1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 14:40:15.67 ID:rU1j9tIH0
目暮「本当かね、工藤君!?」
新一「ええ、これをよく見てください」
目暮「これは……」
高木「"米花スーパー16:00タイムセール"?」
目暮「一体どういうことなんだね!?」
新一「非常に複雑なメッセージですが答えは簡単です」
新一「つまり……本日米花スーパーで16:00からタイムセールが始まるということです!」
目暮「なにぃ!?今何時だ!」
高木「午後3時50分です」
目暮「緊急配備だ!米花スーパーへ急げ!」
高木「はい!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 14:50:12.49 ID:rU1j9tIH0
高木「もしもし、現場到着しました!」
目暮『状況は?』
高木『どうもこうもないですよ、凄い人だかりです!』
目暮「だそうだ」
新一「そうですか……」
高木『メッセージの続きには何と?』
目暮「人参、玉葱、じゃがいも、大蒜、生姜、牛肉と書かれてある」
高木『さっぱり分かりませんね……』
新一「!」
新一「これも暗号です!つまり人参、玉葱、じゃがいも、大蒜、生姜、牛肉を購入しろと言うメッセージなんだ!」
目暮「なるほど、でかしたぞ工藤君!」
高木『分かりました、購入に踏み切ります!』
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:03:51.06 ID:rU1j9tIH0
高木「ただ今戻りました……」
目暮「ご苦労だったな」
新一「高木刑事、メッセージの品は?」
高木「それが……あと一歩の所で大蒜を取り逃がしてしまいした」
目暮「なにぃっ!?」
高木「すみません……僕が目を離したばっかりに」
目暮「クソッ、なんという事だ!」
新一「それより、このまま真相を追うのが先決です」
目暮「そ、そうだな……しかし」
目暮「これらの食材が一体何を意味しているのか……」
高木「皆目見当が付きませんね」
新一「……これは!」
目暮「!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:08:09.89 ID:rU1j9tIH0
高木「何か気づいたんですか!?」
新一「ええ、レシートの並びを見てください」
目暮「レシート?」
新一「ええ、一発で分かりましたよ」
目暮「ええい、もったいぶらずに教えてくれ!」
新一「この食材が示すもの……それは!」
高木「それは……?」
新一「ズバリ、カレーだ!」
目暮「!」
高木「!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:18:44.94 ID:rU1j9tIH0
目暮「な、なるほど!」
高木「全くの予想外です、そんな事が……」
新一「確かに、この食材だけで判断するのは至難の業です」
高木「じゃあどうやって……」
新一「これですよ」
目暮「それは……カレーのルーか!」
新一「ええ、固形タイプの市販品です」
高木「そんなもの、一体どこに?」
新一「この戸棚の中に入っていましたよ」
高木「使いかけのようですね……そ、そうか!」
新一「ええ、この食材は余ったルーを処分する為の物だということです」
高木「なるほど!それなら辻褄が合いますね」
新一「そして、一見意味深なレシートの並びには何の意味も無かった」
目暮「よし、早速調理に取り掛かろう!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:24:50.19 ID:rU1j9tIH0
新一「警部は鍋の準備を、高木刑事には食材の皮剥きをお願いします」
目暮「任せろ!」
高木「はい!」
新一「……」
新一(おかしい、やっぱりおかしい)
新一(さっきから何かが……そう)
新一(何かが引っ掛かる……このモヤモヤは一体?)
高木「うわああああああああああああああ!」
新一「!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:33:02.34 ID:rU1j9tIH0
高木「あ、あ……」
目暮「高木君、どうしたんだね!?」
高木「た、玉葱が……」
新一「一体何があったんです!?」
目暮「玉葱がどうしたと言うのだ!」
高木「玉葱が……剥いても剥いても皮だらけなんです!」
新一「!」
目暮「何いぃぃぃっ!?」
高木「僕は……僕はなんて事をっ!」
新一「高木刑事、落ち着いてください!」
目暮「こんな不可解な現象が起きるとは……」
新一「……!」
新一「そうか、わかったぞ!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:49:02.59 ID:rU1j9tIH0
目暮「本当かね!?」
新一「ええ、高木刑事が勘違いした部位は皮なんかじゃない……玉葱の葉だったんですよ!」
高木「ええっ!?」
新一「玉葱は芯とそれを覆う葉から成り立つ植物」
新一「皮は茶色い部分だけを指すんですよ」
目暮「これは盲点だったな」
高木「そうか、そうだったのか!」
目暮「しかし君は何でも知っているんだな」
新一「先日、たまたま目を通した文献に載っていただけですよ」
目暮「何はともあれ、調理再開だ!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 15:58:14.69 ID:rU1j9tIH0
新一(どうにか下ごしらえは終わった)
新一(後は何事も起こらなければいいが……)
目暮「し、しまった!」
新一「!」
高木「警部!」
新一(警部は炒め物担当のはず、一体何が……!)
