150 名前:シンジ「お姫様ゲーム?」[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:01:09.81 ID:8ExebvXCP
シンジ「なにそれ」
アスカ「お姫様の言うことを、従者が聞くゲーム」
シンジ「それだけ?」
アスカ「そうだけど」
シンジ「……説明だけ聞くと、まったく楽しくなさそうだね」
アスカ「説明だけだとね」
シンジ「実際は違うの?」
アスカ「ええ」
シンジ「へー」
アスカ「じゃ、始めるわよ」
シンジ「一応聞くけど、僕は……」
アスカ「従者」
シンジ「ああ、うん。そうだろうね」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:05:01.26 ID:8ExebvXCP
アスカ「じゃあ、シンジ」
シンジ「うん」
アスカ「私の肩を揉みなさい」
シンジ「えっと……えっ?」
アスカ「返事は『かしこまりました。お姫様』」
シンジ「そういうことじゃなくて……」
アスカ「ハリー!」
シンジ「わ、分かったよ! かしこまりました、お姫様!」
アスカ「……」
シンジ「……」モミモミ
アスカ「……」
シンジ「……」モミモミ
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:09:02.19 ID:8ExebvXCP
シンジ「アスカ」
アスカ「なによ?」
シンジ「勘違いじゃないと思うけど……これ、楽しくないよ」
アスカ「ウソでしょ!?」
シンジ「驚くとこなんだ」
アスカ「涎を垂らしながら喜ぶのが普通よ」
シンジ「アスカは梅干しかなにかなの?」
アスカ「……しょうがないわね。じゃあ、やめていいわよ」
シンジ「助かった」パッ
アスカ「さて、次の命令はどうしようかしら」
シンジ「ゲームは続行なんだ」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:13:26.57 ID:8ExebvXCP
アスカ「そうね、じゃあ……」
シンジ「?」
アスカ「頭を撫でなさい」
シンジ「ええっ!?」
アスカ「その位置からだと、ちょうど撫でやすいでしょ?」
シンジ「ま、まぁそうだけど」
アスカ「やりなさい」
シンジ「でも、なんのために?」
アスカ「……普段、やらないことをするのは、労力が必要でしょ?」
シンジ「うん」
アスカ「そういうのを敢えてやらせることで、姫側が権力を握ったことを実感するためよ」
シンジ「なる、ほど?」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:17:24.39 ID:8ExebvXCP
シンジ「えっと、じゃあ」
アスカ「ええ」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「ねぇ」
アスカ「……ふあっ」ビクッ
シンジ「えっ」
アスカ「あ、いや……なに?」
シンジ「これは、どうすれば終わりになるの?」
アスカ「どちらかが敗北を認めるまでよ」
シンジ「勝負だったの!?」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:21:53.05 ID:8ExebvXCP
アスカ「当り前よ。人生とは常に、死ぬかくたばるかでしょ」
シンジ「どっちみち死ぬんだ」
アスカ「いいから、撫で続けなさい」
シンジ「あ、うん」
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「ちょっと」
シンジ「なに?」
アスカ「左手、持て余してるじゃない」
シンジ「それは……だって、両手で撫でるのなんて、変だろ?」
アスカ「そういう時は、腕をこう……分かるでしょ?」
シンジ「?」
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:24:51.65 ID:8ExebvXCP
アスカ「だから……左腕を、私の首に回して」
シンジ「締めればいいの?」
アスカ「んなわけないでしょ!」
シンジ「ええっ」
アスカ「ほら、その……優しく、人形を抱くような感じで」
シンジ「えっと、こう?」ギュッ
アスカ「そう、それよ。そのまま撫でる」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「〜♪」
シンジ「……アスカ、これ、ちょっとマズイ気がするんだけど」
アスカ「なにが?」
シンジ「人が見たら誤解しそうっていうか」
アスカ「誤解〜?」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:28:56.76 ID:8ExebvXCP
アスカ「まさか、カップルがイチャついているようにしか見えないとか、そういうこと?」
シンジ「う、うん」
アスカ「やだー! そんなこと考えてたんだ。へんたーい!」
シンジ「ええー……」
アスカ「そんなだから、クラスの女子に、ムッツリってあだ名付けられるのよ」
シンジ「初耳だよ!?」
アスカ「私の裸をシンジが見たことを話した時の、ドン引きっぷりったらなかったわね」
シンジ「完全にアスカのせいじゃないか!!」
アスカ「大丈夫よ。近づかなければ無害っていう結論に至ったから」
シンジ「近づいたら有害なのかよ……」
