キョン「ハルヒが処女か処女じゃないかだと?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/18(土) 21:19:46.99 ID:nqnBxaL40

キョン「……最低なこと聞くやつだな」

谷口「い、いやだってよぉ……気にならねー?男取っ替え引っ換えしてるような奴だぜ?」

国木田「やめなよ谷口。キョンは涼宮さんと親しいんだからそんな話題振られても困るだろ?」

谷口「お、おおそーな。悪りぃキョン。ちょっと気になっただけでよ。すまん」

キョン「……まぁお前の気持ちも分からんではないが……ハルヒの奴はそこまで浅はかな奴ではないぞ」

谷口「そうだな。よく考えてみりゃむしろ触らせもさせてくれなそうだぜ。つーわけでこの話は止めにすっか」

国木田「そうそう。そういえばこの前……」



ハルヒ「……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/18(土) 21:25:11.60 ID:nqnBxaL40

キョン「ちーっす……って俺が一番乗りか。珍しい」

キョン「じゃカバン置いてくつろがせてもらいましょうかね……ってヤバ、携帯落とした」カシャン

キョン「うお、こんな隅っこに入っちまって……届くか?……届いた!」

キョン「抜けん」

キョン「……ふん!ふん!」

グラッ……ドサドサ!

キョン「イデデデ!た、棚の上のパネルとかが落ちてきたのか……ついてない」

ガチャ

みくる「こんにちはぁ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/18(土) 21:29:04.78 ID:nqnBxaL40

キョン(うわぁ……よりによって朝比奈さんにこんな情けない姿を見られるなんて)


みくる「……私が最初かぁ」

キョン(え?気付かれてない?……そうか、落ちてきたものが影になって……)

みくる「……誰か来る前に着替えちゃお」

キョン(なんですと)

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/18(土) 21:34:22.63 ID:nqnBxaL40

キョン(いかん、いかんですよ。ここで声を潜めて居ないふりを決めこんでちゃ完璧に覗きになってしまう。しかし声を出してこんな情けない姿を見られてしまうのも御免蒙る……どうすれ)

シュル……パサッ

キョン(着替え始めてしまわれた!マズイ、マズイ、マズイ!)

みくる「……うーん、カップもうちょっと大きいのにした方がいいのかなぁ」

キョン(はち切れそうなものも魅力的です!)

みくる「よいしょ」ポロン

キョン(……不可抗力だな。うん不可抗力だ。仕方ない)

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/18(土) 21:42:15.21 ID:nqnBxaL40

キョン(天国だった)

ガチャ

ハルヒ「あら、みくるちゃん一人?」

長門「……」

キョン(天国から地獄!脱出が困難に!)

みくる「あ、どうも。今お茶入れますね」

長門「感謝する」

キョン(マズイな……。このまま全員揃っては……いやまて古泉が来たらこの携帯でさりげなく皆を外に誘導してもらえれば)

ハルヒ「キョンの奴はまだ?」

みくる「まだ見てないですねぇ」

ハルヒ「今日は古泉君もバイトで来られないみたいだし……つまらないわね」

キョン(万事休すか……)

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 21:48:39.43 ID:nqnBxaL40

キョン(いやここはピンチをチャンスに!)

ハルヒ「あら?キョンからメール?……なによあいつも来られないワケ?」

キョン(よし、これで興が削がれたハルヒが解散と宣言してくれれば……!)

ハルヒ「……丁度いいか」

みくる「はぇ?」

ハルヒ「ここに第一回、SOS団ガールズトークの開催を宣言します!」

みくる「え、ええー!」

長門「……」

キョン(……そんなに甘くはなかったか)

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 21:58:58.54 ID:nqnBxaL40

みくる「が、ガールズトークって何を話すんですかぁ?」

ハルヒ「女の子が固まって政治の話とかすると思う?恋バナに決まってるじゃない!」

みくる「え、ええー!」

ハルヒ「なによ」

みくる「い、いえ……涼宮さんが恋バナとかちょっと意外で……」

ハルヒ「……まぁね」

みくる「……なにかあったんですか?」

ハルヒ「別に、大したことじゃないんだけど……。やっぱ男って彼女の元カレとか気になるもんなのかしら」

みくる「あーなるほど……そういえば涼宮さん……」

ハルヒ「……なによ」

みくる「い、いえ……。まぁでもその、全く気にならないってことはないんじゃないでしょうか……」

ハルヒ「……ふーん」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:04:45.95 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「バッカみたいよね。そんなんで人が変わるわけでもないのに」

