺はもう誰も信じないぞ!誰も来るな!帰れ!!!消えろ!!!」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:03:10.43 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「オラ!帰れ!帰れよ!二度と来るんじゃねぇ!クソ!馬鹿親!帰れ!死ね!!」

看守「こ、こら!やめないか!ガラス壁を殴るな!」

ピカチュウ「はなせよ!こいつらがこんな名前つけるから悪いんだ!はなせ!殴らせろ!」

ピカチュウ父「ピカチュウ!貴様!なんて奴だ!もうお前とは赤の他人だ!勘当だ!勘当!知らん!」

ピカチュウ母「なんでも親のせいにするんじゃありません!甘えるのもいい加減にしなさい!」

ピカチュウ「クソがあああああ!死ね!死にさらせ!外道があああ!!!」

ピカチュウ父「母さん、もう行こう、こんな奴はほっといて。お腹の子に響くといけない」

ピカチュウ「な、なに!」

ピカチュウ母「そうね。男なら『太郎』、女なら「花子」と名付ける予定のこの子に響くといけないわね」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:05:33.40 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「な、なんでまともな名前つけてんだよ!ピチューとかじゃないのかよ!」

ピカチュウ父「ふざけるな!大切な大切な我が子にそんな名前つけるわけないだろ!」

ピカチュウ「てめぇら!どの口が言うか!」

ピカチュウ母「やっぱり名前って大事ね。かわいいからってポケモンの名前つけちゃだめだわ」

ピカチュウ父「ああ、まったくだ。あんな犯罪者になるんだからな」

ピカチュウ母「勉強になったわ、ピカチュウ。あなたも将来子供を作っても変な名前つけちゃだめよ」

ピカチュウ父「母さん、こういう奴がアニメやゲームのキャラクターの名前を子供につけるんだよ。まったく生まれてくる子供がかわいそうでならないね」

ピカチュウ母「あらあら、奥さんになる人や生まれてくる子供がかわいそうね」

ピカチュウ「死ね!消えろ!いつか絶対ぶっ殺してやるからな!」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:09:09.78 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ父「じゃあな。ピカチュウとかいうイタイ名前のやつ。確かに勘当したからな。縁切りだ。二度と私達に近付くな」

ピカチュウ「クソ!死ね!誰が近付くか!」

ピカチュウ母「怖い怖い、ああはなりたくないわね、あー怖い怖い」

ピカチュウ「クソッ!クソッ!なんであんな親から生まれなきゃいけなかったんだ!クッソ・・・クソ;;」

看守「田中、もう一人面会人がいるが・・・少し休むか?」

ピカチュウ「え?もう一人?」

刑務官「ああ、鈴木不゜倫(プリン)という人だが・・・どうする?」

ピカチュウ「プ、プリンが!プリンが来てるんですか?」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:13:09.09 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ(プリンとはずっと幼なじみで一緒だった。プリンは明るくで元気で頭も良くて・・・なのに俺みたいな馬鹿と一緒の学校に入る変わった奴だ)

ピカチュウ(家も近所だったし、小さい頃にはおままごとだけど結婚の約束もした・・・)

回想

幼プリン(四才)「ピカ君!」

幼ピカチュウ(五才)「なに?」

幼プリン「私達、ずっと、ずーーっと一緒にいようね!」

幼ピカチュウ「お、おう」

幼プリン「約束のチューしよ!」

幼ピカチュウ「やめろよ、恥ずかしいよ」

幼プリン「ほら、チュー!!」

幼ピカチュウ「やめろってば!」

幼プリン「あ、いま、唇が触れたよね?少しだけど触れたよね?チューだ!約束のチューだよ!」

幼ピカチュウ「ば、ばか!触れてねーよ///」

幼プリン「触れたよ!約束のチューだからね!約束のチュー!」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:15:21.99 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「大丈夫です。プリンがきてるならいま会います」

