1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:00:57.57 ID:3whoaTCu0
バキッ!
サザエ「痛いッ……タラちゃ…」
タラヲ「出てけクソババア!!!!」
サザエ「……」スッ
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:08:26.03 ID:3whoaTCu0
カツオ「父さんが亡くなって2年。僕が大学入学にともなって一人暮らしを始めた頃、タラちゃんはおかしくなってしまった」
磯野家は不穏な空気に包まれていた
お調子者のカツオと大黒柱の波平がいなくなったことで家族の空気は一変した
反抗期は誰にも訪れるものだが、タラヲの場合は少し違った
ワカメをレイプしたことからタラヲは性の獣へと変わってしまった
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:13:07.22 ID:3whoaTCu0
問題はタラヲがワカメをレイプしたことを家族の誰もが強く咎めなかったこと
マスオは終始無言だった
当然カツオに知らされることもなく、事件は隠蔽された
そしてレイプは日常的に行われるようになり家族はそれを黙認した
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:17:05.86 ID:3whoaTCu0
やがてタラヲは部屋から出なくなり、ワカメを軟禁した
フネはこの事態に心を病み正気を失い、マスオはやはり見て見ぬふりを徹底した
サザエだけが健気にタラヲを更正させようと奮闘した
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:23:20.34 ID:3whoaTCu0
「タラちゃん……?入ってもい…」
サザエの問いかけを遮るようにタラヲの声が聞こえてくる
「オラッ!また中に出すぞぉぉぉ!!!」
「も……やめ…くだ…さい……」
サザエは立ちすくむしかなかった
現状を打破するにはカツオに全てを話すしかないと心を決めたのだった
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:29:22.29 ID:3whoaTCu0
しかしサザエは気が進まないでいた
落第生だったカツオは波平が病に倒れてからというもの、父への恩返しと言い名門大学への入学を約束したのだった
別人のように努力家になり、約束を果たす前に父は他界してしまったが
それでもついに約束を果たし意欲を持って名門大学へ進学したのだった
そんな努力の日々で得た生活の邪魔だけはしたくないというのが家族の総意であった
しかし状況は想像以上に酷く、カツオの助けを借りるほかサザエには思いつかなかった
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:36:50.98 ID:3whoaTCu0
Prrrrrrr...Prrrrrrr...
「もしもし姉さん?どしたの?」
「あ…カツオ…げ…元気でやってる?」
「うん元気だよ。勉強も楽しいしさ!バイトも忙しいけどやりがいあるよ」
「そっか…良かったわね…頑張ったもんね…」
「そうだねえ…でももっと努力しないと!父さんと約束したしね」
「そうよね…そうよね…」
「で、どうしたの?何かあったの?」
「いえ…なんでもないの。元気にしてるかなと思って」
「そっか、元気にしてるから心配しないでよ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:39:35.97 ID:3whoaTCu0
サザエは言い出すことができなかった
カツオはさらに努力を重ねている
父との約束を胸に刻み、さらに高みを目指している
そこに水を差すのは気が引けた
やきもきしている間に、事は起きてしまった
ワカメが妊娠した
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:45:03.23 ID:3whoaTCu0
サザエは自分を強く責めた
あの時カツオに話してさえいればこんな事態にはならなかったかもしれない
ワカメは動転していた
タラヲの子を孕んだこともあるが、決め手は家族会議でのマスオの態度だった
「…堕ろしなさい」
そう一言つぶやいたきり、マスオは部屋に戻ってしまった
マスオにとってワカメ自身はもはやタラヲの性欲処理の道具でしかなかった
家庭内で事が収まるならマスオはそれでよかった
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:51:00.19 ID:3whoaTCu0
ワカメは生きる意味を失っていた
今や存在理由はタラヲの性欲処理だけだった
来る日も来る日もタラヲの性器をくわえさせられ、乱暴に挿入されては中に出された
抵抗はもうほとんどしなくなっていた
ワカメの生きる意味はもはやタラヲを満足させることになっていた
自分は機械だと、自分に言い聞かせることにした
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:55:30.40 ID:3whoaTCu0
マスオは安堵していた
かわいいタラヲの反抗期が、自分ではなく他の者に向いたことがそうさせた
可愛がった息子に反抗されることを異常なほどに恐れていたのだった
結果、タラヲは偽物の自由と歪んだ愛情で育ち、加えてカツオと波平が去ったことで自分の地位が上がったと勘違いし傲慢に我欲で生きるようになってしまったのだった
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 11:59:48.94 ID:3whoaTCu0
サザエは意を決した
発狂しそうな事態をこらえ、泣きながらカツオに助けを求めた
「カツオ…タラちゃんが…タラちゃんが…」
「何?どうしたの姉さん?タラちゃんが…何だって?」
「タラちゃんが…ワカメを…ワカメが…」
「落ち着いてくれ!姉さん!何があったんだ?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:03:50.53 ID:3whoaTCu0
「本当はカツオにね…頑張ってるカツオの邪魔はしたくなかったんだけど…」
「……」
「タラちゃんが…ワカメを妊娠させたの……」
「……何だって…?そんなこと……」
「助けて……カツオ…母さんもおかしくなっちゃって……マスオさんも…」
「そんなことって……」
「カツオ……帰ってきて…」
「姉さん………」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:11:18.81 ID:3whoaTCu0
「姉さん……ごめん…」
「いいの…カツオに言わないようにしてたのは私だもの…」
「…違うんだ……姉さん……僕……大学…辞めたんだ…」
「……え?」