みくる「でもやっぱり気になりますよぉ。大人の人だったら気にしないって人もいますけど同年代となると……」

ハルヒ「そういうもんかしら……。ってみくるちゃん大人の人って、まさか」

みくる「はわわ、ち、違いますよぉ。そういうんじゃなくって……」

ハルヒ「ホントにぃ?」

みくる「い、今はそういう人いませんから!」

ハルヒ「やっぱり過去はいたんだ」

みくる「はぅー」

ハルヒ「ま、みくるちゃん可愛いもんねぇ。とっかえひっかえしても仕方ないか」

みくる「そんなことしてませぇん!3人だけですぅ!」

ハルヒ「なるほど」

みくる「はっ!」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:10:32.21 ID:nqnBxaL40

長門「……」

ハルヒ「そういえばユキはどうなの?誰かと付き合ったりしたことある?」

長門「……」

ハルヒ「ここには女子しかいないんだし腹を割って話しましょうよ。みくるちゃんだって暴露してくれたんだし」

みくる「す、涼宮さんがむりやりいわせたんじゃないですかぁ!」

ハルヒ「まぁまぁ。で、どうなのユキ。ある?」

長門「……男性と交際したという事実はある」

ハルヒ「!」

みくる「!」

ハルヒ「へ、へぇー。いや確かにユキは可愛いからおかしくはないんだけど……ちょっと意外だったわ。そういうの興味ないのかと思ってた」

みくる「わ、私もです」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:18:16.95 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「どれぐらい付き合ってたの?」

長門「最初の男性との交際期間は一週間」

ハルヒ「さ、最初?」

長門「男女交際をしたことのある男性は全部で5人。だから最初」

ハルヒ「ご、5人……。みくるちゃんより経験豊富とはちょっと驚きだったわ。でも一週間かぁ。それって他の男とかも同じぐらい?」

長門「そう」

ハルヒ「なるほどねぇ」

長門「全ての男性と男女交際における大体のイベントは一週間ほどで全てこなしてきた」

ハルヒ「い、イベント?」

みくる「そ、それってその……大人のお付き合いみたいなことも?」

長門「一通りは」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:25:41.30 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「だ、ダメよユキ!あんた可愛いんだからそんな自分を安売りしちゃ勿体無いわよ!」

長門「……」

みくる「な、長門さん、大人だったんだ……」

長門「サンプ……経験を積むためには仕方なかった。もうしない」

ハルヒ「全くもう、危なっかしい子ね。……まさかとは思うけど。ちゃんと避妊はしてたの?」

長門「……今後は注意する」

ハルヒ「……あーもう。これ持っときなさい!」

みくる「は、はわわ!な、なんでカバンからゴムがポンと出てくるんですかぁ!」

ハルヒ「む、昔もらったのがずっと入ってただけよ!」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:37:15.18 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「しっかし……意外だったわね。ひょっとして私が思ってるより未経験な子って少ないのかしら」

みくる「どうでしょう……涼宮さんの周りにいる方って魅力的な方が多いですから」

ハルヒ「そういえば鶴屋さんはどうなの?」

みくる「お付き合い……っていうか婚約者がいたみたいです」

ハルヒ「こ、婚約者」

みくる「それが嫌で嫌われるために一時期男の人といっぱい……その、そういう関係だったことがあったみたいで」

ハルヒ「へぇー。鶴屋さんが。人に歴史ありね」

みくる「それで目論見通り上手くいったみたいでますます明るい人に」

ハルヒ「なるほどねぇ」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:47:00.09 ID:nqnBxaL40

みくる「そういう話なら軽音楽部の方なんてどうなんですか?ちょっと派手なイメージあるんですけど」

ハルヒ「彼女らは意外と真面目よ。ちゃんとそれぞれ彼氏いるし。あ、一人は別れたんだっけ?」

みくる「はぁーそうなんですかぁ」

ハルヒ「あ、そうそう。喜緑さんだっけ?あの人は……」

みくる「あー……」

ハルヒ「……なに?」

みくる「いえー。前に生徒会室に行った時……喜緑さんと生徒会長のお二人だったんですけど」

ハルヒ「……」

みくる「……匂いが」

ハルヒ「あー……」

みくる「なんか慌ててファブリーズいっぱい使ったあととかも……」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 22:57:10.73 ID:nqnBxaL40

