1 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[] 投稿日:2012/05/20(日) 14:43:33.20 ID:swtQD/9DO
時間軸は2年次の5月(驚愕終了後)
鴨川ホルモーサイドのキャラは一切登場しません。
投下頻度は不規則です。
ご了承下さい。
2 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/20(日) 14:52:36.01 ID:swtQD/9DO
5月15日(葵祭当日)
ハルヒ「SOS団は、玄武組と改称します!」
キョン「玄武組?」
ハルヒ「そう。玄武組」
古泉「玄武組って、四神相応の玄武ですか?」
ハルヒ「正解。65点」
キョン「古泉、四神相応って何だ?」
長門「北に玄武、西に白虎、南に朱雀、東に青竜」
キョン「は?」
朝比奈「4つの方角を司る神様がそれぞれ居るって話ですよ」
キョン「ついていけないの俺だけ?」
古泉「でも何でいきなり改称するんですか?」
ハルヒ「それはまだ言えないの」
3 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/20(日) 14:56:50.76 ID:swtQD/9DO
キョン「まだ言えない?何で?」
ハルヒ「そういう決まりだから」
古泉「決まり?」
ハルヒ「とにかく、7月になれば全部わかるから」
キョン「7月か………」
ハルヒ「じゃあ、今日は解散!」
キョン「早っ」
4 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/20(日) 15:02:00.05 ID:swtQD/9DO
下校中
キョン「7月か………」
朝比奈「7月ってことは………七夕でしょうか?」
古泉「おそらくそうでしょう」
長門「違う」
キョン「違う?」
古泉「他に何がありますか?」
長門「7月16日、祗園祭宵山」
キョン「は?」
朝比奈「祗園祭?」
古泉「もしかして何か見当がついているのですか?」
長門「そう」
キョン「教えてくれ」
長門「今はまだ言えない」
5 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/20(日) 18:05:18.05 ID:swtQD/9DO
7月16日 午後7時
キョン「何だよ、いきなり集合なんかかけて」
朝比奈「しかも何で涼宮さんが来てないんですか!」
古泉「場所もいつもと違いますし」
キョン「門戸厄神駅なんか初めて来たぞ」
長門「………」
キョン「お前は全部わかっているんだよな?」
長門「そう」
キョン「あ、ハルヒ来た」
ハルヒ「古泉くん、みくるちゃん、有希、キョン」
ハルヒ「本日午後7時をもって、宵山協定の解除を宣言します!」
7 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/21(月) 16:39:24.79 ID:OBf+/yUDO
キョン「宵山協定?」
ハルヒ「ごめんね、今まで言えなくて」
ハルヒ「でも仕方がなかったの。そういう決まりだから」
古泉「僕には全く話がわかりません」
キョン「ハルヒ、お前は何をしようとしているんだ?」
朝比奈「説明してください。涼宮さんが何をしようとしているのか」
ハルヒ「………そうね、そうするわ」
8 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/21(月) 16:48:15.11 ID:OBf+/yUDO
ハルヒ「今から1000年前」
ハルヒ「ひとつの競技が誕生した」
ハルヒ「その競技は、1チーム10人の競技者が、それぞれ100体の鬼を使役して行われ」
ハルヒ「先に全滅した方が負けとされた」
ハルヒ「ホルモーと呼ばれていたその競技は」
ハルヒ「かつて4チームによるリーグが存在し」
ハルヒ「京都市内で争われていた」
ハルヒ「しかし戦時の混乱でリーグは消滅」←オリジナル設定
ハルヒ「ホルモーが争われることはなくなった」
9 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/21(月) 16:55:22.33 ID:OBf+/yUDO
ハルヒ「最初にホルモーが誕生してから、今年でちょうど1000年」
ハルヒ「あたしたちの手でホルモーを復活させましょう!」
キョン「は?」
朝比奈「ホルモー?」
ハルヒ「あ、対戦相手なら心配しないで」
ハルヒ「もう声をかけてあるから」
キョン「いや、そこじゃない」
朝比奈「鬼なんてものが存在するんですか?」
古泉「ましてそれを僕たちが操るなんて」
ハルヒ「あるものはあるの」
長門「間違いなくある」
キョン「今日ばかりは長門も信用できないな」
長門「信じて」
古泉「そう言われても……」
11 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/22(火) 12:45:45.12 ID:uTerJ40DO
