1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:02:10.10 ID:xxoqZMAxo
昔々ある所にマリギツネと言う子ギツネが居ました。
マリギツネ「退屈だなや〜」
マリギツネ「なんかおもしぇごどねがべがなぁ〜」
マリギツネはいつも一人ぼっちでした、
そして退屈のあまり村人に悪戯ばかりしていました。
住居不法侵入、窃盗、器物損壊、放火と枚挙に暇が無い程でした。
ある日、暇を持て余したマリギツネはフラフラと散歩してる中、
村人の一人シンジを見つけました。
シンジは川で網を使って魚を取っているようでした。
マリギツネ「あやっ?あそごさ居だのはスンズでねが?」
マリギツネ「よ〜す…ぺっこイタズラしてけっぺが」キシシ
マリギツネはせっかくシンジが捕えた魚をビクから取りだし、
網の掛かっていない川下にポイポイ捨ててしまいました。
マリギツネ「こっただごとして、めっかったららずもねぐ怒るべな〜」ニヤニヤ
マリギツネ「だけんど…おもせがら、イイ!!」
マリギツネはビクの中に居たウナギを捕まえようとしましたが、
ヌルヌル滑って捕まえる事が出来ません。
マリギツネ「しゃねな…力押すしかね〜べ!」
マリギツネはビクに頭を突っ込み、ウナギに噛みつきました。
そこをとうとうシンジが見つけ、大声で怒鳴りました。
2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:03:27.89 ID:xxoqZMAxo
シンジ「こらぁぁぁぁ!!!何わっつぁしてだ!こん性悪ギツネがぁ!!」
マリギツネ「ひゃぁぁぁ!!めっかってしまったじゃ!!」
マリギツネは首にウナギを巻きつけたまま、一目散に逃げ出しました。
マリギツネ「こごまで来ば追ってこねべ…」ハァハァ
マリギツネ「つが、いづまで巻きついでんだおめ!」
マリギツネはウナギを振り落とし、
ムシャムシャとそのまま食べてしまいました。
マリギツネ「げふっ…ごっつぉさん」
3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:04:48.61 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜数日後〜〜〜〜〜
その日は村の空気が違っていた。
マリギツネ「なんだべ?祭りっこが何がやんだべが?」
マリ「その割に太鼓の音も聞げねし、笛っこも聞げねな…」
村内では、女たちが身だしなみを整えたりしてました、
そのうち小さな壊れかけの家に集まりだしました。
かまどで何かを煮炊きする女たちも居ました。
そこの小さな家はシンジの家でした。
マリギツネ「じゃじゃじゃ…葬式でねが…」
マリギツネ「スンズの家さ居だのって、おっかぁだげだったべ…」
マリギツネ「スンズのおっかぁ死んだのが…」
葬列は墓場に向かって静かに行進していました、
先頭は白い裃を着、位牌を抱いたシンジでした。
シンジ「おっかぁよぅ、もさげねがった…最後にウナギかせでやれねぐて…」ボロボロ
マリギツネはしょんぼりしながら巣穴に帰って行きました。
マリギツネ「スンズのおっかぁ、あんべわりぐして床さ臥せでだっけな…」
マリギツネ「おっかぁさウナギっこかせでくてだの、オラが盗ってしまったがらかせれねがったんだべな…」
マリギツネ「ウナギ食でぇ〜ウナギ食でぇ〜って語ってだんだべな…」
マリギツネ「もづぇごどしたじゃ…あっただイタズラしねばいがったやぁ…」
マリギツネは後悔の念に駆られていました。
4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:30:00.79 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜数日後〜〜〜〜
シンジ「麦でも磨いでおぐべ…」
シンジは井戸の脇で麦磨ぎをしているようでした、
そこをマリギツネは物置の陰からそっと眺めていました。
マリギツネ「オラど同づ一人ぼっつが…」
しょんぼりとそこを離れ掛かった時、魚売りの声が聞こえてきました。
魚売りトウジ「イワス〜イワスいらねがぁ〜、活ぎいいど〜安ぐすっと〜」
するとシゲルの女房、マヤから声が掛かりました。
マヤ「イワスっこ3つけらい」
魚売りトウジ「あいよっ毎度!」
魚売りはイワシを掴んで家の中へ入って行きました。
シゲル「お!んめそなイワスだなや!」
魚売りトウジ「獲れだでだがらよ!そらんめじゃ!」
マリギツネ「今のうぢに…」コソコソ
マリギツネはイワシを持てるだけ持って逃げました、
そしてシンジの家の裏口から投げ込みました。
マリギツネはウナギの償いに一つ良い事をしたと思いました。
5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:31:05.01 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜翌日〜〜〜〜
マリギツネは山で沢山のクリを拾い、シンジの家に持って行きました。
すると顔を怪我したシンジが居るでは無いですか、
どうやら魚売りにイワシ泥棒と勘違いされて殴られたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜
魚売りトウジ「オラはオメば叩ぎづげねばなんね…」
バキッ!
