1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 20:29:38.27 ID:wpzLPcyN0
しんのすけ「かあちゃんごはんまだー!」
みさえ「おととい食べたでしょー」
しんのすけ「おなか・・・すいたゾ・・・」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 20:40:23.67 ID:z+DMacQqO
みさえ「ほ〜らひまわり、お野菜おいちいでちゅね〜」
ひま「んま、んま」
ひろし「くうーっ!風呂上がりのビールは最高だな!」
しんのすけ「…かーちゃん、おらにもごはん欲しいぞ!」
みさえ「あら、ひまのご飯まで盗るつもりなの!?なんて卑しいお兄ちゃんなのかしら〜」
ひま「たぁい」
ひろし「お前はお兄ちゃんなんだから、我慢しなきゃだめだろ」
しんのすけ「とーちゃん…」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 20:50:02.05 ID:z+DMacQqO
しんのすけ「もうオラこんな家いやだ!出ていくぞ!」
みさえ「ああそう、勝手にすれば?」
しんのすけ「………。」
しんのすけ「…ほ、本当に出ていk」
TVの音「漫才師:なんでやねん!」
ひろし「ブワッハッハッハッハ!!!」
みさえ「あははははっ!」
ひま「キャッキャッ」
しんのすけ「…!」
しんのすけ「もう…知らないゾ…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 20:59:30.36 ID:Nrf1Thfk0
リュックに荷物をつめるしんのすけ
しんのすけ「アクション仮面と、カンタムロボと、
チョコ…ビはもう3ヶ月前から買って貰えなくなったんだっけ…」
しんのすけ「かーちゃんの高いお菓子も、どこに隠してあるか
全然わからないゾ…」
みさえ「…あらしんちゃん、まだいたの」
しんのすけ「!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:03:33.58 ID:Nrf1Thfk0
みさえ「ママとのお約束条項第144条」
みさえ「出て行くと言ったらいますぐ出て行くこと!!!」
しんのすけ「! カーチャンのバカ!!」ダッ
みさえ「これで・・・これで良かったのよね・・・」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:10:01.62 ID:Nrf1Thfk0
数分後
しんのすけ「はぁー・・・お腹がすいてると走ってもすぐ疲れるゾ」
公園の子供「エーンエーン!」
しんのすけ「? どうかしたの?」
子供「風船が・・・エーン!」
高い木に風船が引っかかっている。
しんのすけ「おお〜オラ、木登り得意だからすぐとってきてあげるゾ」
子供「ほんとに!?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:16:02.77 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「おサルのきぐるみ着て、するするする〜っと」
しんのすけ「ほい。」
子供「わあ〜!おにいちゃんありがとう」
子供の母親「あら、風船とって貰ったの」
子供「うん!このおにいちゃん、きのぼり得意なんだって!」
しんのすけ「いやぁ〜それほどでもぉ〜」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:19:28.19 ID:Nrf1Thfk0
母親「坊やありがとうね、よかったらこれどうぞ」
しんのすけはチョコビを貰った。
しんのすけ「おおっ!おばさんふともも〜!」
母親「もう日も暮れてきたから、坊やも早めに帰るのよ?」
子供「おにいちゃん、今度あそぼうね、バイバ〜イ!」
しんのすけ「ほいほ〜い!」
しんのすけ「…チョコビかあ…」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:22:26.55 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「おひさしブリブリざえもん〜♪」
バリッ ガサガサ
しんのすけ「んん〜このあま〜い香りととろけるくちどけ〜
病み付きになりますなぁ〜」ボリボリ
しんのすけ「オラのご褒美にいつもかーちゃんが」ボリボリ
しんのすけ「…かーちゃん」…
しんのすけ「……かー…ちゃん」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:40:40.09 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「…やっぱり、かーちゃんの買ってくれるチョコビが
…一番美味しかったぞ…」ボロボロ
しんのすけ「…家に帰ってみようかな」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:44:23.50 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ(ガクガクブルブル)
