1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 16:48:09.12 ID:tMV42eyx0
ミサト(司令の息子っていうわけあるわね。こんな状況なのに凄い落ち着いている)
ヒイロ(こいつは…飄々としいてるが、隙が見えない。まぁいい、俺の任務とは関係ない)
ミサト「さぁ、車に乗って!」バンッ
ヒイロ「了解した」バタン
ミサト「あれ、使徒見ても何とも思わないの?」
ヒイロ「あれが、使徒か」
ミサト「そ。人類の敵、私が、私達が倒すべき相手」
ヒイロ(そうだ。俺の任務は、使徒を殲滅することだ。あれが使徒…奇妙な造形だ)
ミサト(な、なんかちょっとタイプかも。声もかっこいいし)
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 16:50:51.78 ID:tMV42eyx0
ミサト「ここがネルフよ。さ、司令がお待ちだわ」
ヒイロ「司令…?碇司令のことか?」
ミサト「何言ってるのよ、貴方のお父さんじゃない」
ヒイロ「そう、だったな。最近会っていないので、ピンとこなかっただけだ」
ミサト「あは、何年ぶりだっけ?お父さんと会うの」
ヒイロ「物心ついた頃からだな」
ミサト「そっか。じゃあ、入るわよ」ピッ
ヒイロ(ゼロがない今…使徒と戦うには兵器が必要だ。ネルフ、一体何を考えている?)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 16:53:32.03 ID:tMV42eyx0
司令「久しぶりだな、シンジ」
ヒイロ「……」
司令「予備が来た。レイを医療室に運べ」
冬月(息子を予備扱いか…碇)
ガラガラガラ
レイ「……はぁ、はぁ」
ヒイロ「…!!こ、この傷は!」
ミサト(やっぱり、こんな状況じゃ、いくらシンジ君でも)
ヒイロ「お前、自爆は死ぬほど痛いぞ。効果は高いが、使用は最低限にしておけ」
ミサト「オイ」
司令(自爆装置なんてあったっけ?)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 16:55:59.16 ID:tMV42eyx0
司令「まぁいい。シンジ、今目の前にあるエヴァンゲリオン初号機で使徒と戦うのだ」
ミサト「…!司令!シンジ君はまだ戦闘経験が!!」
ヒイロ「任務了解」
ミサト「え」
司令「え」
冬月「あれ?」
ヒイロ「搭乗の仕方が特殊のようだ。誰かレクチャーを頼む」
ミサト「な、なにこの素直さ…」
司令(シンジ…しばらく見ないうちに、いい子に育ったな…父さん嬉しいぞ…)
冬月(碇ェ)
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 16:58:56.88 ID:tMV42eyx0
ミサト「中に入るとLCLが入るけど、大丈夫、胃に直接空気を」
ヒイロ「……」
ミサト(もう慣れてるし…)
司令「出撃させろ」
ミサト「は、はい。エヴァンゲリオン初号機、発進!」
ギュイイイイイイイイイイイイン
ガゴンッ!!
ヒイロ「……」
サキエル「……」
ヒイロ「お前を、殺す」
ドカーン
ミサト「え、もう終わった?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:02:16.39 ID:tMV42eyx0
司令「いや、まだだ」
冬月(さすがに一行で使徒倒したんじゃなぁ…)
ヒイロ「くっ…!」
サキエル「………」
ミサト「プログレッシブナイフを使って!肩から取り出せるわ!」
ヒイロ「了解」ジャキン
サキエル「……」ビュルン ザクッ
ヒイロ「ぐ………」
ミサト「いけない!やっぱり無茶よ、こんなの!」
シゲル「待って下さい!……し、シンクロ率がみるみる上昇していきます!」
ミサト「なんですって!?この状況で!?」
司令(ふっ…)
冬月(意味わからないからって、とりあえずほくそ笑む癖はやめたほうがいいぞ)
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:04:53.32 ID:tMV42eyx0
ドクン……ドクン
司令(ユイ……)
ヒイロ「お前を……」
フォイフォイフォイフォイ ゴギュウウウン
司令「え、何今の音」
マヤ「しょ、初号機、再稼働しました!」
ミサト「ぼ、暴走とは違うような…」
ヒイロ「はぁっ!」ザグッ
サキエル「!!!」
ヒイロ「この火力では、貴様を倒しきれん」ガバッ
ミサト「シンジ君!離れて!…っ!ま、まさか」
リツコ「自爆!?」
ヒイロ「………」
ドガアアアアアアアン
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:07:06.74 ID:tMV42eyx0
ゼーレ「で、碇君」
司令「はい」
ゼーレ「EVAを自爆させるとは、何を考えているのだね」
司令「申し訳ありません」
ゼーレ「ま、使徒が倒せたからいいものの、下手をしたらEVAを犠牲にしていたかもしれないじゃないか」
司令「申し訳ありません」
ゼーレ「パイロットには厳重に指導するように」
司令「心得ております」チャッ
ゼーレ「もういい。行きたまえ」
ゼーレ「ヒイロを選んだのは、失敗だったかもなぁ」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:09:34.20 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「ぐっ…」
レイ「……」
パンッ!!