目暮「火力が!火力が強すぎる!」
高木「これは……さっきの玉葱ですか!?」
目暮「ああ、このままでは飴色になる前に焦げてしまう!」
高木「は、早く何とかしないと!」
目暮「いかん、爆弾処理班はまだか!?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 16:11:13.14 ID:rU1j9tIH0
新一「警部!」
目暮「新一君か!」
新一「これは……いますぐ火を弱めないと!」
目暮「残念ながらもう手遅れのようだ……2人共、今すぐ逃げるんだ!」
新一「そんな……!」
高木「僕達が何とかします、諦めないでください!」
目暮「私の事はかまわん、今すぐこの場を離れろ!」
新一「くそっ、どうすれば!?」
新一(考えろ、考えるんだ……)
新一(何かないのか!この状況を打破する何かが!)
カチッ
目暮「……火が」
新一「弱まった……?」
高木「言ったじゃないですか、僕がなんとかするって」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 16:27:52.30 ID:rU1j9tIH0
目暮「おお……」
高木「やりましたね」
新一「ようやく完成しましたね、皆さんお疲れ様です」
目暮「ああ、君のおかげでここまで辿り着く事ができた」
高木「本当に感謝しているよ」
新一「いえ、僕は皆さんのお手伝いをしただけですから」
目暮「謙遜することはないだろう」
高木「そうだよ、君が居なければ僕は二度と玉葱を触れない体になっていたかもしれない」
目暮「あの時の顔、佐藤君にも見せてやりたかったよ」
高木「もう、やめてくださいよ〜」
目暮「はっはっはっは!」
目暮「……ちょっと待ってくれ」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 16:42:31.98 ID:rU1j9tIH0
高木「もう、そんな怖い顔してどうしたんですか?」
目暮「よく考えてみろ、これまでの我々の行動を」
高木「え?」
目暮「まず我々はこのダイニングメッセージを基にスーパーへと向かった」
高木「はぁ……」
目暮「そして手に入れた食品とカレールーから導き出された料理が今ここにある」
高木「それがどうしたんですか?」
目暮「先が無いんだよ……ここから先の手がかりが!」
高木「はっ!」
目暮「また振り出しに戻ったか……」
高木「そんなぁ」
新一「いえ、そうでもないみたいですよ」
目暮「!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 16:48:29.66 ID:rU1j9tIH0
目暮「今……何と言ったんだね?」
新一「ですから、まだ手がかりは残されていると言ったんです」
目暮「そんな馬鹿な、この部屋のどこ……」
高木「あ!そうか、カレーだ!」
新一「その通り」
新一「皆さんは料理を作った後、どうしますか?」
目暮「それは……まあ」
高木「食べますよね」
新一「そうです、調理したカレーを食べる事!それが次への手がかりなんです」
高木「なるほど!」
目暮「よし、食べよう!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 16:57:54.55 ID:rU1j9tIH0
目暮「うまい、うまいぞこれは!」
高木「ええ、美味しいですね」
目暮「もう少し味に深みが欲しかったが、十分満足な出来だ」
高木「大蒜さえ手に入っていればなぁ」
新一「まだまだありますから、気にしないで食べて下さいね」
高木「やっぱ玉葱あるのとないのじゃ大違いですね」
目暮「汗を流した甲斐があったよ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 17:15:26.11 ID:rU1j9tIH0
目暮「いやぁ〜食った食った」
高木「もう入らない……」
新一「素晴らしい食べっぷりでしたよ」
高木「ジャーも空っぽになっちゃいましたね」
目暮「……で、その手がかりとは?」
高木「ああそうだ!つい忘れる所でしたよ」
新一「フフ、単純なことですよ」
新一「皆さんは料理を食べた後、どうしますか?」
目暮「それは……まあ」
高木「くつろぎますよね」
新一「そうです、部屋でゴロゴロくつろぐ事が次への手がかりなんです」
高木「なるほど!」
目暮「よし、くつろぐぞ!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 17:30:57.47 ID:rU1j9tIH0
目暮「相撲をやっとるみたいだな」ピッ
高木「野球にしましょうよ」
新一「サッカー観ませんか?」
高木「あちゃー、叩き込み喰らっちゃいましたよ」
目暮「油断しとるからこうなる」
新一「怪我抱えてるから急がざるを得ないんですよ」
高木「相撲は難しいですねー、次野球いいですか?」
目暮「好きにしろ、ちょっと便所に行ってくる」スタッ
目暮「……ん?」
目暮「おや、これは……!」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/19(土) 17:47:05.62 ID:rU1j9tIH0
高木「どうしたんですか?」
目暮「テーブルを見ろ……いいからテーブルを見るんだ!」
新一「これは!」
高木「さ、皿が3つ……スプーンとコップも3つずつありますね」
目暮「それも何かを食べた形跡がある」
高木「米粒と茶色の付着物からして、確かに……いったい誰が?」
目暮「分からん、どういうことなんだ……」
新一「大変です、キッチンに鍋と炊飯ジャーが!」
目暮「何!?」
新一「中身は殆ど空で特定は出来ませんが、誰かがここで何かを作っていたようですね」
目暮「なんだこの旨そうな香りは……」
新一「それと、キッチンでこんな物を見つけました」
高木「メモ用紙ですか?」
新一「これは……ダイニングメッセージです!」
おわり