1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 18:54:56.92 ID:SHPLXx540
ひろし「帰ったぞー」
しんのすけ「ただいま、とおちゃん!」
ひろし「おいおい、ただいまじゃなくて、おかえりだろ?」
しんのすけ「そうともゆー」
ひろし「全く。お前って奴は。みさえはどうした?」
しんのすけ「かーちゃんなら、揚げ物してるからってお迎えにいっていわれたんだゾ」
ひろし「…そっか。なんでお前を揚げないんだろうな」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 18:58:07.88 ID:SHPLXx540
しんのすけ「もー、とーちゃん!冗談きついぞーw」
ひろし「あ?」
しんのすけ「全くー!オラたち3人家族仲良く暮らさないとダメだぞ!」
ひろし「3人?俺たちは…」
みさえ「あら! おかえりなさい!」
ひろし「ただいま」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 18:59:36.26 ID:SHPLXx540
みさえ「さっき気付いたんだけどごはんのスイッチ入れるの忘れてて、もうちょっとかかりそうなの」
しんのすけ「まったく、みさえはドジだなぁ」
みさえ「…だから、しんちゃんをお風呂に入れて欲しいんだけど」
しんのすけ「もー仕方ないなー」
ひろし「おめーがいうのかよ!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:01:09.72 ID:SHPLXx540
しんのすけ「あーいいお風呂だぞ!!」
ひろし「…」
しんのすけ「とーちゃん?」
ひろし「お前一体なんなんだよ」
しんのすけ「またその話ー?おらはしんのすけだぞ!」
ひろし「いい加減にしろよ?」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:02:28.38 ID:SHPLXx540
みさえ「しんちゃん?お風呂どうだった?」
しんのすけ「んーまぁまぁだな」
ひろし「今日はステーキに唐揚げ?変な組み合わせだな。コレステロールたかそうな…」
みさえ「これからしばらくはしんちゃんの大好きなお肉よ!」
ひろし「しかも、これ? かなりいい肉なんじゃないか?」
みさえ「そうね!ちょっと奮発しちゃったわ」
しんのすけ「かーちゃんふとももー!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:04:00.03 ID:SHPLXx540
しんのすけ「もう食えないぞ!」
みさえ「はいはい。お粗末さまでした。じゃあ洗い事始めちゃうわねー」ジャー
ひろし「…しんのすけ。いい加減にしてくれないか?」
しんのすけ「なにがー?」
ひろし「何時までもとぼけるんじゃない」
しんのすけ「もーとーちゃんずっと変だぞ!」
ひろし「…」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:05:38.47 ID:SHPLXx540
みさえ「あなた、いってらっしゃい」
ひろし「…ん、ああ行って来る」
ひろし「しんのすけ…」
??「! おじさん!おじさん!」
ひろし「? この声は…」
風間「どうもおひさしぶりです!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:07:59.66 ID:SHPLXx540
ひろし「やっぱり風間くんか、しばらく見ない間に大きくなったね」
風間「そうですか?」
ひろし「うん。歳月が流れるのは早いもんだよ」
風間「そうですね。僕も驚いてます」
ひろし「そうだよなぁ。もうしんのすけが死んでから2年だなんて…」
風間「…あのおばさんは? その…母がとても気にしていて…」
ひろし「まぁその…最近は元気かな?」
風間「そうですか…それは良かったです。今度しんのすけの線香あげにみんなでいっていいですか?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:09:37.20 ID:SHPLXx540
ひろし「それで…」
ひろし「まさか、しんのすけが蘇ったなんていえるわけないよな…」
ひろし「そもそもあれはしんのすけなのか?俺は確かに触った。あれは死の体温だった」
ひろし「俺は確かに息子の死と対面したはずなんだ…」
ひろし「しんのすけ…」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:14:21.01 ID:SHPLXx540
ひろし「ただいま」
しんのすけ「かーちゃんがまた、炊飯ジャーのスイッチ入れ忘れたってさ。お風呂先に入れって」
ひろし「しんのすけ…お前は一体なにものなんだ?」
しんのすけ「もーとうちゃん!しつこい男は嫌われるゾ!?」
ひろし「いいからいえ!俺たちはもうお前を忘れかけていたんだ…なのに」
しんのすけ「…なにいってるんだゾ?」
ひろし「?」
しんのすけ「とーちゃんこそなにを忘れてるんだ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:18:03.02 ID:SHPLXx540
しんのすけ「おらがいなくなってからのかーちゃんは毎日毎日泣いてすごしていたんだゾ」
ひろし「それは…」
しんのすけ「とーちゃんじゃおらを失った穴を埋めることなんでできないからかーちゃんは毎日おらの絵をクレヨンで描いて…」
しんのすけ「おらが居なくなったら、かーちゃんはそんな生活に逆戻りだゾ」
ひろし「しかし…」
しんのすけ「とーちゃんはおらを忘れたいかもしれないけどね」
ひろし「それは…」
しんのすけ「おらを殺したのは他ならぬとーちゃんだからね」
ひろし「…」
しんのすけ「オラは消えないぞ」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:21:08.72 ID:SHPLXx540