ヒイロ「けが人を殴るとは、優しくないな」
レイ「なぜあんなことをしたの」
ヒイロ「それしか方法がなかったからだ」
レイ「それであなたが死んだら、それこそ本末転倒よ」
ヒイロ「何だ、俺の心配をしているのか?生命なんて安いもんだ。特に、俺のはな」
レイ「……勝手にしたら」バタン
ヒイロ「ふん。任務は完了した。死ぬほど痛かったが、特に問題はな」
ミサト「シンジ君!」
ヒイロ「なんだ、ミサトか」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:13:01.92 ID:tMV42eyx0
ミサト「もうこの際呼び捨てに関しては突っ込まないけどね…あなた!自爆なんて何考えてるのよ!」
ヒイロ「それが最善な方法だったからだ。それこそ、あそこでやつを止めていなければ、セントラルドグマまで侵入させられていた」
ミサト「なんでそこまで知ってるっていう突っ込みもあえてしないわ。あんたねぇ!もうちょっとは身体を大事にしなさいよ!」
ヒイロ「気にするなミサト。生命なんて安いも…何をしている?」
ミサト「あ、もしもしリツコ〜?うん、そう、あたしシンジ君と生活するから!うん、出撃早々自爆するような子、
一人にさせられないから。じゃあねぇ〜」ピッ
ヒイロ「ミサト、俺は一応寮がだな」
ミサト「な・に・か・言った?」
ヒイロ「……なんでもない」
ミサト「いいこと!あんたとあたしはこれから一緒に生活するのよ!あたしの監視外には一切出歩かないこと!いいわね!」
ヒイロ「任務、了解」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:16:48.08 ID:tMV42eyx0
ペンペン「……」
ヒイロ「……」
ミサト「あんたら、仲いいわね」
ペンペン「……」
ヒイロ「……」ガシッ
ミサト(種族を超えた友情が生まれちゃったしorz)
ヒイロ「ミサト、一つ言っておくことがある」
ミサト「ぁによ?」
ヒイロ「風呂あがりの際、衣服はしっかり着ろ。夏だからといって、寝冷えするぞ」
ミサト「べっつにー。あたしの身体だしー。それともなに?お姉さんの裸で欲情しちった?」
ヒイロ「さっき貴様は俺に何と言った?他人に厳しく自分に甘いと、上司としての素質を問われるぞ」
ミサト「ぐっ…!うっさいわねこの朴念仁!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:20:03.96 ID:tMV42eyx0
ドカーーーン
マヤ「シャムシエル、沈黙しました」
ミサト「順調ね。司令、これも計算の内ですか?」
司令「さてな……」
冬月(感動のあまり、顔を伏せてるのがばればれだぞ)
司令(嬉しいよぉこんなに計画通りにサクサク行くなんて!シンジ、まじGJ!!)
レイ「お疲れ様」
ヒイロ「お前か。綾波レイ、といったか?」
レイ「相変わらず、情報収集は早いのね」クス
ヒイロ「何の用だ?まさか労いの言葉でもかけにきたのか?」
レイ「あなた、お父さんは好き?」
ヒイロ「特別な感情はない。(だって他人だしな)」
レイ「そう…」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:22:50.24 ID:tMV42eyx0
シゲル「新たな使徒、確認しました!ラミエルと思われます!」
司令「(ふふふ、今のシンジならなんてことないな)出撃させろ」
ミサト「エヴァンゲリオン初号機、発進!」
ヒイロ「……あれも使徒か」
ザッザッ
マヤ「!!使徒から、膨大なエネルギー反応!」
ミサト「避けて!シンジ君!」
ビュオオオオオオオオオオオオオ
サッ
ヒイロ「任務了解」
ミサト「慣れすぎでしょ」
ヒイロ「どうする、近づけばあのメガキャノン砲によって威嚇される」
ミサト「司令!」
司令(…う、うーん、どうしよう)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:26:07.57 ID:tMV42eyx0
司令「一旦初号機を撤退させろ」
ミサト「わかりました。シンジ君、一時撤退よ!」
ヒイロ「任務了解」
クルッ ザッザッ
ラミエル「………ピキュイーン」
ヒイロ(何もしなければ、攻撃をしてこないのか。使徒、理解できん存在だ)
ミサト「というわけで、東京の電力を使った陽電子砲を撃ちます。名付けて」
ヒイロ「オペレーション・ヤシマだ」
ミサト「え?」
ヒイロ「それと、陽電子砲では味気ない。ツインバスターライフルと名付けよう」
ミサト「いや、発射口一つしかないんだけど…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:28:46.17 ID:tMV42eyx0
ミサト「で、ラミエルは射程内に入った対象を容赦なく狙撃してくる。
攻撃が通るのはその攻撃中のみ。レイ、いいわね?」
レイ「はい」
ミサト「レイがシンジ君を守って、その間からシンジ君がポジ」
ヒイロ「ツインバスターライフルだ」
ミサト「つ、ツインバスターライフルを発射。いいわね!」
レイ「はい」
ヒイロ「任務、了解」
ヒイロ「東京中の電気を使った作戦か。ネルフも奇策を考える」
レイ「あなた、恐くないの?」
ヒイロ「戦うことがか?」
レイ「ええ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:32:18.43 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「俺にとって、全て等しく任務だからな。それが痛みを伴うか伴わないかの違いだ」
レイ「そう」
ヒイロ「お前は戦うのが恐いのか?」
レイ「わからない。だけど、何も考えなくていいなら、あなたと同じかもしれない。いつか死ぬかもしれないけど」
ヒイロ「そうか。だが、お前は死なない」
レイ「どうして?」
ヒイロ「ラミエルを殺すのが、俺の任務だからだ」
レイ「……// そろそろ時間よ、行きましょう」
ヒイロ「あぁ」
ミサト「シンジ君、東京の電気、あなたに預けたわ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:34:53.75 ID:tMV42eyx0
ラミエル「………ピキュイーン」
ミサト「オペレーション・ヤシマ、開始!」
レイ「行くわよ」
ザッザッ
ラミエル「……!」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイン
ヒイロ「発射口は、そこか!」ジャキッ
バシュウウウウウウウウウッ!!!
