綾波レイ「私、フィフスの命令以外聞きたくない」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 16:54:19.25 ID:KtuHzlHrO

シンジ「え?」

レイ「……イケメン……最高……」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:01:07.72 ID:KtuHzlHrO

シンジ「あ、綾波もそういう冗談言ったりするんだね」

レイ「…」

シンジ「ほら、早くシンクロテスト行かないと。リツコさんに怒られちゃうよ」

レイ「…」

シンジ「ねえ綾な」

カヲル「どうしたんだい、二人とも。さあ行こう」

レイ「ええ」

シンジ「」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:12:26.06 ID:KtuHzlHrO

アスカ「は?ファーストの様子がおかしい? あいつはいつもおかしいわよ」

シンジ「いつもとは全然違うんだってば。なんて言えばいいのかな…」

シンジ「今日、朝から新しいパイロットが来るって言ってたろ?」

アスカ「あ、それどんなやつだった? まず私が値踏みしてやろうと思ってたのに……」

シンジ「風邪なんだから無理しないほうがいいよ。新しい人は、えっと……か、かっこ良かった」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:20:24.66 ID:KtuHzlHrO

アスカ「なんて曖昧かつどうでもいい情報。それにあんたの審美眼じゃね」

シンジ「いや、ホントだって! あんなかっこいい人初めて見たってくらいなんだから」

アスカ「はいはい」

シンジ「で……その、綾波が」

シンジ「『イケメン最高』とか言い出して」

アスカ「はああ!?」

シンジ「ホントなんだ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:35:11.74 ID:KtuHzlHrO

アスカ「想像できない。シンジ、私をからかってんじゃないでしょうね」

シンジ「嘘だったら駅前のアイス、毎日おごるよ」

アスカ「んー……」

アスカ(あの人形女が他の男に? なら、バカシンジは……)

アスカ「…」

シンジ「あ、それと今日はミサトさんネルフに泊まりだってさ」

アスカ「そ、そう。ふーん、相変わらず忙しいわね、ミサト」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:42:00.69 ID:KtuHzlHrO

カチャカチャ

シンジ「もうすぐご飯できるから」

アスカ「……今日さ」

シンジ「え? なにアスカ」

アスカ「今日私、一日部屋で安静にしてたから、すごく退屈だったわけ」

シンジ「あ、うん」

アスカ「キスしよっか」

シンジ「!? なんで?」

アスカ「言ってるじゃない。退屈だったから、よ」

シンジ「ア、アスカ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 17:53:15.89 ID:KtuHzlHrO

アスカ「じゃ、いくわよ」ドキドキ

シンジ「う……うん」ドキドキ

アスカ「ん…」

ピンポーン

シンジ「…」

アスカ「…」

ピンポーン

シンジ「ちょっと行ってくるね」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:02:07.24 ID:KtuHzlHrO

アスカ(どこの馬鹿よっ。大事なとこだったのに)

シンジ「はーい」

プシュッ

レイ「…今晩は」

シンジ「綾波! 今晩は。珍しいね」

レイ「あがっていい?」

シンジ「え。あー……」

レイ「駄目なの?」

シンジ「う……ど、どうぞ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:10:47.08 ID:KtuHzlHrO

アスカ「(あ、ん、た、は! なんでファーストなんか家に入れてんのよ!)」

シンジ「(仕方ないだろっ。綾波がわざわざ来るなら、ネルフの大事な用事かも知れないんだから!)」

アスカ「(くっ)」

シンジ「(僕だって……さっきの続き、したいのに……)」

アスカ「(シンジ…!)」

レイ「なにしてるの?」

シンジ「い、いや別に。うん。それで、どうしたの綾波」

アスカ「なんの用事よ。済ませてさっさと帰んなさい」

レイ「イケメンが」

シンジ「へ?」

レイ「あの人が、ここに来るって言っていたから」

レイ「ここにいれば、会えると思って」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:28:13.07 ID:KtuHzlHrO