「無理だったんだ…僕…大学に入って満足しちゃったんだ……父さんと約束したのに…帰れないよ…」
「だってカツオこの前……」
「嘘だったんだ…いつか言わなきゃいけないと思ってたけど……」
「カツオ…お願い…なんでもいいから帰ってきて…」
「無理だよ……」
「カツオ!!!!お願いよぉ!!!!!」
「無理だって言ってるだろ!!!!もうほっといてくれ!!!!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:17:49.38 ID:3whoaTCu0
絶望の果てに見えたのはまた絶望だった
翌朝、フネが首を吊っていた
マスオはそれを見てうろたえた
保身のために全力で考えを巡らせていた
そしてあろうことかマスオはそれを庭に埋めたのだった
サザエはその光景を眺めながら、何も考えることができなくなっていた
ひとつ、ひとつ磯野家から何かが失われていくのだけがわかった
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:23:56.94 ID:3whoaTCu0
カツオは苛立っていた
自らの弱さが許せなかった
弱さを認めたくはなかったのだ
大学を辞めてからというもの、カツオはふらふらと街をさ迷い万引きを繰り返した
バイトをしていたというのも当然嘘で、借金を抱え万引きを繰り返すことで生活していたのだった
そんな折にバイトの話が舞い込んできた
気は進まなかったが、先輩からの紹介だったため渋々ついていったのだ
それは水道水をペットボトルに詰め、高額で売る悪徳業者の仕事だった
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:28:00.30 ID:3whoaTCu0
カツオは最初こそ怖じ気付いたものの、すぐに慣れた
それどころか自分より弱い者の存在を直に認識し、優越感すら感じていた
自分は弱いかもしれないが、こいつらほどじゃない
そういった感情がカツオを動かしていた
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:34:54.54 ID:3whoaTCu0
ワカメは頑なに堕胎を拒否していた
それがマスオを苛立たせていた
ワカメなりの腐った家庭への抵抗だった
タラヲはワカメへの興味を失いつつあった
妊娠させたことで少しだけ怖じ気付いたようだった
それでもフェラチオは強要しているし、様々な辱しめを受けさせた
ただやはり挿入はしなくなっていた
ワカメのそれは復讐だった
この忌み子を産むことで、この家庭への復讐を試みたのだ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:40:23.41 ID:3whoaTCu0
マスオは自分が何もしないことで今の状況が保たれていることを理解していた
マスオがワカメの腹を殴りさえすれば忌み子は産まれない
しかしワカメに暴力を振るった事実によって問題は浮上してしまうだろう
サザエはまだマスオがなにもしないことで直接的な行動には出ていない
しかしそれでもマスオの我慢は限界に達しようとしていた
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:50:00.38 ID:3whoaTCu0
ある夜中
マスオは包丁を片手に光らせ、タラヲの部屋の前に立っていた
中には身重のワカメもいるだろう
マスオは終わらせるつもりだった
しかしそれは根本的解決ではない
タラヲを最優先に考えた、歪んだ答え
タラヲの部屋は鍵がかけられていた
それはタラヲがワカメを軟禁し出したときにマスオが設置したものだった
合鍵は持っている
静かに鍵を回すと、足になにかを感じた
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:53:19.04 ID:3whoaTCu0
ちょうどアキレス腱のあたり
マスオはよろめいた
いや、立てない
後ろにはサザエがいた
鎌を右手に持ち、切っ先には血が滴っていた
マスオはすべてを悟り、少し笑った
サザエの攻撃は終わらなかった
一晩中、終わることはなかった
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 12:57:02.34 ID:3whoaTCu0
翌朝タラヲが見たものは血みどろの廊下
サザエと…なにか肉のかたまり
サザエはそれを口にほおばり、咀嚼していた
異常な臭気が立ち込めていて、タラヲは顔をしかめた
「なんだよ…コレ……」
何も答えず背を向けてマスオを咀嚼するサザエ
本当に聞こえていないようだった
タラヲは怯え、部屋に戻った
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 13:02:17.31 ID:3whoaTCu0
「俺のせいじゃない…俺のせいじゃない…」
うわごとのようにブツブツと繰り返すタラヲを冷めた視界の端で捉えていたワカメは言った
「あんたのせいよ」
怯えたような、怒りにも驚きにも見える顔でタラヲはワカメを見た
今度はタラヲに向き直り、ワカメは言った
「全部、あんたのせいよ」
「そんなわけ…俺は……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
怒り狂ったタラヲはワカメを殴った
ワカメは心なしか笑っていた
「あんたのせいよ」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 13:06:45.76 ID:3whoaTCu0
「俺のせいじゃ……俺は悪く……!」
「全部、あんたのせいよ」
そのやりとりはすぐに終わった
ワカメの死因は窒息死
強く首を絞められたことによるものだった
遺体を部屋に残し、タラヲは泣いた
自分のせいではないと呟いた
しかしそれでも聞こえてくる
冷たく、興味のない声で
「あんたのせいよ。全部、あんたのせいよ」
死に際のかすれた喉の振動で
「あんたのせいよ。全部、あんたのせいよ」
完
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 13:13:44.01 ID:3whoaTCu0
例えばあなたが道を間違えたとき
つらいとき、苦しいとき
それは他の誰のせいでもなく、あなたが負うべき責任であり
あなたが乗り越えるべき壁なのです
一時を凌ぐことで偽物の自由に踊らされるより、責任を自覚し自力で解決して本物の自由をつかみとってください
あなたの人生はあなたのものです
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/17(土) 13:20:57.92 ID:3whoaTCu0
まあ全部後付けだけどなwwwwww
最初はタラヲDQNのバカ話書こうと思ったけど>>2につまんね言われたから発狂してこんなん書きました
ハイハイ終了解散