1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 00:27:56.90 ID:pAQgf2ZJ0
「そして肛門の括約筋に力を入れ、爆発するかのように下痢便を排出した」
「ギィャヤアアアアアッ!!!」
「なんて事を!」
「す、涼宮さん!」
「俺はにやり、と微笑むと団長机を悠然と下りた」
「あ、貴方は! 気でも違ったのですか!?」
「大変です! 涼宮さんが息をしてません!」
「やれやれ、と溜息をついた俺はどこかに脱ぎ捨てたズボンとパンツを探していた」
「……」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 00:34:50.07 ID:pAQgf2ZJ0
「貴方のズボンなどどうでもいいでしょう! 何故こんな事を!?」
「キョンくん……?」
「部室を見渡した俺は気がついた。今日はズボンもパンツも履いてきていなかった事に」
「……? 様子がおかしいですね。もしもし! 大丈夫ですか!?」
「古泉が何やら叫ぶのだが、俺の耳には届かなかった」
「明らかにキョンくんの様子が変です!」
「どうやら何らかの異変のようですね……長門さん?」
「なに?」
「この異変とその発生について、何か分かりますか?」
「分かる」
「教えてください、長門さん」
「俺は部屋の片隅にあったバットを振りかぶり、ハルヒの顔面を殴打した」
「キョンくんやめてください! 死んじゃいます!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 00:43:06.09 ID:pAQgf2ZJ0
「とにかく原因を判明させねば話は進みません、長門さん」
「何度も殴打し、いささか飽きてきた俺はハルヒの髪の毛を全部剃る事にした」
「剃刀しまってくださいっ! 古泉くん! 長門さん! キョン君を止めてぇ!」
「……この異変の原因はこの世界の成り立ちにある」
「と、言いますと?」
「髪の毛と間違えて耳と鼻を削ぎ落としてしまったが、なぁに失敗は誰にでもあるんだと自分に言い聞かせた」
「つまり、会話文のみで地の文が無い事が主な原因」
「待ってください、すると彼は地の文の役割を担っていると?」
「その認識で問題は無い」
「俺はハルヒの顔を観察しつつ、勃起した陰茎をしごくのに夢中になっていた」
「あああっ、なんとかしてくださいぃ!」
「しかし彼の行動は常軌を逸してます。これは?」
「彼個人の許容量、脳の処理能力が追いついていない。このままだと、危険」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 00:51:43.37 ID:pAQgf2ZJ0
「どのような危険が予想されますか?」
「およそ思いつく限り。予想して防ぐ事は困難」
「俺は動かなくなったハルヒの身体に挿入した。
顔面が崩壊したハルヒを犯すのに、とんでもない興奮を感じていた」
「もうやだぁ……やめてくださいぃ……」
「では手遅れにならない内に解決法を探したほうが良いという事ですね」
「そう」
「俺の快感神経は腰から脳に恍惚とした衝撃を感じている。
そろそろ射精しそうだが、中に出すか外に出すかを未だ悩んでいた」
「具体的にはどのような方法でこの事態を解決に導けるのでしょうか?」
「それは簡単。地の文を入れればおさまる」
「結局のところ俺は陰茎をハルヒから抜き、パソコンにぶっかけた。
するとパソコンは嫌な匂いを放ち、たちまち煙を噴き上げた」
「地の文、ですか。」
「そう」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 01:00:26.13 ID:pAQgf2ZJ0
「それでは誰が地の文を入れたら良いのでしょう?」
「パソコンから燃え出した炎は、たちまちの内に部室全体に広がった」
「誰でも構わない」
「煙と火の海に囲まれたこの部室は、さながら地獄のようだった」
「では僕が地の文を入れましょう。……んっ、ん」
今日はいつも通りの団活の日。
涼宮さんがパソコンとにらめっこし、僕と彼はボードゲーム。
長門さんは読書に夢中で、朝比奈さんはお茶を配ってくれていた。
「どうぞ、古泉くん。けほっ、けほっ」
「これはこれは。いつもありがとうございます」
お茶の湯気が何故か目に沁みる。
盤面では彼が圧倒的に有利な状況だ。
果たして挽回できるかどうか。
「スプリンクラーは発動せず、窓を開くのももう遅いだろう。
俺たちは死ぬのだここで。全員が」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 01:09:59.74 ID:pAQgf2ZJ0
「それで良い、古泉一樹。続けて」