ガチャ
しんのすけ「た、ただいま…」
みさえ「あらしんちゃんお帰りなさい!遅かったのねぇ
ご飯できてるから早く手を洗ってらっしゃい」
しんのすけ「!?」
しんのすけ「かーちゃん…?」
みさえ「? どうしたの?」
しんのすけ「い、いや、なんでもないゾ・・・」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:48:19.68 ID:Nrf1Thfk0
みさえ「今日はお肉がたっぷりはいったシチューよ」
ひろし「おっ、美味そうだな〜」
しんのすけ「???」
みさえ「・・・あらしんちゃん食べないの?」
しんのすけ「オ、オラちょっとイがムカムカするゾ・・・」ダッ
部屋へ逃げるしんのすけ
みさえ「・・・」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 21:58:29.08 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「う・・・この部屋はクーラーがないから熱いぞ…」
カレンダー付きのデジタル時計は
8月27日(月)18:21を指している
しんのすけ(そういえばかーちゃんたちがおかしくなったのは
一週間前オラが5じ(門限)までに帰ってこなかったときからだゾ)
しんのすけ(その夜はごはん抜きだったけどそれからもずっと・・・)
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:02:39.26 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ(でもなんで、さっきのかーちゃん機嫌がよかったんだろう)
隣の部屋からはみさえたちの談笑が響いている
しんのすけ(いつもと同じ声なのに・・・)
しんのすけ(いつもの声・・・)
しんのすけ(・・・シロ?)
今日はシロの声が聞こえない
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:08:13.58 ID:Nrf1Thfk0
数センチ空いた網戸を開いて庭を覗いた。
シロどころか 小屋すら無かった
しんのすけ「オラが家から出て行った時には・・・あれ・・・」
衝動にかられていたためかよく思い出せなくなっていた
困惑していると突如、背後の部屋の戸が勢い良くあけられた
「ガララッ!」
しんのすけ「!!」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:14:05.59 ID:Nrf1Thfk0
ひろし「しんのすけー!久々に一緒に風呂に入るかー?」
しんのすけ「とおちゃん…」
ひろし「何だお前、今日は具合悪いのか?」
しんのすけ「ねぇ、とおちゃん!」
ひろし「?」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:17:59.77 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「シロ・・・かあちゃんは・・・どうしたの
なんだか・・・おかしいゾ・・・かあちゃんは」
ひろし「具合悪いんなら早く寝ような!
9月からは幼稚園も始まるし、な?」
しんのすけ「とーちゃん・・・」
ひろし「・・・大丈夫だ(ボソッ)」
ひろしは独り言のように呟いた
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:29:43.21 ID:Nrf1Thfk0
午後10時 寝室
ひろしのイビキと扇風機の音が響いている
みさえは絵本を片手にひまわりの傍で共にすやすやと眠っていた
しんのすけ(きっとこれは悪い夢だゾ・・・オラはまだ夢のなかに居るんだぞ
目が覚めたら一週間前のあの日に戻って、オラは風間君たちとプールに行って、
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:31:49.21 ID:Nrf1Thfk0
かーちゃんとひまはおばさんたちとの温泉旅行にいって、
とーちゃんはお土産をかってきて・・)
しんのすけは喉元を押し上げるような不安の中、
疲労に引きずられ眠りに落ちた
−−−数時間経っただろうか、しんのすけは物音にふと目を覚ました
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:39:15.14 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ(とーちゅんがいない・・・かーちゃんも・・・ひまも)
家の中のどこかと、庭からそれぞれ物音が聞こえる
しんのすけはカーテンを少しめくって庭を覗いた
ひろしが何かをまとめてゴミ袋にまとめているようだ
しんのすけ(とーちゃん、何してるのかな…)
暗くてよく見えないが、なにか布のようなものをつめている様だ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:46:11.28 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ(やっぱり何か変だゾ…!)