みさえ「しんちゃんは寝ちゃったみたい…」
ひろし「ああ…なぁみさえ、今日風間君に会ったよ」
みさえ「そう…」
ひろし「もう小学生だって。時間が経つのは早いよな」
みさえ「…」
ひろし「でも、しんのすけは永遠に幼稚園児のままだ」
みさえ「なにがいいたいの?」
ひろし「こんな生活はもう…」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:23:09.19 ID:SHPLXx540
みさえ「あなたがそれをいうの?」
みさえ「あなたが! あなたさえもう少ししっかりしていたら、しんのすけは…」
ひろし「それは…」
みさえ「しんのすけを返してよ!! あの子は!わたしがお腹を痛めて産んだたった1人の息子なの!」
みさえ「他人を思いやれる優しい子だったの!」
みさえ「なのに…なのに…あなたが!」
ひろし「みさえ…でも今、俺たちの目の前にいるのは…」
みさえ「幻でも、まやかしでも構わないわ!私は…」
ひろし「「みさえ…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:24:59.13 ID:SHPLXx540
ひろし「今にして思えば、俺が間違いだったのかもしれない」
ひろし「絵なんて勧めるんじゃなかった…何を描くかなんて分かりきっていたことなのに」
ひろし「クレヨンで描かれた絵は消せない…」
ひろし「人の過去と…俺の犯した罪と同じ様に…」
ひろし「??この絵…ステーキと唐揚げの食卓…この前の妙な組み合わせ…まさか」
ひろし「でも俺は刺身が好きなんだよなー…描いてみるか?」カキカキ
ひろし「なにをいい年して…やってるんだ。そんなわけあるはずないのに…」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:26:26.41 ID:SHPLXx540
次の日
みさえ「今日は、秋田のお父さんからお魚が送られてきたわよー」
ひろし「?」
ひろし「おかしい…まさか」
ひろし「あのクレヨンで描いたから?」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:27:41.85 ID:SHPLXx540
ひろし「…このクレヨンには描いたものを現実にする力があるって訳か…?」
ひろし「じゃあこのクレヨンでしんのすけが消える絵を描けば…」
ひろし「でも…それじゃあまたみさえは…」
ひろし「しかし…利用しない手は存在しない…よな」
ひろし「とりあえず、このクレヨンでなにができるのかを検証してみないことには…」
ひろし「…とりあえず」
ひろし「まずは過去改変。これさえできれば…すべて解決。あの日を無事乗り切る絵を…」カキカキ
ひろし「さぁどうなる?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:30:28.50 ID:SHPLXx540
しんのすけ「とーちゃん!!」
ひろし「!…しんのすけ! 今は何年だ?…!」
ひろし「しんのすけが…死んだ日? タイムスリップまで出来るのか?」
ひろし「ならば…今日1日しんのすけを外出させなければ…」
ひろし「しんのすけ! 今日の買い物はなしだ。」
しんのすけ「えー! とうちゃんオラにカンタムロボ買ってくれるって言ったゾ!」
ひろし「約束は守る。明日買いに行こう? な?」
しんのすけ「もーとうちゃんってばワガママだなぁ! じゃーオラみんなと遊んでくるゾ!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:31:31.51 ID:SHPLXx540
ひろし「…! いや!だめだ! 今日は家に居なさい」
しんのすけ「えーなんでー!!」
ひろし「いいから!家で寝てるんだ!」
しんのすけ「もー! しょうがないなぁ! じゃあおつやにチョコビでも食べるゾ!」
しんのすけ「うわっ! うわーーー」ガラガラ ドッカン 頭ごっちん
ひろし「!! しんのすけー!!」
ひろし「しんのすけ…また?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:36:03.83 ID:SHPLXx540
ひろし「なんでだ!?」
ひろし「クソもう一回だ!」カキカキ
ひろし「今日は家にいなさい!」
しんのすけ「だからってガムテープでぐるぐる巻きにするのはどうかと思うゾ!」
ひろし「いいから! 今日1日だけでいいからおとなしくしてろ!」
しんのすけ「もう!とおちゃんったら!新しいプレイに目覚めちゃったの!?」
ひろし「今度こそ…」ブツブツ
タンスが倒れてくる
しんのすけ「ああ!!とおちゃん!? ぐえああああああああ」
ひろし「しんのすけ!? なんでタンスなんて…?」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:39:10.88 ID:SHPLXx540
ひろし「クソ!!もう一回だ!!」
・
・
・
・
ひろし「どうしてだ…? 何回やっても…クレヨンで描いたような未来がやってこない…」
ひろし「クレヨンも磨り減って…あと少ししか…かけない」
ひろし「まるで、何かが意思をもってしんのすけを殺そうとしているような…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 19:43:39.35 ID:SHPLXx540
ひろし「こうなったら…youtubeで{ハムが釣れましゅたよ}と検索するしかない…」
ひろし「うはっははははっはははは!!!!!!」
ひろし「これはネット史上最高にわらえる動画だぜ!!!!!!」
ひろし「このSSは完結しないけど、ハム動画は面白いから!みんなも見てくれよな!!」
完
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:05:41.25 ID:gQOuzLe50
>>84の続き
ひろし「どうして……どうして何回やってもしんのすけが……」
ドクン…
ひろし「っ……!?」
ドクンッ!
