1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 04:59:55.65 ID:iKEyFO/l0
みくる「ふええ〜〜!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:03:24.56 ID:iKEyFO/l0
古泉「なんとか片手で岩に掴まっている状況ですが」
キョン「朝比奈さんの腕力じゃあまりもたないぞ!」
古泉「このままでは落ちるのも時間の問題かと」
キョン「ちくしょう!どうしてこんなことに!」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:16:10.69 ID:iKEyFO/l0
回想
ハルヒ「みくるちゃん!あの崖を飛び越えなさい!」
みくる「無理ですぅ!」
キョン「朝比奈さんならやれます!」
みくる「絶対無理ですぅ!」
古泉「3メートルといったところでしょうか」
長門「助走をつければあなたでも可能」
みくる「そんな!」
ハルヒ「ほら!さっさと行く!飛ばないと殺すわよ!」
みくる「ひぃ〜ん!」ダッダッ
ずるっ
キョン「あっ」
ハルヒ「こけた」
回想終わり
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:24:05.39 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「どうすんのよ!」
キョン「落ち着けハルヒ」
古泉「まずは助ける方法を考えましょう」
ハルヒ「全然届かないのにどうやって助けるのよ!」
キョン「何か長くて朝比奈まで届きそうなもの…」
キョン「ハルヒ!持ってないか!?」
ハルヒ「私は携帯しか持ってないわ!古泉くんは!?」
古泉「僕も携帯のみです」
キョン「長門!」
長門「ロープしか持ってない」
キョン「そうか!ちくしょう!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:31:28.03 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「どうしてみんな揃いも揃って軽装なのよ!登山なのに!」
キョン「お前が言うな、それに仕方ないだろ、長門が急に行きたいって言ったんだ」
長門「ヤマノススメを観た」
古泉「ここで言い争っている場合ではありません」
キョン「そうだ!とにかく今は朝比奈さんを助けないと」
ハルヒ「でもどうやって」
キョン「俺に任せろ!ハルヒ!携帯貸せ!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:41:02.93 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「携帯?いいけどなんで私の…」
古泉「はっ!レスキューを呼ぶのですね?これで朝比奈さんを」
キョン「違う!」
ハルヒ「じゃあなんなのよ!」
キョン「こいつを…こうだ!」
ハルヒ「ああっ!私の携帯が崖の底に!」
古泉「どうしてそのようなことを」
キョン「しっ!静かに!」
長門「……」
バキッ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:50:24.54 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「何してんのよバカキョン!」
キョン「まあ待て」
古泉「なるほど、そういうことですか」
ハルヒ「はあ?どういうことよ!」
古泉「先ほど彼が携帯を投げてから地面に落下するまでのことを思い出してください」
ハルヒ「それが何…はっ!」
古泉「そう、かなり時間がありましたね?」
キョン「つまりこの崖はかなり高い」
ハルヒ「ということはみくるちゃんが落ちちゃったら」
長門「確実に死ぬ」
キョン「これで朝比奈さんは一刻も早く助け出さないといけないということがわかったわけだ」
古泉「先が見えなかった救助への道が開かれたような気がしてきましたでしょう」
ハルヒ「なるほど!そんな気がするわ!バカって言ってごめん!」
キョン「許す!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 05:58:37.16 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「でも高さなんて下をのぞけばわかるんじゃないかしら」
キョン「…はっ!」
古泉「その話は後にしましょう」
ハルヒ「そ、そうね!今はみくるの救助が先決よ!」
キョン「でもこれからどうすれば」
古泉「僕に考えがあります!携帯を貸してください!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:05:33.66 ID:iKEyFO/l0
キョン「携帯?いいけどなぜ俺の」
ハルヒ「はっ!念のためもう一度高さを計るのね!位置を変えて精度を上げ」
古泉「違います」
キョン「じゃあなんなんだ!」
古泉「これでレスキューを呼びます」
キョン「な、なんだってー」
ハルヒ「その発想はなかったわ!」
古泉「しっ!静かに!」
長門「……」
prrrr prrrr
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:14:37.60 ID:iKEyFO/l0
古泉「もしもし…はい……緊急で…はい………ちょっと待ってください」
キョン「どうした」
古泉「状況説明を求められたのですがなかなか口で説明できなくて」
ハルヒ「なにやってんのよ!私に代わりなさい!」
ハルヒ「もしもし?早く来なさいよ!…え?…ん?…んあ?」
古泉「どうしたのですか」
ハルヒ「なんか状況説明を求められたわ!私がわかるわけないじゃない!」
