1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:11:21.36 ID:W2TANauJ0
―群馬県某駅前―
ひろし「ったく……こんな所にまで勝手についてきやがって。旅行じゃねぇんだぞ?これは仕事なの、し・ご・と!」
しんのすけ「えー?なーんだ、綺麗なおねいさん達とイチャイチャしに来たんじゃないの?がっかりだゾ」
ひろし「違うわ!確かに、仕事終わりにしたいとは思ってたけど……」
しんのすけ「……」ジー
ひろし「と、とにかく!俺の用事が終わるまで、そこの本屋で暇を潰してろ。5時にここに迎えに来るから。勝手にどっかに行ったりするなよ?」
しんのすけ「ほーい」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:14:07.02 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「なーんて言われたけど、暇だゾ……可愛いおねいさん見つけてナンパしよーっと」テテテ
しんのすけ「お?」
なの「〜♪」
しんのすけ「おぉ!あそこに早速可愛いおねいさんはっけ……ん?」
しんのすけ「……あの人、背中にネジが付いてるゾ?もしかして……」
しんのすけ「ねぇねぇ、そこのおねいさん!」
なの「……?はい、私ですか?」
しんのすけ「おねいさん、ロボットなの?」
なの「@!?」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:16:15.44 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「だって、その背中のネジ……」ジー
なの「え、えーっと……!」
なの(これまでに勝手にネジをいじられたり怪訝な目で見られたことはあったけど、まさか初対面でロボかどうか聞いてくるなんて……!)
なの「そのですね、このネジは決してロボ的なものではないというか、だから私はロボットではなくてですね、その」アセアセ
しんのすけ「そうなの?」
なの「そ、そうなんです!つまり私はロボットでは……」
しんのすけ「本当に?」ジッ
なの「え、いえ」
しんのすけ「……」ジー
なの「その……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:18:22.90 ID:W2TANauJ0
なの(うぅ……こんな小さな子供に嘘をつくのは気が引けます……でも……)
しんのすけ「……分かったゾ!じゃあおねいさん、オラと握手して!」スッ
なの「え?」
しんのすけ「ロボットなら固い感触がするはずだし、触れば分かるはずだゾ」
なの「あ、はい!いいですよ」ギュッ
しんのすけ「ほうほう……柔らかいですな。それに人の温もりを感じるゾ」ニギニギ
なの「そ、そうでしょう?だから私はロボットではなく、普通の女子高校せ……」
カポッ
しんのすけ「お?」
なの「い……?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:20:32.76 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「おねいさんの右手が外れたゾ?」
なの(ほ、ほぎゃああああああああああああ!!私の右手がああああああああ!!)
なの「え、えっとその……それもロボ的なものではなくてですね!?エントロピーを凌駕して因果律の宿命で外れてしまったというかなんというか」アセアセ
しんのすけ「……」
なの(も、もう駄目だー!!)
しんのすけ「か……」
しんのすけ「カッコいいゾ!!」キラキラ
なの「え……?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:23:26.37 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「ねぇねぇロボおねいさん!カンタムみたいにカンタムパンチできる!?」
しんのすけ「それとも、右手から銃が出て乱射できたりする!?」
なの「えっ!?いやその」←図星
しんのすけ「凄いゾ!オラ見てみたいゾ!」
なの「え、えっとその……えっと……」オロオロ
なの(ど、どうすれば……!)
しんのすけ「ねぇねぇ!」
なの「えっと……!ええっと……!!」アセアセ
なの「ご、ごめんなさいぃ!!」ダッ
しんのすけ「あ、どこに行くの!?待ってよロボおねいさーん!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:25:52.03 ID:W2TANauJ0
―東雲研究所―
タタタタタ
なの「はぁ、はぁ……ただいま帰りましたー」ガラガラ
なの(何とか撒けたみたい……でも急に逃げ出しちゃって、少し悪いことしちゃったかな……?)