レイ「くっ……ううっ!」
ヒイロ「ツインバスターライフル、発射する!」
ギョイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
ラミエル「!!!!」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:38:11.89 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「……何、効いていないのか?」
ミサト「威力が足りなかった!?もう一度チャージを!」
レイ「ぐ…うううううううっ!!!!」ババババババ
ヒイロ「これで終りだ」
ギュイイイイイイイイイイイイイン
ラミエル「……!!」
ドガーン
ミサト「エントリープラグ射出!急いで!」
バヒュウウッ
ヒイロ「くっ、今開ける…」ジュウウウウ バゴン
レイ「はぁ……はぁ……」
ヒイロ「しっかりしろ」
レイ「うっ…碇君……」
ヒイロ「威力が足りていなかったそうだ。だが使徒は殲滅した」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:40:26.35 ID:tMV42eyx0
レイ「そう……」グラッ
ヒイロ「ちっ。肩を貸してやる」ガッ
レイ「ありがとう……ごめんなさい、こういうとき、どういう顔をすればいいのかわからないの」
ヒイロ「黙って身体を休めろ。勝利を喜ぶのは、一人で歩けるようになってからだ」
レイ「わ、わかったわ……//」
ヒイロ「のんきな女だ。くそっ」
ミサト「ん〜、いいわねいいわね〜。年頃の男女が抱き合うのって」
シゲル「葛城一尉、婆臭いですよ…」
ミサト「減給ね♪」
シゲル「おのーれ!!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:42:42.12 ID:tMV42eyx0
ミサト「あ、そういえばシンジ君」
ヒイロ「なんだ」
ミサト「学校はどぉ?友達はでき…」
ヒイロ「……」
ミサト(こんな仏頂面であの性格じゃ、できるわきゃねえわな…)
ヒイロ「友人ならできたぞ」
ミサト「嘘ォ!?マジ!?馴れ初め教えなさい!今すぐ!」
ヒイロ「騒がしい女だ……」
ヒイロ「碇シンジです。よろしく」
トウジ「あいつが…EVAのパイロットやな」
ケンスケ「なんだ、ちょっと恐いやつだな…」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:45:27.84 ID:tMV42eyx0
屋上
トウジ「おい転校生!」
ヒイロ「こんなところへ呼び出して、何の用だ?愛の告白でもする気か?」
トウジ「ンなわけあるかアホ!いいか転校生、ワイはお前を殴らなあかん」
ヒイロ「ワケを聞こう」
トウジ「お前がこの前EVAで暴れた時、ワイの妹がケガしたんじゃ!」
ヒイロ「そうか、ならば殴れ」
トウジ「おぉ、そうしてもらうわ!ほな!」バキッ
ヒイロ「……気は済んだか?」
トウジ「お…おぉ」
ヒイロ「それと一つ言っておく。どんな戦いでも、多かれ少なかれ犠牲はつきものだ。俺は覚悟している」
トウジ「な…!かんこつけんなボケ!」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:48:03.21 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「使徒と戦う。それは最早人類の命運を分けた戦争だ。俺も最善は尽くすが」
トウジ「言い訳はええねん!二度と起こすなこのドアホ!」
ヒイロ「了解した」
ヒイロ(……五飛、俺はあと何人の鈴原の妹を傷つければいい?)
ヒイロ「というわけだ」
ミサト「な、なんか青春してるようなそうじゃないような…」
ヒイロ「それからは奴らとよく話すようにはなった。もちろん、機密事項は伏せてな」
ミサト「そ、ならお姉さん安心したわ」
ヒイロ「ところで、お前はリツコ以外の友人を見ないのだが」
ミサト「あたしのことはいいのよ!ったく!!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:52:09.61 ID:tMV42eyx0
アスカ「はーいミサトー」
ミサト「アスカー、久しぶりね〜。聞いたわよガギエル戦」
アスカ「ふふん、あんなの、あたしに比べればどうってことないわよ」
ミサト(ふん、見なさいよ!リツコ以外にも友達はいるんだから!)
