89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:10:20.91 ID:iXyk+J+h0
俺も運動・勉強出来ないゴミクズだからのび太の気持ちがよくわかるわ
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:21:12.43 ID:iXyk+J+h0
ドラえもん「・・・・・目が覚めたかい?」
のび太「ドラえもん・・・・・」
ドラえもん「さっき僕が見せた夢は、他人に頼り続ける君が送ることになるはずだった未来」
のび太「・・・・夢だったの?」
ドラえもん「そういう事にしておこうか」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:27:52.10 ID:iXyk+J+h0
ドラえもん「確かに君は運動も勉強も容姿も才能も欠けたクズでカスでゴミでチリだけど」
ドラえもん「君はまだ小学五年生じゃないか、今からでもまだ間に合うよ」
ドラえもん「やり直そう、ここから」
のび太「・・・・・グスッ」
ドラえもん「人間はいつか、独り立ちしなきゃいけない時が来る」
ドラえもん「他人に頼ってばかりじゃいけないんだよ」
ドラえもん「そりゃ、失敗も、挫折も、勝負に負ける事も沢山するかもしれないけど」
ドラえもん「負けたって事が、いつか大きな財産になる」
ドラえもん「いつも道具に頼らないで、自分の力で挑もうよ」
ドラえもん「・・・・のび太君」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:34:30.20 ID:iXyk+J+h0
のび太「まだ間に合うかな?」
ドラえもん「それは君次第、君の未来は君が切り開くから」
ドラえもん「自分の人生、自分で歩きなよ」
のび太「僕の人生・・・・」
ドラえもん「そう、のび太くんの人生さ」
のび太「僕の・・・人生・・・・!」
ドラえもん「そこまでたどり着いたのなら、僕のお役目は終わりかな」
のび太「・・・・えっ?待ってよドラえもん!」
ドラえもん「あの夢のようになりたくなければ、自分で考え自力で解決しろ」
ドラえもん「僕の仕事は君の尻拭いじゃ無いんでね」
のび太「ドラえもん・・・・そんな・・・・」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:44:28.42 ID:iXyk+J+h0
ドラえもん「のび太・・・いや、お父さん」
のび太「えっ?」
ドラえもん「未来で絶対僕を作ってね」
ドラえもん「じゃあね」
・・・・・・パタン
引き出しの戸が静かに閉じる
もう一度開けてみるも、例のタイムトンネルは無くなっていて
そこに広がっているのは無機質なただの板
日は落ちかかっていて時刻は丁度夕暮れ
夕日に照らされた僕の自室は不気味な静けさに包まれていた
「・・・・僕の人生か」
ドラえもんは「君の未来は君が切り開くから」と言った
切り開く・・・切り開く・・・
切り開くってなんだろう?と言う所で悩んでいた僕だが下から聞こえてくる
母親の「ご飯よー」コールで仕方なく一階へ
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:52:59.97 ID:iXyk+J+h0
一階に降りると食卓の上に並んでいたのは今日の夕飯と・・・・図鑑?
結構な分厚さがあるその本の表紙には歯車や車のイラストが書かれていて
タイトルは「きかいのしくみ」と言うらしい。
「のびちゃん、こういうのきっと好きでしょう?」
決して好きなわけではないが、とりあえず受け取っておく
夕飯を食べ終えると自室でさっそくその図鑑を読み始める僕
そしてこれが中々面白く一晩中何度も何度も読み返し、気づいたら朝日が昇っていた
どうしてだかわからない、機械なんかに興味は一切なかった
なのに、この本に異常な魅力を感じてしまう。
その日、寝ぼけたまま学校に行っていつものように先生に叱られたが
僕が考えているのはあの本の事ばかり、そしてその日の昼休みに初めて図書室へ
そこで機械の本をまた見つけた僕は読みふけった
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/06(火) 23:58:29.22 ID:iXyk+J+h0
そんな日が何日か続いたが
昼休みに図書室で機械の本を読み続けていると、当然いつもの野球に参加する事はできない
そして今、例の二人組に絡まれてしまっている、図書室で
どうして野球に参加しないんだ、お前がいないと頭数が足りない・・・と
無視してたら一発殴られて、ジャイアンはどっかにいってしまった
スネ夫は「どうして急に機械の本なんか読みふけってるんだ?」と不思議がっていた
スネ夫「エンジニアでも目指すつもりかい?でもバカなのび太には無理だね」
スネ夫「エンジニアになるなら算数が出来ないと話にならないからwwwwwwwwwwwwwwwwww」
算数・・・算数か・・・
