1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:33:19.67 ID:AuwcmNmx0
しずか『帰り遅くなんの? それなら前もって言っておいてよね! あなたの分のご飯はないからどこかで済ましてきなさいよ!』
妻からの電話を切り煙草に火をつけた。
どうしてこうなってしまったのだろう。
――これが僕が望んでいた未来なのか?
のび太はベンチに腰掛けて重たい煙を吐き出した。
――今日は帰りたくないな。
そんな事を考えていると、前方から聞き覚えのある声がした。
ジャイアン「のび太か?久しぶりじゃねぇか!!」
のび太「ジャイアン!!」
久しぶりの再会を喜び合った二人は、そのまま居酒屋で飲もうということになった。
旧友との再会は幾分かのび太の心を軽くした。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:35:22.63 ID:AuwcmNmx0
のび太「ジャイアンは本当昔から変わらないよね。」
ジャイアン「おうよ!!俺はいつだってガキ大将だぜ!!」
のび太「もうガキって年齢じゃないでしょ!!」
久しぶりであったが、二人の間を流れる空気感はまさにあの頃のままという感じであった。
のび太「ところでジャイアンはなんで東京にいるのさ?」
ジャイアン「東京にうちの店の支店を出すことになってよ!その視察だ!!」
ジャイアンは高校卒業と同時に実家の雑貨屋を継いだのだが、売上好調でついには支店まで出すことになったらしい。
ジャイアン「そんな事よりよ、お前の方はどうなのよ?嫁さんとはうまくやってんだろうな?」
のび太「……」
黙ってしまった。あの嫁の姿を思い出す度に胸が苦しくなる。
ジャイアン「……あっ、そうだ!!明日ジャイ子のサイン会があるんだ!!一緒に行こうぜ!!」
のび太の表情を察してかジャイアンは話題を変えた。のびたは彼の優しさに感謝した。
ジャイ子は最近テレビでも良く取り上げられるほどの売れっ子マンガ家になっていた。
明日は休日で家にも居たくなかったのび太は二つ返事でそれを了承した。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:38:36.45 ID:AuwcmNmx0
ジャイアン「じゃあもう遅いしお開きにするか!!」
ジャイアン「……なんか悩みがあるんならいつでも言えよ。俺たちはいつまでだって心の友だからな!!」
ジャイアン「そんじゃ、明日な!!」
のび太「……ありがとう」
ジャイアンは本当に優しい。
――昔からそうだったな。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:41:42.64 ID:AuwcmNmx0
ジャイアンと別れた後のび太は重い足取りで自宅へと帰った。
鍵はしまっていて中に誰もいる様子もない。
また、あの男の家に行っているんだろう。
のび太は全て知っていた。自分が家に居ないときは外で男と会っている事を。
そして、その男が"出来杉"である事を……。
翌朝、部屋のドアが開く音で目が覚めた。
しずか「あら、帰ってたの」
朝帰りを悪びる様子もなく、それだけ言って、平然と彼女はシャワーを浴び始めた。
……いつものことだ。
時計を見る。そろそろ出なくては約束の時間に間に合わなくなってしまう。
のび太は急いで支度を始めた。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:45:11.75 ID:AuwcmNmx0
しずか「あなた、今日もお出かけ?」
シャワーから上がりバスローブ姿の彼女は言った。
しずか「最近休みの日も家に居ないわね。外に女でも出来たんでしょ?」
のびた「……」
しずか「いいのよ。あなたが外に女を何人作ろうが私は気にしないわ」
しずか「私の為にお金を持ってくる、あなたが好きなんだから」
のび太「……行ってくる」
妻の言葉を背に聞きながらのび太は玄関を出た。
最近は出かける度にこの調子だ。いい加減腹も立ってくる。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:49:53.85 ID:AuwcmNmx0
待ち合わせ場所には既に大勢の人が居た。全部"クリスティーネ剛田"のファンなのだろう。
テレビカメラらしきものも数台きている。あらためてジャイ子がとんでもないマンガ家になったのだと実感した。
前方に知った顔があり、急いで駆け寄り声をかけた。
のび太「スネオ!!」
スネオ「のび太じゃないか!元気してるか?」
大人になったが昔と変わらない様子で口を尖らせスネオは笑った。
スネオ「あれ?今日はしずかちゃんは一緒じゃないの?」
のび太「あー、なんか用事があるらしくってこれないって。それよりもジャイアン遅いな」
のび太はごまかしつつ、時計を見た。もう約束の時間からずいぶん経つ。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:53:02.87 ID:AuwcmNmx0
ジャイアン「わりーわりー、遅くなった!」
のび太「もー!サイン会はじまるよ!!」
スネオ「まったく、ジャイアンは相変わらずだね!」
ジャイアン「なんだとー!スネオこの野郎!!」
ジャイアンはスネオを追いかけまわした。
久しぶりに会うが、何一つ変わらない彼らを見てのび太は嬉しくて涙を流しそうになった。
――二人にはあんなしずかちゃんは見せられないな。
ほどなくして、サイン会が始まった。まず、ジャイ子からのあいさつがあるらしい。
奥から出てきたのは、まぎれもないあの頃のままのジャイ子だった。
ただ少しだけ背が伸びた気がする。横にも若干でかくなったかな?