ハルヒ「さ、そろそろ出発するわよ。切符買って」
古泉「どこまで?」
ハルヒ「北口まで」
キョン「歩いて行けよ」
ハルヒ「それは駄目。これから『北口駅の会』なんだから」
キョン「は?」
ハルヒ「要するに顔合わせよ」
12 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/22(火) 12:49:38.09 ID:uTerJ40DO
ハルヒ「京都でやってた頃は『四条烏丸交差点の会』って言って」
ハルヒ「交差点の北から玄武組、西から白虎隊、南からフェニックス、東から青竜会が、それぞれ歩いてきたらしいの」
ハルヒ「今回あたしたちは、北口駅を基準にして」
ハルヒ「北から玄武組、西から白虎隊、南からフェニックス、東から青竜会が入場することにしたわ」
朝比奈「それで門戸厄神に集合したんですか………」
ハルヒ「そういうこと」
キョン「誰も来なかったら帰り奢ってもらうからな」
ハルヒ「来るわよ」
キョン「絶対?」
ハルヒ「もちろん」
13 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/22(火) 12:56:20.31 ID:uTerJ40DO
《まもなく、西宮北口、西宮北口。終点です》
ハルヒ「みんな、今から『北口駅の会』が終わるまで、私語禁止ね」
朝比奈「はあ………」
ハルヒ「キョン、あんたにいってんのよ」
キョン「わかってるよ」
北口駅到着
2階コンコース
ハルヒ「今から『北口駅の会を始めます』
ハルヒ「北高校玄武組、5名」
九曜「光陽園女子高校白虎隊、5名」
橘京子「臨海商業高校フェニックス、5名」
佐々木「尼崎学園高校青竜会、5名」
ハルヒ「以上で『北口駅の会』を終わります」
16 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/22(火) 17:15:00.82 ID:uTerJ40DO
駅前の喫茶店
キョン「お前ら」
佐々木「何だい?」
キョン「何でお前らがここに居るんだ」
橘「私も最初に聞いた時は驚いたわ」
佐々木「まさか鬼を使って闘うなんて」
橘「でも、涼宮さんのことだから、軽々とやってのけるんじゃないかと」
キョン「お前ら、あの話を信用するのか?」
佐々木「結局は、好奇心に負けたのさ」
九曜「鬼は―――存在する―――」
佐々木「ほら、周防さんもこう言ってるし」
キョン「俺は信用できないな」
17 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/05/22(火) 23:02:26.10 ID:uTerJ40DO
一応書いておきます
このSSは実在の人物、団体、施設、学校、神社等とは
一切関係がありません
18 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/23(水) 16:57:01.38 ID:v8lnSTGDO
翌日 文芸部室
ハルヒ「はぁーーー、どうしようかしら」
キョン「どうしたんだ?」
ハルヒ「あのね、ホルモーが鬼を使役して闘う競技だってのはわかったんだけど」
ハルヒ「どうやって使役するのかがわからないのよ」
キョン「贅沢な悩みだな」
ハルヒ「何か暗号でもあるのかしら。それともジェスチャー?」
キョン「俺は鬼の存在自体が信じられない」
ハルヒ「それは駄目よ。ホルモーは5人で闘うんだから」
ハルヒ「本当は10人なんだけど、今回は5人にするわ」
19 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/23(水) 17:08:21.14 ID:v8lnSTGDO
キョン「どっちでもいい」
ハルヒ「よくないわよ。10人だったらあと5人集めないといけないじゃない」
キョン「今のところ1人しか集まってないけどな」
古泉「それより涼宮さん、何でさっきから本棚をあさっているのですか?」
ハルヒ「ん?調べものよ」
朝比奈「ホルモー絡みのですか?」
ハルヒ「そうよ。有希の本に何か書いてないかなって」
長門「無い」
ハルヒ「見てもないのに決めつけないの」
長門「見た」
ハルヒ「見落としがあるかもしれないじゃない」
長門「わたしが見落とすなど有り得ない」
20 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/23(水) 17:14:38.23 ID:v8lnSTGDO
古泉「まあ確かに、長門さんが見落とすとは考えられないですね」
キョン「同感だな」
ハルヒ「あった!」
長門「………え?」
朝比奈「何があったんですか?」
ハルヒ「こういうのを探してたのよ」
キョン「こんなホチキスで綴じただけの?」
ハルヒ「これだけあれば充分でしょ」
古泉「まあ確かに………」
キョン「やりやがったな」
《ホルモーを競う者たちへ》
京都産業大学玄武組
