1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 20:38:33.09 ID:Faic56Ti0
カヲル「この肉体はリリンとほとんど変わらないからね。生理的な反応くらいあるさ」
アスカ「ふん、澄ましちゃって」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 20:48:38.50 ID:Faic56Ti0
アスカ「アレは出来るわけ?」
カヲル「アレでは分からないよ」
アスカ「アレはアレよ……しゃ、射精」
カヲル「射精か。可能ではあるね」
アスカ「ふーん……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 20:53:57.30 ID:Faic56Ti0
カヲル「ただあいにく、僕には肉体的快楽を感じ取る機能がないのさ。性行為に限らずね」
アスカ「…は? なにそれ、なんか矛盾してない?」
カヲル「でも事実なんだ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:10:17.70 ID:Faic56Ti0
〜
シンジ「なにボケっとしてるの? アスカ」
アスカ「してないわよ別に。ボケてんのはあんたの得意技でしょ」
シンジ「そんなことないよ!」
アスカ「…今日さ、ちょっと渚と話して分かったんだけど」
シンジ「へえ、珍しいね」
アスカ「完全に不能かなにかかと思ったら、あいつでもちゃんと勃起も射精もできんのね」
シンジ「ぶっ」
アスカ「言っとくけど渚の自己申告よ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:20:19.16 ID:Faic56Ti0
シンジ「カ、カ、カヲル君になんてこと言わせてるんだよっ!」
アスカ「会話の流れよ流れ。にしてもあいつ、一応きちんと男なんだったら、バカシンジばった追いかけてないで彼女でも作ればいいのに」
シンジ「そんなの…カヲル君の自由だろ…」
アスカ「そんなこと言って、怖いんでしょ? 渚に彼女できたら構ってくれなくなるかもって」
シンジ「そういうわけじゃ…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:29:40.66 ID:Faic56Ti0
アスカ「いつまでも男同士でベタベタしてらんないんだし、友達なら、渚のこれからの事もちょっと考えてやったら?」
シンジ「カヲル君のことを……?」
アスカ「変人ホモ男のまま放っとくのかってことよ」
シンジ「…」
アスカ「ま、あんたからすれば、今のままが一番都合いいんでしょーけど」
シンジ「…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:34:39.96 ID:Faic56Ti0
〜
シンジ「あ、カヲル君。こんにちは」
カヲル「やあ。今日は訓練はお休みのはずだけど、どうして本部に?」
シンジ「軽い定期検診。カヲル君は?」
カヲル「僕も似たようなものさ。簡単な調整にね」
シンジ「…」
カヲル「どうかしたのかい?」
シンジ「うん…あの、ちょっといいかな?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:43:20.71 ID:Faic56Ti0
アスカ「♪」
ヒカリ「アスカ、なにか良いことあったの?」
アスカ「へ?」
ヒカリ「顔に出てる」
アスカ「ふふん、べっつに〜」
アスカ(あれくらい言っとけば、バカシンジは単純だからホモと距離を取ろうとするはず)
アスカ(シンジにたかるデッカい虫をこれで追い払えるってもんよ!私って天才!)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 21:56:38.22 ID:Faic56Ti0
カヲル「女の子と?」
シンジ「いや、無理に付き合ったらとかではないんだけど…ほら、カヲル君も男なんだし、モテるし」
カヲル「そうでもないよ」
シンジ「モテるって! だからせっかくだし、少し女の子にも興味持ってみたらいいんじゃないかなー…なんて」
カヲル「…」
シンジ「あ、ホントに、無理にってわけじゃないよ! 余計なお世話だったらゴメン」
カヲル「いや、いいんだ。僕のためを想って言ってくれてるんだね。シンジ君」
シンジ「カヲル君…」
カヲル「君がそう言うなら、努力してみるよ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 22:19:56.28 ID:Faic56Ti0
女子A「あ、あ、あの、私…渚君が転校してきてから、ずっと、ずっと見てて…」
