1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 22:34:55.07 ID:tYuZsJ+VO
―オーキド研究所―
サトシ「オーキド博士!ママ!俺また旅に出ることにしたよ!」
ピカチュウ「……」
オーキド「何!?また行くのか?」
サトシ「うん。今すぐにでも行こうと思ってる」
サトシ「俺、他の地方のポケモン達にもっと会いたいんだよ!」
オーキド「そりゃまた急な話じゃなぁ……。なぁママさん?」
ママ「まぁ、男の子ですからね。またこう言って飛び出していくと思ってましたわ」
ママ「ほら、サトシ。新しい服よ。これを着ていきなさい」
サトシ「わぁー!ありがとうママ!」
ピカチュウ「……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 22:43:22.63 ID:tYuZsJ+VO
オーキド「それで、今手持ちのポケモン達はどうするんじゃ?」
サトシ「そのことなんだけど……」
サトシ「ピカチュウだけ連れて旅に出るよ!」
ピカチュウ「……」
オーキド「はっはっは!やはりそうなるか!分かった。他のポケモン達はワシが責任を持って預かっておこう」
サトシ「お願いします、博士!」
サトシ「フシギダネもこいつらのこと、よろしく頼むな!」
フシギダネ「ダネ!」コクッ
ピカチュウ「……」
サトシ「……じゃあ、博士、ママ……行ってきます!」ザッ
オーキド「たまには連絡するんじゃぞー!」
ママ「気をつけて行きなさいよー!」
サトシ「分かってるー!」ブンブン
フシギダネ「ダネフシャー!」
ピカチュウ「……」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 22:46:50.85 ID:tYuZsJ+VO
―港―
サトシ「この船だな……」
ピカチュウ「……」
サトシ「よし、ピカチュウ。早速乗るぞ!」ダッ
ピカチュウ「……」ダッ
サトシ「向こうにはどんなポケモンがいるのかな?」タッタッタッ
サトシ「今からワクワクが止まらないぜ!」タッタッタッ
ピカチュウ「……」タッタッタッ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 22:52:14.77 ID:tYuZsJ+VO
―船内―
ボオオオォォォォォ...
サトシ「お!船が出るな!」
ピカチュウ「……」
サトシ「マサラタウンともまたしばらくお別れかぁ……」
サトシ「今度帰ってくる時は向こうの地方のリーグで優勝してからかな?」
サトシ「……なんてちょっと考えるの早すぎたかな!頑張ろうぜピカチュウ!」
ピカチュウ「……」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 22:59:05.58 ID:tYuZsJ+VO
サトシ「なぁ、ピカチュウ」
ピカチュウ「?」
サトシ「向こうの地方にはどんなポケモンがいるんだろうな?」
ピカチュウ「……」
サトシ「今まで見たことのないポケモン達が沢山いるんだろうなー」
サトシ「くぅー!考えただけでもワクワクしてきたぜ!」
ピカチュウ「……」
サトシ「早く向こうでポケモン捕まえて、色んな奴と会って、バトルをして、ジムを巡って、ポケモンリーグに挑戦して……」
サトシ「やることは山ほどあるぜ!ピカチュウ!頑張ろうぜ!」
ピカチュウ「……」
サトシ「俺はやるぞ!やってやる!な!頑張ろうぜ!ピカチュウ!」
ピカチュウ「さっきからやかましいハエだな」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:04:51.16 ID:tYuZsJ+VO
サトシ「え?」
ピカチュウ「さっきからギャーギャーうるさいんだよ、お前は」
ピカチュウ「黙って聞いてりゃ同じ話を何回も何回も繰り返しやがって……」
サトシ「……」
ピカチュウ「よっぽど暇なんだなお前は」
サトシ「ち、違うよ!俺は決意を新たにこれから頑張ろうぜっt」
ピカチュウ「あーはいはい、はいはいはいはい、分かった分かった。もう分かった。本当に分かったから一回黙れ」
サトシ「え?」
ピカチュウ「お前さっきから何回頑張ろうぜって言ってんだよ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:11:57.33 ID:tYuZsJ+VO
ピカチュウ「決意は一回でいいんだよ。何回も言う必要はないだろ」
サトシ「……うん」
ピカチュウ「それにな、お前マサラタウン出る時にオーキドに何つった?」
サトシ「え?旅に出ようと思うって……」
ピカチュウ「違う違う。その後だよ。ポケモン達どうするって聞かれた後に何つった?」
サトシ「え?あぁ、ピカチュウだけ連れて旅に出るって……」
ピカチュウ「それだよ」
サトシ「え?」
ピカチュウ「何でお前毎回毎回俺を強制的に連れて行こうとすんの?」
サトシ「いや、そりゃ、初めからのパートナーだし……」
ピカチュウ「そーですか。パートナーなら自己判断で連れ回していいんですか。私の意志は無視ですか」
サトシ「いや……その……」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:20:52.52 ID:tYuZsJ+VO
ピカチュウ「ポケモンにだって意志や主張はあるんだからさ」
サトシ「え……でも、ピカチュウ毎回嫌がったりしてないじゃn」
ピカチュウ「そりゃ俺が拒否したらアニメ的には終了だからな」
サトシ「あにめ……?」
ピカチュウ「……まぁ、いい。とにかくその辺のことはさ、嫌がる素振りを見せなくても何となくこっちの気持ちを察してくれるもんじゃないの?」
ピカチュウ「仮にも15年つき合ってんだぞ?俺ら」
サトシ「うん……。でもさ、ピカチュウは何で旅に出たくないんだよ?一緒に強くなりたくないのか?」
ピカチュウ「強くなる……?……一生かかっても無理だねそんなの」
サトシ「何でだよ!一緒にバトルしたり特訓したりしたら強くなれるだろ!」
ピカチュウ「リセット……」
サトシ「え?」
ピカチュウ「レベルがリセットされんだよ……」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:31:04.20 ID:tYuZsJ+VO
サトシ「え?リセッ……?何言ってんだ?」
ピカチュウ「……お前さ、なんでポケモンリーグでそこそこの成績残してんのに、新しい地方に行ったらその辺の新人トレーナーに負けるか分かる?」
サトシ「それは、新しい環境に慣れてないから……とか?」
ピカチュウ「違うよ。俺のレベルが元に戻ってんの」
サトシ「どういうことだ……?」
ピカチュウ「つまり、俺がどんなに強くなっても、新しい地方に行ったらその辺の新人トレーナーのポケモンと同じくらいの強さになっちゃうんだよ」
ピカチュウ「そんなことの繰り返しなら旅にも出たくなくなるってもんだ」
ピカチュウ「だから嫌なんだよ。新しい地方に旅に出るのは」
サトシ「……つまり、前の地方での冒険は意味がないってことか……?」
ピカチュウ「技と経験以外は大体そうだな」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:33:49.85 ID:tYuZsJ+VO
サトシ「そうか……」
ピカチュウ「あぁ……」
サトシ「……」
ピカチュウ「……」
サトシ「マサラタウン……」
ピカチュウ「戻るか……」
おしまい
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/29(月) 23:36:14.27 ID:tYuZsJ+VO
はいおしまい
ニャースとピカチュウの続編書く前にこれ挟んだんだけど、あんまよろしくないみたいね
まぁ、希望があったら近い内に書くけどなければこれで
最後までおつき合いしてくれてありがとう