8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/09(水) 23:23:41.00 ID:KhV9VMow0
ハルヒ「人生に疲れた……」
ハルヒ「毎日毎日深夜までサービス残業……」
ハルヒ「土日も祝日もへったくれもない……」
ハルヒ「ブラック企業だなんて、知らなかったんだもの」
ハルヒ「かといってやめても次の仕事見つからないし」
ハルヒ「今更親のスネかじるのも……」
ハルヒ「家庭に入るって言ったって相手どころか出会いもないし」
ハルヒ「そもそもお休みないし……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「あれ……あたしなんで生きてるんだっけ」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/09(水) 23:29:05.75 ID:KhV9VMow0
ハルヒ「お腹空いたな……」
ハルヒ「帰っても冷蔵庫のなか何にもないし」
ハルヒ「こんな時間に開いてるのなんてファミレスか牛丼屋くらいだし」
ハルヒ「……」
ハルヒ「コンビニでお弁当買って帰ろ……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「ああ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/09(水) 23:33:06.22 ID:KhV9VMow0
ハルヒ「月がきれいだな……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「なんか昔のこと思い出しちゃった」
ハルヒ「有希の家の屋上で天体観測とかしたわね……」
ハルヒ「SOS団、か」
ハルヒ「……ああ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/09(水) 23:38:34.70 ID:KhV9VMow0
キョン「……」
佐々木「どうしたんだい、キョン」
キョン「ん、ああ。随分月が大きく見えると思ってな」
佐々木「スーパームーン現象だね。なかなかに幻想的じゃないか」
キョン「そうだな」
佐々木「でも」
キョン「ん?」
佐々木「旧友との久しぶりの再会だっていうのに、話くらい真面目に聞いてくれてもいいんじゃないかな?」
キョン「あ、いや。その、すまん」
佐々木「やれやれ、まさに『上の空』というわけだ」
キョン「うまいこと言うなあ」
佐々木「キミが月に見とれてるうちに、頼んだワインが来たみたいだよ」
キョン「グラスに月を写して、ロマンチックに乾杯と行くかね」
佐々木「くっくっ、似合わないことを言うようになったね」
キョン「やれやれ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/09(水) 23:50:41.21 ID:KhV9VMow0
ハルヒ「ああ、もうこんな時間か……」
???「しくじったな……」
どんっ
ハルヒ「あいたっ、す、すいません」
???「あ、いや、こ、こっちこそすいません」
ハルヒ「……いえ、あの、前見てなかったのはこっちなん……で?」
???「……え?」
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「キョン?」
キョン「……ひ、久しぶりだな、団長殿」
ハルヒ「あ、あんたこんなとこで何して」
キョン「いや、まあ、あれだ。平たく言うと、終電を逃してさまよっていたところだ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:18:26.32 ID:lg0hmQAU0
ハルヒ「……お酒くさっ」
キョン「仕方ないだろ、今の今まで飲んでたんだ」
ハルヒ「はあ」
ハルヒ「……元気そうね」
キョン「実際のところ、そうでもないがな」
ハルヒ「少なくとも金曜日の夜に飲んだくれる気力はあるんじゃない」
キョン「ああ、いや」
キョン「お前こそこんな夜中まで、仕事か」
ハルヒ「おかげさまでね」
キョン「その、すまん」
ハルヒ「なんであんたが謝るのよ」
キョン「……それもそうだな」
ハルヒ「……ふふ」
ハルヒ「あんた、電車ないんでしょ?どうするの?」
キョン「それを今考えてたところなんだ」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:28:54.73 ID:lg0hmQAU0
キョン「まあ、明日は休みだし、だらだら歩いて帰るのもいいかもな」
キョン「月も綺麗なことだし」
ハルヒ「お気楽ね」
キョン「まあ、疲れたらタクシー使えばいいことだし」
ハルヒ「……ねえ」
キョン「ん?」
ハルヒ「あんた、もうお酒はいらない?」
キョン「え」
ハルヒ「どうせ暇なら、ちょっと付き合いなさいよ」
ハルヒ「といっても、缶ビールだけどね」
キョン「……ご一緒しようか、お互いの近況でも話しながら」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:32:20.27 ID:lg0hmQAU0