しんのすけは一気に恐怖がこみ上げ、
布団の中に頭までもぐって朝が来るのを待った
−翌日
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:52:01.92 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「うーん、全然眠れなかったゾ…
かーちゃんおはy…」
居間の戸を少し開けた途端に、鼻を突くような臭い
みさえ「xxxx!xxx!」ガツガツ クチャ ペチャ
温くて生臭い臭いが部屋中に篭っていた
みさえ「ッハァハァ!xxxxxx!」クッチャクッチャ
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 22:59:18.68 ID:Nrf1Thfk0
みさえの背中越しの床にわずかに見える赤黒いシミ。
濡れた鉄のような臭い。
しんのすけは幼いながらもそれらが何なのかを瞬時に悟った
あまりの光景に全身が凍り付いて動かない。
そこへ、ひろしが現れ小声で呼びかけた
ひろし「(しんのすけ!こっちへ!)」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:04:43.14 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「(とーちゃん!一体どうn)」
ひろし「(話は後だ!とりあえずお前はいつもの公園まで行くんだ
俺も後から行く!)」
しんのすけ「(…わかったゾ、とーちゃん)」
ひろし「(あ、待て、これもっていけ)」
ひろしはしんのすけに重たい饅頭を握らせた
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:06:47.22 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「(とーちゃん、これ食べていいの?)」
ひろし「(ああ…ごめんな)」
ひろしはゆっくりとしんのすけの背を玄関へと押した
みさえに気づかれないよう慎重に家を出た後
無我夢中で公園へと走った
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:42:06.24 ID:Nrf1Thfk0
−公園
子供たちの声が響く、いつもの風景
しんのすけ「とーちゃんのくれた饅頭、おいしいゾ…」
少々固くなっていたが、あんこがぎっしりと入った大きな饅頭を
口を粉まみれにしながら食べ続けた。久々の満腹感を味わった。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:48:03.40 ID:Nrf1Thfk0
しんのすけ「ふぅ〜まんまんまんぞくだゾ〜」
右手で少しふくれた腹を撫でながら、考えていた
みさえが明らかにおかしくなっていること、
自分があの日門限を破ったのがきっかけでああなったのか、
いやそれにしてはおかしい、
もっとひどいことをして怒られた時だっていっぱいあったのに。
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:53:51.33 ID:Nrf1Thfk0
ひろし「しんのすけ〜!」
しんのすけ「おお!とおちゃん!」
ひろし「今まで怖い思いさせてごめんな、辛かっただろう
今からお前に全てを話す」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/25(火) 23:56:38.98 ID:Nrf1Thfk0
ひろし「見てわかるとおり、みさえは…狂ってしまっている。
原因はまだわからないんだが、」
しんのすけ「オラでしょ!?オラが悪い子だから、
オラが良い子にならないから、オラが、かーちゃんを…かーちゃん…」ボロボロ
ひろし「しんのすけ…」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:01:30.60 ID:Hy83lpVj0
ひろし「みさえの様子が変わったのはおよそ一週間前だ
買い物に付き合わされたときに肉や鮮魚を見ると目が爛々としていた。
ぼーっと庭のシロを見ながら「おいしそう…」とか、おかしなことを呟くようになったんだ」
ひろし「精神科に連れて行ってみたものの、みさえはいつもどおりに振舞っていて
結局原因はわからなかった」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:05:29.77 ID:Hy83lpVj0
ひろし「そしてとうとうみさえは行動を起こそうとしていた。
俺がちょうど仕事から帰ってきたときには、
シロに包丁を振りかざしていた。
制止したもののみさえはものすごい剣幕で、
言葉にならない言葉…うなり声をあげていた」
しんのすけ「じゃあシロはやっぱり…」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:11:35.00 ID:Hy83lpVj0
ひろし「いや、大丈夫、シロは生きているんだ
みさえはどうやらシロや犬小屋を見たときだけ思い出したように狂う。
ためしに買ってきた生肉を与えることで
ダメ元だったが奇跡的にみさえはおとなしくなったんだ
シロは少し離れた知り合いの家で預かってもらっているし、犬小屋も裏に撤去してある」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:24:10.30 ID:Hy83lpVj0