「はい」
外は綺麗な秋晴れで、運動部の掛け声が遠くに聞こえてくる。
このような毎日が続けば、僕としては文句のつけようが無い。
と、その時だった。
携帯が鳴った。
「ぐ……あぁ……? 何? どうなったの……けむい……」
「涼宮さん! ああ、涼宮さん! 気がついたんですね良かったぁ!」
「み……くるちゃん? あたし……どうなって……」
「全ての出入り口に鍵をかけ、釘を打ち付けた俺は安堵した。
俺たちは、全員ここから出る事はできない。その事実が俺を安らぎの境地へと誘ってくれるのだ」
僕は部屋の角に行って携帯に出た。
「もしもし?」
森さんだった。
『古泉? 何が起きているの! とんでもない閉鎖空間の発生、いえ閉鎖空間の爆発現象よ!』
他愛も無い確認の電話。
僕は異常無しと伝え、通話ボタンを切った。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 01:28:59.96 ID:pAQgf2ZJ0
「燃えろ燃えろ燃えてしまえ。全てを灰に。
髪の、肉の焼ける匂い。全てを無に。無に。無に」
彼が問いかけるような目配せをしてくる。
「何でもありません」
僕がそういうと、安堵したように盤面を指差す。
早いところ勝敗をつけたいのだろう。
「キョ……ン? 火事……よ……逃げ……なくちゃ」
涼宮さんが突然言った。
彼は肩をすくめながら、彼女に目線を向ける。
「死ね死ね死ね死ぬ死ぬ死ね死ぬ死ぬ死ね死ね。
俺も死ぬお前も死ぬみんな死ぬ死ぬ死ね死ね死ね死ね」
つまりはいつもの如く、涼宮さんの気まぐれだろう。
しかしこの程度ならば可愛いものだ。
しかし、珍しく長門さんが口を開いた。
「おかしい。状況が悪化している」
「そんな馬鹿な! ちゃんと地の文を入れましたよ!?」
「しかし現状の私達は業火に包まれた部室の真っ只中にいる」
「俺はハルヒの首をコードで縛った。蛙のような目をしたハルヒが虚ろな目で俺を見る」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 01:39:55.80 ID:pAQgf2ZJ0
「恐らく、地の文が現状にそぐわなかったのが原因と思われる」
「成る程……違いすぎていては修正が効かない、と」
「ハルヒを抱き上げ火の海で踊る俺達は舞踏会の主役となったようで」
「では朝比奈さん。貴女が地の文をお願いします」
「うぇえ!? わたしですか!」
「この状況を打破できるような地の文をお願いします」
「ぇえっ、ぇーと、えとえと」
キョンくんが突然我に返り、普通のキョンくんになりました。
ああ、良かったとわたしは胸を撫で下ろしました。
「何て事だ。俺は何を考えていたのだろう」
さあ、早くみんなで逃げましょう!
このままじゃ死んじゃいます!
「何故、俺は下半身に何も穿いていないのだ。恥ずかしいじゃないか」
わたしたちは力を合わせて扉をこじ開けました。
「俺は思いついた。そうだ、上も脱げばいいんだ。
俺はもしかすると天才なのかもしれない」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 01:52:24.34 ID:pAQgf2ZJ0
そしてわたしたちは急死に一生を得ました。
駆けつけてくれた鶴屋さんは、とても心配してくれました。
「ちょっと! 何だいこの煙はっ! みくる!? いるのかい!?」
「俺は全裸になると扉の前にロッカーを引きずり倒した。
これで誰も出られない。誰も入る事が出来ない。ここはそう密室なのだ」
キョ、キョンくんはそう言いながらもみんなで助かろうと必死に……
「朝比奈さん」
「こっ、古泉くん!」
「もうよしましょう。僕達は失敗したんです」
「そんな! まだ、まだです! わたし頑張りますから! 地の文、頑張りますから!」
「見てください。もう火の手は部屋の隅々にまで及んでいます。
僕達が今、こうして生きているのも奇跡みたいなものです。
どこかで、そう……どこかで選択を間違えたのでしょう。
もし次の機会があれば……願わくは正解を選択したいものですね」
「非常に残念でならない。私に出来る事は時間を少し巻戻すくらいしかない」
「……それです長門さん。お願いできますか?」
「構わないが推奨できない」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 02:08:31.53 ID:pAQgf2ZJ0
「なぜですか? やり直すことができれば……!」
「時間を巻戻すということは貴方達の記憶も無かった事になる。
同じ事を繰り返す事にしかならない。実は既にループ現象を数万回行っている。
どのシークエンスも失敗に終わっている。思念体も、既に見切りをつけている」