アスカ「ファ、ファースト……?」

シンジ「だから言ったろ」

アスカ「にしたって。どこまでマジなの?」

ピンポーン

レイ「!」

シンジ「カヲル君…なのかな」

アスカ「待ちなさい!シンジ。私が行くかわ」

シンジ「なんで?」

アスカ「ふん。この人形女が夢中になるイケメンとやら、見せてもらおうじゃないの」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:37:06.58 ID:KtuHzlHrO

アスカ(考えてみれば、あいつがマジなほうが私には都合がいいのよねー)トタトタ

アスカ(ま、ま、あくまで本命は加持さんだけどー。バカシンジが…わ、私のこと見てくれるなら…シンジ…)

ピンポーン

アスカ「うっさい! 聞こえてるっちゅーの!」

プシュッ

カヲル「今晩は」

アスカ「あ」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:47:26.74 ID:KtuHzlHrO

カヲル「あ?」

アスカ「あ、ぅ」

カヲル「? ひょっとして、君が惣流・アスカ・ラングレーさん?」

アスカ「え!? わ、あの、そそそうだけど」

カヲル「良かった。君に会いに来たんだ」ニコッ

アスカ「わたひに! 会いに!??」

カヲル「挨拶とお見舞いを兼ねてね」

レイ「フィフス!」トタトタ

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 18:55:17.77 ID:KtuHzlHrO

カヲル「おや。君も来ていたんだね。綾波レイ」

レイ「あなたが行くと言っていたから……会えると思って」

カヲル「僕に用事かい?」

レイ「違、違うの…」

カヲル「?」

アスカ「私に……会いに……」ポー

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 19:13:29.14 ID:KtuHzlHrO

カヲル「とにかく、元気そうで安心したよ」


アスカ「ありがと…ぉ」

カヲル「これからは仲間として、ぜひ僕も君たちの輪に入らせて欲しいな」

アスカ「もっもちろん!」

カヲル「それじゃ、僕はこれで。このメロンは皆で食べて」

レイ「もう帰るの?」

アスカ「え〜、ねぇ、せっかくだし寄っていってぇ」


カヲル「誘ってもらえるのは嬉しいけど、夕食時に申し訳ないからね。シンジ君に宜しく」

アスカ「輪に入るって言ったのにぃ…」

レイ「そうよ」

カヲル「ふふ。また明日ね。同じ弐号機のパイロットとして、色々とーーー」

アスカ「え」

アスカ「ええええええ!?」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 19:19:18.26 ID:KtuHzlHrO

シンジ「綾波も帰っちゃったね」

アスカ「はぁ」

シンジ「ご飯よそうね」

アスカ「は〜〜ぁ」

シンジ「アスカ……」

シンジ(なんだか分からないけど、さっきの続きなんて雰囲気じゃないなあ)

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 19:40:30.27 ID:KtuHzlHrO

リツコ「では、これより弐号機のテストを行います。両パイロット、準備は良い?」

アスカ「ふん。弐号機はずっと私用に調整してきたんだから。立場の差ってのを教えてあげる」

カヲル「お手柔らかに」ニコッ

アスカ「!」ドキッ

アスカ(や、やばいやばい。こいつの目を見て話すのって女には危険だわ)

リツコ「ではアスカから」


ミサト「すごいじゃない! 自己ベスト更新よ、アスカ!」

アスカ「はっ。ま、ざっとこんなもんってやつよ」

リツコ「さすがね。では、続いて渚君」

カヲル「はい」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 19:46:22.55 ID:KtuHzlHrO

ドゴ!

レイ「…」

ドゴン!

レイ「ロッカー、壊れるわ」

アスカ「なによあれ……なんなのよあいつ!!」

アスカ「シンクロ率を自由に変えられる!? そんな―――」

アスカ「そんなのが可能なら、私、ずっと、なんの為に……!!」

ドゴン!