ヒイロ「ミサト、この高飛車な女は誰だ?」
アスカ「た!」
ミサト「紹介するわね。あなたより先に選ばれたセカンドチルドレン、式波・アスカ・ラングレーよ」
ヒイロ「碇シンジだ」
アスカ「こいつ…気に入らないわ」
ミサト(なんか、相性悪そうねこの二人)
ヒイロ(何故だ…辮髪の奴の姿を彷彿とさせる。気分が悪い)
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:56:20.98 ID:tMV42eyx0
アスカ「…」
ヒイロ「…」スタスタ
ミサト「二人共、これから一緒に戦っていくんだから、仲良くしろとまでいかないけど、ちゃんとしてよね」
ヒイロ「任務というなら、それに従うまでだ」
アスカ「勘弁してよー。こんな愛想もへったくれもないやつ、こっちから願い下げよ」
ミサト「とりあえず、司令のところへ行きましょう」
…
ヒイロ「…これがお前のEVAか」
アスカ「そうよ、何よ、文句ある?」
ヒイロ(メルクリウス…しばらく乗ってないな)
アスカ「何こいつ…気持ち悪い…目なんかキラキラしてるし」
ミサト「二人共!使徒が来たわよ!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 17:59:04.22 ID:tMV42eyx0
シゲル「使徒は二体いる模様です!」
マコト「どうしますか!葛城一尉!」
ミサト「ちょうどいいじゃない。こっちも二人いるのよ。両機出撃させます、構いませんね、司令」
司令「うん(シンジ、さっさとやっつけてしまえ!(」
ミサト「発進!」
アスカ「あたしが接近戦!あんたは援護射撃、邪魔すんじゃないわよ!」
ヒイロ「任務了解」
アスカ「てえええええい!」ドスッ
イスラフェル「……」
アスカ「あ、あれ?効かない?」
ヒイロ「真ん中のコアを狙え」
アスカ「わかってるわよ!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:01:23.65 ID:tMV42eyx0
ドスドスドス
ババババババ
イスラフェル「……」シャキーン
アスカ「なんでー!?どしてー!?」
ヒイロ「自動再生能力…それにしても治癒が速すぎる」
アスカ「なんで傷つかないのよー!」ザクザク
ヒイロ(そもそも、使徒はいつもなら単機で攻めこんでくるはず。それは今回は二体、そしてこの再生能力…まさか)
イスラフェル「……!」
ヒイロ「アスカ、伏せろ!」
アスカ「えっ!?」
チュドーン
司令(…やっぱダメか)
冬月(うっわすっげ落ち込んでるよこいつ)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:03:38.21 ID:tMV42eyx0
ミサト「で、あの使徒のことなんだけど」
ヒイロ「俺もわかったことがある」
ミサト「何?言ってごらんなさい」
ヒイロ「あいつらは恐らく二体で一体。つまり、同時にコアを攻撃しないと殲滅は不可能だ。
それに、寸分の狂いもない精密性が必要となる」
ミサト(こいつ…あたしの出番どんどん奪っていくわね…)
アスカ「どうしろっていうのよ。それって息が合わないとてんでダメじゃない!」
トロワ「そこは俺に任せてもらおう」
アスカ「な、なにこのスネオ!」
ヒイロ「トロワか」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:05:33.21 ID:tMV42eyx0
トロワ「息を合わせるには、ずばりお前たちでダンスを学ぶのが一番だ」
ヒイロ「さすがサーカス団の花形だな。話がわかる」
トロワ「俺とキャスリンも、それで幾度もだな」
アスカ「こ、こいつと…だ、ダンス!?」
ヒイロ「不満か?それとも別の案があるのか?」
アスカ「嫌よ!まっぴら御免だわ!」バタン
トロワ「お前、あの子に何かしたのか?」
ヒイロ「記憶にないな」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:08:44.17 ID:tMV42eyx0
?「いかんぞぉ、若者」
ヒイロ「…」バキューン
?「い、いきなり発砲かよ!危ないなおい!」
トロワ「貴様は?」
加持「俺は加持リョウジ。ま、フリーのおっさんだよ」
ヒイロ「…」バキューン
加持「だから撃つなってば!そんなに信用ない、俺?」
ヒイロ「ない」
トロワ「ない」
加持「くっ…ショックだぜ…まぁいい、お前たちに女心の極意を教えてやろう」
ヒイロ「……」
トロワ「……」
加持(そこは拒否らないんか)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:10:59.10 ID:tMV42eyx0
アスカ「……何か用?」
ヒイロ「話がある」
アスカ「あたしはないわよ」
ヒイロ「ではこれは俺の独り言だ。聞きたくなければ勝手に行け」
アスカ「…」
ヒイロ「俺達の任務を思い出せ」
アスカ「…使徒を、倒すこと」
ヒイロ「そのためなら、俺達はいかなる手段を選ぼうが、任務を遂行しなければならない」
アスカ「そう、よ…」
ヒイロ「俺はお前を好かん。お前も同様だろう。だが、今回の件は、どうしてもお前の力が必要なんだ」
アスカ「そんなお世辞…」
ヒイロ「お前が必要なんだ」
アスカ「……//」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:13:36.44 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「気持ちの整理がつかないのはわかる。だが、俺は退かない」
アスカ「……なんで、あんたそんなに、必死なのよ?」
ヒイロ「明日を生きるためだ。お前もだろう」
アスカ「……」
ヒイロ「ミサトに言われた別室で待つ。来る来ないは勝手にしろ」
バタン
アスカ「…何よ何よ、あたしがワガママな自己中女みたいじゃない!生意気なこと言って!」
加持「悩め若人。これが終わったら、スイカでも振る舞うとしようか」チョロチョロ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:15:52.81 ID:tMV42eyx0
アスカ「…来たわよ」
ヒイロ「信じていたぞ」
トロワ「…」
アスカ「勘違いしないことね!あんたに唆されたかじゃないわ!あたしだってセカンドチルドレンなんだから、当然のことよ!」
ヒイロ「そうか」
トロワ「ではダンスの振り付けを指導する。俺と同じ動きをしろ」
ヒイロ「待て。その前にやることがある」 バキューンバキューン
アスカ「ひっ!な、なによ!」
ヒイロ「隠しカメラがあった。一応破壊はしておいた」
ミサト「ちょ、カメラ壊れてるじゃん…シゲル、あんた減給ね」
シゲル「だからなんで!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:18:46.66 ID:tMV42eyx0
トロワ「そこはもっと性欲を出しながらだ。そこのターンはもっと上目遣いだ。
そのステップはつま先を伸ばせ」
ヒイロ「……」キュッキュッキュッ
アスカ(悔しいけど、あいつの指摘間違ってないわ。さすがサーカス団)キュッキュッキュッ
トロワ「よし、今日はここまでだ。お前たちはそこのダブルベッドで寝ろ」
アスカ「ちょ!なんでよ!」
トロワ「葛城一尉の命令だからだ。身体だけシンクロしても意味がないからな」
ヒイロ「任務了解」ゴロン
トロワ「ではまた明日にな」
アスカ「ちょっと!寝てる間に変なことしないでよね!」
ヒイロ「すぅ…すぅ…」
アスカ「ノビタ君かあんたは!」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:22:50.98 ID:tMV42eyx0
決戦当日
ミサト「さてと、二人の様子はどう?」
トロワ「問題ない」
ミサト「そう、あなたを講師に選んで正解だったわ」
トロワ「礼には及ばない」
ミサト(気取らないところが、いいのよね)では、発進!」
ヒイロ「準備はいいか?」
アスカ「いつでもいいわよ!」
ミサト「す、すごい…まさにユニゾンね…EVAでここまで動けるなんて」
司令(シンジかっこいい!そこだ、いけいけ!)