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:55:48.05 ID:AuwcmNmx0
ジャイ子「ははは、はじめましてっ。クリスティーネ剛田ですっ」
昔から変わらない声でジャイ子は言った。
緊張しているらしい。もじもじしながら挨拶をする姿は微笑ましいものであった。
ジャイアン「いいぞー!!ジャイ子!!お兄ちゃんは応援してるぞー!!」
ジャイ子「もう……///」
ジャイ子は恥ずかしそうに頭を下げたが、その後は吹っ切れたかのように原稿を読み上げた、無事サイン会をおえた。
サイン会が終わりみんなでジャイ子のお祝いをする為に居酒屋へ行くことになった。
ジャイアン「ジャイ子!!よかったぞ!!流石はおれの妹だ!!」
ジャイ子「もう、お兄ちゃんったら!!恥ずかしいからやめてよね、ああいう事!」
本当にこの兄妹は仲が良い。昔から変わらないな。
乾杯をして、語り合った。
今の報告から始まって昔の笑い話もたくさんした。
ドラえもんの話もした。
みんな昔のままだった……しずかちゃんはいないけれど。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 22:59:25.99 ID:AuwcmNmx0
ジャイアン「おーれはじゃいあーん!!がーきだいしょーう!!」
スネオ「もうジャイアン、のみすぎだよぉ〜」
のび太「……ウップ」キモチワルイ
ジャイ子「大丈夫?のびたさん?」
のび太「……ミッミズヲクレ」ウップ
ジャイアン「おうおうのびたなさけねーぞ!!おら!!もう一軒いくぞ!!」
のび太「……マジムリッスマジムリッス」ミズヲクレヨ
ジャイ子「お兄ちゃん!ダメよ無理させちゃ!!私が駅まで連れて行くから!!」
ジャイアン「しょーがねえな!!おいスネオ!!もう一軒行くぞ!!」
スネオ「ひえぇ!勘弁してよぉ〜!!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:03:08.86 ID:AuwcmNmx0
―――――――――
ジャイ子「大丈夫?のび太さん?」
のび太「……」ウップ
のび太「……あれ?ここは?」ウップ
ジャイ子「もう、覚えてないの?終電過ぎちゃってたから近くのホテルに来たんじゃない!」
のび太「そうかそうかホテルか……ホテル!?」
酔いが一気に冷めたがさらに血の気が引き真っ青になった。
のび太(ジャイアンに殺されるっ!!)
ジャイ子「……?もう大丈夫そうなら私は隣の部屋に戻るね」
のび太(……?なんだ、ただビジネスホテルに2部屋借りただけか)
のび太は安堵し、顔をあげた。もしジャイ子に手を出すような事があればまじでジャイアンに殺される。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:06:40.60 ID:AuwcmNmx0
ジャイ子「それじゃ、おやすみなさい」ニコッ
その瞬間、のび太に電撃が走った。
のび太(かっ可愛い……!!)
常人が見ればゴリラが微笑んだように見えたはずだろう。
しかし、のび太にはそれが天使の微笑みのように感じられた。
なぜだかは分からない。ただ、無性に愛らしく感じられるのだ。
のびたの思考は完全に停止していた。
気付けば、ジャイ子をベッドの上に押し倒していた。
ジャイ子「のび太……さん…?」
のび太「ジャイ子ちゃん……ごめん!!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:10:48.63 ID:AuwcmNmx0
のび太はゆっくりと彼女の服を脱がしていった。
その熟れたマンゴーを彷彿させる身体を露わにさせ、肉汁滴る豊満な乳房にしゃぶりついた。
口一杯にジャイ子の味が広がる。それだけでのび太の興奮は最高潮に達した。
のびた「こっちも下ろすよ……」
パンティーに手をかけ一気に下ろす。その瞬間ビクッと身体を反応させ、シーツを強く握りしめた。
のび太(もしかして、初めてなのか……?)