21 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/05/23(水) 17:16:35.43 ID:v8lnSTGDO
京都産業大学は戦後にできた大学ですが
今回はそのあたり無視します
23 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/24(木) 16:41:55.84 ID:9Bg0uhpDO
キョン「長門」
長門「何?」
キョン「何で今まで気付かなかった?」
長門「無かった」
キョン「は?」
長門「昨日の時点ではこの冊子は存在しなかった」
キョン「………というと?」
長門「涼宮ハルヒの能力の産物」
キョン「やっぱりか………」
ハルヒ「ちょっと!何こそこそ話してんのよ!」
キョン「何だ、いきなり」
ハルヒ「このページを見なさい」
キョン「は?何だこれ………」
朝比奈「平仮名の羅列だというのはわかりますが」
24 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/24(木) 16:57:53.49 ID:9Bg0uhpDO
ハルヒ「これは鬼語よ」
古泉「鬼語?」
ハルヒ「鬼を使役するのに使うんだって」
朝比奈「暗号みたいな認識でいいですか?」
ハルヒ「いいんじゃない?」
長門「それは暗号ではない。言葉」
キョン「一緒だろ」
長門「一緒にしないで」
ハルヒ「とにかく、これを覚えないと話にならないのよ」
キョン「というより、それを覚えたら話になるのか?」
ハルヒ「当たり前じゃない」
古泉「そもそも本当に鬼というものが居るのでしょうか」
長門「根本から否定しないで」
25 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/24(木) 17:04:35.82 ID:9Bg0uhpDO
ハルヒ「鬼は居るわ。今は見えないだけよ」
キョン「何だその詐欺師みたいな言い方は」
朝比奈「本当に居るなら見せてくださいよ!」
ハルヒ「あのね、それも書いてあったんだけど」
ハルヒ「鬼が見えるようになるためには、『代替わりの儀』ってのをやらないといけないんだって」
古泉「だったらやればいいじゃないですか」
ハルヒ「でもその時点で鬼語をマスターしてないと、代替わりが認められないとか………」
キョン「お前もわかってないじゃねーか」
ハルヒ「とにかく鬼語をマスターすることが最優先なのよ」
26 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/24(木) 17:09:44.57 ID:9Bg0uhpDO
ハルヒ「決めた!」
朝比奈「何をですか?」
ハルヒ「今年の合宿は、鬼語を覚えることにするわ」
キョン「は?」
ハルヒ「じゃあ22日、つまり夏休み初日」
ハルヒ「9時に有希の家に集合!」
キョン「おい………」
長門「問題ない。食事と寝床は用意する」
キョン「泊まりなのか?」
ハルヒ「4泊5日よ」
27 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/25(金) 16:57:09.67 ID:pHIG9MPDO
7月22日 長門宅
ハルヒ「おっそーい!」
キョン「まだ8時前だぞ?」
ハルヒ「最後に来た人は罰金」
長門「食事は用意してある」
ハルヒ「あっ、そうだったわね」
古泉「というか、本当にやるんですか?」
朝比奈「鬼が居るのかどうかもわからないのに」
ハルヒ「だから、鬼は居るの!」
キョン「証拠は?」
ハルヒ「鬼語を覚えたら」
キョン「出たよこういうの」
28 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/25(金) 17:06:32.90 ID:pHIG9MPDO
ハルヒ「さ、例の冊子は用意したわ」
ハルヒ「ここに書いてある鬼語を全部覚えるのよ」
キョン「何だ?『ぐああいっぎうえぇ』?」
ハルヒ「あ、それは『進め』って意味ね」
古泉「何ですか、この平仮名の羅列は」
ハルヒ「だからそれが鬼語だって言ってるじゃない」
キョン「お前読んでみろよ」
ハルヒ「ぐああ……い……ぎう……え」
キョン「お前も読めないのか」
ハルヒ「だって文字だけでわかるわけないでしょ」
長門「ぐああいっぎうえぇ」
朝比奈「………え?」
長門「これが正確な発音」
29 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/25(金) 17:20:39.36 ID:pHIG9MPDO
ハルヒ「有希?どうしちゃったのよ」
長門「わたしはただ鬼語を正確に発音しているだけ」
ハルヒ「なるほど………これが鬼語なのね」
キョン「俺は納得しないぞ」
ハルヒ「でも他に手掛かりもないし」
ハルヒ「これで行きましょう」
Yuki.N>情報統合思念体はこの宇宙の全情報を持っている。
Kyon>うん。だから?