冬月(お前、既にネタキャラ化してないか?)
司令(よーし今だ!電源切れ5秒前!ワンツーワンツー!)
冬月(聞いちゃいねえし)
トロワ「ふっ…久しぶりに、俺も踊りたくなってきたな」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:27:17.30 ID:tMV42eyx0
ミサト「いやー、最近は使徒撃破もスムーズね〜」
アスカ「ふふん、これもあたしの才能の賜物ね」
ヒイロ「……モグモグ」
ペンペン「モキュモキュ」
ヒイロ「……」スッ
ペンペン「…!」パァァァ
アスカ「なんか、よくわかんない友情が繰り広げられてるんだけど」
ミサト「気にしたら負けよ。っと、電話だわ」
アスカ「はーぃ」
ミサト「…はい、フォースチルドレンですか?え……はい、はい!」
ミサト「…どうして、この子なの……?」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:30:28.65 ID:tMV42eyx0
アスカ「何?新型の機動訓練があるからあたしたちはここで待ってろって?」
ヒイロ「参号機の機動テストだそうだ」
アスカ「本当ならあたしが乗るはずだったのに…誰よ!ファースト!?」
レイ「呼んだ?」
アスカ「うわわわ!びっくりさせないでよ!ただでさえ影薄いんだから!」
レイ「ごめんなさい」
ヒイロ「お前、口が臭うぞ」
レイ「らーめん、食べてきたから」
ミサト「三人とも!だらだら喋らない!では、参号機、発進!」
バヒュッ
ミサト(でも…どういうことなの?参号機のパイロットが…鈴原トウジ君だなんて)
ヒイロ(パイロットは誰だ…?まさか…)
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:32:34.55 ID:tMV42eyx0
ビーッ!
ビーッ!!
参号機「…ううおおおおおおおおお!!!!」
マヤ「参号機に異常発生!シンクロ率が激減していきます!」
ミサト「どういうこと!?」
司令「これは…」
シゲル「…はっ、使徒です!ウイルス型の使徒です!」
ミサト「EVAに取り付く使徒ですって!?エントリープラグ、強制射出!」
ビーーッ!!
マヤ「ダメです!受け付けません!」
司令「破壊しろ」
ミサト「し、司令!?」
司令「あれはEVAではない。使徒だ。直ちに初号機を出撃させろ」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:34:41.12 ID:tMV42eyx0
ミサト「で、でも中にはまだ…鈴原君が」
ヒイロ「トウジか?あれにはトウジが乗っているのか!?」
ミサト「あっ…」
司令「どうしたシンジ、まさか乗れないとでも」
ヒイロ「早く出せ!」
ミサト「早っ!ヤル気満々じゃないの!」
司令(…素直でよろしい)
ミサト「エヴァンゲリオン初号機、発進!」
ヒイロ(待っていろ、鈴原トウジ…もし貴様が、本当に使徒になってしまったというのなら…)
ヒイロ「お前を、殺す」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:38:04.40 ID:tMV42eyx0
バル「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ヒイロ「……目標捕捉、直ちに破壊す…」
バル「うおおおお!」ガシッ
ヒイロ「ぐっ!?」
バル「るぉおおおおおおお!!」ビターンビターン
ヒイロ「くっ…!単純に火力が高いというわけか」
バル「うるぁああああああ!!」ダダダダ
ヒイロ「ならば、このビームサーベルで」チャッ
ミサト「あれ、マゴロクソードいつ実装したの?」
シゲル「先日ですよ。報告しませんでしたっけ?」
ミサト「聞いてないわよ!やっぱあんた減給よ減給!」
シゲル「八つ当たりだー!」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:41:02.06 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「はっ!」ザシュッ
バル「ぐおおおおおおおお!!」
ヒイロ「待っていろ鈴原トウジ、今楽にしてやる」ガション
ミサト「常備可能になったポジトロンライフルまで!まさか、今回のことを見越して!?」