みくる「突然だったから焦ってたみたいですけど、ちょっと手馴れてる分常習ですねあれは」

ハルヒ「詳しいわねみくるちゃん……」

みくる「そんなことないですよぉ」

ハルヒ「阪中さんも最近彼氏できたって喜んでたなー」

みくる「同じクラスの?」

ハルヒ「うん。ちょっとしか聞いてないけど結構ベタ惚れみたい」

みくる「はぁー……」

ハルヒ「ユキはそういう話知らない?」

長門「学校の人物はあまり詳しくはない……が」

ハルヒ「が?」

長門「バックア……近所に住んでいる知人の話ならば」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:03:15.50 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「へーどんなのどんなの」

長門「その知人は用事があって家に訪れることが多く、合鍵を渡している」

ハルヒ「へー」

長門「その鍵を使いたまに家をホテル代わりに利用していて迷惑している」

ハルヒ「ぶほっ」

長門「?」

ハルヒ「は、犯罪じゃないそんなの!ちゃんと怒りなさいよ!」

長門「確かに帰宅した際にティッシュや避妊具が放置してあると片付けが面倒」

ハルヒ「今日一日でユキに対するイメージが大分変わったわ……」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:09:10.65 ID:nqnBxaL40

ハルヒ「なんか虚しくなってきたわね……。今日はもう解散しましょうか」

長門「了解した」

みくる「あ、じゃ私が鍵しめちゃいますね」

ハルヒ「お願いみくるちゃん」

ガチャン

キョン「……」

キョン「は、はは……」

キョン「なにがそんな浅はかな奴じゃないだよ……浅はかすぎるぜ俺……」

キョン「……帰ろう」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:13:52.73 ID:nqnBxaL40

キョン「ただいま……」

キョン「……?」

キョン「おかしいな。いつもなら妹が飛びついてくるのに……。まだ帰ってないのか?」

ドタンドタン!

キョン「……部屋か?」

キョン「おーいただいまー……」

ガチャ

少年「お、お邪魔してます……」

妹「お、おかえりキョンくん!は、早かったんだね!?」

キョン「……」

キョン「……」クンクン

キョン(嗅ぎ慣れた匂い……そして、急いでかけたようなファブリーズ……)

キョン「……は、はは」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:21:42.96 ID:nqnBxaL40

少年「あ、も、もうこんな時間かぁ。そ、そろそろ帰らないと!そ、それじゃ……」

キョン「……少年」

少年「は、はい!?」

キョン「服……後ろ前だぞ」

少年「あ……!そ、それじゃお邪魔しました!」

バタバタバタ

キョン「……カッコイイ男の子だったな。友達か?」

妹「う、うん。同じクラスの……。ミニバスでキャプテンやってるの……」

キョン「……少し、早いんじゃないか?」

妹「で、でも……でも……み、ミヨキチだってしたって……。それに、だって……好きだし……」

キョン「……家では控えなさい」

妹「……はい」

バタン
キョン「……はは、なんだそりゃ」

キョン「なんだよ家では控えなさいとか……」

キョン「情けねぇ……」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:31:01.74 ID:nqnBxaL40

次の日

谷口「おはよー!キョン、国木田!聞いてくれよ!昨日俺さぁ!」

キョン「……」

谷口「ど、どうした。死にそうな顔してるぞお前」

キョン「いや……なんでもない。お前はどうした?なんかいいことでもあったか」

谷口「あーいや……。今はいいわ。なんかお前死にそうだし」

キョン「そうか……」

谷口「……なんか知らねーけどさ、疲れてるならゆっくり休んだらどうだ?気晴らしなら声かけてくてりゃ付き合うからよ!」

キョン「……」

国木田「ホントに元気ないね。僕もなにか力になれることがあれば協力するからさ。ね、キョン」

キョン「ありがとな……二人とも」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:39:49.74 ID:nqnBxaL40

昼休み

キョン(あいつらのおかげで少しは気分も持ち直せたな)

キョン(友達ってのはいいもんだ。お、谷口と国木田だ)

