1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:03:20.96 ID:2bGwxcea0
とあるカフェ
月「……ふ、なんだい、竜崎。楽しいお茶の時間に……」
L「月くんも分かっているはずです。偽りの友を演じるのはやめましょう」
月「……ふん。キラの話か。証拠もないのに僕をキラなんt」
L「私は月くんが好きです」
月(!?)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:07:36.44 ID:2bGwxcea0
L「前から月くんに好意を寄せていました」
月(お……落ち着け。Lのことだ、僕の動揺を誘っているんだろう)
L「月くん。月くんは、私の推理では、99%キラです」
月(そら来た。動揺を誘い、自分のペースに乗せ、口を割らせようとする……考えが見え見えだ)
L「しかし」
L「私のこの好意も99%本物だと思うんです」
L「月くん。私と付き合ってください」
月(!?)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:12:51.84 ID:2bGwxcea0
L「……」
月(なんだこの空気)
L「月くん。返事を」
月「えっ?……あ、ああ……」
月(……無難な返事を心がけるんだ。いつキラの話になるか分からない)
月「……か、考えておくよ」
L「……月くん。疑ってるんですか?」
月「え」
L「これは私自身の気持ちです。キラとは関係ない」
L「なので、月くんも月くん自身の答えを出してください」
月(……こいつ、本気か?)
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:17:52.30 ID:2bGwxcea0
L「私もずっと迷っていました」
L「キラを捕まえたいという自分の気持ち。それに反して……」
L「一目惚れした人のキラ容疑がどんどん高まっていく」
月「……それは僕のことか」
L「そうです。だから……私は」
L「人生で初めて、苦しいと思った。犯罪者を捕まえるだけの人生の中で、初めて、『苦しいと思えた』んです」
月「りゅ、竜崎……」
L「だから……気持ちを伝えようと思った。ただ、それだけの話です」
月(……嘘をついてるようには思えない)
月(しかし……嘘をついてる可能性を捨ててはいけない!)
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:23:12.39 ID:2bGwxcea0
月(ここは……いったん逃げる!)
月(こいつのペースに合わせたら何が起こるか分からない……!)
月「……すまないな、竜崎。信用できない」
L「……!」
月「僕はキラじゃない。だからこそ、僕をキラだと疑っているヤツを」
月「信用できると思うか?」
L「……そ、それは分かっているんです……その上で……」
月「……もういい。ふざけている暇があるなら、一刻も早く本物のキラを見つけるために捜査を進めてくれ」
月「僕はこれで失礼するよ」ガタッ
L「……月くん……」
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38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:27:23.80 ID:2bGwxcea0
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夜神宅
ガチャ
月「ただいま」
総一郎「……月。遅いぞ。こんな時間までどこに行っていた」
月「……父さんも、知ってるんだろう? 例のごとく、竜崎に尋問されてたんだよ」
総一郎「尋問?……おかしいな」
月「……父さん?何か知ってるのか?」
総一郎「……月。おまえ、告白されただろう」
月「!……なんで父さんがそれを!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:31:33.64 ID:2bGwxcea0
総一郎「月……おまえ……」
月「父さん!竜崎とグルだったんだな!父さんも僕を疑ってるんだ!」
総一郎「……月!歯をくいしばれ!」バキッ
月「ぐはっ!?な、何を……!!」
総一郎「月!おまえは竜崎が……Lが……どんな気持ちで……っ!」
月(……なんの話だ?)
総一郎「何が尋問だ……。私は昨日」
総一郎「竜崎に恋の相談を受けたんだ!」
月(!?)
