キョン「古泉は完璧すぎる」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:梨花「今週の分はこれでいいのですよ〜」

ツイート

1 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2012/03/21(水) 14:43:47.10 ID:mPsxRj3x0

文芸部室

コンコン

古泉『開いていますよ』

ガチャ

キョン「お前だけか……って、何してんだ?」

古泉「今まで我々がここに持ち込んだ物の整理ですよ。結構増えて来たのでね」

古泉「普段は朝比奈さんがやってくれているようですが…いつも彼女に任せておくのは気が引けますし」

古泉「それに、彼女では手の届かないところが多々ありますから。暇を持て余すよりはいいと思いまして」

キョン「殊勝なこった。おら、残りは何処だ?手伝うぞ」

古泉「ありがとうございます。ですが、あと少しですので…」

キョン「こういうのは断った方が気まずくなるんだよ。…あそこに積んであるのがそうか?結構残ってんじゃねえか」

古泉「これでも半分以下に減ったんですよ?」

キョン「…一体どこにしまわれてたんだよ、この量…」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 14:50:04.54 ID:mPsxRj3x0

片付け中…

キョン「ん?これは何処にしまえば…」

古泉「ああ、それはその棚の上にお願いします」

キョン「これか?…よっと」グイ

キョン「………」

古泉「どうしたのですか?」

キョン「…届かん」

古泉「じゃあ、貴方はこちらをそこの棚に入れてください。こちらは僕が乗せておきます」ヒョイ

キョン「あ、ああ…」スッ

古泉「…よっと」ポスン

キョン「…」

古泉「…?どうかなされましたか?」

キョン「…いや、お前、結構背が高いんだって思ってな」

古泉「そうでしょうか?自分では平均近くではないかと思っていたのですが」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 14:55:53.45 ID:mPsxRj3x0

キョン「…それは俺がチビだって言うことか?おい…で?お前は身長なんぼなんだ?」ヒョイ

古泉「最近は計測してませんから何とも…転校してくる前の学校では一応178cmでしたか…」ガタガタ

キョン「お前…高1で178はでかい方だろうが…第一、日本人の平均身長は172前後だぞ?」ポス

古泉「貴方はいくつなんです?」ガタン

キョン「俺か?確か…少し伸びてたな…173くらいだったような」

古泉「ならば、貴方も大きい方に入るじゃないですか」ゴト

キョン「…お前に言われても嫌味にしか聞こえんぞ」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 15:06:05.50 ID:mPsxRj3x0

キョン「それに、さっき荷物上げるのを変わってもらった時。あの荷物、重すぎるとまではいかないが結構な重量があったぞ?」

キョン「それを難なく持ち上げてたよな、お前……機関は軍事訓練でもしてんのか?」グイ

古泉「まさか。確かに、体型維持程度の運動はしていますが、そのような特殊訓練は受けていませんよ」コト

古泉「神人を倒すのには筋力は関係ないですし」

キョン「…体型維持のトレーニングの内容が気になるが、まあ、そこは流しておこう」ボス

古泉「…まだ何かおありで?」ヒョイ

キョン「…というか、まだ始まったばかりだ。…頭脳明晰、ルックスは悪く見積もっても上の中。それにさりげない気遣いに柔らかな物腰…」

キョン「正直、お前の長点を挙げだしたらきりがない」

古泉「あははっ……いつも気味悪がられている貴方に褒められるとは、これは明日は雪でも降るのではないでしょうか?」

古泉「褒められて悪い気はしませんがね」サッサッ

キョン「茶化すなよ。俺は結構真剣何だぜ?」

古泉「…要するに、何が言いたいんです?」

キョン「…きっぱりと言わせてもらうがな」

キョン「古泉は完璧すぎる」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 15:23:06.81 ID:mPsxRj3x0