シンジ「ぐはっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
シンジ「いってぇ誰がいわすっこオラいさ投げだんだべ…おがげでさがな屋にくらえだじゃ…」
マリギツネ「あじゃぁ…まだげねごどしつまったなや…」
マリギツネは拾ってきたクリを裏口に置いて、トボトボと巣穴に帰って行きました。
そして次の日もまた次の日もクリを拾って届けました。
またある日には松茸や山菜も届けました。
6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:32:13.20 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜〜〜〜
月が綺麗な晩の時、マリギツネはブラブラ遊んで居ました、
すると道の向こうから人が三人歩いてきました。
マリギツネは草むらに隠れて様子を窺がって居ました。
シンジ「なぁ、ぺっこ聞いでけらい…」
アスカ「なぬすたれスンズ?」
レイ「あだしらでいがったら…聞いでけっから…」
シンジ「近頃おがすねぇ事ばりあんのよ…」
レイ「なんだべ…」
シンジ「おっかぁきしゃまってがら、家の裏口さクリだりキノゴだり置がれでんだぁ…」
アスカ「なんたら気持ぢわりな…」
シンジ「だべぇ?だけんどオラいで貧乏たがりだがらよ、割ど助がってんのよ」
レイ「スンズばもづぇど思って神様が恵んでけだんだがも…」
シンジ「神様っていだんだなぁ…」
アスカ「毎日拝まねばねな」
シンジ「んだな…」
これを聞いていたマリギツネは。
マリギツネ「オラが持ってってんだどもな…まぁいいが…」
面白くなさそうでしたが、自分の犯した罪を思い出し我慢しました。
7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:34:43.65 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日もクリを拾って届けようとしました、するとシンジが家の中で縄をなっていました。
マリギツネはこっそりと入って行きました。
シンジ「!?」
シンジ(イダズラギツネだじゃ!まだ何がわっつぁすに来たな!)
シンジはそ〜っと火縄銃の準備をしました。
そしてマリギツネが家から出ようとした所を。
ドコーン!
マリギツネ「キャン!!」バタッ
シンジは駆け寄りました。
ふと土間に目をやると、今朝まで無かったクリが積まれているでは無いですか。
シンジ「オメがクリどが、持って来てけだのが…?」
マリギツネはか細い声を出しながら頷きました。
マリギツネ「クゥ…」
動かなくなったマリギツネのそばで、膝を付いてうなだれるシンジでした。
おしまい
8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 18:43:25.44 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜NERV試写会場〜〜〜〜
シンジ「う〜ん…」
アスカ「ねぇ〜…」
レイ「…」
日向「…」
ミサト「暗いわねぇ〜、しかも盛り上がりが無いし…泣ける話ではあるけど…」
日向「仕方ないですよ…司令が予算出してくれなかったんですもん…」
シンジ「まぁ、原作もこんな感じでイキナリ終わる感じですから…」
マリ「しっかし東北弁は難しいにゃ〜何回舌噛んだかわかんないにゃ!」
シンジ「でも良く頑張ったじゃないか」
アスカ「てか司令の出番無かったんでしょ?だからお金出してくんなかったの?」
日向「うん…代りにおもいっきし闇のオーラ出してたよ」
アスカ「」
10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:21:00.89 ID:xxoqZMAxo
ミサト「でも良い話よね」
シンジ「ですよね、要領の悪い奴は死ぬって…腐乱ダースの犬もそうですよね」
ミサト「台無し…」
シンジ「」
日向「でもまぁ3部作出来ちゃったし、これでこのシリーズは終わりだからね!」
アスカ「もうやんないの?」
日向「ははは、ネタが無いんだよ」
日向「東北弁もこんな感じなんだよって軽く広まったかもだし」
日向「もう僕らの出番は終わりさ」
日向「その内誰か九州弁でやる人が出てくるかもね!」チラッ