はかせ「あ、なの!おかえりー!……あれ?なの、右手はどうしたの?」
なの(あ……そういえば、あの子が持ってたままだったっけ)
なの「すいません、ちょっと無くしてしまいまして……」
はかせ「良いよー。つくりなおすから」
なの「ありがとうございます。あ、はい。頼まれてたお菓子、買ってきましたよ」
はかせ「わーい鮫チョコだー!いただきまーす!」
なの「あっ、はかせ!ちゃんと手を洗ってから食べてくださいね!」
はかせ「はーい!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:29:29.11 ID:W2TANauJ0
―居間―
はかせ「いただきまーす!もぐもぐ」
はかせ「おいしぃー!」
なの「ふふ。はかせは本当に鮫チョコが好きですね」
はかせ「うん!お菓子の中で一番好きー!」
しんのすけ「ほぅほぅ。鮫チョコとは中々いい趣味をしていらっしゃいますな」
なの「」
しんのすけ「だけどオラはやっぱり、チョコビが一番だと思うゾ!」」
なの「( ゚д゚)」
なの「( ゚д゚ )」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:32:18.13 ID:W2TANauJ0
なの「@!?君はさっきの!?」
はかせ「だれー?なののお友達?」
しんのすけ「はじめまして!オラ、のはらしんのすけ5さい!埼玉県春日部市に住む、ピチピチの幼稚園児だゾ」
なの「し、しんのすけ君!?一体どうしてここに!?」
しんのすけ「ロボおねいさんが右手を忘れていっちゃったから、届けに来たんだゾ。ほい」
なの「あ、ありがとうございます……」カポッ
しんのすけ「あと、オラのことは気兼ねなく『しんちゃん』って呼んでね!」
しんちゃん「そちらの方は、ロボおねいさんの妹さんですかな?」
なの「あ、あの、しんちゃん?ですから私はロボではなくて、それでその子は親戚から預かってる子で妹ではなくて」アセアセ
はかせ「あ、はじめまして。はかせです。なのをつくりました」
なの「デジャヴ!」ズコー!
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:37:11.20 ID:W2TANauJ0
しんちゃん「えー!?はかせちゃんがつくったの!?スゴイですなぁ!なのちゃんっていうんだぁ」
はかせ「えへへー。そうなのです」テレテレ
しんちゃん「ねぇはかせちゃん、なのちゃんってカンタムパンチができたりしないの!?」ワクワク
はかせ「できるよー。ちょっと待っててね。スイッチを出すから」ゴソゴソ
なの「ちょっ、はかせ!!」
はかせ「っと……スイッチオーン!」ポチ
ウィィィィィィン
ドーーーーーーーーーン!!!
はかせがスイッチを押した次の瞬間、なのの右腕が本人の意思とは関係なく斜め45度に上がり、
超高速でその右手を撃ち出す。撃ち出された右手は亜音速で飛行し、壁を貫通。
そのまま空の彼方に消えていった。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:40:47.40 ID:W2TANauJ0
なの「( ゚д゚ )」ポカーン
しんのすけ「おぉぉぉ!!すっごくすごいゾ!!オラ感動したゾ!!はかせちゃん天才!!!」
はかせ「えへへー。他にも色々な機能があるから、見せてあげる!次はコケ機能ね!」テレテレ
なの「は、はかせ!もうやめてください!!」
はかせ「しんちゃん、何か適当にボケてみてください」
しんのすけ「え?じゃあ……ケツだけ星人ブリブリー!」
なの「ズコー!」ズコー
しんのすけ「さらし首」オアー
なの「コケー!」コケー
しんのすけ「オラの母ちゃんの、寝起きで目が半開き状態のスッピン写真」
なの「スコー!」スコー
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:43:00.37 ID:W2TANauJ0
はかせ「あははははははは、ふふ、ふふふふふふふふ」ケラケラ
なの「はかせ……笑ってないで助けてくださいよぉ……」ゼェゼェ
しんのすけ「ほぅほぅ、すごい機能ですな!やっぱり、はかせちゃんはすごいゾ!!よっ、日本一!!」
はかせ「えへへへへ〜。まだまだあるよー!」
なの「はかせぇ!もう私の身がもちません!勘弁してください!!」
はかせ「んーと、次はねー」
なの「聞けぇぇぇぇぇぇっ!!」
ジャキーン
ドドドドドド
キャァァァァァァァ
ケラケラケラケラ
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:48:04.45 ID:W2TANauJ0
…………
……
…
なの(散々体を弄ばれた……もうお嫁に行けない……)シクシク
はかせ「あー、楽しかった!」
しんのすけ「すごくじうじゅつした時間だったゾ!」
なの「それを言うなら充実です……うぅ」シクシク
しんのすけ「そうとも言う」
はかせ「ねー、次は何して遊ぶことにしよっか?」
しんのすけ「そうですな……死体ごっこでもしますか!」バタリ
はかせ「おー!」バタリ
しんのすけ「」シーン
はかせ「」シーン
なの(や、やっと解放された……?)