Yuki.N>鬼語の情報も当然持っている。
Kyon>うーん………
Yuki.N>信用できない?
Kyon>当たり前だろう。
30 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/26(土) 10:08:02.04 ID:YRlItrXDO
7月26日 午後5時
ハルヒ「みんなもう完璧ね」
古泉「どうやって判断したらいいんでしょう?」
長門「今すぐホルモーを行っても問題ない水準」
キョン「は?」
ハルヒ「よし、解散!」
キョン「本当に大丈夫か?」
朝比奈「全く実感がないのですが」
ハルヒ「冊子はコピーしといたから、復習したかったらしといて」
キョン「復習なんかするか!」
ハルヒ「あんた………まだ信じてないのね」
31 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/26(土) 10:15:18.43 ID:YRlItrXDO
8月31日 北口駅前
キョン「何だよ、いきなり呼び出して」
ハルヒ「今から『上賀茂代替わりの儀』を行います」
古泉「代替わりの儀?」
ハルヒ「あ、今回は先代が居ないから『上賀茂新設の儀』か」
キョン「いや、そういうことじゃなくて」
ハルヒ「それじゃ、今から出発するわよ」
32 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/05/26(土) 10:16:53.79 ID:YRlItrXDO
すべて京産大玄武組のやり方で行うってことで
33 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/28(月) 07:48:50.95 ID:PllqKpSDO
《次は、上賀茂神社前、上賀茂神社前、終点です》
キョン「なぜ上賀茂?」
ハルヒ「京産大時代はここでやってたのよ」
ハルヒ「せっかくだから全部京産大方式でやってみようかと」
古泉「その手に抱えてる物もそういう趣旨ですか」
ハルヒ「あ、これ?京産大から貰ってきたのよ」
キョン「どんな脅し文句を………」
上賀茂神社鳥居前
ハルヒ「いい?この鳥居をくぐったら私語禁止よ」
キョン「わかったよ」
ハルヒ「あと、1円ずつ出して」
古泉「はい?」
朝比奈「1円ですか?」
ハルヒ「お賽銭よ」
34 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/28(月) 07:55:36.46 ID:PllqKpSDO
祭壇前
ハルヒ「ただいまから、上賀茂代替わりの儀改め、上賀茂新設の儀を執り行います」
ハルヒ「わたくしは、兵庫県立北高等学校玄武組初代会長、涼宮ハルヒ」
ハルヒ「コースは普通コース、住所は兵庫県西宮市(以下略)」
ハルヒ「本日は我々北高校玄武組を、京都産業大学玄武組に替わる新たなホルモー団体として認めていただきたく、お願いに参りました」
ハルヒ「ここに京都の銘酒『玉乃光』と、京都産業大学玄武組に伝わっていた舞を奉納いたします」
36 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/28(月) 16:42:18.29 ID:PllqKpSDO
ハルヒ「それじゃ、これに着替えて」
キョン(スキーウェア?)
朝比奈(なぜかスキー靴と板も)
古泉(いったいどんな舞を………)
ハルヒ「4から始めます」
〈『スキー』時雨音羽〉
ハルヒ「じゃあ最初の服装に戻って」
キョン(なんだ今の舞は)
朝比奈(なぜスキーの歌?)