アスカ「現に、私はこんな目に遭ってるし」
シンジ「アスカがやらせてるんだろ!!」
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:33:36.23 ID:8ExebvXCP
アスカ「洗濯の時とか、私の服の匂い、嗅いでるんでしょ」
シンジ「嗅いでないよ」
アスカ「くんかくんか……これがアスカの匂い……はぁはぁ」
シンジ「僕はどんだけ変態なんだよ」
アスカ「くんかく……!? なんだこの加齢臭は! 消え去れ!!」ポイッ
シンジ「ミサトさんに謝れ!」
アスカ「ミサトの名前なんて、出してないんだけど」
シンジ「うっ」
アスカ「へぇー、アンタはミサトから加齢臭がすると思ってるんだ。へぇー、へぇー!」
シンジ「違うよ! ミサトさんは良い匂いがするよ!」
アスカ「なんで知ってんのよ」
シンジ「そ、それは……」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:39:10.60 ID:8ExebvXCP
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「ねぇ」
シンジ「―――不可抗力なんだ!」
アスカ「はぁ?」
シンジ「洗濯しようとしたら! どうしても匂いは嗅いじゃうだろ!!」
アスカ「……」
シンジ「服に顔を埋めるとかはしてないけど、近づくだけで、大人の香りが漂うんだ……」
アスカ「……」
シンジ「むしろ僕は被害者だよ。あんな匂いを嗅がされて、おかしなことをしてないだけ善良だよ……」
アスカ「……」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:45:48.97 ID:8ExebvXCP
シンジ「アス」
アスカ「―――第三ゲーム!!」
シンジ「えっ」
アスカ「離して」
シンジ「あ、うん」
アスカ「よし……じゃあ、どうぞ」パッ
シンジ「?」
アスカ「早く来なさいよ」
シンジ「ごめん、どういうこと?」
アスカ「だから、私の胸に飛び込んできなさいって言ってんの!」
シンジ「ええっ!?」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:51:18.85 ID:8ExebvXCP
アスカ「ほら!」
シンジ「流石にそれは……」
アスカ「また逃げるの?」
シンジ「また……?」
アスカ「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」
シンジ「なんでそれをアスカが知ってるんだよ!!」
アスカ「いいから、来いっつってんのよ」ガバッ
シンジ「わっ」
アスカ「……」ギュー
シンジ「……」
アスカ「……」ギュー
シンジ「……」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:54:07.64 ID:8ExebvXCP
アスカ「……で?」
シンジ「え?」
アスカ「どっち?」
シンジ「なにが?」
アスカ「だから! 私とミサト! どっちが良い匂い!?」
シンジ「そ、それは……」
アスカ「私でしょ?」
シンジ「えーと……」
アスカ「私よね!?」ギュー
シンジ「痛い痛い痛い! アスカです、アスカです!!」
アスカ「ふふん、そりゃそうよ。この私が、三十路のおばさんに負けるわけないんだから」
シンジ「頭が爆発するかと思った……」
184 名前:風呂[] 投稿日:2012/12/23(日) 00:59:48.30 ID:8ExebvXCP
ミサト「―――だーれが、三十路のおばさんですってぇ……!?」
アスカ「げっ!」パッ
シンジ「わっ」
ミサト「私は三十路じゃないわよ! まだ29よ!!」
アスカ「変わんないじゃない」
ミサト「変わるわよ! エヴァとエバーくらい違うわ」
アスカ「……?」
ミサト「と、とにかく、私をおばさん扱いしないで!」
アスカ「気にしてたの?」
ミサト「まぁ、うん……」
アスカ「それは……ごめん、ミサト」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:24:50.98 ID:8ExebvXCP
ミサト「それともう一つ、不純異性交遊は禁止です」
アスカ「し、してないわよ!」
ミサト「思いっきり抱き合ってたじゃない」
アスカ「……清純異性交遊よ」
ミサト「ふーん、そういうことしてたのは認めるんだ」
アスカ「それは……」
ミサト「まぁ、ゲーム形式にしたのは、中々いい考えだと思うわ」
アスカ「……! い、いつから覗いてたのよ」
ミサト「『かしこまりました、お姫様』あたりから」
アスカ「ほとんど初めっからじゃないのよ!!」
ミサト「おほほ」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:29:01.87 ID:8ExebvXCP
ミサト「というか二人とも、お風呂まだでしょ。早く入っちゃいなさい」
アスカ「あ、うん」
ミサト「……二人で入るのも、今なら許可するわよ?」
アスカ「ミサト!」
ミサト「はいはい、もう言わなーい」
アスカ「ったく……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「一緒に入る?」
シンジ「……遠慮しとく」
アスカ「そう」スタスタ
シンジ(え、え?)