なの「じゃあ私は……ちょっとお茶を淹れてきますね」ソソクサ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:52:27.97 ID:W2TANauJ0
―台所―
なの「ふぅ……疲れた……」
阪本「お、娘。今帰ったぞ。何かあったのか?随分ぐったりしてるようだが」
なの「あ、阪本さんお帰りなさい。実は今、お客さんが来ていまして……なのでもう少し席を外していてもらいたいのですが……」
阪本「客?娘の学友じゃないのか?」
なの「えぇと、さっきそこで会った……」
しんのすけ「その姿を見てときめかないギャルはいない!のはらしんのすけ5さい!『しんちゃん』って呼・ん・で?」クネクネ
なの「なんですけど……へっ?」
なの「しんちゃん!いつの間に!?死体ごっこをしているはずでは……」
しんのすけ「飽きた!」エッヘン
なの「ズコー!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:55:05.09 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「そんなことより今、この猫が喋りましたな?この猫もロボなの?」ギュー
阪本「痛い痛い!やめろ!オレはロボじゃねぇ!!」
はかせ「さかもとは猫です。喋ってるのはそのスカーフのおかげなのです!だからこのスカーフを取ると」ヒョイ
阪本「おいガキっ!やめrニャーニャー!」
はかせ「ぷぷぷ。何言ってるか全然分からないんだけど」
しんのすけ「ほぅほぅ、すごいですな!で、このスカーフを作ったのも」
はかせ「はかせです!」フンス
しんのすけ「おぉ!やっぱりはかせちゃんはすごくすごくすごいゾ!!」
はかせ「えへへ〜」テレテレ
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 20:57:21.95 ID:W2TANauJ0
阪本「ニャー!ニャー!!」(スカーフを返せ!この糞ガキ!!)