古泉「…何を仰るかと思えば、そんな事でしたか」

古泉「完璧だとは大げさですね。貴方にどう映っているかは分かりませんが、僕は完璧なんかじゃありません」

古泉「ほら、僕はいつも貴方にボードゲームで負けているでしょう?その時点で完璧ではないですし…」

古泉「それに、貴方のような機転の良さ…他者への思いやり…この僕にはありませんよ」

古泉「第一、この容姿や性格が嘘偽りの物である可能性もあるでしょう?全ては涼宮さんの願望に合わせて作られた紛い物と言ってしまえば…」

キョン「確かに、ルックスの問題は別にせよ、お前の性格が演技だと考えることもできる。だけどな」

キョン「こんなに長い間一緒に居たんだ…少しくらいぼろが出てもいいと思うんだが?」

古泉「涼宮さんは一人で世界規模の改変を行ってしまう人物です。そんな人物のところに、そんな三文役者な人物を送ると思いますか?」

キョン「まあ、そこんとこはよくは知らん。機関がどんな教育をしているかなんて考えたくもない」

古泉「どんなことをしているのか、と言われても機密事項なので言えないのですがね」

キョン「そこで、俺が疑問に思った点が一つある」

キョン「古泉、お前は何歳なんだ?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 15:31:43.64 ID:mPsxRj3x0

古泉「……はい?」

キョン「だから、お前は本当のところは何歳なんだって聞いてんだよ」

古泉「そんなの、考えるまでもないでしょう?16歳ですよ。僕は早生まれではないのでね」

キョン「…口ではそう言ってるが、実際俺は信じられん。お前みたいな人の接し方……」

キョン「例え演技であったとしても、数年で身につくようなもんじゃねえ」

キョン「あと、お前の顔……今まで言わなかったが、中学出たばっかの野郎の顔だちじゃねえだろ」

古泉「…僕が俗にいう『老け顔』であることは認めますよ」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 15:43:45.02 ID:mPsxRj3x0

キョン「……ま、此処まで疑ってもどうせ真実を確かめる術は無いんだよな」

キョン「俺が言っていることが真実だとしても、古泉がちょっと変わった高校生だったとしても、どちらにせよ機関が工作してるだろうからな」

古泉「はぁ……そこまで分かっているのなら、何故このようなことを?」

キョン「ん…こうやって揺さぶれば少しは襤褸を出してくれるかと思ったんだが……ま、お前が何かを隠しているっていう前提があっての話だが」

古泉「貴方は僕を一体なんだと思ってるんですか…」

キョン「不思議な転校生」

古泉「…」

キョン「そんな顔すんなよ。俺は団長様に『あたしたちが来るまでしっかり活動してなさい』って言われたんだ」

キョン「『不思議には食らいつく』っていうSOS団としての職務を全うしただけだよ」

古泉「要するに…暇つぶし、と言う訳ですね?」

キョン「そういうこった…そろそろ、ハルヒたちも来る頃合いだろう」

バーン!!

キョン「ほらな?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 15:57:47.71 ID:mPsxRj3x0

ハルヒ「みんな!集まってる?!…って何よ、古泉くんとキョンだけ?有希たちは?」

キョン「朝比奈さんは掃除当番、長門はコンピ研に定期報告があるらしい。今度新しいOSを出すって言ってたな…」

ハルヒ「なによ…団活が最優先事項でしょ?!弛んでるんじゃないかしら…」

キョン「自分の事を棚に上げるな。お前だって遅れて来たじゃねえか」

ハルヒ「あたしのはれっきとしたSOS団の為のだからいいのよ」

キョン「…そうかい。もう何も言わんよ」

古泉「しかし、その程度の用事ならもうそろそろ2人とも部室に顔を出してくるでしょう」

ハルヒ「ならいいんだけど」

ガチャ

みくる「すみませ〜ん。遅れました…」

長門「……」

ハルヒ「遅いわよ!二人とも!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 16:01:23.13 ID:mPsxRj3x0

ハルヒ「全く…二人とも少し弛んできたようね…これは由々しき事態だわ…更生のために罰が必要かしら…?」

みくる「ぴぃ?!涼宮しゃん…な、なんで私を睨んでくるんですか?!」

ハルヒ「…まずはみくるちゃんからにしましょうか」ワキワキ

みくる「ひいいいいい!!」

ハルヒ「ほらぁー!観念なさーい!!」ガバァ!!