〜ハルヒ自宅前〜
キョン「へえ、普通のアパートだな」
ハルヒ「どういう意味よ」
キョン「お前のことだから、なんかこうもっと秘密基地的な所に済んでるのかと」
ハルヒ「人をなんだと思ってんのよ!」
キョン「なにって、宇宙人超能力者未来人異世界人、不思議は何でもござれのSOS団団長様だろ?」
ハルヒ「昔の話でしょ」
キョン「……はは」
ハルヒ「ま、とにかくあがんなさ……」
キョン「おう、お言葉に甘えっぷ!?」
ハルヒ「ちょっと待った!」
キョン「な、なんだよ」
ハルヒ「……ご、五分」
キョン「?」
ハルヒ「そこで五分待ってなさい!片付けるから!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:45:16.11 ID:lg0hmQAU0
〜五分後〜
キョン「お、おじゃまします」
ハルヒ「ぜえ……ぜえ……いらっしゃい」
キョン「多少散らかってたって気にすることないのに」
ハルヒ「多少?多少ならね」
キョン「(クローゼットの扉が今にもはち切れそうなことについては、黙っていた方がよさそうだな)」
ハルヒ「さ、飲むわよ」
キョン「お、おお」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:50:53.53 ID:lg0hmQAU0
もっとイチャコラするハルヒとキョンを書きたかったのだが、一向に話がすすまないので割愛します
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 00:58:39.50 ID:lg0hmQAU0
〜二ヶ月後〜
ハルヒ「……」キョロキョロ
ハルヒ「……」ウズウズ
ハルヒ「っだぁ〜!」
ハルヒ「なんで返事送ってこないのよ!バカキョン!」
ハルヒ「どうせ用事なんかないに決まってるんだから、さっさと返せばいいのに!」
ハルヒ「きっとすぐに返信すると暇でどうしようもない奴みたいに思われるからって、ちょっと時間あけてるのよ!」
ハルヒ「しょーもな!ほんとそう言うところがしょうもないのよ、凡人キョンめ」
ピロリン♪
ハルヒ「!」
ハルヒ「メルマガか……ちっ」
ハルヒ「……」
ハルヒ「なんか、気づけばあれから週に一回くらいのペースでキョンに愚痴聞いて貰ってるわね」
ハルヒ「いいストレスのはけ口が見つかって良かったわ!持つべきモノは団員ね!」
ハルヒ「返事まだかな……」ソワソワ
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 01:06:18.56 ID:lg0hmQAU0
〜待ち合わせ時間から20分・駅前〜
キョン「すまん、遅れた!」
ハルヒ「遅い遅い遅い遅い遅い遅い」
キョン「だから悪かったって」
ハルヒ「理由を言いなさいよ、理由を」
キョン「いや、ちょっと人と会う用事があってな、もうちょっと早めに終わるはずだったんだが」
ハルヒ「あたしを待たせるなんて良い度胸じゃない」
キョン「まあ、そう言うなよ。今日はオゴるよ」
ハルヒ「当たり前でしょ」
キョン「……」
ハルヒ「何よ」
キョン「いや、変わってないなと思ってな」
ハルヒ「はあ?」
キョン「こないだ会った時は、まるで別人みたいに元気がなかったが、最近昔のハルヒっぽくなったな」
ハルヒ「な、なによそれ。誉めてんの?バカにしてんの?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 01:17:28.64 ID:lg0hmQAU0
〜数時間後〜
ハルヒ「うひひ……次のおみへいくわひょ!」
キョン「やれやれ、舌が回ってないぞ」
ハルヒ「いーろよ、そんなこたぁ!」
キョン「はいはい、もう帰ろうな」
ハルヒ「なーになまっちょろいこと言ってんのよ!まだまだ行くの!まだあ!」フラフラ
キョン「ああ、もう!一人で歩けないならそうやって言ってくれ!」
ハルヒ「うひひ」
キョン「あ、すいません。だいじょうぶです、連れて帰りますんで。最後にお水一杯いただけますか?」
キョン「ほら、立てるか?」
ハルヒ「ん……」ギュー
キョン「だいぶ酔ってるな……」
ハルヒ「んふふー」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/10(木) 01:26:58.65 ID:lg0hmQAU0
〜帰り道〜
キョン「はあ、まったく」
ハルヒ「ちょっとぉ、何勝手に会計済ませてんのよ!」
キョン「お、なんだ。オゴりかと記憶してたんだが、払ってくれるのか」
ハルヒ「ばぁか!バカキョン!そうじゃないわよ!」
ハルヒ「まだまだ飲み足りないっていってんでひょ!」フラフラ
キョン「もう充分だってのがその足取りでよくわかるんだが」
ハルヒ「あたしはまだピンピンしてるってーn、わっ、わわっ」ズテーン
キョン「あ、おい!大丈夫か!?」
ハルヒ「……痛い」
キョン「え」
ハルヒ「脚痛い!」
キョン「あーあ、ヒール折れちゃってるぞ」
ハルヒ「……おんぶ」
キョン「なんですと?」