「燃えた燃えたハルヒに火がついたメラメラと燃えるハルヒがひぃらひぃらと踊っている」
「……あの夏休みと同じようなループですか。
しかも今回はキーとなる彼がこんな具合ですからね……」
「でも、だからって諦めちゃダメだと思います!」
「そうですね……長門さん。これまでのループで僕達が『試していない』事はありますか?」
「……漠然とし過ぎている。答えられない」
「言い方を変えましょう。例えば世界を改変するような行為をした事はありますか?」
「……そのような行為は涼宮ハルヒにしか出来ない」
「でしたら……こうしてみては如何でしょうか?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 02:17:58.35 ID:pAQgf2ZJ0
古泉「さて……これで変わったはずです」
みくる「えっと、どういう事ですか?」
長門「……成る程。台詞の前に名前をつける事によって台本形式に変えた」
古泉「ええ。これなら『地の文』は必要ありません。
よって彼が『地の文』の役割を果たさずともよくなりました」
キョン「くっ……なんだ!? 何がどうなってる!? おい、みんな!」
みくる「キョンくん! キチガイじゃなくなったんですね!」
キョン「キチ……うわ、何で俺、全裸なんです!?」
古泉「それは後にして下さい。今はこの火事から抜け出すのが先です」
キョン「お、おう……ハルヒ、ハルヒはどこだ!?」
みくる「そこの汚いボロクズが涼宮さんです!」
キョン「何でこんなボロボロに!? 畜生、誰がこんな事を!」
長門「説明は後。早く脱出を」
キョン「お、おう……」
―――
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 02:33:30.00 ID:pAQgf2ZJ0
―――
キョン「で、今回の出来事は何だったんだ?」
長門「『地の文』が無い地の文形式での進行。それが今回の異変の発生源」
古泉「つまり世界を成り立たせる要素が足りなかった事による、
世界自体の自己修復作業がエラーを引き起こしたのです」
みくる「キョンくんの役割が『語り手』だった為、そのエラーを一身に受けた……そういう事ですね?」
長門「そう。その許容量を遥かに超える情報により、人格崩壊をも引き起こしていた」
キョン「だから『地の文』が必要無い『台本形式』に変えた。それが上手く行ったってわけか」
古泉「ええ。『語り手』ではない僕が変えたわけですが、何とか変更できて本当に良かったですよ」
キョン「迷惑かけちまったな。すまん」
古泉「構いませんよ……っと、僕は閉鎖空間に行かなくてはなりませんね」
キョン「ああ……ハルヒのやつ、酷い目に遭わされたみたいだからな」
みくる「もう一ヶ月も集中治療室から出てこられませんからね」
キョン「ま、喉元過ぎれば熱さ忘れるってやつですよ」
一同「無事に終わって本当に良かった、ハハハハハ」
―――
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/09(金) 02:54:36.61 ID:pAQgf2ZJ0
―――
「俺はインデックスの顔面に何度も何度も何度もパンチを入れた。
唯一の取りえの愛らしかった顔は無残にも石榴のように割れ、血やその他の液体でぐちゃぐちゃになっていた」
「どう"ま"ーーー! も"う"や"べて"え"え"え"え"え"ーーー!!!」
「幾度と無く振り下ろした血に塗れた拳がすでに屑切れの様に横たわるインデックスの頭部を砕いた」
「がぷっ、あが……が」
「さて次はビリビリの所へ行こうかそれとも小萌先生のアパートに行こうか上条当麻は暫し考え――」
―――
SS書き「さてみなさん。SSの書き方には色々あります。台本形式、小説形式、そのどちらにも当てはまらない手法。
VIPやその他掲示板にいるSS書きと同じ数だけ存在すると言ってもいいでしょう。
そのどれを使っても、物語を『語る』という本質は決して変わりません。
要はどんな書き方でもSSは書ける、と言う事です。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
書かれているキャラクターは本当にその書かれ方で満足しているのでしょうか?
作風に合っていますか? 内容を損ねてはいませんか? 二次創作なら原作を破壊していませんか?
これからはよく気をつけてSSを読んでください。そして書いてください。
そのSSは本当はSSではない別の何かなのかもしれません……」
―――
終わり
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/09(金) 03:02:22.65 ID:pAQgf2ZJ0
なんか色々すまなかったんだぜ