キョン「おー……」

国木田「しかし谷口の地道なナンパ活動がついに実を結ぶとはね」

谷口「いやいやはっは。昨日は勝負かけてみてよかったぜ」

国木田「でもナンパとかについてく子ってちょっと軽いイメージだな僕は」

谷口「いや俺もそう思ってたんだけどさ……昨日はびびったよ」

国木田「なんで?」

谷口「いやその……向こうも初めてでさ。血見るとやっぱ焦るな」

国木田「おお、谷口もついに卒業したんだ」

谷口「お前より遅いってのがちょいと悔しいがな!まぁ朝はそれ言おうと思ったんだけど……キョンの奴なんか落ち込んでたからよ」

国木田「谷口って意外とそういうとこ気を使えるよね」

谷口「お、わかる?彼女もそういうとこがいいってさぁ……」


キョン「……」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:46:49.78 ID:nqnBxaL40

放課後

キョン「……部室なんかいけねぇよ」

キョン「……帰るか」

古泉「おや、どこへ行くんですか?」

キョン「古泉……」

古泉「今日はお帰りで?」

キョン「あぁそーだよ。じゃあな」

古泉「……顔色が悪いですよ?大丈夫ですか?」

キョン「へーきだよ」

古泉「失礼ながらそうはお見受けできません。……なにか、あったんですか?」

キョン「……」

古泉「その、僕でよかったらですが……話ぐらいは聞けますよ。話してしまうことで軽くなることもあると思うんです」

キョン「……」

古泉「僕は……あなたのことを友人だと思っています。なにかできることがあれば言ってください」

キョン「……古泉」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/18(土) 23:54:59.52 ID:nqnBxaL40

キョン「あまり、周りの人に聞かれたくない……」

古泉「……わかりました。と、なると喫茶店などはNG。かといってカラオケBOXなどでは落ち着きがない……」

キョン「……」

古泉「よろしければ……僕の家に来ませんか?」

キョン「え?」

古泉「学生の身分でありますが事情により一人暮らしをしているもので。それともあなたの家の方が……」

キョン「いや……」

古泉「……」

キョン「……家は、嫌だ」

古泉「……そうですか。でしたらやはり僕の家にしましょう。なにもない所ですが……」

キョン「……すまん。お邪魔する」

古泉「おや、友人同士で遠慮なんておかしいですね」

キョン「……はは、そうだな。頼むわ」

古泉「ええ、歓迎しますよ」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/02/19(日) 00:04:46.45 ID:tzHcmzXv0

古泉「ここです」

キョン「案外普通なとこだな」

古泉「フフッ、どんな想像をしてたのか興味がありますね」

ガチャ

古泉「どうぞ」

キョン「お邪魔します」

古泉「今お茶をお持ちしますので先に部屋でくつろいでいてください」

キョン「お、おお。別にそんな気を使わなくていいぞ」

古泉「友人を招いたんですからおもてなしぐらいさせてください」

キョン「……すまんな」

古泉「いえいえ」


149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 00:26:53.96 ID:tzHcmzXv0

キョン「……本当に何もない部屋だな」

キョン(そういやあいつ……いつもハルヒの尻拭いであちこち飛び回ってんだよな)

キョン(それで今度は俺の世話なんて焼いて……)

キョン(感謝、しないとな)