アスカ「うう、う、く…っ」

レイ「…」

47 名前:サッカー観てる[] 投稿日:2012/12/16(日) 20:02:59.32 ID:KtuHzlHrO

レイ「…」テクテク

レイ「フィフス」

カヲル「やあ。なんだい?」

レイ「あなた、何?」

カヲル「すまないが、質問の意味が分かりづらいな」

レイ「何なの?」

カヲル「…」

カヲル「僕は渚カヲル。君たちと同じ、仕組まれた子供さ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 20:08:35.11 ID:KtuHzlHrO

カヲル「ただ、僕に課せられた使命は君たちとは異なっている」

カヲル「君の使命が他の二人とはやや違っているようにね。綾波レイ……リリス」

レイ「!!?」

カヲル「できれば、もうしばらくは何事もなく過ごしていたかったのだけど、仕方ないな」

レイ「ち……近づかないで」

カヲル「レイ」

レイ「っ!」ドキッ

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 20:53:53.75 ID:KtuHzlHrO

カヲル「僕の共犯者になって欲しい。レイ」

レイ「そんな風に……よ、呼ばない、で」

カヲル「嫌かい?」

レイ「イ……イヤっ」

カヲル「寂しいな。でも、本当に嫌だと感じている表情にはとても見えないよ」グイッ

レイ「あっ」

カヲル「君の綺麗な顔を、僕にもっとよく見せて……レイ」

レイ「あぁ、あ、あ……フィフス……」

カヲル「カヲルでいいよ」

レイ「カヲ、ん」

レイ「んン…ぁっ……ンン」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 21:05:10.29 ID:KtuHzlHrO

レイ「ふぁ…はぁ」

カヲル「協力してくれるかい?」

レイ「は、ぃ」

カヲル「ありがとう。それじゃ、また」

レイ「あ……」

ヘナヘナ…ペタン

レイ(身体、熱い……不思議な、幸せなキモチ……初めて)

レイ(ぽかぽかするより、ずっと凄い……)

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 21:13:58.49 ID:KtuHzlHrO

プシュッ

アスカ「はー、はー、はー」

レイ「…」

アスカ「なに見てんのよ! 帰ったんじゃなかったの!」

レイ「忘れ物をしただけ。酷い有り様…これ以上、壊さないでね」

アスカ「うるさい!!」

レイ「…」ガサガサ

アスカ「くそ……ッ」

レイ「はぁ」

アスカ「?」

レイ「イケメン…最高…」

アスカ「死ね!!」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 21:59:15.60 ID:KtuHzlHrO

シンジ「アスカ。もう用意しないと。学校遅れちゃうよ」

アスカ「行きたくない」

シンジ「アスカ……」

ミサト「シンジ君、あなたまで遅刻するわ。後は私が見とくから、行っていいわよ」

シンジ「でも」

ミサト「ね?」

シンジ「はい……」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 22:04:35.32 ID:KtuHzlHrO

ミサト「アスカ。気持ちは分かる、なんて簡単には言えないけど」

アスカ「…」

ミサト「そうやって篭ってても状況良くなったりはしないわよ」

アスカ「…」

ミサト「せめて食事くらいきちんと取らないと、シンジ君まで心配で寝込んじゃいそうなんだから」

アスカ「……シンジが良ければ私なんてどうでもいいんでしょ」

ミサト「そんなこと言ってないじゃない」

アスカ「もう! ほっといて!」

ミサト「…」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 22:12:11.00 ID:KtuHzlHrO

ヒカリ「碇君。アスカ、まだ悪いの?」

シンジ「う、うん。あ、でもそんな酷いわけじゃなくて、大事を取ってるっていうか…」

ケンスケ「人類を背負うエヴァのパイロットだもんな」

ヒカリ「そう…ならいいけど。私、お見舞いに行ってもいい?」

シンジ「あ……どうだろ。一応ミサトさんに聞いてみる」

ヒカリ「お願いね」

レイ「…」



レイ「もしもし、カヲル」

カヲル『セカンドチルドレンの現状は聞けたかい?』

レイ「ええ」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 22:19:47.79 ID:KtuHzlHrO