総一郎「竜崎がどんな気持ちだったか、お前には分かるか!?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:36:48.67 ID:2bGwxcea0
『夜神さん……明日、上手くいくでしょうか?』
『それは分からん。だが……告白すると、決めたんだろう』
『はい……』
『なら、そうすればいい。人の好意に向き合えないほど、月は情けない息子じゃないはずだ』
『ありがとうございます……夜神さん』
『礼には及ばない。キラ事件のことは、今は忘れよう。頑張るんだぞ』
『はい』
総一郎「あの時の竜崎の目は本気だった」
月「……」
総一郎「お前はそれを踏みにじったんだ」
月「そ……そんなの知るか! 普段からキラだキラだと言われて、突然告白なんて……!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:41:23.80 ID:2bGwxcea0
総一郎「……失望したぞ、月」
月「と、父さん!僕は悪くない!」
総一郎「……。竜崎の目を、ちゃんと見てやったか!?ちゃんと、話を聞いてやったのか!?」
月「あ、ああ!もちろんさ!」
総一郎「その上でお前は!!」
総一郎「竜崎がふざけていると!!竜崎がお前を混乱させようとしてると!!」
総一郎「そう思ったんだな!?」
月「……っ」
月(ぼ、僕は……)
月(常に、疑っていた……)
月(薄々、本気だと気づいていながら……っ!)
総一郎「月!!どうなんだ!?」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:47:26.10 ID:2bGwxcea0
月「……父さんの言う通りだ。僕は、竜崎の気持ちに向き合おうとしなかった」
総一郎「……」
月「でも……どうすればいいんだ。あいつと僕は……」
月「……敵なんだよ……」
総一郎「……月。お前の悪いクセだ」
月「!」
総一郎「頭が良い故に、状況を整理し、客観的に見て判断を下そうとする傾向にある」
総一郎「もちろん、それは悪いことではない。しかし……」
総一郎「時として、人は……立場や状況を無視する行動をするべきなんだ」
月「っ……」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 22:51:32.58 ID:2bGwxcea0
総一郎「あとは、お前に任せる」
総一郎「……あまり夜遅くまで起きるんじゃないぞ」ガタッ
ガチャ…バタン
月「……」
月(……僕はキラだ)
月(そして……告白してきたのはL)
月(……くそ……)
月(……そもそも、どうなんだ?僕はあいつのことを、どう思っているんだ?)
月(……)
月(……そうだ……)
月(……あの時……僕が感じたことを思い出せばいい……)
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:00:10.11 ID:2bGwxcea0
月(告白された時……)
月(僕は何を考えた)
月(『気持ち悪い』?……普通は、こう考えるはずだ)
月(しかし、僕は……あくまで、『キラ』としての自分。『L』としてのあいつ……そこばかり考えていた)
月(……あいつの好意と、『キラ』と『L』の関係。そこの狭間で戸惑っていた)
月(でも……それは間違ってる! 僕が考えるべきなのは……!)
月(あいつの好意に対して、僕の気持ちがどうなったのか、だ!)
月(そして、僕は……)
月「……リューク」
リューク「うほっ……うほっ……」
月「リューク!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:05:02.88 ID:2bGwxcea0
リューク「うほっ!?なんだイキナリ!?」
月「気持ち悪い顔しやがって……お前は人間の恋に興味があるのか」
リューク「へへ……いいだろ、静かに眺めてる分にはよぉ」
月「……明日、竜崎と話をつけてくる」
リューク「うほっ、マジかよ。そりゃ楽しみ……」
月「お前は僕の見えない距離まで、そして、僕らの会話が聞こえない距離まで離れろ。いいな?」
リューク「ああ? それじゃ意味ねぇだろ」
月「リューク。これは僕たち二人の問題だ」
リューク「ちっ……報告だけ頼んだぜ? じゃねーと禁断症状が出ちまう」
月「どういう体してるんだお前は」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:11:38.12 ID:2bGwxcea0
リューク「人間の恋の味ってのは、リンゴよりうまいってことに気づいたからな」
月「……気持ち悪い死神だ」
リューク「うほっ。そう言うな。俺もお前らの恋が実ることを祈ってるぜ」
月「死神に祈られたら、悪いことが起きそうだ」
リューク「くく……とりあえず約束は守ってやるよ。離れてりゃいいんだろ」
月「……ああ。明日で」
月「キラとLの戦いは終わりだ」
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78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:16:39.80 ID:2bGwxcea0