古泉「すみませーん、コーヒーと紅茶どちらがいいですかー?」

キョン「あ、あぁ、どっちでもいいぞー!」

キョン「律儀な奴だよホント。……つーかソファーもねーのか。本当に寝るだけの部屋だな……。ベッドにでも座ってるか」

ボスッ

「ぎゅえっ!」

キョン「……え?」

森「な、なによぉ古泉早かったじゃない。部活……は……」

キョン「……」

森「……」

キョン「……」

森「キャーーー!」

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 00:35:20.73 ID:tzHcmzXv0

古泉「ど、どうしたんで……森さん!?」

森「こ、古泉ー!し、知らない男が!わ、私に乗っかって!」

古泉「お、落ち着いてください!彼ですよ!」

森「え……?」

キョン「……」

森「あ、あはは……。ど、どうも」

キョン「は、はは……そ、そうだったのか……。いやすまん。ごめん。俺、帰るから……」

古泉「い、いや違いますって!僕も森さんがいるとは思ってなくて!」

キョン「……じゃな」

古泉「ちょ……!」

バタン

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 00:49:17.75 ID:tzHcmzXv0

キョン「……」

古泉「待ってください!誤解ですよ!」

キョン「……なんでおっかけてくんだよ……一人にしてくれよ……。これ以上からかわれたら堪らねぇよ」

古泉「ですから!森さんは今日勝手に僕の部屋に上がりこんでいて!僕も全く知らなくてからかったわけではないんです!ね?森さん!」

森「その……驚かせてしまい申し訳ありません。今日は古泉と本部に出向することになっていたので家で古泉を待っていたのですが……つい睡魔が。お恥ずかしいです」

キョン「……森さんは、その……古泉と、その……男女の関係というわけではないんですか?」

古泉「は?え、な、なにを……」

森「……難しいですね」

キョン「難しいってなんですか」

森「……私は古泉を気に入っていますし場合によっては体を重ねることもあります」

古泉「ちょ……」

森「しかし、明確に恋人、とは言えないし言ってはいけないんです」

キョン「はぁ?」

森「古泉は機関でも特別な立ち位置にいますし……私たちは、いつ閉鎖空間で果てるか分かりませんから」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 00:55:03.45 ID:tzHcmzXv0

キョン「……もういいです」

森「……」

キョン「とりあえず、今日の事情は分かりました。でもとても相談事をする気分でもないので……帰らせてもらいます」

森「申し訳ありませんでした」

キョン「それじゃ……」

古泉「あ、あの!」

キョン「……」

古泉「こんなことになってしまいましたが!僕があなたの力になりたいと思ったのは本当ですから!……それだけは、知っておいてもらいたくて」

森「……本当なら古泉の立場から言って機関の命令でもないのにSOS団を休むのはありえないんです。それでも……」

キョン「……分かりました」

古泉「あ……」

キョン「じゃあな。古泉」

古泉「はい……。また……」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 00:59:29.12 ID:tzHcmzXv0

キョン「なにが難しいですね、だ……!」

キョン「普通に恋人じゃねーか!庇ってんじゃねーよクソ!クソ!クソ!」

キョン「なにが機関だ!なにが閉鎖空間だ!」

キョン「なにが……!」

橘「おやどうしました?荒れてますね」

キョン「……なにが超能力者だ」

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:08:57.31 ID:tzHcmzXv0

橘「いきなりご挨拶ですね……」

キョン「……悪いな。今日は気が立ってるんだ」

橘「……本当にどうしたんですか?」

キョン「なんでもねぇよ……」

橘「なんでもないってことはないでしょう。そんな顔して。なにがあったんですか?」

キョン「お前にはわからねぇよ!」

橘「な……!そりゃ言わなきゃ分かりませんよ!」

キョン「テメェみたいな処女じゃ分からないっていってんだよ!」

橘「なーーー!」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:17:48.22 ID:tzHcmzXv0

キョン「あっ……」

橘「な、なななんてこと言うんですか!信じられません!最低です!」

キョン「……うるせぇ」

橘「心配して損しましたよ!全く、声かけるんじゃなかった……!」

キョン「……」

橘「なにが処女じゃ分からない、ですか馬鹿にして……!わ、私だって……!」

キョン「……なに?」

橘「な、なんですか」

キョン「お前……彼氏いたのか?」

橘「かれ……しはいませんけど」

キョン「な、なんだ。見栄張るなよ全く」

橘「か、彼氏はいませんけど!わ、わたしだってそういうことの経験はありますよ!」

キョン「……」

橘「ほ、ほんと……です、よ?」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:21:57.32 ID:tzHcmzXv0

キョン「……」

橘「……」プルプル

キョン(無いな)

橘「今『無いな』って思ったでしょう」

キョン「別に」

橘「あ、ありますよ!私だって経験ぐらい!」

キョン「じゃ名前言ってみ」

橘「それは……」

キョン(無いな)