カヲル『―――そうか。リリンの心はやはり難しいね。ありがとう、レイ』

レイ「あ、あの」

カヲル『分かっているよ。あとでちゃんどご褒美゙をあげる』

レイ「!」

レイ「今すぐ、すぐにカヲルのところに行くわ」

カヲル『ダメだよ。修学は義務だからね。放課後においで』プツ

レイ「はあ…」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 22:27:58.12 ID:KtuHzlHrO

ヒカリ「そしたら、一回家で荷物置いてからマンションに行くから」

シンジ「分かった。待ってるよ」

レイ「…」タタタッ

トウジ「な、なんや!?」

ケンスケ「綾波が、走ってった…」

シンジ「今日はネルフ行かなくていいはずなのに。なんだろ?」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 22:40:34.38 ID:KtuHzlHrO

レイ「ひぁぁ! あっああ〜〜〜!」

ドサ…

カヲル「ふぅ。満足したら、そのまましばらく寝てるといい。僕は出掛けてくるから」

レイ「ぁ…ハ」



ヒカリ「…」

ピ…ガー

カヲル「待って。そのエレベーター、僕も乗りたいんだ」

ヒカリ「あ、はい」

カヲル「ありがとう」

ヒカリ「!」ドクンッ

カヲル「ひょっとして君も葛城さんの部屋に? ここは他に住人はいないし…」

ヒカリ「え、ぅ、あ、その」

カヲル「?」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 23:09:04.24 ID:KtuHzlHrO

ピンポーン

シンジ(来た! 仲良い洞木さんと話して、アスカの気が紛れるといいな)

シンジ「はい!」

プシュッ

カヲル「今日はシンジ君」

シンジ「あれ、カヲル君!? どうしたの?」

カヲル「シンジ君の顔を見にね。それから、惣流さんのことも……僕が彼女を追い詰めたんだから」

シンジ「カヲル君のせいじゃないよ……優しいんだね。あがって」

カヲル「お邪魔します」スッ

シンジ「ん?」

ヒカリ「…」ポーッ

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 23:10:48.57 ID:KtuHzlHrO

カヲル「ああ、彼女とはマンションの入り口でたまたま一緒になったんだ」

シンジ「へえ。洞木さんも、どうぞ」

ヒカリ「はぁ」

シンジ「洞木さん?」

ヒカリ「イケメン…さいこぅ…」

カヲル「…」スタスタ

ヒカリ「あ。待ってぇ」フラフラ

シンジ「??」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 23:20:11.74 ID:KtuHzlHrO

ヒカリ「アスカ。私」コンコン

アスカ(ヒカリ……来てくれたんだ。何の価値もない私のために……)

ヒカリ「入っていい?」

アスカ「……どうぞ」

カチャ

ヒカリ「こんにちは。具合どう? アスカ」

アスカ「ん…」

カヲル「こんにちは」

アスカ「!??」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 23:30:35.47 ID:KtuHzlHrO

シンジ「カヲル君も様子見に来てくれたんだよ」

ヒカリ「エヴァのパイロットって、三人の他にこんな人もいるのね……学校、来ればいいのに」

アスカ「い、い、イヤ! 出てって!」

シンジ「アスカ……」

ヒカリ「ど、どうしたの!?」

シンジ(やっぱり、会わせないほうが良かったのかな……)
シンジ(カヲル君は悪くないけど、アスカにとっては、弐号機取った当人なんだから)

アスカ(やだぁ、こっこんな格好で。髪だって全然セットしてなくてボサボサなのにぃ!)

カヲル「…」

アスカ(違う、そんなことどうでもいいんだ。何考えてんのよ!私!)

