1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 00:54:46.03 ID:5p0VAbEJ0
古泉「ええ」
キョン「ふざけたことを言うんじゃあない」
古泉「いえ、一つもふざけてません」
キョン「いいか古泉、俺は今朝から機嫌が悪いんだ」
古泉「はあ」
キョン「下らん冗談はよせ、ああ、また頭痛だよ」
古泉「後頭部にしびれるような痛みがあるんでしょう」
キョン「なんだ、お前も偏頭痛持ちか」
古泉「いいえ、それが先ほどから説明している病の初期症状です」
キョン「やめろ、それ以上訳の分からんことを言うな」
古泉「あなたこそ真面目に取り合ってください、命に関わりますよ」
キョン「やれやれ、こんなことならいっそ死んでしまいたいな」
古泉「勘弁して下さい、あなたが膝を折ったら誰がこの世界のバランスをとるんですか」
キョン「……さらっと面倒な仕事を押しつけるなよ」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:01:17.79 ID:5p0VAbEJ0
古泉「とにかく、病がステージUに移る前に、対策をお教えします」
キョン「ステージU?」
古泉「病が進むと、五分に一回はキスをしていないと、呼吸困難に陥り、死に至ります」
キョン「待て待て待て待て」
古泉「待ちませんよ、時間がないって言っているでしょう」
古泉「この場合におけるキスの定義ですが、別に舌は入れなくても良いです」
キョン「聞いとらんわ」
古泉「また、必ずしも唇と唇が触れあう必要はありませんが、他の部位だと延命効果は薄いようですね」
キョン「このご都合主義め!」
古泉「何とでも言って下さい、あなたが助かる為に必要な情報です」
キョン「対処法とかじゃなくて、治す方法を教えろよ。くそ、頭痛がひどい」
古泉「そんなものあればとっくに教えてますよ、いいですか?おわかりだとは思いますがこの件も」
キョン「ハルヒがらみなんだろう、長門にもどうにも出来ないんだろ」
古泉「察しが早くて助かります」
キョン「やれやれ、どいつもこいつも人をおもちゃにしやがって……」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:09:44.83 ID:5p0VAbEJ0
古泉「さて」
キョン「ん?」
古泉「おそらくこうして悠長に話していられるのもあと数分です」
キョン「ちょっと待て、俺はどうすれば」
古泉「(僕でもいいですよ)」
キョン「(こいつ、脳内に直接……!)」
ハルヒ「あら、キョン。古泉くんも。掃除当番じゃなかったの?」
キョン「!」
古泉「ああ、涼宮さん。実はかくかくしかじかでして」
キョン「あっ、コラ!バカ!」
ハルヒ「……」
ハルヒ「な、なんですって……そんな病気が?」
キョン「おいハルヒ、こいつの妄言に騙されるなよ」
ハルヒ「きょ、キョンが死んじゃう……?」
ハルヒ「……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:18:01.65 ID:5p0VAbEJ0
ハルヒ「あ、あんたも体を張った攻め方をするわね……」
キョン「な、なに?」
ハルヒ「そんな病気にかかってまで、みくるちゃんや有希にちょっかいだそうとするなんて!」
キョン「待て!激しく誤解だ!というかまずそのけったいな病気について疑えよ!」
ハルヒ「団長として看過出来ないわ」
キョン「だから人の話を聞けよ」
ハルヒ「で、でも、あんたをこのまま見殺しにするわけにも行かないし」
キョン「いや、死なないからな」
キョン「やれやれ、お前ら一回病院行って来たらどう……ゲフンゲフン」
キョン「すまん、急にむせた……って!?」
ハルヒ「血……血が……血が……!」
古泉「吐血が始まりましたね、ステージUの症状ですよ!早く!」
キョン「ええい!顔を近づけるな、目をつぶるな、唇を突き出すな、気味が悪い、視界から失せろ!」
ハルヒ「……わ、わたしが」
キョン「え」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:26:41.31 ID:5p0VAbEJ0
キョン「おいハルヒ、悪ノリが過ぎるぞ」
ハルヒ「あんた死にたいの!?」
キョン「いや、だからな」
古泉「涼宮さん、彼のこと、お任せしてもいいですか?」
ハルヒ「仕方ないのよね、だって、いくらキョンでも団員は見捨てられないもの」
