友蔵「まる子や〜、PSVita買ってきたぞー」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:07:12.86 ID:N02FMaUW0

まる子「なんで3DSじゃないのさ」

まる子「こんなものあたしゃいらないよ」

友蔵「ガーン」

老眼の
じじいにやさしい
携帯げゑむ
しかし孫には
無用の長物

友蔵 心の短歌

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:14:44.20 ID:hnCIuuB80

友蔵「まる子が喜ぶと思ってせっかく買ってきたんだが」

友蔵「どうしようかのう、PSVita」

友蔵「やはり返品するしかないか」

ヒロシ「なんだ、じいさん。Vita買ってきたのか?」

友蔵「ああ。しかし、今から返品しに行こうと思っていたところなんじゃ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:21:52.70 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「ちょっと待てよ。それもしかして初回限定版の3Gモデルじゃねえか」

友蔵「そうだが」

ヒロシ「このまま返品なってもったいねえな」

ヒロシ「せっかく100時間のプリペイドプランがあるってのによ」

ヒロシ「使わねえなら俺にくれねえか」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:24:17.30 ID:hnCIuuB80

友蔵「本当はまる子にあげるつもりじゃったんがのう」

友蔵「まあ、息子のお前が使いたいというなら」

ヒロシ「おお、さすがじいさん」

ヒロシ「もう返してっていっても聞かねえからな」

友蔵「好きに使うがいい」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:28:19.82 ID:hnCIuuB80

居間

ヒロシ「ほお、うわさには聞いていたがなかなかおもしれえもんだな」

ヒロシ「指で動かすだけで操作できるなんてよお」

さきこ「あー、お父さん。Vita買ったの?」

ヒロシ「まあな」

さきこ「いいなー。私にも触らせて」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:31:00.00 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「ほらよ」

さきこ「うわー、本当だ。面白い」

さきこ「アプリとかもいっぱいあってまるでスマホみたい」

さきこ「でも、お父さん。ウチ、ネット環境ないから」

さきこ「新しいアプリとかゲームとかダウンロードできないんじゃないの」

ヒロシ「甘いな、姉ちゃん」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:34:22.78 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「これは初回限定版の3Gモデルだ」

ヒロシ「うざってえ契約とかしなくても」

ヒロシ「ほら、このとおりよ」

さきこ「わあ、すごい! ネットに繋げちゃってるよ!」

ヒロシ「これで100時間は安泰ってもんだぜ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:36:50.84 ID:hnCIuuB80

さきこ「ねえねえ、あたし秀樹のHPみたい!」

ヒロシ「まあ、待て。その前にスポーツニュースを見させろ」

すみれ「あらあら、なんか騒がしいわね」

こたけ「一体どうしたというんだい」

ヒロシ「ああ。実はな」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:39:21.36 ID:hnCIuuB80

まる子の部屋

アハハハハ

まる子「やけに大広間の方が騒がしいねぇ」

まる子「どうしたんだろう」

まる子「気になるな」

まる子「ちょっと行ってみよう」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:43:18.17 ID:hnCIuuB80

居間

まる子「みんな、どうしたの?」

ヒロシ「見ろよ、俺の友達の山ちゃんからメッセージが送られてきたぜ」

すみれ「あら、本当。まあ、山ちゃんったらみんゴル6やってるんだって」

こたけ「トロフィーの数もすごいのう」

さきこ「あ、右上見て。今度は佐々木のじいさんがログインしたみたいよ」

ヒロシ「おお、本当だ。こりゃ愉快だ」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:49:36.77 ID:hnCIuuB80

まる子「ねえ、ちょっと。何やってるのさ」

まる子「まる子にも見せてよ」

こたけ「みとくれ。ウェルカムパークでヒロシの記録を更新したぞ」

すみれ「まあ。おばあちゃんすごーい」

ヒロシ「なんだとぉ。ばあさんに負けてたまるか。ちょっと俺に変わってくれ、姉ちゃん」

さきこ「待ってよ。今、みんなといっしょやってトロなでてるところなんだから」

さきこ「ああ、トロかわいい」

まる子「ねえってば!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 00:55:33.97 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「なんだ、まる子。いたのか」

まる子「いたのかじゃないよ」

まる子「だから、みんな何やってるのさ」

さきこ「お父さん、PSVitaで遊んでたところよ」

まる子「あれ。それたしかおじいちゃんが買ってなかったっけ」

ヒロシ「俺がじいさんに譲り受けたんだ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:00:21.57 ID:hnCIuuB80

まる子「そうだったんだ」

ヒロシ「まる子。確かお前これいらないとか言ってたらしいな」

まる子「うん、そうだけど」

ヒロシ「だったらまる子はVitaで遊ぶ必要はないな」

まる子「そりゃ、まあ……そうだけど」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:06:09.49 ID:hnCIuuB80