カヲル(呼び出されたと思ったらまたこれか。リリンの行動も代わり映えしないな)
女子A「渚君が、いっぱい告白とかされて…ぜ、全部断ってるのも知ってるけど。やっぱり伝えたくて…!」
カヲル「なにをだい?」
女子A「わっわっ、私とっ! つつ付き合ってください!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 22:28:22.62 ID:Faic56Ti0
カヲル(シンジ君に諭してもらったとはいえ、これは…)
カヲル「ごめんね。君と付き合うことはできないよ」
女子A「あ…………」
カヲル「恋人関係はお互いに特別な好意を抱くことで成り立つものだからね。君を嫌うわけではないけど、特別とは想えないんだ」
女子A「い、ぃぃの……ヒック、そうやってハッキリ…ヒック…言ってくれるほうが…ぅぅ」
カヲル「…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 22:38:39.71 ID:Faic56Ti0
カヲル「…そろそろ落ち着いたかい? それじゃ、僕は行くね」
女子A「な、渚君!待って」
カヲル「?」
女子A「悔いを残したくないから…断ってくれていいから…もう一つだけお願い、聞いていって」
カヲル「ああ、いいよ」
女子A「一回だけでいいから! 私とデートしてください!」
カヲル「…」
カヲル(いつもならこうした願いも放っておくところだけど…)
カヲル「それは、僕が君を好きだと感じていなくても構わないのかい?」
女子A「…え?」
カヲル「デートさ。君がさっき言ったその願い」
女子A「え。し、してくれる…の?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 22:44:19.91 ID:Faic56Ti0
〜
女子A「…」ソワソワ
女子A「…」ソワソワ
カヲル「やあ、お待たせ」
女子A「ッ!!」
カヲル「どうかしたかい?」
女子A「ほ……本当に来てくれた……渚君が」
カヲル「約束を破ったりしないさ。さあ、行こう」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 22:55:25.70 ID:Faic56Ti0
女子A「―――ありがとう。渚君。私、生きてきてで今日が一番素敵な日だった」
カヲル「大げさだよ」
女子A「全然大げさじゃないよ…」
カヲル「なんにしろ、喜んでもらえたようで良かった」
女子A「…でも…付き合ってはもらえないんだよね」
カヲル「…」
女子A「分かってるけど、やっぱり私、渚君を諦めるなんてできそうにない」
カヲル「それは自由だよ。君自身の心が決めることだからね」
女子A「うん…………ね、ねえ。今日の記念に、キスだけ……駄目?」
カヲル「…」
女子A「図々しくてゴメンなさい! でも、渚君のこと大好きだから!」
カヲル「繰り返すけれど、僕は君を好きでも嫌いでもない……それでもして欲しいのかい?」
女子A「……はい」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:00:45.64 ID:Faic56Ti0
〜
女子B「ちょっと、渚君!」
女子C「…」
女子D「渚君。少し話がしたいの」
女子E「……来て」
カヲル「ああ、いいよ」
ザワザワザワ
トウジ「なんやあれ。オナゴが大勢で」
ケンスケ「渚のファンクラブの連中だよ。なにかあったのかな?」
シンジ「カヲル君…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:07:44.99 ID:Faic56Ti0
女子F「ここならいいんじゃない?」
カヲル「…用件はなに?」
女子G「昨日! 渚君とAちゃんが、一緒に歩いてるの見たって子がいるの!」
女子H「Aちゃん問い詰めたら…デートして、キ、キスまでしたって…!」
女子I「嘘だよね? 嘘だよね渚君」
カヲル「彼女がどう言ったかは知らないけれど、今君達が言葉にした内容なら、本当だよ」
女子J「!?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:18:26.00 ID:Faic56Ti0
女子K「う…ぅぅ、ぅ」
カヲル(こんな事でも涙を流すんだね、リリンは)
女子L「……二人は、付き合ってるの…?」
カヲル「いや。そうしてくれと言われたけど断ったよ」
女子M「じゃあどうしてデートとかキスとかっ!」
カヲル「…僕に彼女への好意が無くてもいい、という条件で頼まれたんだ」
女子N「それって。なら、Aちゃんのことは―――」
カヲル「特別な想いはなにも無
パンッ!