はかせ「うわ、さかもとが怒ってる!逃げよう!!」タタタ
しんのすけ「ブー!ラジャー!!」タタタ
阪本「フシャァァァァ!」
ドテドテドテドテ
ガシャーン
ギニャァァァァァァ
ケラケラケラケラ
なの(あぁ……後の掃除が大変だ……)
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:01:26.09 ID:W2TANauJ0
…………
……
…
阪本「ちっ……全く、手のかかるガキ共だぜ。娘が疲れるのも納得だ」ハァハァ
なの「あ、あはは……」
阪本「……でも、見てみろよ、ガキの顔。すごく楽しそうだろ?」
なの「えっ?」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:03:26.36 ID:W2TANauJ0
はかせ「次は何するー?」
しんのすけ「うーん、次はアクション仮面ごっこがいいゾ!ワーッハッハッハ!」
はかせ「おー!じゃあはかせは鮫やるー!」
しんのすけ「アクションビーム!ビビビビビ」
はかせ「ふふん。鮫は強いからその程度の攻撃は効かないんだけど」
しんのすけ「な、何だってー!?ずるい!アクション仮面の方が強いんだゾ!」
はかせ「鮫の方が強いもん!」
しんのすけ「ぬぬ……じゃあ、オラの必殺技を受けてみろ!」
はかせ「どんと来ーい!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:05:04.69 ID:W2TANauJ0
阪本「な?」
なの「はい。でも、私や阪本さんとか、相生さん達と遊んでいるときとは少し違ったような……」
阪本「ああ。あいつ、いつもの遊び相手は年上か猫だからな。きっと、年が近い相手と遊べて嬉しいんだろう」
なの「……ふふ。そうですね」
しんのすけ「アクション超銀河フィニーッシュ!」
はかせ「さかもとバリアー!」ヒョイ
阪本「えっ、ちょっ」
ゴスッ
グァァァァァァァァ
ケラケラケラケラ
なの「……本当に楽しそうです。良かったですね、はかせ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:08:14.61 ID:W2TANauJ0
阪本「」ピクピク
はかせ「あー楽しかった!じゃあ、次は何しよっか?」
しんのすけ「そうですな……お?もう4時半ですな。そろそろ戻らないと父ちゃんが心配するゾ」
なの「そうですか……残念です」
はかせ「えー?もっと遊びたかったのに」シュン
しんのすけ「オラももっとはかせちゃん達と遊びたかったゾ……でも、もう行かなきゃ」
なの「じゃあ、玄関まで送りますね」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:10:03.54 ID:W2TANauJ0
―玄関―
しんのすけ「今日は楽しかったゾ!ありがとう、なのちゃん、はかせちゃん、さかもと!」
阪本「オレだけ呼び捨てかよ」
なの「ふふ。こちらこそありがとうございました、しんちゃん」
はかせ「……」
なの「ほら、はかせも」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:11:34.65 ID:W2TANauJ0
はかせ「……ねぇ、しんちゃん」
しんちゃん「お?」
はかせ「……また遊びに来る?」
しんちゃん「もちろんだゾ!また遊びに来るゾ!!」
はかせ「!」パァァァ
はかせ「うん!じゃあ次はもっと面白いものを用意して待ってる!」
しんちゃん「おぉ〜!楽しみだゾ!」
なの「良かったですね、はかせ」
はかせ「うん!」
阪本(娘!俺達がさらに悲惨な目に合うフラグが立ってるぞ!気付け!)
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:13:36.51 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「じゃ、そゆことで〜。股ね!」タタタ
阪本「ああ。またな」
なの「また来てくださいね!」
はかせ「バイバーイ!はかせ待ってるからねー!」
しんのすけ「ほっほーい!」タタタ
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:15:39.46 ID:W2TANauJ0
―駅前―
ひろし「おーい、しんのすけー」
ひろし「全く、勝手に出歩くなって言ったのに……一体どこに行ったんだ?」
しんのすけ「お、父ちゃんお股ー」タタタ
ひろし「あっ、おい!どこ行ってたんだ!心配したんだぞ!」
しんのすけ「ちょっとはかせちゃん家に」
ひろし「はかせちゃん?友達ができたのか?」
しんのすけ「うん!なのちゃんとさかもととも友達になったんだゾ!」
ひろし「そうか!良かったな、新しい友達ができて」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:17:03.53 ID:W2TANauJ0
しんのすけ「そーゆーわけで……父ちゃん、オラ、またここに来たいゾ!」
ひろし「そうだな。頻繁に来ることはできなくても、たまになら来れるだろ。また来ような、しんのすけ」
しんのすけ「うん!」
ひろし「じゃ、腹も減ったし、駅前のアレでも食べてから帰るか!」
しんのすけ「おぉ!父ちゃん太ももー!」
日々私たちが過ごしている日常は、実は奇跡の連続なのかもしれない。
これは、その中の一つの奇跡によって生み出された、物語。
終
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/09/02(日) 21:18:52.09 ID:W2TANauJ0
終わりです
ご閲覧ありがとうございました
日常とクレしんSSはもっとほのぼのするべきだと思うの