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:38:31.18 ID:fwXJJmky0
算数の本を家に帰って読み漁る
読んでいくと少しづつわかるようになった
僕はこれまでなぜこんなことがわからなかったんだろう
かけ算、分数、三角形の面積、体積
読んでいる全てが頭の中に入っていく
「のびちゃーん、ごはんよー!」
なにか声が聞こえるが全く頭に入ってこない
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:42:38.86 ID:fwXJJmky0
少しだけ、少しだけ学校の宿題を解いてみようか
僕にできるはずなんてないけれど…
そう思って開いてみるが見た瞬間おどろく
わかりそうな問題ばかりだ
手をつけてみるがどんどん解ける
「のびちゃーん?!」
なにか雑音が入ってくるが全く気にならない
淡々と作業を続けていく
階段を上がる音
ドアが開く
「のびちゃん!!!!」
「うるさいな!もう」
ハッとする
親に本気で反抗したのなんてこれが始めてだった
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:48:37.10 ID:fwXJJmky0
結局その日はご飯も食べず風呂にも入らず延々と算数の問題を解き続けた
なんでかはわからないけれどとても簡単に感じた
いつのまにか問題集は終わっていた
「僕にも…できるじゃないか」
次の日の算数の時間
ジャイアン「おー、お前なんでもうも集終わってんだよ!!
しかも全部マルじゃねぇか!!」
スネ夫「どーせ答え見たんだよ」
先生「じゃあ全部正解ののびたくんにはこの問題を解いてもらおうかな」
のびた(こんな問題…まだ習ってないじゃないか!)
(待てよ…この問題、昨日やった問題を応用していけば…)
スラスラスラスラ
(つまりこういうことか!!)
「先生、できました」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:52:22.14 ID:fwXJJmky0
先生(なんでだ?!この問題は六年生で習うはずの問題…5年生ののびに解けるはずは…)
出木杉(今の問題、、、全くわからなかった
のびたくんには算数の才能があるっていうのか?!
僕よりできるなんてあの落ちこぼれがっ!)
先生「よ、よくできたな…正解だ
席に戻っていいぞ…」
結局その日算数の時間中先生はことあるごとにのびたを当てるがのびたは全てを解いていくのだった
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:57:50.18 ID:fwXJJmky0
出木杉(あの落ちこぼれにそんなことあるはずがない…!!
なにか種があるはずっ…!!)
出木杉「のびたくんすごいじゃないか!
さっきの算数の時間。
あののびたくんにこんな才能があるなんて思ってもいなかったよ!!
なにをした?」
のびた「ッ…!!」
のびた「なにもないよ出木杉くん、ちょっと予習をしただけさ」
出木杉(嘘だ…あの問題はどう考えても5年生に解ける問題じゃない、、、それにその後の問題はどう見ても中学生レベルの問題だらけだった、それを予習してくるなんて馬鹿げてる…)
出木杉「でもあんな問題教科書には乗ってなかったよ」
のびた(こいつ…)
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:03:22.96 ID:fwXJJmky0
出木杉「だいたいこの前まで君は九九も出来なかったのに急にできるようになるなんておかしいんだよ」
のびた「…」
出木杉「正直に言うとあの問題は僕にも解けなかった、
わかってるんだよ種は
君は使ったんだろ?
あのネコ型ロボットとやらをさ!…」
ザワザワ
のびた(遂にはげてきたな…化けの皮が…
見えるぞ、弱者を食らう蛇の目が、
大きな声をだして教室の注目を浴びさっきの僕の活躍の真相を暴くつもりだろうが、そうはいかないんだよ)
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:07:45.69 ID:fwXJJmky0
のびた「出木杉くん、君はひとつ勘違いをしているね
僕がドラえもんの道具を借りてさっきの問題を解いた…そう言いたいんだろ?」
出木杉(なんだ…やけに落ち着いてるな、
まあいい、このままいってもどうせ僕が勝つ、たとえ今日のことが道具を借りてないとしても信頼度では僕の方が圧倒的だ。
昨日まで九九もわからなかったバカと学年1位の僕、どちらをみんなが信じるなんて言わなくてもわかるだろう…
この勝負、僕の勝ちだ)
出木杉「その通りだ、君はドラえもんの道具を借りている!」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:19:57.85 ID:fwXJJmky0
のびた「出木杉くん残念だったね
ドラえもんは帰ったよ」
出木杉「?!」
出木杉「嘘をつくなよのびた!!!!!君はドラえもんの道具を借りたんだ!」
のびた「なんなら証拠を見せようか?
