1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:24:58.00 ID:hCpFqhLI0
フロリダ州 マイアミビーチ市
ハルヒ「キョン!おきなさい!おきなさいよ!!」
キョン「ァァ…なんだよ…」
ハルヒ「非常事態発生よ!!はやくおきなさいったら!!」
キョン「非常事態なら昨日5回あっただろ…寝かせてくれよ…。」
古泉「これは遊びではありません、本当の緊急事態です。」
みくる「ふぇぇ…」
TV「暴動が発生しております!! 速報です、ただ今、戒厳令が出ました!」
『只今からここの地区を数分で封鎖します。市民の皆様は我々の指示に従い、こちらへ移動して下さい。
尚、時間以内に間に合わなかった場合については、保障は出来ません。』
俺達は、近所のスーパーマーケットで当たった一等賞のビーチバカンスに来ている はずだった。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:32:22.39 ID:hCpFqhLI0
ラジオ「現在、フロリダ州の全域の警察、州軍、陸軍が事態の収拾をするために出動しております。
フロリダ州にお住まいの皆様は、直ちに警察、軍の支持に従ってください。
繰り返し教えらせ致します。 現在、」
TV「街は大混乱に陥っております!! この大暴動について、フロリダ州政府は、戒厳令を発令しました!」
『これより、ここの地区は封鎖対象となります。残っている方々は、直ちに我々の所へ来て下さい。
間に合わなかった場合は、安全の保障は出来ません。』
キョン「おいおいおい、なんだってんだ?」
古泉「暴動です。それも、フロリダ州全域に及ぶ。」
キョン「…そりゃ分かってるよ。一体なにが。」
みくる「未来とのコンタクトが取れません…。」
長門「情報統合思念体との接触が不可能になった。」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:35:35.89 ID:hCpFqhLI0
パン、パンパン
キョン「お、おい今の」
古泉「銃声…ですね。」
ハルヒ「何やってんのよ!さっさと行くわよ!!」
キョン「お、おう!!」
みくる「長門さん、これって…」
長門「…彼女によるものではない。」
みくる「じゃ、じゃあ」
長門「これは本当の事件。」
古泉「で、では、これは一体」
ドンドンドン
キョン「なんだ?」
ドンドンドン
古泉「ドアから、ですね」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:39:57.48 ID:hCpFqhLI0
ハルヒ「誰よこんな時に!」
ガチャッ
男性「た、たすけて…。」ドサッ
ハルヒ「血、血まみれ!!」
みくる「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
キョン「うわ!!」
古泉「誰か早く手当てを!!」
ハルヒ「わ、私のカバンに医療セットが入ってるわ!!」
長門「任せて。」
どうやら俺は、とんでもない事態に巻き込まれてしまっているらしい…。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:45:01.98 ID:hCpFqhLI0
男性「は、はやくドアを閉めろ!」
キョン「え」
男性「はやく!!」
キョン「わ、わかっ」
ヴァアア
キョン「うわぁあああああ!!」
古泉「こ、これは!!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと!内臓丸見えじゃないの!!」
長門「下がって」
ズドッ ブシュッ ブシュクッ
?「うぅああああああ」
長門「…!!」
古泉「長門さん、頭です!頭を狙ってください!!」
ドグシュッ ズバッ
ゴロゴロゴロ…
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:48:34.28 ID:hCpFqhLI0
キョン「こ、殺しちまったのか…。」
長門「殺していなければ危なかったのはあなた。」
みくる「い、いやぁああああああああああああああ!!!!」 ダダダッ
ハルヒ「あ、みくるちゃん!!」
キョン「クソッ、古泉、俺とその人を運ぶぞ!」
古泉「はい!」
男性「す、すまねぇ…」
ハルヒ「みくるちゃん、待って!」
タッタッタッタッタッタッタッ