アスカ「わ……私を、笑いにでも来たわけ?」

カヲル「まさか」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/16(日) 23:51:40.43 ID:x/4CQO7h0

カヲル「君が心配で、君ともっと親しくなりたいから来ただけさ」

アスカ「っ!!」ビクン

アスカ(は……反応するな、私の身体のバカ)

カヲル「惣流さん」

アスカ「!」ズクン

アスカ(ダメ、ダメぇ。殺してやりたいのに、なのに、こいつの声っだけで)

カヲル「こっちを向いて」

アスカ(う〜〜っ)

カヲル「はぁ。シンジ君。それから洞木さんも」

シンジ「なに?」

カヲル「弐号機にも関する大事な話がしたいんだ。少しだけ、二人きりにさせて欲しい」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:01:47.86 ID:DHvcWIq00

ガチャッ

カヲル「さて―――」

アスカ(惑わされるな! こいつは、私から全部を奪ったんだから!!)

アスカ(私には加持さんがいて。シンジがいて! こいつはただ憎らしいだけで!!)

アスカ(しっかりしなさい、惣流・アスカ・ラングレー!)

カヲル「これで少しは踏み込んだ話ができるね。セカンドチルドレン」

アスカ「え」

カヲル「どうしたんだい? 僕が嫌いなら、名前で呼ばれるよりはいいだろう」

アスカ「…」ゾクッ

アスカ「あ、あんた……誰?」

カヲル「知っているはずだよ。僕はカヲル。渚カヲルさ」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:11:16.51 ID:DHvcWIq00

カヲル「シンクロ率のことなら、気にすることはないよ」

カヲル「僕の行うシンクロは、文字通りエヴァとの同化に近い。いわば別種の能力なんだ」

アスカ「別種……?」

カヲル「そう。だから、君のシンクロ率と比較する意味は無いのさ」

アスカ「は、ふっ」

カヲル「…」

アスカ「―――ふざけてんじゃないわよ!!!」

アスカ「別種だろうとなんだろうと関係ない! 弐号機に乗れなかったら、私っ」

カヲル「…」

アスカ「私に、なにも残らないじゃない……!」

カヲル「そうか。君はそんな風に考えるんだね」

アスカ「分かったように言うなっ!!」

カヲル「なら、セカンドチルドレン。君に、エヴァとは違う、存在する意味を与えてあげる」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:20:39.15 ID:DHvcWIq00

アスカ「なにが与えてあげる、よ。上から目線で偉そうに」

カヲル「これは取引だよ。僕にとっても意義があるんだ……僕は君の協力を得たいからね」

アスカ「協力? なにしようっての」

カヲル「それを教えるのはまた他の機会に」

アスカ「ふん…」

カヲル「そして、僕の協力者であること。それが君の新しい存在意義だ」

アスカ「はぁぁ!? あ、あんた、バカにしてんの!??」ガバッ

カヲル「真剣だよ」

アスカ「あっ」

アスカ(ヤ、ヤバ、思わず正面から目合わせちゃったじゃない)

カヲル「もちろん協力してもらえるなら、それなりの対価、喜びを君にあげる……惣流さんに」

アスカ「あ、ぅ」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:30:22.53 ID:DHvcWIq00

アスカ(あ、ああ、目、逸らせない……渚の目…きれい……)

カヲル「どうかな」

アスカ「ど……うも、こうも……じ、自信過剰なんじゃないの、あんた」

カヲル「そうかも知れないね」ニコッ

アスカ「ふぁ」

アスカ(一瞬前まであんなに怒って、憎んでたのに。見つめ合うと全部……私全部、溶けちゃうよお)

アスカ(助けて。助けて加持さん、シンジ!!)