女子O「さいってー……!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:29:44.08 ID:Faic56Ti0
女子B「見損なったわ。みんな、行こっ」
ゾロゾロゾロ
カヲル「…」
シンジ「あ! おかえり!」
ケンスケ「なんだったんだ?」
カヲル「どうやら、僕はおかしな事をしてしまったらしい。嫌われたよ」
シンジ「カヲル君が!?」
トウジ「ホンマか!?」
カヲル「軽く叩かれすらしたからね。間違いないよ」
シンジ「カヲル君を!?」
トウジ「はっは、まあ気にすんなや渚。オナゴなんちゅうやかましい生き物追い払って、男同士でビシッといこうや」
ケンスケ「渚にそれ言うと別の意味に聞こえるぞトウジ」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:39:51.72 ID:Faic56Ti0
〜
シンジ「カヲル君、今日は一緒にかえ…」
アスカ「ほらバカシンジ! のろのろしてないでさっさと帰るわよ!」
シンジ「うぁっ!? 襟引っ張んないでよアスカ! 首っ首がしまるって! ああああ」ズルズルズル
カヲル「ふふ。また明日」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:54:06.50 ID:Faic56Ti0
カヲル「…」テクテク
カヲル「…!」
女子O「な……渚君」
カヲル「やあ。待ち伏せするなんて、また何か僕に?」
女子O「……さっきは……ごめんなさい。叩いちゃって」
カヲル「謝ることはないよ。きっと僕に問題があるんだろうから」
女子O「お、怒ったり嫌ったり、しないの?」
カヲル「しないよ。それを確かめに?」
女子O「…」
カヲル「黙っていたら何も伝わらないよ」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/15(火) 23:56:13.45 ID:Faic56Ti0
女子O「…渚君って、好きでもない子とキスとかできちゃう人だったんだね」
カヲル「自ら望みはしないけど、嫌悪するわけではないからね」
カヲル(シンジ君が僕に、女の子と親しくすることを望むなら)
カヲル「頼まれて断る理由もない」
女子O「…」
カヲル「?」
女子O「…他の子達には、内緒にしてくれる…?」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/16(水) 00:21:48.24 ID:GfIUkC080
アスカ「シンジー。ご飯あとどのくらい?」
シンジ「もうすぐだってばー」
シンジ(あ、携帯鳴って……カヲル君からだ)
カヲル『もしもし。今晩は』
シンジ「こんばんは。ってカヲル君、今日の学校のあれ、ホントに大丈夫だったの!?」
カヲル『心配してくれてありがとう。でも大したことはなかったし、それに解決しそうだよ』
シンジ「そっか……よく分かんないけど、なら良かった」
カヲル『むしろ、とても面白いことがあったんだ。それを君に言っておきたかった』
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/16(水) 00:31:10.11 ID:GfIUkC080
カヲル『リリンの女性達は、僕には予測のつかない思考や行動を取ることがある。おかげで、興味を抱けそうなんだ』
シンジ「そ、そうなんだ」
カヲル『さすがはシンジ君だ。改めて感謝するよ』
シンジ「僕は何も……いやあの、それより、僕が言ってたのってちょっと違うような」
アスカ「遅い!」グイッ
シンジ「アスカ!? 待ってよ電話中なんだからっ」
アスカ「ホモとでしょ? どーせ大した用事じゃないんだから、さくさく切り上げなさいよ」
シンジ「アスカが電話してる時は長くて待たせるくせに………あ」
アスカ「どったの?」
シンジ「もう切れてる。ほら、アスカが騒がしいからカヲル君逃げちゃった」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/16(水) 00:42:13.09 ID:GfIUkC080
数週間後
「知ってる? "天使さま"の噂」
「あれってホントなの…?」
「マジらしいよ。告白は相変わらず受けつけてくれないけど―――」
「最初は誰でもOKみたいな感じだったんだって」
「でもさ……"天使さま"相手じゃ、ブスは遠慮しちゃうよね」
「今じゃファンクラブの3年が仕切って、可不可を選定してるらしいよ。何様だっての」
「え〜ショック。"天使さま"っていうかただのヤリチンじゃん」
「そうだけど。でもさ……」
「どっち選ぶかだよね?」
「その他の"人間男子"にフツーに恋するか、"天使さま"に可愛がってもらうか―――」
「"天使さま"見た後に、他で我慢するのって正直キツくない?」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/16(水) 00:45:44.02 ID:GfIUkC080
ヒカリ「はぁ」
アスカ「どったのーヒカリ」
ヒカリ「……近頃、アスカは楽しそうね」
アスカ「前も似たようなこと言ってなかったっけ。ヒカリ」
ヒカリ「言ったかも」
アスカ「で、ヒカリはどうしてため息ついてるわけ?」
ヒカリ「…噂」
アスカ「ウワサ?」
ヒカリ「これも最近。学校で、女の子の間に流行ってる噂、知ってる?」
アスカ「なにそれ、怪談?」
ヒカリ「やっぱり知らないんだ。アスカ、最近碇君にベッタリだもんね」
アスカ「んそ、そんなこと無いわよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/16(水) 00:51:19.89 ID:GfIUkC080
ヒカリ「とにかく、その噂のせいで悩んでるの」
アスカ「ふーん」
ヒカリ「興味無さそう……」
アスカ「ヒカリは色々気にしすぎなのよ。学級委員長だからって、なんでもかんでも」
ヒカリ「うん」
アスカ「ま、その生真面目さがヒカリのいいところよね」
シンジ「綾波。はいこれ、今日の」
レイ「……ありがとう」
アスカ「むっ」
ヒカリ「碇君が綾波さんの分もお弁当作るようになったのも、そういえばここ最近だよね」
アスカ「自分の仕事が増えるだけだったのに、あのバカ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/01/16(水) 01:05:47.09 ID:GfIUkC080
疲れた