司令(シンジ頑張ってるからな。これくらいのサービスはいいだろう)
冬月(お前……)
ヒイロ「はぁ!」グサッ
バル「ぐああああああああ!」
ヒイロ「ナイフで足を止めた。今だ、ツインバスターライフル、発射!」
ブゥン…ギュオオオオオオオオオオオオオオ
ドガアアアアアン
マヤ「ば、バルディエル…沈黙しました」
ミサト「清々しく破壊したわね」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:43:52.92 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「エントリープラグは外した。今開けてやる」ギギッバゴン
トウジ「…げほげほっ、い、碇…ワイ…どないしたんや?」
ヒイロ「何も無かったんだ。いいから今は寝ていろ」
トウジ「そうか…ほな、お休み…あ、すまんな、内緒にしとって…」
ヒイロ「いいから寝ていろ」
トウジ「は、はは…相変わらずやな…すぅ…」
ヒイロ(精神経路に異常を来たしている可能性があるな。ミサトの伝手の医療に回すか)
?「碇シンジ…ふふ、興味深いね、彼」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:47:31.43 ID:tMV42eyx0
ミサト「結局、フォースチルドレンは登録抹消か。はぁ…どうしたものかしら」
マコト「でも、またチルドレンがやってきたじゃないですか。渚君、でしたっけ?」
ミサト「あぁ、あのホモ臭い子ね。なんかあの子、苦手なのよ」
マコト「まだ他のチルドレンと挨拶はしてないんですか?」
ミサト「適当にしといてーって言っただけよ。最近あたしも三佐になってから忙しくてさ〜」
加持「…なら、俺と飲み行こうぜ」
ミサト「げっ!加持リョウジ!」
マコト「加持さん…」
加持「ちょっくら風呂貸してもらったよ。シンジ君と裸の付き合いだったぜ」
マコト「そういえば、渚君もお風呂に向かってましたね」
ミサト「な、なんですって!」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:50:56.32 ID:tMV42eyx0
ヒイロ(あの日以来、アスカは躊躇なく出撃を命じた碇司令、そして俺に疑念がわいて
取っつにくくなった。レイはレイでマイペースなままだが、最近は奴の動向が知れない)
ヒイロ(任務は問題なく遂行しているというのに、どうしてこうなった?俺は間違えたのか?)
カヲル「隣、いいかい?」
ヒイロ「お前は?」
カヲル「渚カヲル。フィフスチルドレンさ」
ヒイロ「そうか。なら今後はお前を頼りにさせてもらうか」
カヲル「嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
ヒイロ「色々あってな。最早ネルフは内部分裂してもおかしくない状況だ。だからこそ、新参のお前を信頼したい」
カヲル(ふふ…シンジ君、君はなんて魅力的なんだ…)ゾクゾク
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:56:24.20 ID:tMV42eyx0
マヤ「使徒です!」
リツコ「MAGIの予想が確かなら、あの使徒は手強いわ」
ミサト「第十四使徒、ゼルエル…」
ゼルエル「…シュコーシュコー」
ミサト「速い!司令、司令は…いない。初号機、発進させて!」
ヒイロ「ゼルエル…色合いだけ見ればトールギスに似てなくもないが」
ゼルエル「キュピーン」ビュルッ
ヒイロ「何っ!?」
ズガアアアアン
ヒイロ「がはっ…速い!」
ゼルエル「キュッピーン」ビュルルッ
ガスッ!!
ヒイロ「……」ガクッ
マヤ「初号機、沈黙しました!」
ミサト「ゑ!?」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 18:58:57.92 ID:tMV42eyx0
ゼルエル「ゴゴガガ」ギィイイインドドドドド
マヤ「ドリルのようなもので、本部に侵入する模様!」
シゲル「障壁、突破されました!」
マコト「このままでは、あと数分で突破されます!」
ミサト(シンジ君…どうしちゃったのよ…!アスカもシンクロ率低過ぎで出れないし、レイはいないし…あなただけが頼りなのに!)