看守「いいんだな?」

ピカチュウ「はい」

プリン「ピカ君!」

ピカチュウ「プリン・・・」

プリン「よかった・・・少しやせたけど元気そうだね・・・」

ピカチュウ「へ、元気じゃねぇよ。いま、親から勘当されたところだ」

プリン「え、勘当!」

ピカチュウ「ああ、もうあんなの親じゃねぇ。赤の他人だ。せいせいすらあ」

プリン「ピカ君、名前のせいでよく喧嘩してたもんね」

ピカチュウ「お前もだろ。不゜倫(プリン)なんて名前でよ」

プリン「うん、でももう慣れたよ」

ピカチュウ「そっか。慣れたのか・・・。プリンは強いな・・・俺なんか・・・」

プリン「ピカ君?」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:17:09.68 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「俺はだめだ。この名前のせいで何もうまくいく気がしねぇ」

プリン「・・・」

ピカチュウ「前科持ちになっちゃったし、実名報道されてるから検索したらバレちゃうだろうし」

ピカチュウ「俺はもうだめだ・・・プリン、お前ももう俺には会わないほうがいい。もう、忘れてくれ・・・もう何もかもどうでもいいんだ・・・」

プリン「ばか・・・」

ピカチュウ「え・・・?」

プリン「ピカ君のばか!ピカ君のばか!!!」

ピカチュウ「な、なんだよ・・・」

プリン「どうして諦めるの!どうしてそんなに暗くなっちゃったの!そんなのピカ君じゃないよ!」

プリン「ピカ君はいつだって前向きで元気だったじゃん!いつも名前のことで怒って周囲に立ち向かっていたじゃない!」

ピカチュウ「プリン・・・」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:18:41.20 ID:u22YKu7aO

プリン「ピカ君はそんな弱い人間じゃないよ!いつだってどんな時だって相手が誰だって名前のことで馬鹿にされたら戦ってたじゃん!」

プリン「私だって変な名前だから馬鹿にされてた!でも私弱いから言い返せないし、笑って流してた!諦めてた!」

プリン「でもピカ君は違う!強い人だもん!諦めなかった!流さなかった!なんだかんだ自分の名前に誇りを持ってたじゃない!あの誇りはどこにいったの!」

ピカチュウ「プリン・・・」

プリン「私、そんなピカ君が好きだった・・・」

ピカチュウ「え・・・」

プリン「ずっとずっと一緒にいてほしかった・・・。ねぇ、戻ってよ、元のピカ君に・・・。いつも輝いてた、生き生きとしていたピカ君に・・・」

ピカチュウ「プリン・・・お前・・・」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:22:09.45 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「すまねえ、プリン、俺、どうかしてた。本当にどうかしてたわ」

プリン「ピカ君・・・;;」

ピカチュウ「心配かけてごめんな。俺、元の俺に戻る!」

プリン「!」

ピカチュウ「だからもう泣かないでくれ・・・俺が悪かった」

プリン「うん;;」

ピカチュウ「プリン・・・」

ガラス壁越しにプリンの顔を撫でるピカチュウ

プリン「ピカ君・・・」

ピカチュウ「プリン・・・俺も昔からずっとお前が・・・」

プリン「え・・・?」

ピカチュウ「いや、いいんだ・・・。いつか、ここを出たら・・・その時に・・・」

プリン「・・・うん。私、待ってる・・・ずっと、ずーーっと待ってるから!」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:24:36.93 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「ありがとう。お前のおかげでまた人生をやり直せるよ・・・」

プリン「いいの。ピカ君さえ元気でいてくれたら・・・」

ピカチュウ「プリン・・・」

看守「時間だ」

ピカチュウ「!!」

プリン「ピカ君!」

ピカチュウ「また来てくれよな」

プリン「ごめん、しばらくは来れないの!」
ピカチュウ「え!」

看守「さあ、部屋を出るんだ!」

プリン「私、これから、、、、

ピカチュウ「な、なんだよ!あと少し!あと少しだけ!プリン、なんだ?聞こえない!」

刑務官「規則は規則だ!模範囚になって一日でも早く出所するためだぞ!」

ピカチュウ「プリーーーン!!!」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:26:44.51 ID:u22YKu7aO

それから幾年の歳月が流れた。

ピカチュウ「お世話になりました」

看守「もうくるんじゃないぞ」

ピカチュウ「はい。ありがとうございました」

看守「ピカチュウ」

ピカチュウ「?」

看守「人はな、『いいもの』も『悪いもの』もいろいろな物を背負って生きている。ここには悪いものばかり持たされた人間がくるんだ。お前もその一人だ」

看守「DQNネームをつけられて辛いかもしれん。これからもそれは続くだろう。だがな、人生が辛くなったら自分の背負っている『いいもの』のことを考えろ」

ピカチュウ「看守さん・・・」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:29:22.39 ID:u22YKu7aO