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:34:21.25 ID:8ExebvXCP
―――翌日
アスカ「ただいまー」
シンジ「おかえり、アスカ」
アスカ「なにしてんの?」
シンジ「映画見てる」
アスカ「ふーん……私も見る」
シンジ「どうぞ」
アスカ「よいしょっと」ポスッ
シンジ「わっ」
アスカ「ふぅ」
シンジ「なんで、わざわざ僕の上に座るの?」
アスカ「アンタがここで見てたってことは、ここが一番映画を見やすい場所じゃない」
シンジ「えーっと」
アスカ「さっすが私! 天才的!」
シンジ「うーん……」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:39:41.54 ID:8ExebvXCP
シンジ「あと、痺れそうなんだけど」
アスカ「羽のように軽い私が乗ってるだけなのに?」
シンジ「羽のように軽いアスカが乗ってるだけなんだけどね」
アスカ「しょうがないわね……じゃあ、一旦どくわ」
シンジ「一旦?」
アスカ「んで、体育座り」
シンジ「こう?」
アスカ「で、ちょっと足を開いて」
シンジ「うん」
アスカ「私が間に入れば、完成」ポスッ
シンジ「……」
アスカ「これで、痺れない」
シンジ「あのさ」
アスカ「……」ギロッ
シンジ「ごめん、なんでもない」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:44:25.02 ID:8ExebvXCP
シンジ「……」クンクン
アスカ「なに?」
シンジ「そういえば、今日は体育あったなーって」
アスカ「……!」ガバッ
シンジ「え?」
アスカ「……」
シンジ「どうしたの?」
アスカ「私、汗臭い?」
シンジ「そんなことないけど」
アスカ「でも」
シンジ「……あ! ごめん、たしかにいつもと匂いが違うなって思ったけど、別に汗臭いってわけじゃないよ!」
アスカ「……」
シンジ「むしろ、なんかいつもより良い感じだなって思うくらいで」
アスカ「……」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:50:36.65 ID:8ExebvXCP
アスカ「ダメ」
シンジ「えっ」
アスカ「シャワー浴びてくる」
シンジ「わざわざ?」
アスカ「技もパワーもへったくれもないのよ!」
シンジ「意味分かんないよ……」
アスカ「ふんっ!」スタスタ
シンジ(そもそも、僕を座椅子代わりにしなきゃいいんじゃないのかな……)
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 01:56:09.03 ID:8ExebvXCP
―――数十分後
アスカ「シャワー浴びたてアスカ様」
シンジ「はぁ、どうも」
アスカ「特技は水飛沫スプラッシュ」プルプル
シンジ「わっ! やめてよ!」
アスカ「拭いて」
シンジ「分かったから、こっちきてよ……」
アスカ「ドライヤーもね?」
シンジ「はいはい」
アスカ「あ、お姫様ゲーム!」
シンジ「忘れてるくらいなら、言わなくていいよ」
アスカ「お姫様ゲーム!」
シンジ「……かしこまりました、お姫様」
アスカ「よし」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:02:17.91 ID:8ExebvXCP
アスカ「知ってる?」
シンジ「なにを?」
アスカ「女性にとって、髪の毛を触らせるのは、体を触らせることより抵抗があることなんだって」
シンジ「へぇ」
アスカ「個人差もあるみたいだけど」
シンジ「ふーん」
アスカ「良かったわね」
シンジ「なにが?」
アスカ「……話聞いてなかったの?」
シンジ「えーと……髪の毛より、体を触って欲しいってこと?」
アスカ「ヘンタイ! エッチ! スケベ!」ゲシゲシ
シンジ「わっ! なんだよ、なんなんだよ!!」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:09:17.51 ID:8ExebvXCP
アスカ「はぁ……スケベシンジがここまでスケベなスケベだと思わなかったわ」
シンジ「スケベがゲシュタルト崩壊しそうだね」
アスカ「まぁいいわ、それより、この映画ってなんて映画?」
シンジ「バタフライ・エフェクト」
アスカ「どんな映画?」
シンジ「過去をやり直せる能力を持った主人公が、色んな人を救うために、過去へ飛ぶ映画」
アスカ「ふーん、で、オチは?」
シンジ「……オチを聞いちゃうの?」
アスカ「うん」
シンジ「それはダメだよ。どうせなら、最後まで一緒に見ようよ」
アスカ「でも、途中からだしー」
シンジ「なら、最初っから見よう。いいでしょ?」
アスカ「まぁ、それなら」
シンジ「じゃあ、巻戻しっと」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:13:34.83 ID:8ExebvXCP