アスカ「あたしが主役やんないうちに終了とは…orz」
日向「おまけで翻訳版を出すよ!」
11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:28:09.54 ID:xxoqZMAxo
【翻訳版】
昔々ある所にマリギツネと言う子ギツネが居ました。
マリギツネ「退屈だな〜」
マリギツネ「なんか面白い事無いかなぁ〜」
マリギツネはいつも一人ぼっちでした、
そして退屈のあまり村人に悪戯ばかりしていました。
住居不法侵入、窃盗、器物損壊、放火と枚挙に暇が無い程でした。
ある日、暇を持て余したマリギツネはフラフラと散歩してる中、
村人の一人シンジを見つけました。
シンジは川で網を使って魚を取っているようでした。
マリギツネ「おや?あそこに居るのはシンジだな?」
マリギツネ「よーし…ちょっとイタズラしてやるか」キシシ
マリギツネはせっかくシンジが捕えた魚をビクから取りだし、
網の掛かっていない川下にポイポイ捨ててしまいました。
マリギツネ「こんなことして、見つかったら物凄く怒るだろな〜」ニヤニヤ
マリギツネ「でも…面白いから、イイ!!」
マリギツネはビクの中に居たウナギを捕まえようとしましたが、
ヌルヌル滑って捕まえる事が出来ません。
マリギツネ「しようがない…力押ししかないじゃん!」
マリギツネはビクに頭を突っ込み、ウナギに噛みつきました。
そこをとうとうシンジが見つけ、大声で怒鳴りました。
12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:28:46.27 ID:xxoqZMAxo
シンジ「こらぁぁぁぁ!!!何悪さしてるんだ!この性悪ギツネがぁ!!」
マリギツネ「ひゃぁぁぁ!!見つかってしまった!!」
マリギツネは首にウナギを巻きつけたまま、一目散に逃げ出しました。
マリギツネ「ここまで来れば追ってこないでしょう…」ハァハァ
マリギツネ「て言うか、いつまで巻きついてんのお前!」
マリギツネはウナギを振り落とし、
ムシャムシャとそのまま食べてしまいました。
マリギツネ「げふっ…ごちそうさま」
13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:36:11.96 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜数日後〜〜〜〜〜
その日は村の空気が違っていた。
マリギツネ「なんだろ?祭りか何かやるのかな?」
マリ「その割に太鼓の音も聞こえないし、笛も聞こえない…」
村内では、女たちが身だしなみを整えたりしてました、
そのうち小さな壊れかけの家に集まりだしました。
かまどで何かを煮炊きする女たちも居ました。
そこの小さな家はシンジの家でした。
マリギツネ「あらら…葬式じゃん…」
マリギツネ「シンジの家に居たのって、お母さんだけだっけ……」
マリギツネ「シンジのお母さん死んじゃったんだ…」
葬列は墓場に向かって静かに行進していました、
先頭は白い裃を着、位牌を抱いたシンジでした。
シンジ「母さん、ごめん…最後にウナギ食べさせられなくて…」ボロボロ
マリギツネはしょんぼりしながら巣穴に帰って行きました。
マリギツネ「シンジのお母さん、具合が悪くて床に伏せてたんだった…」
マリギツネ「お母さんにウナギ食べさせたかったのに、私が盗ってしまったから食べさせられなかったんだ…」
マリギツネ「ウナギ食べたいな…ウナギ食べたいなって言ってたんだろうな…」
マリギツネ「可哀想なことしたな…あんなイタズラしなきゃよかった…」
マリギツネは後悔の念に駆られていました。
14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:40:17.66 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜数日後〜〜〜〜
シンジ「麦でも磨いで置こう…」
シンジは井戸の脇で麦磨ぎをしているようでした、
そこをマリギツネは物置の陰からそっと眺めていました。
マリギツネ「私と同じ、一人ぼっちか…」
しょんぼりとそこを離れ掛かった時、魚売りの声が聞こえてきました。
魚売りトウジ「イワシ〜イワシは要りませんか〜、活きが良いですよ〜安いですよ〜」
するとシゲルの女房、マヤから声が掛かりました。