カヲル「今ここで決断するのが難しいなら、期限を設けよう」スッ

アスカ「ひっ。ダメ、もう出てって! 近づかないで!」

カヲル「あと1分後には出ていくよ」グイッ

アスカ「きゃ!?」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:42:19.20 ID:DHvcWIq00

ドサッ

アスカ「いやぁ、なっ、なにする気!?」

カヲル「どこにしようかな。普段外には晒されない箇所……胸元にしようか」ツィッ

アスカ「んァ!」

アスカ(ああ、なんなの、今の……! 撫でられただけで、気が遠くなるくらい……)

カヲル「ここに印を付けておくよ。君が僕のモノだという、仮契約としてね」

アスカ「わっわたしが、渚の……モノ?」

カヲル「そう。もし印が消えるまでの間に僕の部屋まで来たら、契約成立」

カヲル「来なければ、君からは手を引くよ。約束する」

アスカ「ぜ……ぜったい、行かない。行くわけない。私、あんたを殺してやるんだからぁ」

カヲル「好きにするといい。答えを待ってるよ、可愛いリリン」

カヲル「アスカ」

アスカ「!!!」ズクンッ

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:46:52.55 ID:DHvcWIq00

チュッ

アスカ「ンっ」

アスカ(嘘、印って、キスで……!?)

カヲル「そうだ。言い忘れたけど、声が大きすぎるとシンジ君たちが来てしまうよ」

アスカ「むぐ」

アスカ(ちょっと! なんで私、自分で口押さえてるのよ!?)

チュゥゥゥ

アスカ「ンっん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」ガクガクガクガク



カヲル「さよなら。来てくれることを期待してるよ」

アスカ「ぁ、ぁァ…」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:48:48.75 ID:DHvcWIq00

ヒカリ「―――それで、先生がね」

アスカ「…」

ヒカリ「アスカ……やっぱりキツい? 私、かえって邪魔だったら遠慮しないで言って」

アスカ「…」

ヒカリ「アスカ?」

アスカ「あ。だ、だいじょぶ。大丈夫よ」

ヒカリ「全然、大丈夫に見えないけど」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:54:59.41 ID:DHvcWIq00

シンジ「アスカ。その煮物どうかな?」

アスカ「…」

シンジ「む、無理なら、我慢して食べなくてもいいけど」

アスカ「…」

アスカ(見下して、人を弄んで、きっと何もかも思い通りになると思ってる)

アスカ(あの男)

アスカ(これまでの屈辱ごと、全て消したい。殺してやる)

アスカ(殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる)

シンジ「ごめんね。喜ぶかと思って呼んだんだけど、疲れさせちゃったみたいで」

アスカ「…」

シンジ「あ、でも洞木さん、アスカに会えてすごく嬉しかったって」

アスカ「シンジ」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 00:56:01.35 ID:DHvcWIq00

シンジ「! なに、アスカ」

アスカ「今夜、またミサトいないって言ってたわよね?」

シンジ「え。うん」

アスカ「じゃあ、ヤりましょ」

シンジ「…………なにを?」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:01:34.20 ID:DHvcWIq00

シンジ「―――ね、ねえ本当にいいの? アスカ」

アスカ「私のコト好き?」

シンジ「それは、その」

アスカ「逃げないで。ちゃんと言って」

シンジ「す……好きだよ。うん。アスカが好きだ」

アスカ「なら……いいわよ」

アスカ「私もシンジのこと……」

アスカ「好き、だから」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:06:48.56 ID:DHvcWIq00

シンジ「う……く、ぅ」

アスカ「んっうう」

シンジ「大丈夫? い、痛いんじゃ」

アスカ「バカ、痛いに決まってんでしょ。いいの、それで当たり前、なんだから……っ」

ググッ

シンジ「ハァ、ハァ、アスカ」

アスカ「あ、あ……しんじぃ」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:14:04.79 ID:DHvcWIq00