ヒイロ「………」
ヒイロ「俺は……」
レイ「あなたは死んだわ」
ヒイロ「なんだと?」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:01:31.19 ID:tMV42eyx0
レイ「いつも言ってたじゃない。いつ死んでもおかしくないって」
ヒイロ「…」
レイ「それが、いざというとき死ぬっていうと怖気づくの?」
ヒイロ「違う」
レイ「結局、あなたも誰も、死ぬのは恐いのよ。あなたはそれを『任務』という免罪符で庇っているだけ」
ヒイロ「違う!」
レイ「もういいのよ、あなたはよくやったわ。休んでいいのよ?」
ヒイロ「お前は一つ勘違いをしている」
レイ「?」
ヒイロ「任務は遂行するためにある。その任務が完了していない今なら…
俺は、死なない!」
フォイフォイフォイフォイフォイ ゴギュウウウン
司令(ふっ)
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:04:00.93 ID:tMV42eyx0
マヤ「初号機、再稼働しました!」
ヒイロ「ゼルエル…目標を駆逐する」バッ
ゼルエル「キュピーン」ビューッ
ヒイロ「その手には乗らん」ザシュッ
ゼルエル「キュ、キュピーン」ビュルビュルビュル
ヒイロ「そのきしめんのような攻撃は直線的すぎる。それがわかれば、回避するのは造作もない」サッサッ
ゼルエル「………」
ヒイロ「消えろ」
バシュッ
ズガアアアアアアン
マコト「使徒、沈黙しました!」
ミサト「…な、なんとかなったわね……はぁ」ヘナヘナ
マコト(かわいい)
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:09:35.16 ID:tMV42eyx0
アスカ「……シンジがまた、シトをセンメツ…どうでもいいわ…そんなこと」
アスカ「もう、何も考えたくない…鈴原は嫌いだけど、あいつを容赦なく殺せなんて、そんな組織なんかに…あたし」
ガチャッ
カヲル「こんにちは」
アスカ「あんた…誰ぇ?」
カヲル「君の弐号機を借りにきたんだ」
アスカ「…もう、勝手にして、あたしには…関係ない…」
カヲル「さて、持ち主の許可も降りたことだし、始めようとしようか」
ゼーレ「問題ないのだろうな、タブリス」
カヲル「彼は僕を信頼している。抜かりはないよ。でも、もしもが起きたら…」
ゼーレ「わかっている。我々が人類補完計画を実行する」
カヲル「感謝するよ」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:12:55.53 ID:tMV42eyx0
カヲル「リリン…歌はいいね。人類が生み出した叡智だよ」
カヲル「こうも簡単にターミナルドグマに入れるなんてね」
司令「タブリス」
カヲル「初めまして、お父さん」
司令「お前はシンジを殺せるか?」
カヲル「必要とあらば」
司令「逆に聞こう。シンジはお前を殺せるか?」
カヲル「それは無理だよ。彼と僕は通じ合っている。そんな心配は杞憂だよ」
司令「お前は…シンジを買いかぶりすぎだ」
ズシャッ
カヲル「…初号機」
ザッザッ
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:16:11.00 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「渚カヲル。話は全て聞いた」
カヲル「話が早いね。なら君の答えは決まっているだろう?」
ガッ
カヲル「どうしたんだい?さぁ、答えを聞かせてくれよ、シンジ君」
ヒイロ「お前にとって、俺は何だ?」
カヲル「何を今更。君と僕はシンユウだろ?だったら、僕の願いを…」
ブヂュリッ
ヒイロ「渚カヲル。貴様は俺の敵だ。その慢心が、俺は気に入らなかった」
司令「シンジ」
ヒイロ「碇司令」
司令「使徒殲滅、ご苦労だった。しかし、まだ終わっていない。むしろ、ここから始まるのだ」
ヒイロ「……俺は任務を果たすだけだ」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:20:09.72 ID:tMV42eyx0
司令「お前には大事な任務がある。これが最初にフェイズ1だ」プシュゥ
ヒイロ「……」バタン
司令「精々抗ってみせるがいい。そうでなければ、私の息子を名乗らせられんからな」
ミサト「アスカ!急いで弐号機で出撃して!」
アスカ「バカシンジ…こんなときにどこほっつき歩いてんのよ!」
ミサト「まさか…量産型エヴァが完成していたなんて!あいつら、本気でサードインパクトを引き起こすつもりだったのね!」
アスカ「弐号機、発進するわ!」
ミサト「お願いよ…アスカ」
加持「おいおい、連れないじゃないか、ミサト」
ミサト「加持…リョウジ」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:22:45.51 ID:tMV42eyx0
アスカ「3分半で九つか。一匹につき20秒しか無いじゃない…ならやってやろうじゃない!」
ヒイィィイン バババババ
量産A「!!」
アスカ「まず一つ!次ぃ!」バリバリバリ
量産B・C「!!」
アスカ「こんちくしょぉぉおおおおお!!!!!」
ミサト「あんた…なんで」
加持「悪いね、これも仕事なんで」チャッ
ミサト「そう、最初から騙してたわけね。あんたはいつもそう、あの時だって!」
加持「昔話をするつもりはない。お互い大人になったんだ。恨まないでくれよ」
バキューン
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:25:19.30 ID:tMV42eyx0
ミサト「……」
加持「この…ガキ…」ドサッ
ヒイロ「無事か?ミサト」
ミサト「シンジ君!あんたどこで何を!」
ヒイロ「すまん、碇司令に謀られた。俺のミスだ。どんな罰でも受けよう」
ミサト「………」
ヒイロ「……何の真似だ?」
ミサト「おばちゃんのキスよ。ふん、気持ち悪いでしょ!三十路手前のキスなんか!」
ヒイロ「柔らかかった」
ミサト「……// くっ、さっさといきなさいバカ!アスカだってあんまり持たないんだから!」
ヒイロ「了解」ゴウンゴウン
ミサト「……生きて帰ったら、続きをしましょうね」グス
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:27:53.60 ID:tMV42eyx0
ピィーッ!!
