1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 07:12:26.21 ID:fvjKXPeJ0
キョン「突然何を言うんだ長門?」
長門「私は何もすることはできないが、私の気持ちを伝えておきたいと思ったまで」
キョン「そ、そうか…気持ち?お前やっぱり自我があるんじゃないか!」
長門「わからない、私のこの感情を表す的確な言葉は存在しない、それに一番近いと思われる言葉が気持ち」
キョン「感情があるんだな?やっぱりお前」
長門「それ以上は止めて言わないで欲しい、私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドでしかない」
キョン(こいつなりに葛藤があるんだな)
長門「あの人に近づくなとは言わない、しかし私はあの人とあなたがいると心がとても苦しい」
キョン「あの人とはハルヒの事か?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:15:04.87 ID:fvjKXPeJ0
長門「違う、それは」
朝倉「あら二人ともこんなところで立ち話?」
キョン「いや、ちょっとな」
朝倉「私には言えない事?」
キョン「そういうわけない、なぁ長門?」
長門「…」
朝倉「長門さんは言えないみたいよ」
キョン「そ、そうか…ということだ朝倉」
朝倉「別にいいわよ、どうせ涼宮さんの事でしょ?どうせ私はバックアップですよーだ」
キョン「そんなことは・・・」
朝倉「うふふ、冗談よ冗談、早くしないとお昼休み終わっちゃうわよ、それじゃ私先に行くから」
長門「…」
キョン(まさか、あの人とは朝倉の事か?)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:22:25.49 ID:fvjKXPeJ0
朝倉「あ、ちょうどいいところに来たわ、これ持ってくれない?一人じゃ重くて持てないのよ」
キョン「段ボール箱に入ったプリントくらいお前ならわけないだろ」
朝倉「でも不自然でしょ、私がこれを軽々持ち上げるのって」
キョン「そんなに重くないだろ」
朝倉「ひどーい、私にこんな重いものを持って1階から三階まで上がれって言うの?」
キョン「いや、そういうわけじゃないが、わかったよ持ってやるよ」
朝倉「ありがとう、でも頼んだのは本当は重いからじゃなくてあなたとちょっと話がしたかったからなんだけどね」
キョン(おい、まさかまたナイフで刺してくるんじゃないだろうな)
朝倉「涼宮さんの・・・SOS団の活動が無い日とか早く終わる日ってあるでしょ?」
キョン「ああ、ハルヒは気まぐれなところあるからな」
朝倉「そういう日であなたがよければ、私にあなたのその時間を貰えないかしら?」
キョン「どういう事だ?何か手伝って欲しい事でもあるのか?」
朝倉「あなたと一緒に居たいってだけじゃダメ?」
キョン(何!?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:27:59.20 ID:fvjKXPeJ0
キョン「朝倉」
朝倉「何かしら?」
キョン「今日はハルヒの奴がどうしてもやることがあると言ってさっさと帰ったから、その…」
朝倉「今日は私の相手をしてくれるってわけ?」
キョン「まぁ、そうだな」
朝倉「ありがとう!」
キョン「約束だからな」
朝倉「どこへ行く?あなたが連れて行ってくれるところならどこでもいいわよ」
キョン(これは他の奴から見たら完全にデートって事なんだろうな)
朝倉「それとも私の部屋でもいいけど」
キョン「なっ?」
長門「…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:34:41.13 ID:fvjKXPeJ0
朝倉「自分の部屋に人を連れてくるのは初めてよ」
キョン「そうか…」
朝倉「どうしたの?」
キョン「いや、普通の部屋だと思って」
朝倉「長門さんみたいに生活感のない部屋だと思った?」
キョン「…ああ、そう思ってたんだ」
朝倉「女の子の部屋に呼ばれたのに他の女の子の事考えるなんて失礼よ」
キョン「長門と同じマンションだし、さっきまで長門が後ろを歩いてたからな考えるなというのが無理な話だ」
朝倉「まぁそれは仕方ないわね」
キョン「長門の奴黙って後ろをついてこないで何か話せばいいのにな」
朝倉「長門さんが世間話でもすると思ってるの?」
キョン「いや、そういうわけじゃないんだが」
朝倉「でも長門さんは本当はあなたや私に言いたいことは山ほどあるのよ」
キョン「そうなのか?」
朝倉「そうよ、どうして私の部屋にあなたが来るのかとか、本当はとても気になってるはずよ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:37:39.01 ID:fvjKXPeJ0
キョン「まさか長門が」