―――数時間後
シンジ「……っていう、話なんだけど」
アスカ「なんか、スッキリしないわね」
シンジ「そうかなぁ」
アスカ「マルチエンディングじゃなかったら、イライラして、バカシンジに一発芸でもさせてるところよ」
シンジ「製作者のみなさん、本当にありがとうございます……」
アスカ「でも、過去をやり直せるっていいわね」
シンジ「アスカはなにかやり直したいことがあるの?」
アスカ「……ペンペンに驚かないようにしたい」
シンジ「それは……まぁ、うん……」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:21:07.04 ID:8ExebvXCP
アスカ「アンタはなにかあるの?」
シンジ「そうだなぁ……」
アスカ「?」
シンジ「いっぱいあり過ぎて、答えられない」
アスカ「うわっ、もっと、今を懸命に生きなさいよ」
シンジ「でも、やっぱり変えないままがいいかも」
アスカ「どうして?」
シンジ「バタフライエフェクトで、アスカに会えなくなったら嫌だし」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「それ言ったら、私が喜ぶと思ったでしょ?」
シンジ「うん、ごめん、かなり……」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:26:42.70 ID:8ExebvXCP
アスカ「私を喜ばせたいんだったら、そうね……」
シンジ「うん」
アスカ「今月からお小遣い全て献上します、とか」
シンジ「もはや台詞じゃないよね」
アスカ「ご主人様の靴を舐めるのだけが生きがいです、とか」
シンジ「僕が望んでる関係と違うよ……」
アスカ「望んでる関係って?」
シンジ「えっ」
アスカ「ん?」
シンジ「……そこで聞くのは卑怯じゃないかな」
アスカ「私を喜ばせたいんでしょ?」
シンジ「……」
アスカ「ほらほら」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:30:42.49 ID:8ExebvXCP
シンジ「望んでいるのは……こう、学校の帰り道で手をつなぐような……その……」
アスカ「へー?」
シンジ「……もう勘弁してよ! お願い!」
アスカ「スケベシンジは手を繋ぐのをお望みなんだ?」
シンジ「スケベじゃないよ、むしろ純情だろ!」
アスカ「手、繋いであげても良いわよ」
シンジ「……ほんと?」
アスカ「一回1000円で」
シンジ「高いよ!」
アスカ「恋人繋ぎなら1500円」
シンジ「あ、それもありなんだ……やらないけど!」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:35:27.23 ID:8ExebvXCP
アスカ「じゃ、手を出して」
シンジ「え?」
アスカ「いいから」
シンジ「あ、うん」
アスカ「こんなのが嬉しいんだ」ギュッ
シンジ「まぁ、その……そうだね」
アスカ「私は頭を撫でられる方が……」
シンジ「ん?」
アスカ「……今のは、聞かなかったことにして」
シンジ「わ、分かった」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:37:44.95 ID:8ExebvXCP
シンジ「アスカの手は温かいね」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「心が温かい人は手が冷たくて、その逆もまた然りなんだって」
シンジ「へー」
アスカ「傷つくわ……」
シンジ「……!? 理不尽すぎるだろ!」
アスカ「何気ない一言で傷つく人もいるのよ。覚えておきなさい」
シンジ「いや、そうじゃなくて」
アスカ「言い訳しない!」
シンジ「は、はい」
アスカ「よろしい」
シンジ「なんで僕が怒られてるんだよ……」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:41:11.94 ID:8ExebvXCP
ミサト「―――アンタ達って、私がいない時、いっつもそんなことしてんの?」
アスカ「げっ、ミサト!?」
シンジ「わっ」
ミサト「ムカツクわね、こっちは頑張って仕事してるっちゅーのに」
アスカ「別に、いつもじゃないわ」
ミサト「そうなの?」
アスカ「週に六回くらい」
ミサト「ほぼ毎日じゃないのよ!」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:54:27.28 ID:8ExebvXCP
ミサト「学校でもそんな感じなの?」
アスカ「まさか、学校のみんなに知られるくらいなら、死ぬわよ」
ミサト「そんなに嫌なの?」
アスカ「流石に、この歳で殺人の罪を背負うのはちょっと嫌だけど」