キョン「…古泉」

古泉「…了解しました」

バタン

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 16:10:52.06 ID:mPsxRj3x0

古泉「…メンバーがそろったとたん、賑やかになりましたねぇ」ニコニコ

キョン「…楽しそうだな?」

古泉「それはもう。まさに青春を謳歌している…といった感じです」

キョン「年よりくさいんだよお前は…一々」

古泉「貴方が言いますかね、それを」

キョン「…お前ってさ」

古泉「?」

キョン「…その楽しいって感情も……作り物なのか?」

古泉「……」

キョン「さっき見せた笑顔も……ハルヒが望んだからで、お前の意思はそこに存在してないのかよ?」

古泉「……」

キョン「…すまん、変なこと聞いたな。」

キョン「……忘れてくれ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 16:26:23.93 ID:mPsxRj3x0

古泉「……やはり、都合が良すぎですよね、こんなの」

キョン「…古泉?」

古泉「貴方が言いたいことも分かりますよ。さっき言ったばかりですからね。今、此処にいる僕は演技をしているに過ぎないかもしれないと」

古泉「普段は仮面を被っているのに、この感情だけは嘘ではないなんて……漫画の臭い科白みたいですよね…」

キョン「……すまん、古泉。」

古泉「謝らないでください。僕の不徳の致すところですから…ただ、これだけは信じてもらえますか?」

キョン「…なんだ?」

古泉「…僕がこうして、SOS団に参加して楽しいと感じているこの感情は」

古泉「誰のものでもない、ただ古泉一樹としての感情だということを」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 16:37:38.66 ID:mPsxRj3x0

キョン「…ああ、もちろんだ」

古泉「ありがとうございます」

みくる『グスッ……どうぞぉ…』

古泉「どうやら終わったようですね。……行きましょうか」

キョン「おう…なあ、古泉?」

古泉「……なんでしょう?」

キョン「…もし、全ての問題が解決して、ほとぼりが冷めたら…その時には…」

キョン「……何もかも、包み隠さず話してくれるって、約束してくれるか?」

古泉「…」

キョン「…疑ってるわけじゃない。…変な風に聞こえるかも知れんがな…もっと、お前の事が知りたくなったんだよ」

キョン「…都合のいいこと言ってるのは、分かってる。だけど今のままじゃ、やっぱり機関の影をぬぐえないから、だから…」

古泉「!!…んっふ。分かりました、約束しましょう」

古泉「全てが終わって、僕が普通の自分になった暁には」

古泉「真っ先に、貴方に話しましょう……嘘偽りのない、ありのままの僕を、ね」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/21(水) 16:49:22.22 ID:mPsxRj3x0

数か月後・驚愕事件後の日曜日

prrrrrrr prrrrrrrr

キョン「…ぁい?」

ハルヒ『おはよっ!キョン!その様子だとまだ寝てたみたいね!』

キョン「うっ…ボリューム落とせ…耳がいかれる…というか、休日位寝ててもいいだろうが」

ハルヒ『なーに親父臭いこと言ってんのよ。今日は午後から不思議探索するから12時に何時もの喫茶店に集合しなさい!』

ハルヒ『結果次第では夜まで延長とかもあるから、親にちゃんと言っときなさいよ?意見があれば探索後に聞くから!』

ハルヒ『それじゃあね!お〜ば〜☆』ガチャ

つー、つー…

キョン「…相変わらず可視化マシい奴だ……どっこいせ…」

キョン妹「キョンくーん。お出かけ〜?」

キョン「ああ、昼からな…母さんたちに夜遅くなるかもって伝えといてくれ」

キョン妹「うん!りょーかい!!」



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:長門有希の決意