レイ「ああっあぁぁ、ンひぁああああああ!!!!」ビクッビクッ

カヲル「…」

レイ「熱っすごっああああ、キモチイぃ、いいいいァァァァァ!!」

カヲル「もっと、自分で好きに動いてごらん」

レイ「はいンああ! あ! あああ! カヲル、カヲル、カヲル!!」

カヲル「ふ。いつもの綾波レイとはまるっきり別人だね。リリンの肉体というのは面白いな」

レイ「らっへえ、これダメ、ああああまたイ、イひああああ〜〜〜〜〜〜っっ」ビクビクッ

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:21:53.33 ID:DHvcWIq00

レイ「」ピクピク

カヲル「さあ。ファーストチルドレンは完全に僕の手中に落ちた」

カヲル「セカンドチルドレン。彼女はどうするかな」

カヲル「どちらにせよ、僕の目指す先が変わることはない」

カヲル「シンジ君……全てが明るみに出た時、君はなんて言うんだろう」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:43:18.32 ID:DHvcWIq00

シンジ「ンムニャ…あふかぁ…」



ザーッ

アスカ「はぁ……」

アスカ(やっとシンジと……ふふ、私のこと「好き」だって)

アスカ(このキスマーク、気付かれなかったわよね? 暗くしたし。そうでなくてもあいつだし)

『君が僕のモノだという、仮契約として』

アスカ「…!」ブルッ

アスカ(ふん。もう平気よ。あんな得体の知れない男の誘惑なんて、どってことない)

アスカ(私はちゃんと、本当に好きな……抱きしめて欲しかったシンジと結ばれたんだから)

『協力してもらえるなら、それなりの対価、喜びを君にあげる』

アスカ「く……ぅ」

『ンっん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ』

アスカ「ううぅ」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:46:24.38 ID:DHvcWIq00

『撫でられただけで、気が遠くなるくらい……』

アスカ(あ、あんな、あんなのは。シンジはまだ慣れてないってだけで、比べるようなことじゃ)

アスカ「ハァ、ハァ」

ザーッ

アスカ「平気よ。私が好きなのはシンジ。シンジなんだから。シンジが好き。好き」

アスカ「もう問題ないの。だからあとは、あいつをぶちのめして、それでオシマイ」

アスカ「好き。シンジが好き。シンジが好き。シンジが好きなんだから」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:52:30.67 ID:DHvcWIq00

アスカ「おはよ」

シンジ「お、おおお。おはよ」

アスカ「ぷっ。なぁにどもってんのよバカシンジ」

シンジ「う。だって……」

アスカ「もう、言っとくけど私だって恥ずかしいんだからね」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 01:53:26.47 ID:DHvcWIq00

アスカ「分かってんの? あんたはそれをフォローするくらいじゃなきゃダメよ」

シンジ「そっか。そうだね、頑張る」

アスカ「んふ」

シンジ「何?」

アスカ「じゃあ、おはよーのキスしましょ」

シンジ「なんで!? さっきの話と関係ないじゃないか」

アスカ「はい、つべこべ言わない。キスしたいの? したくないの?」

シンジ「そりゃ……し、したいよ。アスカとだったら」

アスカ「なら、ん……」

チュッ

アスカ「ふふ。シンジ、おはよ」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:00:05.91 ID:DHvcWIq00

アスカ「おっはよー」

トウジ「お。久しぶりやな」

ヒカリ「アスカ! おはよう、もういいの?」

アスカ「心配かけてゴメンね、ヒカリ。お陰さまですっかり良くなっちゃった」

ヒカリ「そっか。じゃあ今度の漢字テストにもばっちり間に合うわね」

アスカ「げぇ。やっば、もうちょっと寝てるべきだったわ……」

シンジ「はは」

レイ「…」

アスカ「あらファースト。ごきげんいかが?」

レイ「もう、決めたの?」

アスカ「は?」

レイ「印の……答え」

アスカ「!!?」

シンジ「なに? なんの話?」

アスカ「別に…………ほっときゃいい話よ」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:08:49.93 ID:DHvcWIq00

教師「で、つまりここの数字は」

アスカ「ハァ、ハァ」

アスカ(胸元、あれが、熱い……朝にファーストが思い出させるから!)