ハルヒ「みんな、祭壇の前に並んで」
ハルヒ「せいっ」一円玉を投げる
ハルヒ「我々北高校玄武組5名、京都産業大学玄武組に替わる新たなホルモー団体としてお認めください」
37 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/28(月) 16:50:48.18 ID:PllqKpSDO
ハルヒ「以上で『上賀茂新設の儀』を終了します」
ハルヒ「北高校玄武組は京産大に替わる新たなホルモー団体として認められました」
朝比奈「………はい?」
ハルヒ「あれ?あんたたち、まだ信じてないの?」
古泉「鬼をこの目で見ない限り、信じられません」
ハルヒ「それならもう見えてるわよ」
キョン「………は?」
ハルヒ「後ろに居るでしょ」
朝比奈「後ろ………ひゃっ!」
キョン「何だ、あれは!」
オニ「きゅきゅきゅきゅ」
38 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/29(火) 13:22:19.06 ID:ksOzJGXDO
9月1日(2学期初日)
始業前の教室
キョン「何だったんだ、あれは………」
ハルヒ「何の話?」
キョン「後ろを向いたらいきなり変な生物が………」
ハルヒ「あいつらがあんたを認めてくれた証拠よ」
キョン「そもそもあいつらは何者なんだ?」
ハルヒ「は?何を今さら?」
ハルヒ「あいつらと一緒にホルモーをやるのよ」
キョン「………は?」
ハルヒ「あんたはあいつらを使役して闘わせるの」
キョン「………」
39 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/29(火) 13:28:36.82 ID:ksOzJGXDO
ハルヒ「あ、そだ」
キョン「何だ?」
ハルヒ「最初のリーグは来週から始めることにしたわ」
キョン「来週から?」
ハルヒ「そ。2学期の内に前半3回戦、3学期に入って後半3回戦」
キョン「全部で6試合ってことは?」
ハルヒ「同じ相手と2回ずつやるの。ホームアンドアウェー方式ね」
キョン「なるほど」
ハルヒ「だから来週までには完璧に使役できるようにしときなさい」
キョン「わかったよ」
40 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:13:48.63 ID:3Kp4UK1DO
翌週月曜日 放課後
キョン「そういえば朝比奈さんは信じたんですか?」
朝比奈「………何の話でしょう?」
キョン「鬼やら何やらを使って闘うという」
朝比奈「正直信じたくないんですけど………」
朝比奈「あれを見せられたら信じるしかないでしょう」
キョン「はぁ………」
古泉「どうしたんですか?」
キョン「何かとんでもないことに巻き込まれた気が………」
古泉「とんでもないこと、ですか」
キョン「超能力者とか宇宙人とかとは次元の違う何かに」
長門「次元は同じ。情報統合思念体も観測できている」
41 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:25:04.55 ID:3Kp4UK1DO
キョン「そういや長門は最初から知ってたんだよな」
長門「当然」
キョン「すまん。今まで信じられなくて」
長門「仕方ない。あれを見ずして信じることなど不可能」
古泉「てことは、長門さんは京都のリーグも知ってるんですか?」
長門「情報統合思念体はこの宇宙の出来事を全て知っている」
長門「そのリーグは京都産業大学玄武組、立命館大学白虎隊、龍谷大学フェニックス、京都大学青竜会の4団体で争われていた」
長門「毎年の優勝団体は翌年の葵祭路頭の儀で先頭を歩く権利が」
キョン「その変にしてくれ」
42 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:34:16.35 ID:3Kp4UK1DO
バタン
ハルヒ「ごめんみんな、遅くなっちゃって」
キョン「どこ行ってたんだ!」
古泉「もう4時半ですよ?」
長門「北口駅前」
ハルヒ「よくわかったわね」
朝比奈「一人で何してたんですか?」
ハルヒ「一人じゃないわよ。他の団体の代表も来てたわ」
キョン「他の団体ってことは、ホルモー絡みの?」
ハルヒ「そうよ。抽選会をやってたの」
古泉「抽選会?」
ハルヒ「あっ、言ってなかったわね」
ハルヒ「最初のリーグは今度の土曜から始めるの」
ハルヒ「2学期の内に前半3回戦、3学期に後半3回戦ね」
43 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:41:30.58 ID:3Kp4UK1DO