しかし、のび太は止まる事はできなかった。後ろめたさはあったが、快楽を求める気持ちの方が遥かに強かった。
室内の熱気はしずかとの行為の倍はあったに違いない。
その殆どの熱がジャイ子の身体から発しられていた事は言うまでもない。
のび太「挿入れるよ……!いいね……!!」
ジャイ子はこくんと一度頷いた。のび太はジャイ子の肉汁溢れるそこに、はち切れんばかりにそそり立つノビスケをあてがい一気に突いた。
……その日の戦いは明け方まで続いた。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:14:25.97 ID:AuwcmNmx0
ひとしきりの行為が終わった後のびたに残るのは罪悪感であった。
ジャイ子に対してのもの、ジャイアンに対して、後僅かばかりではあったが、しずかちゃんに対しても僅かではあるが罪悪感は感じていた。
のび太「……ごめん」
隣で服をまとわずに横になっているジャイ子に対して呟いた。
ジャイ子「いいえ、私凄くうれしい」
思いがけない返答に驚きジャイ子を見た。
のびた「うれしいって、なんで?」
ジャイ子「だって、のびたさんって……私の初恋だったから……」
またしても思いがけない返答だった。
愛し合う二人、抱き合う事は自然な事なのであった。
のびた「……ごめん。愛してるよ」
二人は口づけを交わした。何度も何度も、二人の愛を確かめ合った。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:21:35.05 ID:AuwcmNmx0
――――
その後ジャイ子とは何度も何度も会い、愛し合った。
当然誰にも内緒で、だ。
彼女と結婚したい、そう思った。
しかし、あいつは離婚させてくれない。
僕の金が欲しいからだ。
愛していないあいつと離れられなくて
愛しているジャイ子はなかなか会えない
おかしいだろ。こんなの。
あいつが邪魔だ。あいつが居ると二人は結ばれない。
殺セバいいんダ
コロソウ。アイツヲ。
ヤキコロス
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスケコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:25:10.93 ID:AuwcmNmx0
――――――
とある暑い夏の日、新しく出来たばかりの会社から火の手が上がった。
建物は全焼、中からは女性の遺体が発見された。
火元は建物周辺から見つかった花火である可能性が高い。
燃え盛る炎を目の前にして写真を撮る男女が目撃されている。
現在その男女の行方を捜査中である。
新聞記事を丸めゴミ箱へ投げた。
僕の、僕だけの彼女……。
あいつだ……。間違いない……。
許さない……。
コロシテヤル……。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:27:02.77 ID:AuwcmNmx0
――――――
時は遡りのびたとドラえもん出会いの日。
ドラえもん「ふふふ、君はいつまでも不幸な目に会うんだよ!!」
のび太「えー。そりゃないよぉ!!」
ドラえもんがのび太に見せたアルバム、その1枚は明らかに浮いていた。
『1993年、会社丸焼け記念』
おわり
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:33:37.09 ID:AuwcmNmx0
ドラえもん「ふふふ、のび太君は本当に世話が焼けるんだからー」
ドラえもん「だから、最初に言ったじゃないか」
ドラえもん「未来は変わっても最終的な行先は変わらないって」
ドラえもん「未来はなかなか変えられないんだよ」
ドラえもん「ほら、またせわしくんがうるさいよ」
ドラえもん「またお爺ちゃんのとこに行けって」
ドラえもん「それじゃ、もう一回だ」
ドラえもん「次は、ジャイ子としずかちゃんどっちを選ぶんだろうね」
ドラえもん「どちらが、君にとって幸せなんだろうね」
end
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:42:40.20 ID:AuwcmNmx0
分かんない人が多そうなので補足
まず、コミックス1巻の1話の「未来の国からはるばると」でのびたとドラえもんは出会うことになる。
お前ジャイ子と結婚すっぞーやべーぞーって
その時にアルバムを見せられるんだが、その中の写真に『1993年、会社丸焼け記念』ってのがあるんだ。
そんでその時に飛行機とか新幹線でのせつめいがあるんだけど、
未来は途中経過は変わっても最終的な行先は変わんないって話なんだ。
だから、のびたがしずかちゃんと結婚してもせわしが生まれるって話なんだが。
だから、この話ではその行先を「会社焼失」に向けてみた。
たとえ、しずかちゃんと結婚しても会社焼失の運命はかえられんぞーって。
そういう話です。
じゃあな!Good night!!
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:49:33.88 ID:eHwf4KRK0
新聞見てキレてるのは出来杉だよね?
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/28(月) 23:51:38.04 ID:AuwcmNmx0
>>82
出来杉だよ〜