朝倉「…」
キョン「本当なのか?」
朝倉「そうよ」
キョン「お前わざと俺を連れて来たのか?」
朝倉「わざと?どうして?」
キョン「それは・・・」
朝倉「私が長門さんに嫌がらせしてるとでも?」
キョン「…そういうわけはないよな」
朝倉「そうよ、嫌がらせしてるのよ」
キョン「!?」
朝倉「嫌がらせには間違いないけど、正確には見せびらかしてるのよ」
キョン「俺をか?」
朝倉「あなたと私の関係をよ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:42:27.48 ID:fvjKXPeJ0
キョン「なるほどな、どうしてお前が急に俺になれなれしくなったのかわかったぜ」
朝倉「あなた何か勘違いしているわ」
キョン「この前の教室での出来事や、バックアップとして扱われてる鬱憤をこういう事で憂さ晴らししてるんだろ?」
朝倉「まぁ当たってるかもしれないわね」
キョン「帰らせてもらう」
朝倉「待って、勘違いしてるって言ったでしょ、人の話を聞きいて」
キョン「勘違いも何も当たってるんだろ?こんな事には付き合いきれん」
朝倉「確かに鬱憤を晴らしてるのは本当よ、でもそのためにあなたを利用したわけじゃないのよ」
キョン「利用されてるとしか思えないね」
朝倉「だって私はあなたを独占したいと思ってるのよ、憂さ晴らしはついでよづいで」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:47:32.69 ID:fvjKXPeJ0
キョン「独占?俺をこのまま監禁するとでもいうのか?」
朝倉「最初はそうしてもいいって考えてたんだけど」
キョン(まじかよ!)
朝倉「それをしてもあなたを独占できるとは思えないし」
キョン「それは俺の感情も支配したいってことか?」
朝倉「遠まわしな言い方ね、好きになって欲しいって事ね」
キョン「…からかっているのか?」
朝倉「冗談じゃないわよ」
キョン(こいつは俺に本気で惚れて貰いたいと思ってるのか?何のためだ?ハルヒを刺激するためか?)
朝倉「どう、わかってもらえたかしら?」
キョン(嘘を言ってるようには見えないが、こいつは人間じゃないからな、感情も無いはず…いや、長門には確かに自我が目覚めて感情もあった洋だったし…)
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:53:36.27 ID:fvjKXPeJ0
朝倉「今はみんなこうして高校生をやっているけど、高校を卒業したらどうなると思う?」
キョン「そりゃ大学に進学するなり就職するなりするだろうさ」
朝倉「そういう事じゃないわ、涼宮さんやあなたや長門さん達の事よ」
キョン「…SOS団がどうなるかって言ってるわけか?」
朝倉「そうよ、涼宮さんと同じ大学にみんな行くと思ってるの?大学ならまだいいわね、バックパッカーにでもなって世界一周旅行やり始めたりしたら」
キョン(ハルヒならやりかねん)
朝倉「ようするにSOS団は高校生活で解散、みんなバラバラになるわ、でも涼宮さんを観測してる人たちは監視者を変えて監視はつづけるでしょうね」
キョン「だが長門は…」
朝倉「長門さんはこのまま引き続き涼宮さんの近くにいて観測を続けるわね」
キョン「お前はしなくていいのか?」
朝倉「高校生活が終わった後にバックアップである私が行う行動は、涼宮さんの監視じゃなくて、あなたなのよ」
キョン「俺!?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:56:27.46 ID:fvjKXPeJ0
キョン「高校卒業を見越して俺に近づいてきたってわけか?」
朝倉「そうじゃないわよ、高校卒業したら私はあなたを独占することができるとわかってるから焦る必要が無いと判断したわけ」
キョン「だから監禁しないと」
朝倉「まぁそうね」
キョン「俺が嫌だと言ったらどうするんだ?高校卒業後お前と一緒にいたくないと言ったら」
朝倉「それはありえないわ」
キョン「どうして、姿でも変えて俺にいつの間にか近づいてくるのか?」
朝倉「そんなストーカーみたいな真似はしません、この三年間であなたを絶対好きにさせるために私が努力するからよ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/07(日) 07:58:39.58 ID:fvjKXPeJ0
しかし、朝倉涼子の努力もむなしくキョンは彼女を好きになる事は無かった。
三年間でキョンが一番惹かれて言った人物、それは国木田だったのである
友達から恋人になるまで一年はかかったが、残りの二年間に二人はたっぷり愛し合った
空き教室で、トイレで、更衣室で、保健室で…その事をわかりつつも朝倉は
キョンへのアプローチをあきらめることはなかった、しかしその努力は無駄だった。
そう、キョンは男にしか興味がなかったからである。
完