古泉「6回戦ってことは、ホームアンドアウェー方式ですか」
ハルヒ「そうよ」
朝比奈「ホームアンドアウェー方式って何ですか?」
古泉「同じ相手と2回ずつ戦うんです」
古泉「1回は自分の本拠で、1回は相手の本拠で」
朝比奈「なるほど」
ハルヒ「ちょっと違うわ」
古泉「どこが違うんですか?」
ハルヒ「ホームの時は、自分で会場を決められるのよ」
ハルヒ「アウェーの時は、相手が決めた会場で戦うの」
古泉「なるほど」
キョン「ホームの時は、自由に決められるのか」
ハルヒ「車道と神社以外はね」
44 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:50:12.94 ID:3Kp4UK1DO
キョン「で、肝心の組み合わせはどうなったんだ?」
ハルヒ「とりあえず今日は前半戦だけ」
ハルヒ「後半戦は冬休みに決めるわ」
〈前半戦組み合わせ〉
左がホーム
1回戦
県立北―尼崎学園
光陽園女子―臨海商業
2回戦
臨海商業―県立北
光陽園女子―尼崎学園
3回戦
県立北―光陽園女子
尼崎学園―臨海商業
キョン「1回戦は佐々木のとこか」
古泉「場所はどうするんですか?」
ハルヒ「場所?」
古泉「ほら、ホームですから」
ハルヒ「それなら心配いらないわ。とっておきの会場を用意してあるから」
45 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/05/30(水) 17:51:48.07 ID:3Kp4UK1DO
原作ではまだ中盤ですが
このSSはそろそろ終盤です
46 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:00:23.26 ID:veJSBZ+DO
土曜日 午前9時
ハルヒ「みんな揃ってる?」
古泉「揃ってます」
ハルヒ「それじゃ今から、北口ホルモー1回戦の対戦会場へ向かいます」
キョン「一つ聞いていいか?」
ハルヒ「何?」
キョン「なぜ光陽園駅に集合したんだ?」
朝比奈「いつもは北口でしたよね」
ハルヒ「柏堂神社に寄ってから行くの」
キョン「柏堂神社?」
古泉「なぜ寄り道を?」
ハルヒ「仮に直接会場に行ったとして、連中は居ないわよ?」
ハルヒ「あたしたちだけでどうやって闘うのよ」
古泉「なるほど」
キョン「わからん」
47 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:08:23.76 ID:veJSBZ+DO
柏堂神社
ハルヒ「キョン、そっちを見なさい」
ハルヒ「そこに連中が居るでしょ」
キョン「ああ、あいつらか」
ハルヒ「あいつらを会場まで連れていくのよ」
キョン「なるほど」
ハルヒ「ったく、あんたはどんだけバカなのよ」
古泉「涼宮さん、さっさと済ませましょう」
ハルヒ「言われなくてもそうするわよ」
ハルヒ「我々は今から、尼崎学園高校青竜会と、ホルモーを競いたく存じます」
ハルヒ「つきましては、会場である東中学校までご同行ください」
48 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:15:58.48 ID:veJSBZ+DO
キョン「すごいな。本当に付いてきた」
ハルヒ「この程度で感心しないで」
ハルヒ「それよりキョン、レーズンは持ってきたんでしょうね」
キョン「あんなにしつこく電話されたら誰でも持ってくるだろ」
ハルヒ「忘れてないでしょうね!」
キョン「だから持ってきたって」
ハルヒ「どのくらい?」
キョン「2袋」
ハルヒ「うん、充分ね」
ハルヒ「あ、着いたわよ」
古泉「東中学校ですか………」
49 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:28:51.52 ID:veJSBZ+DO
朝比奈「………あれ?」
ハルヒ「何よ」
朝比奈「体育祭やってませんか?」
ハルヒ「それぐらいわかってるわよ」
キョン「じゃあどこでやるんだ?」
古泉「端の方でこそこそと?」
ハルヒ「そんなわけないでしょ」
キョン「じゃあどこで?」
ハルヒ「それより青竜会はまだなの?」
キョン「話をそらすな」
ハルヒ「青竜会が来たら教えるわ」
佐々木「おーいキョン」
キョン「おっ」
ハルヒ「来たみたいね」
50 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:35:53.18 ID:veJSBZ+DO
キョン「さて、青竜会も来たことだし」
キョン「そろそろ始めるか」
ハルヒ「待って」
キョン「何だ?」