ひろし「シロが居なくなってから落ち着いたと思ったら、ひまも狙われた。
…今は一時的に施設に預けているよ。みさえにもさっきの方法でなんとか撒いた。
ひまに関するものも家の奥にすべてしまった
シロの一件ですぐに2人とも隔離しようと思ったんだが
なかなか納得してくれなくてな…まるでみさえの中に悪魔でも住み着いたみたいだ…」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:27:08.24 ID:Hy83lpVj0
しんちゃん「じゃあこのままじゃオラたちも…」
ひろし「ああ…みさえは段々と理性を無くしていってる
みさえの矛先がお前に向かないためにも色々と策を考えたんだが、
みさえに賛同するフリをして神経を逆立てないことに精一杯だった
そこで、ひまのおもちゃを片付けているときに思いついたんだ」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:32:06.65 ID:Hy83lpVj0
ひろし「ひまの絵本"ヘンゼルとグレーデル"で
兄のヘンゼルが悪い魔女につかまって、檻に入れられたとき
ヘンゼルがあまりにも痩せていたので、魔女は肉を与えて太らせてから食べようとした。
しかしコレをたべて太ってしまったら魔女に食べられてしまう。」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:35:31.06 ID:Hy83lpVj0
ひろし「この本を見たときなんとなくコレだ、と思いついたんだ
みさえに狙われずになおかつ家に一緒にいる方法…
お前がげっそりとした姿になればきっとみさえの標的にならずに済むと。
俺バカだからなぁ…こんなことしか考えられなく…て」
ひろしの目に涙がじわじわと浮かび上がってきた
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:40:30.17 ID:Hy83lpVj0
ひろし「ごめんなぁ…ひもじい思いさせて…
やっぱり間違ってたよな…こんなこと…」
しんのすけ「とーちゃん…
…かーちゃんは元のかーちゃんに戻るの…?」
ひろし「…わからない。俺も…最善の方法がなんなのか…
ハハ、一家の大黒柱なのに、なさけねぇよなあぁ…」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:42:42.76 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「とーちゃん、泣かないで
オラ、我慢できるゾ。かーちゃんが戻ってきてくれるなら、
いくらでもたえられるぞ」
ひろし「…あ…いや!いいんだ!もう、
しんのすけ、何か食いたいものあるか?
今日はとーちゃんと二人で好きなもの食べにいこう!な?
ハンバーグとかどうだ」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:48:31.00 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「かーちゃんは?大丈夫なの?」
ひろし「お前が外に出た後、お医者さんを呼んで
今は救急に世話になってる。多分、しばらくは安全だ。」
しんのすけは一通りの話を聞き不安と安心が入り混じりながらも
どこか引っかかるところがあった
が、今は父のひろしの言葉が全てなので納得することしか出来なかった。
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:54:18.43 ID:Hy83lpVj0
外食を済ませ、ひろしと家に戻ると
あまりの静けさに違和感を覚えた。
風呂とはみがきを終えると、
疲労のためぱたりと眠ってしまった。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 00:58:18.87 ID:Hy83lpVj0
−翌日。時刻は12時を回っていた
しんのすけ「おお〜すっかり寝過ごしたゾ」
いつもならあの大きい声で起こしてくれるみさえは居ない。
庭で元気にほえるシロの声も、ぐずるひまわりの声も無い。
聞こえるのは未だ眠っているひろしの寝息だけである
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:03:29.64 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「そういえばとーちゃん、家の裏にシロの小屋と
ひまのおもちゃ隠してるって言ってたゾ」
しんのすけはこっそり見にいくことにした。
それを見たらなんとなく安心できそうな気がしたから。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:08:26.96 ID:Hy83lpVj0
家の後ろ、車庫の影、
探したけれど一向にそれらしきものは見つからない。
しんのすけ「…きっと見つからないようにすごい奥にかくしてあるのかぁ
とーちゃん頭良いゾ」
二階の部屋の収納も隅々まで探してみた
寝室の押入れ…はいつも雪崩が起きるので開けなかったが、
思いつくところはすべて探した。
見つからない。
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:11:22.19 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「とーちゃん!とーちゃん!シロの小屋はどこに隠したの?