(……許せない……)
ひろし「!!」
(許せない……私だって……私だって生まれるはずだったんだ……)
ひろし「誰だ…… 誰の声だ……!?」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:08:56.95 ID:gQOuzLe50
(何で…… 何でお兄ちゃんばっかり…… 愛されて…… 愛されて……!)
(私だけ……!!)
ひろし(この声……幼い……女の子……)
ひろし(待てよ、『お兄ちゃん』?)
ひろし(お兄ちゃんって、しんのすけのことか……?)
ひろし(でも、しんのすけに妹なんて……)
ひろし(……ハッ)
ひろし(みさえは………そうだ、一度……流産してるんだ……)
ひろし(しょうがなかった……医師も、こればかりは確率の問題で、しょうがないと言っていた……)
(私だって…… 私だって…… )
ひろし(でも……その子は、『生まれたかった』んだ……!)
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:11:17.51 ID:gQOuzLe50
( 私だって…… 愛されたかった……)
ひろし「………」
ひろし(愛されたかった……だが、それが敵わず、みさえの腹の中で死んでしまった……)
ひろし(その無念が……しんのすけを『殺し続ける』運命を生みだした……)
ひろし(まるで呪いだ……)
(あぁあああぁ…… あああああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!)
(ずるいずるいずるいずるいずるいぃぃぃいぃ!! 私だって!!愛されたかったんだあ゙あ゙!!!)
ひろし「………」
ひろし「分かったよ……」
ひろし「俺が……俺が、止めてやる」
ひろし「お前の無念も…… しんのすけの呪いも……」
ひろし「まとめて止めてやるよ……!!」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:14:22.92 ID:gQOuzLe50
ひろし(このクレヨンで……!)
ひろし「おおおぉぉおおぉぉ!!」 カキカキカキカキ
ひろし「お前は……そうだな! きっと、みさえに似て、目がクリクリしてて可愛いんだろうな!」 カキカキ
ひろし「髪の色も、みさえと同じで、きれいな栗色で……!」 カキカキ
ひろし「赤ちゃん服は、そうだな、黄色だ! 明るくて、鮮やかで、お前にぴったりの色だ!!」 カキカキ
ひろし「それに……名前は……名前は、もうあの時、決めてあったんだよ!!」
ひろし「まっすぐに!! お日様みたいに!! あの大輪の花のように!! 笑顔を咲かせる子になってほしいって!!」
ひろし「なあ!! これで!! これで、やっと!!」 カキカキ
ひろし「お前を愛せるよ!!」
ひろし「 ひ ま わ り !!! 」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:16:49.71 ID:gQOuzLe50
カァァァァァァァ……!!
ひろし「こ、これは……!?」
ひろし(絵が光って……)
ひろし「ま、まぶしい……!!」
(……… ……パパ………)
ひろし(ひまわり……!?)
(……… ありがとう ………)
ひろし「……当たり前だろ……! お前は俺の……大事な娘なんだからな!」
カァァァァァ……!!
ひろし(光が……強く………! 飛ぶ……飛ばされる……っ!!)
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:18:51.01 ID:gQOuzLe50
カァァァアアァァッ!!
ド── …… ── ン ……
真っ白な光に呑まれたひろしは、強い衝撃を感じて気を失った……。
──
─
…… チュン
チュンチュン
ひろし「………」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:21:42.12 ID:gQOuzLe50
どたどたどた!
しんのすけ「とーちゃーん! 起きろーっ!」 ドシーン!
ひろし「ぐへぇっ!!?」
しんのすけ「全くぅ、ねぼすけなんだからぁ」
ひろし「ダイブするなダイブを!」
みさえ「あ、あなた、起きた?」
ひろし「やれやれ……酷い目に会ったぜ……」
───
しんのすけ「カーンタムカンタムー♪」
みさえ「あ、あなた……」 ヒソヒソ
ひろし「ん? 何だ? 内緒話か?」
みさえ「実はね……」
ひろし「ん?」
152 名前:以下、名無しにかわりましてLOOPがお送りします[] 投稿日:2012/09/29(土) 20:25:56.65 ID:gQOuzLe50
みさえ「………」
みさえ「出来ちゃった……みたいなの」
ひろし「ほ、ほんとか!?」
みさえ「…////」
ひろし「や、やったな! くぅ〜……やっと俺も娘を拝める……」
みさえ「あら、まだ女の子かなんて分かんないのに」クスクス
ひろし「? そういや、何で女の子だと思ったんだろう……」
ひろし「何でか分からないけど、確信があるんだよ」
ひろし「絶対に、元気な女の子が生まれて来る!ってな!」
完