ハルヒ「裁定人!」
古泉「裁定人?」
長門「審判のこと」
ハルヒ「光陽園女子の九曜ちゃんに頼んであるんだけど………」
古泉「見当たりませんね………」
朝比奈「………」
九曜「――――――居る」
ハルヒ「ひゃっ!」
キョン「いつから居た!」
九曜「―――――4分―――17秒前――――」
51 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:42:17.53 ID:veJSBZ+DO
ハルヒ「さて、これで全員揃ったわね」
ハルヒ「対戦会場に移動しましょう」
佐々木「あれ?ここじゃないの?」
九曜「東―――中学校と―――聞いた―――――」
ハルヒ「東中学校よ。それは間違いないわ」
朝比奈「裏庭?」
ハルヒ「違う」
キョン「じゃあどこなんだ!」
ハルヒ「説明してもわかんないわよ」
古泉「だったら早く連れてってください」
ハルヒ「わかったわ」
ハルヒ「それじゃみんな、目を閉じて」
キョン「は?」
ハルヒ「いいから目を閉じなさい!」
キョン「わかったよ」
52 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 11:48:41.11 ID:veJSBZ+DO
ハルヒ「目を開けていいわ」
キョン「………………ん?」
佐々木「ここは………?」
古泉「閉鎖………空間………?」
ハルヒ「閉鎖空間って言うの?」
古泉「なぜ涼宮さんが………」
ハルヒ「それよりどうして古泉くんが知ってるのよ」
長門「細かいことは気にしない」
ハルヒ「有希?」
長門「わたしという個体は早くホルモーを行いたくてうずうずしている」
キョン「そうか、長門は1000年前から………」
ハルヒ「何?」
キョン「いや、何でもない」
53 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/06/02(土) 11:51:42.46 ID:veJSBZ+DO
この対戦が終わったあたりで終了の予定です
54 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 13:09:19.75 ID:veJSBZ+DO
ハルヒ「作戦を指示するわ」
古泉「作戦なんかあるんですか?」
ハルヒ「これは北口ホルモー開幕戦なのよ?」
ハルヒ「しかも西宮リーグの開幕戦でもあるのよ」
ハルヒ「なんとしても勝たなきゃいけないの」
キョン「1人でテンション上げるな」
長門「………」
キョン「すまん、2人だったな」
ハルヒ「作戦を指示するわ」
ハルヒ「前線はあたし、有希、古泉くん」
ハルヒ「みくるちゃんは補給部隊」
ハルヒ「キョンは………みくるちゃんの護衛でもしてて」
キョン「今考えただろ」
55 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/02(土) 13:11:39.64 ID:veJSBZ+DO
九曜「――――終わった?」
ハルヒ「OK」
九曜「3丈――――離れて―――――」
九曜「始め」
57 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 11:30:42.24 ID:ZUV9HDMDO
前線一同「装備、展開」
キョン「装備」
ハルヒ「前進!」
キョン(久しぶりだな、こういうの)
キョン(まあハルヒが楽しそうで何よりだ)
ハルヒ「みくるちゃん、救援お願い!」
朝比奈「わかりました」
キョン(朝比奈さんもまあ頑張ってるし)
長門「左へ展開」
キョン(長門はコンピ研とのゲーム対決以来の笑顔だな)
古泉「よし、3人で囲い込みましょう」
キョン(古泉は作戦を練るのが得意なのか)
キョン(そういや特進クラスだったな)
58 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 14:23:37.50 ID:ZUV9HDMDO
ハルヒ「ちょっと!何ボーっとしてんの!」
キョン「ボーっとしてねーよ」
ハルヒ「後衛だからって油断しないで」
古泉「涼宮さん」
ハルヒ「いい?前線が突破されたら、あんたが守るんだから」
古泉「涼宮さん!何してるんですか!」
ハルヒ「何よ。油断してるやつがいたから叱ってるのよ」
古泉「突破されてます」
ハルヒ「!」
長門「他人には油断するなと言いながら、自分が油断していることに気付かず」
長門「気付いたときには自軍は残り18体」
ハルヒ「みくるちゃん!救援!」
古泉「もう手遅れです」
59 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 14:36:09.65 ID:ZUV9HDMDO