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:29:04.92 ID:tzHcmzXv0

橘「あの……」
キョン「え?」

橘「……いつもヘラヘラしてる男です」

キョン「は?」

橘「……」

キョン「もしかして……こいず……み?」

橘 コクン

キョン「……」

橘「……嘘じゃ……ないです」

キョン「……嘘だ」

橘「嘘じゃないです!」

キョン「嘘だ!だって、だってあいつ、彼女……みたいな人がいるんだぞ!」

橘「知ってますよ!」

キョン「……は?」

橘「……知ってますよ。それぐらい。そのせいで何度も何度も無理だって言われたんですから……」

キョン「……」

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:43:37.08 ID:tzHcmzXv0

キョン「お前ら……仲悪いんじゃなかったのかよ……」

橘「……悪いですよ」

キョン「じゃなんで!」

橘「仕方ないじゃないですか!」

キョン「な……」

橘「助けてもらっちゃったんですよ!匿ってもらっちゃったんですよ!皮肉多かったけど優しかったんですよ!好きになっちゃったんですよ!」

橘「でも言えるわけない。恋人じゃないって言ってても見てれば分かる。でも好きになっちゃったんです!」

橘「……佐々木さんの閉鎖空間は涼宮さんのそれと比べて遥かに安全です。それでも危険がないわけじゃない」

橘「私だって、なんの思いでもなく消えたくない。そして、あの人はそんな私の気持ちが一番よく分かる立場にいたの」

橘「だからそれを利用して抱いてもらったの!情けないけど、好きだったから!」

橘「……笑って、軽蔑してくれてもいいですよ。そういう、浅ましい女ですから」

キョン「……」

橘「……でも後悔はしてません。私はその時幸せでしたから」

キョン「もういい」

橘「え?」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:49:24.81 ID:tzHcmzXv0

キョン「もういいよ。悪かったよ。変なこと聞いて」

橘「あ……」

橘「いえその……私の方こそ感情的になっちゃって……頭がぶわーってなっちゃって……すみませんでした」

キョン「……俺もう行くな」

橘「はい……あの」

キョン「なんだよ」

橘「彼には、言わないでもらえますか?迷惑、かけたくないんです」

キョン「……今の聞いたら、お前のこと好きになってくれるかもしれんぞ」

橘「そういうのはもうしないことに決めたんです。今度は、正々堂々と、好きになってもらいたいから」

キョン「……そーかよ」

橘「すみません」

キョン「……」


キョン「俺の方が泣きてーよ……」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 01:56:21.03 ID:tzHcmzXv0

次の日

キョン「もう学校も行く気力も無い……」

キョン「フケちゃお……」

キョン「流石に学校あるウチは知り合いには会わんだろ……」

九曜「――――――」

キョン「……宇宙人でもない限りな」

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:03:08.82 ID:tzHcmzXv0

キョン「……なにしてんだよ」

九曜「―――資金集め―――」

キョン「……バイトでもしてんのか」

九曜「――――――」コクリ

キョン「マジか。お前がバイト……想像できんぞ」

九曜「――――――」スッ

キョン「ん?……ラブホ」

九曜「――――――」

キョン「……一応聞くが、清掃?」

九曜「――――――」フルフル

キョン「だよな。聞いてみただけだ。もう慣れた」

キョン「……慣れたよ」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:12:03.48 ID:tzHcmzXv0

九曜「―――一番―――効率がいい―――」

キョン「そうかよ。宇宙人サマには貞操観念ってもんがないらしい。全くご尊敬申し上げるぜ」

九曜「―――処女膜の再生なら―――可能―――」

キョン「そういう問題じゃねーだろ!」

九曜「―――顧客の満足度―――」

キョン「そういうんでもねーよ……」

九曜「――――――」

キョン「……俺はもう行く。じゃあな」

九曜「―――さよなら―――」





九曜「―――したかった?―――」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:19:17.22 ID:tzHcmzXv0