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とあるカフェ
L「……話、ですか」
月「ああ……はっきりさせようじゃないか」
L「……昨日はすみません。私にはコミュニケーション能力がないもので」
月「ふっ……いや、竜崎の気持ちは伝わってきたよ」
L「……?」
月「竜崎。まず……ひとつ言っておく」
L「なんでしょう」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:21:58.19 ID:2bGwxcea0
月「僕は、捕まってもいい。そう思った上での言葉だ」
L「!……まさか」
月「僕はキラ(ホモ)だ」
L「!……認めるんですね?」
月「竜崎の推理通りだ。僕は大量殺人犯キラ(ホモ)」
L「……」
月「しかし……同時に」
月「夜神月という一人の人間だ」
月「僕は、キラという立場より、自分の気持ちを優先させようと思った」
月「だから……僕は、全てをさらけ出して竜崎と向き合う」
L「……うれしいです」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:27:42.55 ID:2bGwxcea0
月「僕は竜崎を信用しているし、だまされていてもかまわない」
月「自分の気持ちを伝えるだけだ。昨日の竜崎と同じように」
L「……」
月「僕は竜崎が好きだ」
L「……!」
月「掴みどころがなくて、マイペースで……でも、竜崎とたわいもない話をしている時を、僕は無意識に楽しんでいた」
L「月くん……私も……月くんとの会話を、楽しんでいました」
月「竜崎。今はLもキラも関係ない」
月「僕と付き合おう」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:34:32.18 ID:2bGwxcea0
L「もちろん、です……」
月「……ありがとう……竜崎……僕は一度、君の気持ちを無視したのに……」
L「いえ……私が悪いんです。それに、最終的には私と向き合ってくれた」
L「それだけで十分です」
月「……竜崎。もう殺人はやめるよ。そして……二人で歩もう」
月「二人の愛の新世界へ」
L「……」コクン
リューク「うほっ!!!!うほほっ!!!!!!」
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99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:41:57.02 ID:2bGwxcea0
こうして、月(ホモ)とL(ホモ)はカップルになった。
L(ホモ)は無断で捜査を打ち切り、極秘裏に月(ホモ)を保護し、家に帰った。
もちろん納得できないキラ捜査本部のメンバー。しかし、総一郎は全てを察したような目でメンバーをなだめ、事なきを得た。
家族、優秀な学生の立場……全てを捨て、L(ホモ)に向き合った月(ホモ)を総一郎は誇りに思った。
そしてキラ事件はどんどん風化し……テレビで扱われなくなり……人々の注目を浴びることはなくなった。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:51:13.45 ID:2bGwxcea0
月(ホモ)の母と妹は突然の兄の失踪に涙した。
しかし、総一郎は全てを察したような目で二人をなだめた。
こうして……月(ホモ)とL(ホモ)は
今までの戦いを忘れ、新世界へと歩みだした。
二人(ホモ)+死神一匹の暮らし。
リュークは当然退屈せず……
月(ホモ)とL(ホモ)は平和な暮らしを送った。
デスノートは埋めた。
これが、警察や世間を騒がせたキラ事件の真実である。
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114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/24(日) 23:56:29.55 ID:2bGwxcea0
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月(ホモ)「……L」
L(ホモ)「なんですか?」
月(ホモ)「僕たち……幸せだよな」
L(ホモ)「……99%幸せですね」
月(ホモ)「ん?あとの1%はなんだよ?」
L(ホモ)「それは……私が月くんにふさわしい人物なのか、という不安です」
L(ホモ)「本当に私で良かったんですか?こんな、社交性のない男……」
月(ホモ)「ふっ……そんなことか」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/25(月) 00:00:59.27 ID:1kDVVpEH0
月(ホモ)「僕たちの歩む新世界にそんな不安はいらないよ」
L(ホモ)「……ありがとう。うれしいです」
月(ホモ)「……散歩でも行くか」
L(ホモ)「そうですね」
リューク「うほっ」
おわり