看守「どんな人生、どんな時代、どんな場所でも人は悪いものを背負うということを避けられない。どうしてもな。だからこそいいものを大切にするんだ」

看守「誰もがみんな、背中に辛いものを背負って生きている。辛いのはお前だけじゃない。人生はどう生きたって辛いんだ」

看守「もし、今度、辛くなったら大切な人のことを思い出せ。悪いもののために大切なものまで傷つけちゃいけない。悲しませちゃいけない」

ピカチュウ「看守さん;;」

看守「いいな?ピカチュウ、どんなに辛くたってもう二度とここにはくるな。お前の大切な人のために生きろ。もう二度とその人を裏切るなよ」

ピカチュウ「ありがとう、ございます;;もう、もう二度としません;;」

看守「わかったら行くんだ。ここはもうお前のいるところじゃない。お前は自由なんだからな」

ピカチュウ「はい;;本当にお世話になりました」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:32:04.89 ID:u22YKu7aO

看守「達者でな」

ピカチュウ「はい、看守さんもお元気で。では失礼します」

老人「田中ピカチュウさんですね?」

ピカチュウ「え、あなたは?」

老人「私はこういうものです」

ピカチュウ「キラキラネーム救済会・・・会長!?」

老人「そうです。私達はあなたをずっと待っていました。あなたを当会に入って頂きたい」

ピカチュウ「俺を?」

老人「そう。あなたは私達の勇者なのです。衣食住や仕事は当会が全面的にサポートいたします。いかがですか?」

ピカチュウ「!?」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:33:44.91 ID:u22YKu7aO

老人「無理強いはできません。ただ、どうか」

ピカチュウ「俺なんかでよかったら・・・」

老人「よかった。では参りましょう」

キラキラネーム救済会

老人「さ、どうぞ」

ピカチュウ「はい・・・」

若者「おお!田中ピカチュウさんだ!」

若者「田中ピカチュウさんだ!すげえ!!」

若者「会長!やりましたね!」

老人「ほらほらみんな、落ち着きなさい。ピカチュウ君は疲れているんだから。立花巨人(ギガンテス)君」

ギガンテス「はい!」

老人「ピカチュウ君にここを案内してあげてくれ」

ギガンテス「わかりました!ピカチュウさん!よろしくお願いします!」

ピカチュウ「よ、よろしく」

ピカチュウ(小さくて元気いっぱいな可愛い子だな・・・)

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:33:23.96 ID:l8xMr4LN0

老人は何て名前なんだろう

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:35:52.78 ID:u22YKu7aO

>>157
書き忘れてました。会長は森雷鳥(サンダーバード)です。



ギガンテス「ここがピカチュウさんのお部屋です!」

ピカチュウ「こんないい部屋を!?」

ギガンテス「はい!ピカチュウさんは私達のスターですから!」

ピカチュウ「スター?俺なんかが?どうして?」

ギガンテス「ピカチュウさんは私達キラキラネームの人達の希望なんです!ピカチュウさんが拳を上げてキラキラネームを馬鹿にする人を殴ってくれたから・・・」

ピカチュウ「え・・・」

ギガンテス「私は小さい頃からこんな名前だからずっと虐められてきました。ずっとずっと理不尽な虐めや差別を我慢するばかりの人生で、死ぬことばかり考えていたんです」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:39:05.55 ID:u22YKu7aO