古泉「とりあえず部室の周りを人払いしておきますから……」
ハルヒ「ありがとう、古泉くん」
キョン「おい、俺を無視して話を進めるんじゃあない」
ハルヒ「あくまで人命救助よ!勘違いしないでね、面倒だから!」
キョン「それより先にお前らの盛大な勘違いをなんとかしろ!」
古泉「ああ、そんなに暴れたら」
キョン「ゴフッ、ゲフンゲフン……」
ハルヒ「!」
ハルヒ「キョン死んじゃう!」
古泉「涼宮さん、急いで彼と部室へ!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:34:48.03 ID:5p0VAbEJ0
〜部室〜
ハルヒ「ちょっとキョン、しっかりしなさい!」
キョン「こ、これはマジに死ぬかもしれんな……ごほっ」
ハルヒ「は、はやく……」
キョン「早く?」
ハルヒ「あ、あの、き、キスしないと……いや、えっと」
キョン「お前もバカバカしいと思わんのか」
ハルヒ「え?」
キョン「キスとかそんな非現実的なことじゃなくてだな、救急車を呼んでくれ」
ハルヒ「でも」
キョン「ごほごほ……お前まで茶番に付き合わなくてもいいんだ」
ハルヒ「だって、死んじゃう」
キョン「お、おいハルヒ」
ハルヒ「死んじゃだめ……」
キョン「んっ!?んんんっ!?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:43:42.04 ID:5p0VAbEJ0
ハルヒ「んっ……んんっ……」
キョン「っぷは……お、お前は何を考えて……あれ」
ハルヒ「ら、楽になった?」
キョン「……あ、ああ。信じられないことだが」
ハルヒ「ほっ」
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「いや、えーと、あの」
ハルヒ「へ、変な空気ださないでよ!特に他意はないんだからね!人命救助!」
キョン「あ、ああ、そうだな」
ハルヒ「それよりあんた、もう大丈夫なの?」
キョン「いや、五分に一回とか、古泉に言われたんだが」
ハルヒ「」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:47:05.27 ID:5p0VAbEJ0
キョン「ま、まあ今のところ問題なさそうだけどな、あはは」
ハルヒ「そ、そうね!」
キョン「……こほっ」
ハルヒ「!」
キョン「い、いや、これは!違う!ただの咳で……ごほっ」
ハルヒ「キョンが死んじゃう!」
キョン「いや、待て。さすがにそんなことを繰り返してるわけには……ごほごほ」
ハルヒ「でも、でも」
キョン「そ、そうだ!古泉のやつが、別に口と口じゃなくてもいいと言ってたんだ」
ハルヒ「?」
キョン「せ、せめてほら、手の甲とか、な?」
ハルヒ「そ、そう?」
キョン「すまんなハルヒ、ちょっと手を借りる」
きゅっ
ハルヒ「う、うん」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:50:17.58 ID:5p0VAbEJ0
キョン「ん」
ちゅっ
ハルヒ「……」キュン
キョン「はあ、なんとか落ち着いたかな」
ハルヒ「そ、そう」
キョン「ケフンケフン……だめか、くそ」
ハルヒ「!?」
キョン「効果が薄いんだそうだ、口以外は」
ハルヒ「え?え?」
キョン「ハルヒ、ちょっと我慢してくれ。手の甲だからな」
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ
ハルヒ「あ、あ、あ……」
キョン「くそ、発作の間隔が短くてかなわんな」
ハルヒ「(あれ……?これなんかやばい気がする……)」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/20(月) 01:56:59.03 ID:5p0VAbEJ0
〜20分後〜
キョン「くそ、なんだってんだ。段々発作が酷くなってきてるじゃないか」
ハルヒ「……あ、あの、キョン?」
キョン「どうした?」
ハルヒ「えっと、あの、ごめん……手がくすぐったくって、その」
キョン「す、すまん」
ハルヒ「あ、いや、でもキョンのせいじゃないし、仕方ないんだけど……」
キョン「でも、嫌だよな」
ハルヒ「やっ、その、そういうんじゃなくて、むしろ……あっ、ちが、えっと」
キョン「?」
ハルヒ「と、とりあえず別の所……」
キョン「といっても、なあ」
ハルヒ「そ、そうね」
キョン「手がダメなら、脚とかか?」
ハルヒ「」