ひまのおもちゃは?探したけど見つからなかったんだゾ!」
ひろし「…う〜ん俺の足はジャスミンの香り…むにゃむにゃ…」
しんのすけ「野原君、企画書はできたのかね?」
ひろし「うう…まだですぅ〜すみません部長ぅ〜…」
しんのすけ「なんて遊んでる場合じゃなかった」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:15:56.50 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「とーちゃん起きて…」
しんのすけ「んもう…」
諦めてアクション仮面でも見て落ち着こう、と思い
リビングを渡って居間へ向かう途中
バターン!!!!
突如、背後で何かが倒れるような音が響く
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:19:40.11 ID:Hy83lpVj0
押入れから崩れたものの中から現れたのは
みさえだった
みさえ「ハァー…ハァー…しんちゃん…なんで…
出て行ったのに…お約束…忘れたの…」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:24:45.57 ID:Hy83lpVj0
胸元が汚れた服
血がからんで固まったボサボサの髪
そしてなぜか手首は、人が逮捕されたときのように前で縛られていた
しんのすけ「かーちゃん…?」
みさえ「しんちゃん…私の大好きなしんちゃん…」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:28:43.90 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「うわああああ!かーちゃん!」
恐怖のあまり反射的に逃げ出すしんのすけ
みさえ「ハアー・・・ハアー・・・しんちゃん、まってぇ」
よろめく足を進め、
肩を壁にズリズリと押し付けながらゆっくりと後を追ってくる
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:32:40.12 ID:Hy83lpVj0
玄関のドアを開けようとしたが鍵がかかっている
開けようとしたが大きく震える手を制止できない。
さっき外に出て戻ってきたときに律儀に鍵を閉めたことを激しく後悔した
とにかく逃げなきゃ。二階へと駆け上がる。
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:37:48.31 ID:Hy83lpVj0
しかし不幸にもしんのすけは足を踏み外し、
玄関前に転げてしまった
みさえ「し…ちゃん……は…………て…」
みさえの声は擦れた声が近づいてくる。
足を捻挫してしまい痛みで動けない
仰向けのまま、しんのすけの精神は恐怖と焦燥感でグルグルと回っていた
その時、何か大きな影がしんのすけを覆った
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:41:08.22 ID:Hy83lpVj0
しんのすけ「…とおちゃn」
と、言い終わらない内に冷たい何かが腹部を貫く。
痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:45:17.44 ID:Hy83lpVj0
…視界がゆっくりと歪む。今までに味わったことの無い痛みを抱えながら、
周囲の声にただ耳を傾けていた。
みさえは壁に寄りかかったまま裂けるほど目を見開いていた
みさえ「・・・・・!・・・・・!」
掠れきった声は言葉にならず、空気が漏れる音だけを発していた
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:50:56.58 ID:Hy83lpVj0
ひろし「何で出てきたんだみさえ。まだ早いだろ」
みさえ「も・・や・・!し・・・ちゃ・・・!」
しんのすけ(なんで?なんで?とうちゃん…)
もう意識を保つのは限界だった
ひろし「…もう少し太らせてからの方が良かったのにな。」
まるで絵本の魔女のように怪しく睨むひろしの顔が
視界の闇に溶けていった。
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 01:56:36.22 ID:Hy83lpVj0
−−−−−−−
ひろし「…あーあ。やっちまったな。」
ひろし「?何をビビってんだよ。みさえ。
お前、コレと同じように…いやそれ以上にひまわりを」
みさえ「やめて・・・!」
ひろし「やっぱり子供の肉は美味いよなぁ…!