ギガンテス「自分で選んだわけじゃない。親が無理矢理決めた名前で苦しむなんて耐えられなかった・・・」

ギガンテス「でもどうしていいかわかりませんでした。どこへ行っても名前を理由に偏見で馬鹿にされてばかり」

ギガンテス「そんな時にあなたのニュースを見たんです」

ピカチュウ「就活生を殴った・・・」

ギガンテス「そうです!あのニュースから私は変わりました!下を向いて周囲から蔑まれるばかりの人生から変わることができたんです!」

ギガンテス「たとえキラキラネームでも立ち向かっていいんだって教えてくれたのはピカチュウさんなんです!」

ピカチュウ「そんな!俺は暴力を!」

ギガンテス「中身なんて関係ありませんよ!名前を馬鹿にされて怒り、立ち向かったピカチュウさんの姿にみんな憧れているんです!」

ピカチュウ「こんな俺を・・・」

ギガンテス「ピカチュウさん!私達の側にいて下さい・・・。私達にはあなたが必要なんです・・・」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:42:09.70 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「ありがとう。俺はずっと後悔ばかりしていた。だが、違ったんだな。俺の行いで救われた人達がいたなんて」

ギガンテス「みんなピカチュウさんには感謝しています!私達と一緒にキラキラネームを救う活動に力を貸して下さい!」

ピカチュウ「ああ、俺にできることなら」

ギガンテス「ありがとうございます!」

ピカチュウの手を握るギガンテス

ピカチュウ「!?」

ギガンテス「あ、ごめんなさい!」

ピカチュウ「あ、い、いや・・・」

ギガンテス「じゃ、今日はゆっくりして下さい!今日は歓迎会ですからまた時間になったら呼びにきます!」

ピカチュウ「わ、わかった・・・」

ピカチュウ(ドキドキした・・・なんだろう、この胸の高鳴りは・・・ギガンテスちゃん、か・・・可愛い子だな・・・)

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:45:42.14 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ(それから俺はキラキラネーム救済会の事務所兼アパートに住み会が斡旋してくれた仕事についた)

ピカチュウ(だが、俺が刑務所にいる間に日本は変わっていた)

ピカチュウ(DQNネームの人間への差別や偏見は根強く、まともに生きていくことさえ叶わない時代になっていた)

ピカチュウ(DQNネームを理由にアパートは借りられず、アルバイトにさえ採用されない時代になっていた)

ピカチュウ(社会は既にDQNネームを持つ人間を捨てていた。世の中は『普通の名前』と『DQNネーム』の人間に分割されたのだ)

ピカチュウ(俗にいうホワイトカラーは『普通の名前』が独占、『DQNネーム』は被差別層となり3Kの仕事をする貧民となっていた)

ピカチュウ(俺はそんな社会で『キラキラネーム界の勇者』として祭り上げられていた)

ピカチュウ(俺のあの事件の後、DQNネームの人達は次々と立ち上がったのだ)

ピカチュウ(だがそれは『DQNネーム』と『普通の名前』の人間の溝を深めた・・・。そう・・・もはやその溝は埋められないほどに・・・)

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:47:17.05 ID:u22YKu7aO

ピカチュウ「生活も安定してきた。プリンに会いにいこう。年収は安いし、仕事はきついけど、プリンとなら・・・」

ピカチュウ「懐かしいな。小さい頃はよくプリンの家にも遊びにいったもんだ・・・」

ピカチュウ「あ」

プリン母「!!」

ピカチュウ「おばさん、久しぶりです。ピカチュウです」

プリン母「ピカチュウ、君・・・」

ピカチュウ「今日は、その、プリンに会いに・・・」

プリン母「プリンはいないわ」

ピカチュウ「え・・・」

プリン母「とにかくプリンはいないの!帰って!」

ピカチュウ「そ、そんな!」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:53:44.65 ID:u22YKu7aO