今ここにタイムテレビが繋いである」
ドン!!
出木杉「ま、まさか?!」
のびた「そのまさかだよ、出木杉クン?
あっタイムテレビが繋がったようだよ」
ざわ…ざわ…
出木杉「!!!」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:23:40.71 ID:fwXJJmky0
タイムテレビ「おじいちゃん、うまくやってるようだね!!
みんなの前で出木杉を打ち負かすなんてさ!
ねぇ?ドラえもん?」
出木杉「う、うぉえええ」
キャーーキャーー
タイムテレビ「のびたくん、流石だよ!!、いや、実を言うとね、わかってたんだ。きみに数学、いや算数の才能があるっていうことは!!」
のびた、出木杉「え?」
タイムテレビ「実際一番驚いたのは僕なんだよ!!なにせ未来に戻ってきた時にセワシに教えられたんだけど、、、、
僕を作ったのは君らしいんだよ!!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:27:11.44 ID:fwXJJmky0
のびた「馬鹿な?!ドラえもんが作られたのは22世紀のはずだろ?!」
タイムテレビ「まあ、厳密にいうとそうなんだけど、、、僕のモデル、簡単に言うとプロトタイプを完成させたのは、のびたくん君なんだよ!!」
のびた「なん…だと…?」
タイムテレビ「実際僕も作られたのはのびたくんではなく、アメリカの科学者だと記憶していたんだけど、、、、」
タイムテレビ「こっちについたら君はが作っていたことになっていた」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:29:29.38 ID:fwXJJmky0
のびた「なんでだ? 僕はこのままいけば、ドラえもんがいなくなったからジャイコと結婚する未来になったはずだ?!」
タイムテレビ「そうだ、本来僕が来たことによって君はしずかちゃんと結婚するはずだったが、僕が帰った事によって君はジャイコと結婚する最初の未来に戻る
はずだった…!」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:32:51.39 ID:fwXJJmky0
のびた「!!」
タイムテレビ「そうだ、君は昨日僕によって現実の厳しさを知った、
そしてそれを回避するために「勉強」をしたんだ!!」
タイムテレビ「本来君はジャイコと結婚する未来でもしずかちゃんと結婚する未来でも君は勉強を全くしない!!!」
タイムテレビ「つまりこの未来は、、僕に一度出会い、現実を教えられ、僕と別れて、機械に興味をもったことによって作られた、第三の未来なんだよ!!!」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:38:01.50 ID:fwXJJmky0
のびた「ぼ、僕が、ドラえもんを、…?」
タイムテレビ「そう、僕を作り上げるのは君なんだ!!!頑張ってくれよ!!
こっちの未来では君は世界的な科学者として知られているんだよ!!」
出木杉「くっ…なんで、、、のびたがあっ!!」
タイムテレビ「出木杉くん、君もだよ!
今日自分の自惚れを身を持って知った君はこれからこれまで以上に努力する、そしてのびたくんと一緒に僕を作り上げていくんだ、
君の力なしじゃ僕は作られなかったってこっちの世界じゃ有名だよ」
出木杉「僕…も?」
タイムテレビ「ちょっとドラえもんー話しすぎだよ〜!!
あははごめんねセワシくん、つい話こんじゃったよ」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:41:20.02 ID:fwXJJmky0
タイムテレビ「とにかく!!出木杉の努力は決して無駄なんかじゃないよ!
それに今日でのびたくんがまたダメダメに戻ったら僕を完成させたのは君になっているかもしれないよ!」
のびた「ドラえもん〜あんまりだよぅー」
タイムテレビ「じゃあ僕はそろそろきるよ、未来で待ってる!!!」
のびた「うん!!走っていく!」
出木杉「……………ありがとう」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:42:47.98 ID:fwXJJmky0
のびた「っていうことだ、出木杉くん頑張ろうね。
僕ダメダメだから君が支えてよ!」
出木杉「フン、そんなことじゃ僕が先に作ってやるよ!!」
終わり