シンジ「死ぬの僕だったの!?」
ミサト「そういえば、外で二人がイチャついてるの、見たことないわね」
アスカ「別にイチャついてないし」
ミサト「今さらそこを否定するの?」
アスカ「イチャついてない!」
ミサト「じゃあ、もうそれでいいわよ。面倒臭いわね」
アスカ「面倒臭くない!」
シンジ(いや、アスカはそうとう面倒臭いよ)
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 02:58:56.37 ID:8ExebvXCP
ミサト「内と外の使い分け、しっかりしてるのね」
シンジ「その代わり、外のアスカの相手をするのは辛くって」
アスカ「バカシンジ!」
シンジ「ご、ごめんなさい」
アスカ「ったく……でも、ミサトだってそうでしょ?」
ミサト「え?」
アスカ「公私の使い分け、しっかりしてるじゃない」
ミサト「そ、そうかしら?」
アスカ「家ではダメ人間の見本みたいな生活してるのに」
ミサト「私の評価って、そんなに低かったのね……」
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 03:04:43.00 ID:8ExebvXCP
アスカ「私も、それを見習ってるの」
ミサト「あらあら、保護者として少しは影響与えてるのね!」
シンジ「ミサトさんがちゃんとした大人なら、アスカももっと……」
ミサト「シンジくーん? なにか言ったかな―?」
シンジ「い、いえ。別になにも!」
アスカ「ちょっと、バカシンジを怯えさせないでよ」
ミサト「え?」
アスカ「すぐ止まるんだから、こいつの心臓」
シンジ「そんなノミの心臓してないよ!」
ミサト(仲良いわねぇ……)
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:05:47.29 ID:8ExebvXCP
―――翌日
シンジ「あ、おかえり、アスカ」
アスカ「……」
シンジ「あのさ、実は……」
アスカ「―――シンジ」
シンジ「ん?」
アスカ「お姫様ゲーム」
シンジ「えっ」
アスカ「今から『ドーン』するから、耐えなさい」
シンジ「『ドーン』ってなに?」
アスカ「行くわよ」
シンジ「え、だから『ドーン』って……」
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:11:39.30 ID:8ExebvXCP
アスカ「ドーン!!」バッ
シンジ「う、うわっ!」
ドッシャーン!!
シンジ「……いてて」
アスカ「ちょっと、耐えろって言ったでしょ」
シンジ「いきなり飛びかかられて、耐えられるわけないだろ!」
アスカ「長州力なら耐えられるわ」
シンジ「できるかもしれないけど!」
アスカ「同じプロレスラーでしょ?」
シンジ「いつ僕がレスラーになったんだよ!」
アスカ「三日前」
シンジ「最近だね!」
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:14:10.11 ID:8ExebvXCP
アスカ「おっひめ様ゲ〜ム」
シンジ「い、いや、今はマズいよ」
アスカ「頭撫ぜる―」
シンジ「だ、だからね、アスカ」
アスカ「お姫様だっこー」
シンジ「アスカ!」
アスカ「そのまま宇宙へ飛ぶー」
シンジ「出来たとしてもやらないよ!」
アスカ「……なによ、さっきから文句ばっかり」
シンジ「文句じゃなくて、あの」
アスカ「?」
333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:16:43.24 ID:8ExebvXCP
ヒカリ「―――あ、その、えーと」
トウジ「お邪魔……させてもらっとるわ」
シンジ「あ、あのね、さっき来たんだ」
アスカ「……」
シンジ「アスカと僕に、話があるみたいで」
アスカ「……」
シンジ「『ドーン』の前に、僕は二人のことを話そうとしたんだよ、本当だからね?」
アスカ「……」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:22:01.59 ID:8ExebvXCP
アスカ「ふぅ」スッ
アスカ「―――いらっしゃい、ヒカリ、鈴原」
ヒカリ「う、うん」
トウジ「お、おう」
アスカ「もてなしの準備をするから、ちょっと待っててね」スタスタ
ヒカリ「……」
トウジ「……」
シンジ「……」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:25:45.44 ID:8ExebvXCP
アスカ「お待たせ」
ヒカリ「!」
トウジ「!」
シンジ「!」
アスカ「やっぱり、もてなしと言ったら、これよね」
キラーン
シンジ「包丁!?」
アスカ「アンタたちを殺して、私も死ぬわ」
シンジ「スプラッタ宣言!?」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:28:42.74 ID:8ExebvXCP