すみれ「あら、お父さん。このnearとかいうアプリ何かしら?」

ヒロシ「俺もさっきから気になってたんだ」

さきこ「ちょっと押してみようよ」

ヒロシ「よし。ぽちっと」

こたけ「おお、これはすごい。近くでvitaで遊んでいた人たちがどんどん出てくるねぇ」

ヒロシ「本当だ。佐々木のじいさんもいやがる。苗木の世話しながらVitaをプレイしてたな」

さきこ「あらやだ、よしこさんもいるー!」

まる子(ふん、そんなのわかって何が面白いんだか)

まる子(3DSだってすれ違い機能あるのにさ)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:11:11.21 ID:hnCIuuB80

すみれ「あら。見て、まる子。花輪君もいるわよ」

まる子「え、ウソ!?」

まる子(まさか、花輪君ともあろうものがVitaを持っていたなんて)

まる子(もしかしてVitaってとてつもなく優秀なハードだったんじゃ)

ヒロシ「さて、次は何をするかな」

まる子「ねえ、お父さん」

ヒロシ「なんだ」

まる子「Vita、まる子にもやらせてー」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:15:06.71 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「やなこった。誰がお前なんかにやらせるか」

まる子「うわーん。まる子もやりたいやりたいやりたいー!」

ヒロシ「うるせえ。いらねえって言ったのはお前だろうが」

まる子「やだやだやだー! あたしもやりたいー!」

すみれ「お父さん、そんなこと言わないでまる子にも少しくらい遊ばせてあげてよ」

ヒロシ「ったく、仕方ねえな。ちょっとだけだぞ」

まる子「やったー!」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:21:25.22 ID:hnCIuuB80

まる子「うわぉ。なんだこれ、画面真っ暗じゃん」

さきこ「指で先っちょをめくるのよ」

まる子「えっと、こう。あは、ペラッだっておもしろーい!」

まる子「うおぉ、なんて大きくて綺麗な画面なんだろう」

まる子「まるで画面の向こうは夢の世界だよ」

ヒロシ「つまんねえこと言ってないで何かアプリなり開いたらどうだ」

まる子「そうだったね。とりあえず、このみんなといっしょっていうのやってみようかな」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:29:29.15 ID:hnCIuuB80

まる子「わあ、大きな家の庭にいろんな人たちがいる」

ヒロシ「フレンドになった奴らを庭に招待できんだ」

まる子「へえ、すごいなあ」

こたけ「他にも名刺交換なんてこともできるみたいだよ」

まる子「あ、お父さん。誰かから名刺を渡されたみたいだよ」

ヒロシ「なに、本当か」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:36:45.36 ID:hnCIuuB80

まる子「レベル1、フレンド0だって」

ヒロシ「なんか味気ねえ奴だな。まあ、レベルが低い奴の方がいいんだが」

ヒロシ「ちょっとアクティビティも見てみろ」

まる子「なにそれ?」

ヒロシ「今までそいつがどんなゲームをやってきたのかわかるんだ」

まる子「へぇ。どれどれ。かまいたちの夜ばかりやってるね」

まる子「自己紹介文は『家が火事になってしまいました。友達になってください』だって」

まる子「これは……。どうする父さん?」

ヒロシ「とりあえず、保留にしておいてくれ……」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 01:50:36.00 ID:hnCIuuB80

ヒロシ「ほら、もうこれで十分だろ。そろそろ返せ」

まる子「えー、まだやったばかりじゃん!」

まる子「あたしゃまだやりたりないよ」

ヒロシ「バカやろう。貴重なプリペイドプラン100時間が無駄になるだろうが」

ヒロシ「はやく返せ」

まる子「やーだ!」

すみれ「まる子、いい加減にしなさい。少しだけの約束でしょ!」

まる子「ひぇ!」

すみれ「今日はここまでにしてまた次の機会にお父さんに貸してもらいなさい」

さきこ「そうよ。あんたは大人しくゲームボーイアドバンスでもやってなさい」

まる子「ブー……」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/27(火) 02:14:13.29 ID:hnCIuuB80

友蔵「まる子や〜、今度はニンテンドー3DSを買ってきたぞー」

友蔵「おじいちゃんと一緒にやろう」

まる子「まったくおじいちゃんはわかってないね。3DSなんて邪道だよ」

まる子「なんでPSVitaじゃないのさ」

まる子「こんなものあたしゃいらないよ」

友蔵「ガーン」

年金で
無理して買った
立体視
一日経たずに
鉄屑と化す

友蔵 哀愁の短歌

キートン:今日一日ゲームハードに振り回された友蔵は
     誰かに自分の頭をタップしてもらいたい気分になったのであった

おわり



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