アスカ「よぉし!全機撃墜!さすがあたし…」
量産A「げげ!」ヒュン
ドスッ
アスカ「……えっ」
量産B「げげー!」ヒュンヒュン
量産C「げげげのげー!」ヒュンヒュンヒュン
ドスドスドスドス ドバアアアアア
アスカ「いやああああああああああああ!!!!ああああ、あああああーーー!!!!」
マヤ「アスカ!アスカぁー!!」
アスカ「あ…あぁ…やっぱり…ダメ…早く、殺して…殺しなさいよ…早くううう!」
量産D「げげげ!げ」
ブゥン…ギュオオオオオオオオオオオオオオ
アスカ「えっ…?」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:29:51.88 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「遅れて済まない」
アスカ「お、遅いわよ……ばかぁ」
量産E「げげげっげ!」
ヒイロ「邪魔だ!」ガシッ
クルクルクルクル
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ドガーン×9
アスカ「ぽ、ポジトロンライフルを回転撃ち…あいつ滅茶苦茶だわ」
ヒイロ「邪魔者は片付いた。あとは…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
巨大レイ「………」
ヒイロ「アレを何とかするか」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:33:05.64 ID:tMV42eyx0
司令「さぁ…レイ、シンジに不覚を取ったが」
レイ「断ります」
司令「ゑ!!?」
レイ「碇君が、呼んでる」
フワッ
司令「ちょ、レイィィィーーー!!」
レイ「さようなら、碇司令。あなたの愛情は、歪んでいた」
ヒイロ「レイ」
巨大レイ「……」ブチッ
レイ「碇君」
ヒイロ「サードインパクトを起こすつもりか?」
レイ「そうよ。私はそのための存在」
ヒイロ「人類に絶望したのか?」
レイ「いいえ、これは私の役目だから」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:35:33.40 ID:tMV42eyx0
レイ「碇君、あなたは任務を遂行するまでは死なないと言ったわ」
ヒイロ「あぁ」
レイ「それは私も同じ。同時に、それが私における存在意義なの」
ヒイロ「そうか」
レイ「だから邪魔をしないで。一緒に、一つになりましょう」
ヒイロ「一つ言わせてもらおう、綾波レイ」
レイ「何?」
ヒイロ「お前が人類補完計画を成すことが任務ならば、それを止めるのが、俺の任務だ」ジャキッ
レイ「……っ」
ヒイロ「綾波レイ、お前を殺す!」
ギュオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:39:42.23 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「これで、任務完了か…」
アダム「……」
ヒイロ「いや、まだお前が残っていたか。お前が最初の使徒、アダムか」
アダム「……」コクコク
ヒイロ「俺の任務は、使徒の殲滅。即ち、それはお前も含まれている。覚悟はいいな?」
アダム「……」
ヒイロ「人類はお前が思うほど、愚かではない」
ヒイロ「人間は知恵を身に付けすぎた。別の文化も滅ぼした。しかし、俺はその人間として生まれた」
ヒイロ「誰かがどこかで居場所を求めるように、誰かが居場所で自分の存在意義を確立してもいいはずだ」
ヒイロ「それは、誰にも侵害されていいことではない」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:43:44.29 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「俺は人間を守るために任務を遂行する」
ヒイロ「時には誰かを殺すだろう。現にさっき殺したが、」
ヒイロ「それは誰かの生命を脅かす可能性の排除だ。無論、俺の行動を正当化する気はない」
ヒイロ「もし、それでも貴様が人類を滅ぼすというのならば」
ヒイロ「第一使徒アダム、お前を殺す」
ミサト「いやー、ネルフの人事異動で一尉に逆戻りだわー」
ヒイロ「肩の荷が降りたんじゃないのか?」
ミサト「給料減っちゃったしなー。シゲル君減給しすぎたかしら」
ヒイロ「碇司令の謹慎はまだ解けないのか?」
ミサト「ありゃ?息子だからやっぱり心配?ふふ、可愛い奴めうりうり」
ヒイロ「胸が暑苦しい」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:45:30.00 ID:tMV42eyx0
ヒイロ「そういえば」
ミサト「何?」グビグビ
ヒイロ「俺が格納庫へ向かう際、何か言いかけてなかったか?」
ミサト「な、なんでもないわよ!何も言ってない!うん!」
ヒイロ「そうか、ならばいい。ペンペン、このサラミは譲ってやろう」
ペンペン「……♪」パアアアア
アスカ「ちょっとバカシンジ!来週の日曜日、あんた暇ぁ?」
ヒイロ「特に用事はない」
アスカ「そ、そう…だったら」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:48:06.81 ID:tMV42eyx0
ミサト「ちょ〜〜〜っと待ちなさいアスカ。その日はシンちゃんとデートの予定なのよ〜」
ヒイロ「初耳だが…」
アスカ「な、なんですって〜〜!このふしだらシンジ!」
ヒイロ「そう呼ばれるのは不本意だ」
レイ「ダメ。日曜日は碇君とラーメン博物館に行くの」
ヒイロ「それも初耳だが」
アスカ「この…三股シンジ!」パコーン
ヒイロ「少し痛いぞ」
ミサト「しょうがないわねー。じゃあ日曜はみんなで海に行くわよ!水着美女三人囲って、あんたもいい身分ねぇ」
ヒイロ「言っている意味はよくわからんが、了解した」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/07/26(木) 19:50:16.79 ID:tMV42eyx0
ミサト「ぐがーぐぉぉぉぉ」Zzz
アスカ「うふふ…シンジと海ぃ…むにゃむにゃ」
レイ「ねぇ」
ヒイロ「なんだ」
レイ「まだ人類補完計画は完全に沈黙はしていないわ」
ヒイロ「わかっている。気を抜くことはない」
レイ「それは、また私がいつああなってもおかしくないのよ」
ヒイロ「それも理解している」
レイ「碇君、お願いがあるの。それは…」
ヒイロ「わかっている。もしもその時は…」
レイ「うん」
ヒイロ「お前を、殺す」
おわりです ありがとうございました