マヤ「イワシ3匹下さい」
魚売りトウジ「はいよっ毎度!」
魚売りはイワシを掴んで家の中へ入って行きました。
シゲル「お!美味そうなイワシだな!」
魚売りトウジ「獲れたてだからさ!そりゃ美味いさ!」
マリギツネ「今のうちに…」コソコソ
マリギツネはイワシを持てるだけ持って逃げました、
そしてシンジの家の裏口から投げ込みました。
マリギツネはウナギの償いに一つ良い事をしたと思いました。
15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:43:24.62 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜翌日〜〜〜〜
マリギツネは山で沢山のクリを拾い、シンジの家に持って行きました。
すると顔を怪我したシンジが居るでは無いですか、
どうやら魚売りにイワシ泥棒と勘違いされて殴られたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜
魚売りトウジ「俺はお前を殴らにゃならん…」
バキッ!
シンジ「ぐはっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
シンジ「一体だれがイワシを僕の家に置いていったんだろう…おがげで魚屋に怒られたよ…」
マリギツネ「ありゃぁ…また良くない事してしまった…」
マリギツネは拾ってきたクリを裏口に置いて、トボトボと巣穴に帰って行きました。
そして次の日もまた次の日もクリを拾って届けました。
またある日には松茸や山菜も届けました。
16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:50:11.05 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜〜〜〜
月が綺麗な晩の時、マリギツネはブラブラ遊んで居ました、
すると道の向こうから人が三人歩いてきました。
マリギツネは草むらに隠れて様子を窺がって居ました。
シンジ「ねぇ、ちょっと聞いてくれないかな…」
アスカ「何したのシンジ?」
レイ「あたしたちで良かったら…聞いてあげる…」
シンジ「近頃おかしな事ばかりあるんだよ…」
レイ「何?…」
シンジ「母さんが死んでから、家の裏口にクリとかキノコとか置かれてるんだよ…」
アスカ「なにそれ気持ち悪い…」
シンジ「だろぉ?けど僕んち貧乏だから、割ど助かってるんだよ」
レイ「シンジが可哀想と思って神様が恵んでくれたのも…」
シンジ「神様って居るんだな」
アスカ「毎日拝まないとね」
シンジ「そうだね…」
これを聞いていたマリギツネは。
マリギツネ「私が持ってったんだけどな…まぁいいや…」
面白くなさそうでしたが、自分の犯した罪を思い出し我慢しました。
17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:52:15.80 ID:xxoqZMAxo
〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日もクリを拾って届けようとしました、するとシンジが家の中で縄をなっていました。
マリギツネはこっそりと入って行きました。
シンジ「!?」
シンジ(イタズラ狐だ!また何か悪さしに来たな!)
シンジはそ〜っと火縄銃の準備をしました。
そしてマリギツネが家から出ようとした所を。
ドコーン!
マリギツネ「キャン!!」バタッ
シンジは駆け寄りました。
ふと土間に目をやると、今朝まで無かったクリが積まれているでは無いですか。
シンジ「お前がクリとか、持って来てくれたのか…?」
マリギツネはか細い声を出しながら頷きました。
マリギツネ「クゥ…」
動かなくなったマリギツネのそばで、膝を付いてうなだれるシンジでした。
おしまい
18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2013/03/17(日) 20:55:54.78 ID:xxoqZMAxo
これにて終了です、ご静読ありがとうございました(*_ _)ペコリ
トウジが関西弁じゃないのと、マリがにゃーとかわんこ君言わないのは、
東北弁版の翻訳バージョンだからなので、
違和感をお感じの方は、脳内補完でよろしくお願いします。