キョン(一体なんだってんだ。何が起きてるってんだ…?)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:52:09.40 ID:hCpFqhLI0
キョン「くそっ、重いっ…!」
古泉「もう少しの辛抱です!」
ハルヒ「みくるちゃん!」
バンッ
ハルヒ「はぁ…はぁ…みくるちゃん、どこー?!」
警官隊「「動くな!」」カチャッ
ハルヒ「…え?」
警官隊「「それ以上近づいたら撃つ。脅しじゃないぞ。」」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 22:56:44.82 ID:hCpFqhLI0
みくる「ま、待って!彼女は私の友達です!」
ハルヒ「な、なによこれ。まるで映画じゃない。」
バタンッ
キョン「ハルヒ!」
警官隊「「動くな!」」
みくる「か、彼らも友達です!」
警官A「良かった。驚かさないでくれ、君たち。」
古泉「驚かされたのは僕らです。なんなんですか?これ」
警官A「よく分からん、詳しくは我々にも知らされていない。」
警官B「警部、A地区との連絡が途絶えました!」
警官A「くそっ、これで2地区目だ!」
警官A「君たち、ここを移動するぞ。」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:00:23.10 ID:hCpFqhLI0
ハルヒ「ちょ、ちょっと!少しくらい説明しなさいよ!」
警官B「こちらマイアミビーチ前、B地区。新たに6名を確保。」
ハルヒ「ちょっと!無視しないでよ!」
キョン「なんだか分からんが、着いて行った方がいいだろ。」
古泉「どうやら警察も混乱しているようですね…。」
男性「ウがァああああああああっっっ!!!」
キョン「うわっ!」
警官A「は、離れなさい!今すぐ!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:07:15.34 ID:hCpFqhLI0
男性「ヴぁあぁ…」ヨロ…ヨロ…
パン、パン、パパン、パンパンパン
ドサッ
キョン「な、なんだ、なんだこれは!」
警官A「君らまだ見てないのか?こいつらを。」
古泉「こいつらと、言いますと…」
警官B「今見たような化け物だよ。ゾンビさ。」
長門「ゾンビ…?」
みくる「あ、あの人を食べる、ゾンビですか?」
警官B「ああ、そうだよ。今や街はこいつらで溢れ返ってる。」
ハルヒ「だ、だけど、さっきまで生きてたのよ!たすけてって言ってたのよ!」
警官A「伝染するんだよ、どうやら。」
古泉「ほう…」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:21:12.17 ID:hCpFqhLI0
バタンッ バタンッ
警官「全員乗ったな?」
キョン「乗りました。」
警官「OK、出発だ。」
ブロロロロロロロロロロロロロロッ
俺達は物々しい装備をした警官達と一緒に、避難所らしい米軍基地へと移動していた。
警官C「しかし、よくもこんな状況で生き残れたな。」
古泉「こちらとしても驚きです。一体何時から暴動騒ぎが……?」
警官B「昨日の23:00あたりだな。一気に通報が増えて来たんだ。」
警官D「ああ、何回か30人一組の警官隊が出動したりもしてな。知り合いの何人かはやられちまった。」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:25:29.07 ID:hCpFqhLI0
キョン(23:00……俺らはトランプゲームをしていたな……騒ぎなんて全く気づかなかったが…)
みくる「あ、あの〜…」
警官A「どうした?」
みくる「そ、その、ト、トイレ……」
ハルヒ「みくるちゃん!今は緊急事態なのよ!ちょっとくらい我慢しなさい!」
みくる「で、でも……」
キョン「朝からトイレに行く暇も無かったんだ。まあ、仕方ないさ。」
警官A「……どこか人が少なそうな場所で停めよう。ジャックソン、フレッド、護衛を頼んだ。」
警官C、D「分かりました。」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:28:08.95 ID:hCpFqhLI0
キキッ ガチャッ、バタムッ
ジャクソン「よしお嬢さん、ついて来な。」
みくる「は、はい。」
古泉「念のため、僕らも護衛に付いた方が良いでしょう。」
キョン「そうだな。」
しかしまあ、こんな時にトイレなんてのんきなお方だ………
フレッド「そこらへんでどうだい?」
みくる「はい、そこでします。」