仕事の出張先で食べた味にあれだけ魅了されるとはな…」
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:04:08.21 ID:Hy83lpVj0
ひろし「お前があのタイミングで出てこなきゃ、全てがうまくいってたんだ。
"過労で狂った妻、殺されていく子供たち、
そして一人取り残された悲劇の夫"
ってね。」
みさえ「(あなた…子供を何だと思ってるの…)」ボロボロ
ひろし「あ?ああ。とても美味しゅうございましたよ?
妻が夫の飯の準備をするのはあたりまえだろう?」
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:09:38.36 ID:Hy83lpVj0
ひろし「一時期はしんのすけに家出されてまさか帰ってこないと思ったが、
やはり子供は怖くなって帰ってくるもんだよな。
"空腹にさせてから食べ物を与えれば太りやすい"というお前の考えに賛同したが
しんのすけに家出させるための作戦だったんだろう?
甘いな。子供の足じゃ遠くへは行けない。ちょっと考えればわかるだろう?」
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:15:28.94 ID:Hy83lpVj0
みさえ「何が…何がそんなにあなたを変えてしまったの…」
ひろし「変わってなんかいないさ!愛する家族を食した…
・・・愛情表現さ!」
みさえ「…どうして…うっ…うっ」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:19:03.01 ID:Hy83lpVj0
ひろしはぐったりとしたしんのすけの体を持ち上げ、
ダイニングテーブルの真ん中に放った
ドチャ、という鈍い音。まだ流れ出る血がテーブルをつたい広がっていった。
ひろし「さあ。次はみさえの番だよ。」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:29:38.83 ID:Hy83lpVj0
もうみさえにその場から逃げる体力も気力も無かった。
包丁がみさえの首を裂き、生暖かい血が噴水のようにとめどなく噴出す。
家中のものが一瞬にして真っ赤に染まる。
いつもの白い壁も、周りの家具も、何もかも
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:32:18.03 ID:Hy83lpVj0
テーブルの上のしんのすけの隣にみさえを横たえた後、
目を爛々とさせたままビール缶をとりだし、ドカッとイスに座ると
家族の肉を頬張り、ビールを勢い良くゴクゴクと飲み始めた。
ひろし「カ〜ッ! この一杯のために生きてるぅ!」
夏の暑さが、部屋の冷たい臭いを一層濃くしていた。
−END−
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:34:27.74 ID:Hy83lpVj0
考えながら打つって大変ね・・・
シナリオなんて一切考えたことなかったから
最後の最後まで着地点もあやふやで
なんかもういろいろごめんなさい。
そしてスレ乗っ取ってごめんなさい。
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:04:53.24 ID:tq6of8uS0
ひろしがキチガイになる→出張先で人を食う→美味、みさえにも教える→みさえ興味を持ちひまわりも食べる。美味いけど殺した事を後悔し、ひろしにバレないように家出をさせた
ok?
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:42:15.89 ID:Hy83lpVj0
あと>>292だけど惜しい
ひろしが出張先で人を食う→
食ったものが人、そのうえしんのすけ達と同じ齢の子供と聞かされて気がふれる
→自分の子供への愛情も絡み、その価値観が歪んでしまう
→「俺の愛する子供たちもたべちゃえばいいんだヒャッハー」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:45:06.00 ID:Hy83lpVj0
→「でも殺したらつかまっちゃう〜そうだみさえがやったことにすればいい」
→何らかの方法でみさえを脅迫し、自分の手を汚さずにひまわりを食す
→シロは単に煩いので始末
→みさえ「せめてしんのすけだけでも助けなきゃ」
→だが作戦もむなしくBADEND
即興だし穴があり過ぎるがこうなったorz
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:47:37.25 ID:tq6of8uS0
結局、みさえはひまわりを食ってないし最初から最後まで助けられはしなかったものの味方だったってことか
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/26(水) 02:51:07.91 ID:Hy83lpVj0
>>349 そうそうそんな感じ
本当はどういうENDにしようかずっと悩んでて
・単にみさえマジキチEND
・ひろしがローンに苦しみ一家心中END
・しんのすけがパラレルワールドを行き来してたEND
とか。いやあ物語考えるのって難しいね・・・