長門「残り9体」
ハルヒ「全隊復活しなさい!」
長門「不可能。かつ反則」
ハルヒ「もうどうしたらいいのよ」
古泉「どうしようもないとしか言えませんね」
長門「残り1体………」
オニ「ぴゅろお」
朝比奈「全滅しちゃいました………」
ハルヒ「しょうがないわ。キョン、前線に入って」
キョン「切り替え早いな。展開」
古泉「3人で囲い込んで………涼宮さん?」
キョン「何してんだ?」
朝比奈「呼吸が苦しいんですか?」
長門「問題ない」
ハルヒ「ホルモオオオォォォーーーッ」
60 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 15:11:05.50 ID:ZUV9HDMDO
翌週月曜日 放課後
キョン「」コンコン
ハルヒ「入っていいわよ」
バタン
キョン「あれ、ハルヒ?早いな」
ハルヒ「早く来たらいけなかった?」
キョン「そういうわけじゃないけどさ」
バタン
古泉「あれ?涼宮さん?」
ハルヒ「古泉くんまで何よ」
古泉「何してるんですか?」
ハルヒ「荷物まとめてんの」
古泉「荷物?何の?」
ハルヒ「今日持って帰るのよ」
バタン
朝比奈「………涼宮さん?」
ハルヒ「みくるちゃん?」
朝比奈「頭大丈夫ですか?」
ハルヒ「みくるちゃんまで?」
61 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 15:21:30.46 ID:ZUV9HDMDO
バタン
長門「………」
ハルヒ「みんな揃ったわね」
キョン「何だ?おもむろに」
古泉「2回戦の作戦会議じゃないですか?」
朝比奈「1回戦は負けちゃいましたからね」
ハルヒ「………」
キョン「どうした?」
ハルヒ「………あたしは今日をもって、玄武組を脱退します」
キョン「………え?」
ハルヒ「今までありがとうございました!」
キョン「ちょっと待て!もう一度考え直してくれ!」
朝比奈「涼宮さんのいない玄武組なんて………」
古泉「そもそもなぜ辞めようと思ったのですか?」
62 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 15:32:35.12 ID:ZUV9HDMDO
ハルヒ「わかんないわ」
古泉「わからない?」
ハルヒ「理由なんてわかんない。ただ辞めたくなったのよ」
古泉「そんな論理は通用しませんよ」
キョン「というかホルモーは?来週2回戦だろ?」
ハルヒ「鶴屋さんでも入れれば?」
朝比奈「無理ですよ」
古泉「鬼語を覚えている人でないと」
長門「朝倉涼子を再構成する」
朝比奈「朝倉さん?」
長門「情報統合思念体は鬼語を知っている」
長門「涼宮ハルヒは安心して脱退できる」
63 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 15:46:26.36 ID:ZUV9HDMDO
ハルヒ「朝倉が戻ってくるの?なら安心ね」
古泉「涼宮さん!」
ハルヒ「今までありがとう」
バタン
キョン「ハルヒ………」
古泉「涼宮さん………」
長門「競技から脱落し『ホルモー』を叫んだ人は」
長門「その人にとって大切なものをひとつ失う」
古泉「長門さん?」
長門「涼宮ハルヒにとって、我々は数少ない友人」
長門「玄武組が『大切なもの』と認識されていた可能性は高い」
古泉「そうですか………」
キョン「大切なもの、か」
64 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[saga] 投稿日:2012/06/03(日) 15:54:01.75 ID:ZUV9HDMDO
キョン「ハルヒ、もう会えないのかな………」
長門「会えないわけではない」
キョン「え?」
長門「彼女は玄武組を脱退しただけ。退学したわけではない」
長門「授業では今まで通り会える」
キョン「本当か?」
古泉「よかったじゃないですか」
長門「今年の文化祭」
長門「5人で会えることを楽しみにしている」
以上
65 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/06/03(日) 15:56:06.49 ID:ZUV9HDMDO
これで完結にします。
ありがとうございました。
67 名前: ◆bAhrEdp2HS5d[sage] 投稿日:2012/06/03(日) 22:39:05.69 ID:ZUV9HDMDO
終わらせ方がわからなくなってしまいました。
完結というよりは打ち切りに近い感覚です。
ご了承ください。