プリン母「もう私達に関わらないで!次に来たら警察を呼ぶわよ!」

ピカチュウ「どうして!どうしてそんなことを!」

プリン母「消えて!近寄らないで!」

ピカチュウ「せめてプリンと話をさせて下さい!」

プリン母「駄目よ!帰って!お願い!帰って!!!」

ピカチュウ「そ、んな・・・」

プリン母「うちの娘とあなたは無関係!赤の他人よ!絶対に近寄らないで!」

ピカチュウ「わかり・・・ました・・・」

207 名前: ◆kOHjepsWtM [] 投稿日:2013/04/18(木) 23:56:28.02 ID:u22YKu7aO

ピカチュウはプリンと過ごした故郷を後にした。

ギガンテス「あ、ピカチュウさん!いま帰りですか?」

ピカチュウ「あ、ああ・・・」

ギガンテス「どうしたんですか?元気ないじゃないですか!」

ピカチュウ「ちょっと、な・・・」

ギガンテス「元気出して下さい!私、ピカチュウさんのためならなんだってしますから!なんでも言って下さいね!」

ピカチュウ「ギガンテスちゃん・・・」

ギガンテス「ピカチュウさんに救ってもらったような人生ですから!恩返ししたいんです!」

ピカチュウ「ありがとう。少し楽になったよ・・・」

ギガンテス「そうだ!私の部屋に来ませんか?私、夕御飯作りますから!それで元気出して下さい!」

218 名前: ◆kOHjepsWtM [] 投稿日:2013/04/19(金) 00:01:01.39 ID:XHL4BdRRO

ピカチュウ「え!?ギガンテスちゃんの部屋に?」

ギガンテス「あ、ごめんなさい。嫌、ですよね・・・ごめんなさい」

ピカチュウ「あ、いや、嫌じゃないんだよ。ただびっくりして・・・」

ギガンテス「すいませんびっくりさせちゃって!ただピカチュウさんの力になりたくて」

ピカチュウ「ほ、本当にいいのか?」

ギガンテス「はい!腕によりをかけて料理しますから!よかったら来て下さい!」

ピカチュウ「ありがとう。俺のために・・・。ぜひお邪魔させてもらうよ」

ギガンテス「ありがとうございます!」

ピカチュウ(ギガンテスちゃん、なんていい子なんだろう・・・)

219 名前: ◆kOHjepsWtM [] 投稿日:2013/04/19(金) 00:02:31.66 ID:XHL4BdRRO

ギガンテスの部屋

ギガンテス「ささ、どうぞ!狭い部屋ですが!」

ピカチュウ「お邪魔します」

ギガンテス「いまご飯作りますからそこら辺でくつろいでいて下さい!」

ピカチュウ「俺も手伝うよ」

ギガンテス「え、いいんですか?」

ピカチュウ「ああ、動いていたほうが楽だからさ」

キッチンに立つ二人

ギガンテス「今日、何かあったんですか?」

ピカチュウ「ん・・・ああ、ちょっと、ね・・・」

ギガンテス「ごめんなさい、私、聞いちゃいけないことを聞いちゃいました!」

ピカチュウ「いや、いいんだ。よかったら聞いてほしい。楽になるかもしれないから」

221 名前: ◆kOHjepsWtM [] 投稿日:2013/04/19(金) 00:04:15.05 ID:XHL4BdRRO

ギガンテス「そんなことがあったんですか・・・」

ピカチュウ「ああ。いったい何が起こったのかまったくわからないんだ・・・」

ギガンテス「でも、仕方ないですよ。私達、こういう名前だから・・・」

ピカチュウ「仕方ない、か・・・。そうかもしれないね・・・」

ギガンテス「私もこういう名前だから恋愛なんてうまくいったことありません」

ピカチュウ「え、ギガンテスちゃんが?」

ギガンテス「はい。親は『大きくなってほしいから』ってギガンテスなんて名付けたらしいんですけど、やっぱりギガンテスなんて名前の女の子嫌ですよね」

ピカチュウ「そんなことないよ。ギガンテスちゃんは可愛いしとてもいい子じゃないか」

ギガンテス「え・・・?」

ピカチュウ「あ、いや、うん、なんていうか、うん・・・」

225 名前: ◆kOHjepsWtM [] 投稿日:2013/04/19(金) 00:05:31.05 ID:XHL4BdRRO

ギガンテス「嬉しい・・・」

ピカチュウ「え?」

ギガンテス「可愛いなんて言われたの・・・初めてだから・・・。こんな名前だからずっと男の子にも虐められてて・・・」

ピカチュウ「ギガンテスちゃん・・・」

ギガンテス「ありがとうございます。なんか元気が出てきました!ごめんなさい!ピカチュウさんに元気になってもらおうと思ったのに」

ピカチュウ「い、いや、いいんだよ」

ギガンテス「さ!ご飯できましたし、食べましょ!」

ピカチュウ「そうだね」

二人は楽しい時間を過ごした。

名前で差別され、苦労してきた者同士の愚痴や慰めは二人の仲を深いものにした。

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/04/19(金) 00:34:52.97 ID:XHL4BdRRO

バッテリ切れた



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