アスカ(ヘンに意識しちゃって。ああもうっ)

アスカ(あいつの、唇で触れられて、ここに……く、ぅ)

チュゥゥ

アスカ(ダメ、思い出しちゃダメだったらぁ)

アスカ「ハァ、ハァ」

ヒカリ「アスカ? やっぱりまだ」

アスカ「ヒカリ……そんな顔しなくてもいいって。でもちょっと私、お手洗いいってくるね」

アスカ「先生! 気分悪いので、少し抜けさせてください」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:14:52.82 ID:DHvcWIq00

バタン!

アスカ「…」

アスカ「……ン」クチュ

アスカ「ぁ、ン…ぅ」クチュクチュ

アスカ(違うからね、シンジ。私ちゃんと、あんたとのえっちを思い浮かべてるんだから)

シンジ『アスカ、アスカぁ』

アスカ(シンジ。あのバカ、必死になっちゃってさ)

シンジ『好きだよ。大好きなんだ』

アスカ(私も―――)

カヲル『好きだよ。大好きだ』

アスカ「ひぅっ」

アスカ(やだ、なんてすり替えしてんのっ)

シンジ『アスカの髪、柔らかい。すごくいい匂いがする』
カヲル『アスカの髪、柔らかいね。すごくいい匂いだ』

アスカ「あー、ンぁ、あ、あっ」クチュクチュチュ

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:19:57.63 ID:DHvcWIq00

アスカ(シンジで。せめてイクのはシンジでぇっ)

アスカ「ン、ぁ、あっああ」



教師「それじゃここ、分かる人」

シンジ(アスカ、ホントに大丈夫かなぁ)



カヲル『ハァ、ハァ、アスカ! アスカ!』

アスカ(あああああっなぎさぁぁぁぁぁ!!!)

アスカ「!!!」ビクッビクッ

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:21:20.73 ID:DHvcWIq00

アスカ「はー、はー……サイッテー」

アスカ(私……このままじゃ、きっと狂う。心と身体がバラバラになって)

アスカ(早めに決着、つけないと……)

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:26:33.76 ID:DHvcWIq00

ザワザワザワ

ケンスケ「な、ゲーセン寄って行こうぜ」

トウジ「ええで。シンジはどないする?」

シンジ「僕は……ごめん、今日はアスカと」

アスカ「いいわよ、行っても」

シンジ「え?」

アスカ「ちょっとね。急用があるから、私そっち済ませてくるわ」

シンジ「そ、そっか。なんか残念」

アスカ「ばぁか」

トウジ「なんや。いつも二人で帰っとるのに、なにが残念なんや?」ヒソヒソ

ケンスケ「こりゃきな臭い。今日はしっかり、そこのところ追求する必要がありそうだ」ヒソヒソ

トウジ「せやな」ヒソヒソ

アスカ「で、ファースト」

レイ「なに?」

アスカ「ちょっと来て」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:32:46.40 ID:DHvcWIq00

アスカ「どうせあんたが連絡係なんでしょ? あいつへの」

レイ「あいつ。カヲルのこと?」

アスカ「へえ〜、下の名前で呼んでるわけ? ほんの少し前まで、シンジべったりだったくせに」

レイ「仕方ないわ。あの人に出会う前のことだから」

アスカ「ちっ。ま、あんたが誰に尻尾振ろうがどうでもいいわ」

アスカ「あいつに伝えなさい。今日、会いに行ってやるって。それから道案内も」

レイ「…」コクッ

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:35:21.27 ID:DHvcWIq00

アスカ(どうせ、私がメロメロになってやって来るって思ってんでしょ?)

アスカ(油断してるところを思い切りぶん殴ってやる)

アスカ(いざとなれば……本気で殺してやる)

レイ「ネルフの用も無いから、家で待つそうよ。ついて来て」

アスカ「はいはい。そういえば、最近ネルフって活動緩慢じゃない?」

レイ「そう……そうかも知れない」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/17(月) 02:49:34.54 ID:DHvcWIq00

ごめん寝るフ



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