キョン「なにをやってんだ!貸せ!」
キョン「もしもし……え?…いやいや!いたずらとかじゃなくて…それがですね……えっと…」
ハルヒ「どうしたの?」
キョン「それが状況説明を求められたんだが上手く説明できなくてな」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:18:42.93 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「このままじゃ助けに来てくれないわ」
古泉「いったいどうすれば」
キョン「そうだ!朝比奈さんに伝えてもらおう!」
ハルヒ「それがいいわ!」
古泉「当事者が誰よりも自分の状況を理解していますし」
ハルヒ「でもどうやって電話するのよ」
古泉「確かに、朝比奈さんは両手で岩に掴まっている状態」
古泉「彼女に携帯電話での通話は不可能です」
キョン「俺に考えがある!長門!ロープを貸してくれ!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:24:32.71 ID:iKEyFO/l0
ハルヒ「ロープ?そんなもので何を…」
古泉「はっ!携帯にロープを結んで朝比奈さんの耳元に垂らすのですね?」
キョン「そうだ!」
ハルヒ「すごいわ!それなら両手が使えなくても通話ができる!」
キョン「こいつをこうして…よし!」
ハルヒ「みくるちゃ〜ん!聞こえる〜?みくるちゃ〜ん!」
し〜ん
古泉「返事がありませんが」
ハルヒ「おかしいわね」
キョン「古泉、携帯貸してくれ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:32:43.22 ID:iKEyFO/l0
古泉「携帯ですか?いいですけどなぜ僕の…」
ハルヒ「はっ!みくるちゃんに電話するのね?これでちゃんと電話にでたらみくるちゃんはまだ大丈夫で」
キョン「そうだ!」
ハルヒ「やっぱり!」
キョン「でてくれ朝比奈さん!頼む!」
prrrr prrrr
キョン「おっ!でたぞ!」
古泉「本当ですか?」
キョン「しっ!静かに!」
みくる『うえ〜ん!はやく助けてくださ〜い!』
キョン「生きてる!朝比奈さんはまだ生きてるぞ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:40:31.32 ID:iKEyFO/l0
キョン「大丈夫ですか!?」
みくる『もうだめですぅ〜!』
キョン「もうだめだそうだ!」
ハルヒ「それは大変!」
古泉「早く助け出さなければ!」
キョン「いや待て!電話にでたってことはつまり」
古泉「朝比奈さんは片手で岩に掴まっている」
ハルヒ「なによ!全然余裕じゃない!」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:50:16.25 ID:iKEyFO/l0
キョン「いや、逆だ」
古泉「片手で全体重を支えるのはとても負担になります」
ハルヒ「はっ!確かにそうだわ!」
キョン「つまり体力とかの消耗がさらに多くなり…」
古泉「握力とか…」
キョン「腕力とかもな」
ハルヒ「もー!みくるちゃんったらなにやってるのよ!」
ハルヒ「調子に乗って片手で電話とか!バカじゃないの!?」
古泉「と、とにかく今は携帯です!」
キョン「そうだった!さっきのロープを貸してくれ!俺が垂らす!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:54:17.06 ID:iKEyFO/l0
キョン「もしもし!聞こえてますか!?」
みくる『はい!』
キョン「これから携帯電話が降ってきます!」
キョン「レスキューの人に繋がってますので!自分で状況説明をしてください!」
みくる『え〜!』
ハルヒ「ヘリとかは呼んじゃだめよ!大事にしたくないから!」
みくる『でも』
古泉「そろそろそちらに到着します」
みくる『あ!見えました〜!』
キョン「とってください!はやく!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 06:58:31.34 ID:iKEyFO/l0
みくる『もしも〜し!もしも〜し!』
みくる『あれれ?』
キョン「どうしたんですか?」
みくる『なんか音楽が流れてて話せませぇん!』
ハルヒ「保留音だわきっと!」
古泉「通話ボタンを押してください」
みくる『無理ですぅ〜!』
キョン「なんでですか!」
みくる『ふえっ!だって今この携帯でお話してるし』
ハルヒ「バッカじゃないの?なんのために腕が二本あると思ってるのよ!」
ハルヒ「もう片方の手で押しなさいよ!」
キョン「はやく!」
みくる『ひゃいっ!』
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 07:02:32.80 ID:iKEyFO/l0
みくる『あっ』
古泉「どうしたんですか?」
キョン「朝比奈さん?」
ハルヒ「みくるちゃん?」
あ〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜
キョン「この声は朝比奈さんの…」
古泉「なんだかだんだん遠くなって…はっ!」
ハルヒ「みくるちゃん!お願い返信して!みくるちゃん!!」
キョン「朝比奈さぁーーーん!朝比奈さあああぁぁぁーーーーーーん!!!!」
ぐしゃ
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/25(月) 07:08:41.62 ID:iKEyFO/l0
軽い気持ちで行った登山がまさかこんな結末を迎えてしまうとは
俺たちは自分たちの軽率な行動を悔いながらその日は下山することにした
朝比奈さんは両足捻挫で全治一ヶ月の重症
しばらく体育は休むそうだ
完