ジャクソン「じゃあお巡りさん達見張ってっから。安心して。」
みくる「はい!」
キョン「しかし、ここは一体どこだ?随分と車を走らせたが……。」
古泉「ここは恐らくバイス地区でしょう。」
キョン「バイス地区?聞いたことないな。」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:31:37.74 ID:hCpFqhLI0
古泉「バイス地区の奥にフォートバクスター米軍基地があるようです。」
キョン「そこまで後どれくらい何だ……。」
古泉「さぁ……? でも、あの護送車に乗ってから30分は走り続けましたね。」
キョン「そろそろ着いてくれることを願うよ。あちらこちらから呻き声が聞こえて寒気がする。」
フレッド「おう、お前ら降りて来てたのか。 そろそろ終わると思うから、車に乗っておけ。」
キョン「どうやら無事済んだようだな。」
古泉「ええ、そうのようで
パン、パン、パパパン、パン
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:47:01.60 ID:hCpFqhLI0
キョン「今のは…!」
フレッド「銃声だ!」
タタタタタタッ
古泉「朝比奈さん!」
キョン「朝比奈さん、どこですか!」
フレッド「ジャクソン!」
古泉「2人とも居ませんね……。」
キョン「お、おい、あれ!」
チャッ
フレッド「……この拳銃は、ジャクソンのだ。」
古泉「なんてことだ……」
フレッド「悲しんでる暇は無い、急いで護送車に乗れ!」
古泉「は、はい。行きますよ、キョン君!」
キョン「ま、待て、まだ近くに居るかもしれない!死んだとは限らない!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:50:20.81 ID:hCpFqhLI0
古泉「キョン君、後ろ!!」
キョン「え?」
ゾンビ「ヴぁああああああ」
キョン「うわぁああああああ!!!」
パン、パンパン
ゾンビ「ぐぁっ」ドサッ
フレッド「ほら、早く!」
キョン「ク、クソッ」タタタタタッ
ガチャッ
ハルヒ「キョン!無事だったのね!」
キョン「ああ、だが… 朝比奈さんと警官が消えちまった。」
ハルヒ「みくるちゃんが?!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 23:59:47.02 ID:hCpFqhLI0
朝比奈さんたちは一体どこへ…?やられちまったのか?
仕方なく俺達はそのままバクスター基地へと向かっていた。
長門「…私も一緒について行っていれば……うかつ…。」
キョン「もし、お前がついて行っていたら、お前も危なかったかもしれん。もし、そんなことになったら…。」
長門「……。」
ハルヒ「とりあえずこれ以上犠牲者を出さないように、お互いを庇い合うのよ!」
古泉「そうですね…。それに、まだ朝比奈さん達が奴らにやられた訳では」
キキキーッ!
キョン、ハルヒ、古泉「うわぁっ!」
フレッド「ど、どうした!なんで停めた、ボブ!」
ボブ「生存者がいる。クロケット警部、どうします?」
クロケット「生存者を放っておけん。助けよう。」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/21(火) 00:04:06.21 ID:hCpFqhLI0
クロケット「おいあんた、大丈夫か?」
生存者「あ…あぁ……あんたらは…。」
上下迷彩色で覆われている服を着ている。
どうやら軍人のようだ。
ボブ「俺達は市民を救助してる。軍は一体何を?」
軍人「お、俺達も同じようなもんだ。だ、だが ゲホッ」
クロケット「しっかりしろ。今から避難所へ行って、手当てをして貰おう。」
軍人「避難所…?あそこは ゲホッゲボッゲロッゲロゲロゲロ」
キョン「だ、大丈夫かあんた。」
軍人「あ、だ、だめ、だめだ、だm」パンッ ドサッ
クロケット「自殺しやがった…。」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/21(火) 00:08:31.78 ID:p3Hjyj780
ボブ「仕方ない、先を急ごう。」
ハルヒ「……?」
死んだ軍人の服に縫い合わせてあるパッチに何か書いてある。
Fort Baxter Air Base…?
ハルヒ「バクスター…バクスター基地!?」
クロケット「どうした。」
ハルヒ「こ、この人、バクスター基地の兵士なのよ!」
古泉「で、では……」
キョン「バクスター基地から逃げて来たと……?」