ヒカリ「落ち着いて、アスカ!」
アスカ「ありがとうヒカリ。私、あなたに会えて良かった」
ヒカリ「遺言を残さないで!」
シンジ「あ、アスカ!」
アスカ「……最初の犠牲はアンタ?」
シンジ「違うよ!」
アスカ「じゃあ、なによ」
シンジ「ほ、ほら、二人が僕たちに話があるって言っただろ?」
アスカ「……ああ」
シンジ「トウジ!」
トウジ「お、おう」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:30:38.61 ID:8ExebvXCP
ヒカリ「あ、あのー、私たち」
トウジ「正式に付き合うことになってな」
アスカ「へ?」
ヒカリ「流石にまだみんなに言う気にはならないんだけど、二人には言っておこうかなって」
アスカ「……そうなんだ、へー」
ヒカリ「う、うん。それだけ、それだけだから……」
トウジ「ワシらはお邪魔? させてもらうわ」
ヒカリ「じゃあ……」
トウジ「ほんならな!」ソソクサ
ガチャ
バタン
アスカ「……」
シンジ(うまく逃げたなぁ)
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:34:36.05 ID:8ExebvXCP
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「アスカ」
アスカ「ん?」
シンジ「とりあえず、その手に持ってるやつ……」
アスカ「刺す?」
シンジ「置くんだよ!」
アスカ「冗談に決まってるでしょ、まったく」コトッ
シンジ「マジな目してたじゃないか……」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:38:39.74 ID:8ExebvXCP
シンジ「でも、あの二人もとうとうかぁ」
アスカ「そうね」
シンジ「……どうする?」
アスカ「なにが?」
シンジ「いや、だから、僕たちも……」
アスカ「?」
シンジ「……分かってないふりしてる?」
アスカ「ぜんぜん?」
シンジ「ホントかなぁ」
アスカ「……アンタばかぁ?」
シンジ「えっ」
アスカ「男から言うものだから……してるんでしょ?」
シンジ「!」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:42:49.41 ID:8ExebvXCP
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「ア、アスカ!」
アスカ「……」
シンジ「ぼ、僕と―――」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:44:27.96 ID:8ExebvXCP
エピローグ
シンジ「お待たせ」
アスカ「……」
トウジ「おう、センセ。今日はよろしゅうな」
シンジ「うん」
アスカ「……」
ヒカリ「……碇君、碇君」ヒソッ
シンジ「なに?」
ヒカリ「なんで、アスカはムスッとしてるの?」
シンジ「あー……外であんまり遊んだりしないから」
ヒカリ「照れてるの?」
シンジ「たぶん……」
ヒカリ「ふふっ、そっか」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:45:36.52 ID:8ExebvXCP
ヒカリ「じゃあ、いこっか」
トウジ「おう」
ヒカリ「鈴原」
トウジ「ん? ああ」ギュッ
ヒカリ「えへへ」ギュッ
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:47:11.20 ID:8ExebvXCP
アスカ「よくもまぁ、公共の場であんなことを」
シンジ「そうだね……」
アスカ「なに?」
シンジ「あ、いや、別に」
アスカ「?」
シンジ「……」
アスカ「ああ、そういえば前に」
アスカ「……しょうがないわね」
シンジ「アスカ?」
アスカ「お姫様ゲーム」
シンジ「えっ?」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:48:11.21 ID:8ExebvXCP
アスカ「手、出して」
シンジ「!」
アスカ「……」
シンジ「かしこまりました。お姫様」
終劇
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/23(日) 13:49:53.95 ID:8ExebvXCP
もうこれでシンジ×アスカはお腹いっぱいやでほんま。
なんか自己欲求を満たすスレになってるから、続けてこの前投下中に過疎過ぎて落ちたSS投下するわ。
つまり内容はご察しな上、四時までに投下し終えないといけないから、さるったら途中から携帯で投下する。
というか現時点で捕まってるんで、すぐ携帯に移ると思う。
では。