キョン「コンビニで漫画読んでたらもうこんな時間か……」

キョン「奇天烈宇宙人のせいで全然気晴らしにならなかった……」

キョン「……腹減ったな。おでんでも買うか」

キョン「……昔は塾帰りとかよく佐々木にたかられたな。こうやっておでんなんか買おうものなら後ろから―――」

佐々木「一つもらうよ。キョン」

キョン「……佐々木」

佐々木「驚いてもらえてうれしいよ。ボクもイタズラを仕掛けた甲斐がある」

キョン「……変わらんな。お前は」

佐々木「……君は少し変わったね。キョン」

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:35:13.22 ID:tzHcmzXv0

佐々木「九曜さんから平日だというのにプラプラ君が出歩いていたときいてね。少し心配になってしまったんだ」

キョン「……」

佐々木「やれやれ……重症だねこれは」

キョン「放っといてくれよ……」

佐々木「そんな顔で言われても説得力がないよ、キョン。……なにがあったかは知らないが、ボクに話してみてくれないか?」

キョン「……言えねぇよ」

佐々木「ふむ。言いたくないじゃなく言えないときたか。その理由も言えないのかい?」

キョン「こんな最低すぎる話、お前に話せないってことだよ」

佐々木「……なるほどね。要するに君はその話をしてボクに嫌われたくない、と」

キョン「……」

佐々木「嬉しいよ。キョン」

キョン「え?」

佐々木「君がボクに嫌われたくないと思ってくれることがとても嬉しい。でもねキョン。ボクは親友の悩みを聞いてその人を軽蔑する人間ではないつもりだ」

キョン「佐々木……」

佐々木「話してみてくれないかな?君の力になりたいんだよ。キョン」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:50:28.26 ID:tzHcmzXv0

佐々木「なるほどね」

キョン「……」

佐々木「しかし話してくれと言ったのはボクだがよくもまぁここまで明け透けに話してくれたよ」

キョン「な!お前が言ったんだろうが!」

佐々木「うん。だから嬉しいよ。君がここまで話してくれて」

キョン「……!」

佐々木「怒ったかい?」

キョン「……別に」

佐々木「ごめんねキョン」ナデナデ

キョン「やめんか」

佐々木「はいはい」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 02:59:39.80 ID:tzHcmzXv0

キョン「俺だってわかってるんだよ。誰が悪いってわけじゃないって。でもそれとこれとは……」

佐々木「いや九曜さん辺りはどうかとは思うけど……でもそうだね。仕方ないことなのかもしれないね」

キョン「……」

佐々木「でもねキョン。ボクはそれについて憤りを感じるのも、やっぱり仕方ないことなんだとも思う」

キョン「え?」

佐々木「君が落ち込むのは、その人達を大事に思っていたからだろう?無関心な相手がそんなことになっていても、驚きはしてもショックは受けないよ」

キョン「……」

佐々木「だからね、キョン。君のその気持ちは、恥じることなんて無いんだ。自分を軽蔑なんてしなくてもいいんだよ。キョン」

キョン「佐々木……」

佐々木「一人で受け止めるには辛すぎるなら、ボクがいるさ。いくらだってぶちまけてくれ。ボクたちは親友なんだから」

キョン「……ありがとう」

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:20:07.36 ID:tzHcmzXv0

キョン「ありがとな。少し楽になったよ」

佐々木「気にしないでくれ。元々そのために来たんだからね」

キョン「……すまんな」

佐々木「くっくっ」

キョン「……笑うなっての」

佐々木「いやすまないね。君のこういう場面は実に貴重だから」

キョン「全く……」

佐々木「……ねぇキョン」

キョン「なんだよ。もー今日はいくらでもからかってくれ。無条件降伏だよ」

佐々木「……それで、ボクには聞かないのかい?」

キョン「……え?」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:25:58.21 ID:tzHcmzXv0

キョン「……なにを、だ?」

佐々木「何をってことはないだろう。話の流れからして分からないとは言わせないよ」

キョン「……」

佐々木「……ずっと、気になってたんだろう?ボクは君に嘘は言わないよ」

キョン「止めてくれ」

佐々木「……君が本当に止めてほしいというのなら、止めるよ。でも、それでいいのかい?君はそれで後から後悔しないかい?」

キョン「佐々木……俺は」

佐々木「キョン。聞いてくれないのかい?ボクのことは、気にならないのかい?」

キョン「……俺は」

佐々木「キョン……」

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:32:24.48 ID:tzHcmzXv0

キョン「佐々木っ!」

佐々木「……なんだい。キョン」

キョン「聞きたいことが、ある」

佐々木「なんでも答えるよ」

キョン「……」

佐々木「でも、言葉はよく選んで欲しいかな。なんてね」

キョン「佐々木、お前は……」

佐々木「……」

キョン「お前は、誰かに抱かれたのか?」

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:39:25.24 ID:tzHcmzXv0

佐々木「……」

キョン「ど、どうなんだよ……」

佐々木「くっくっ」

キョン「佐々木!」

佐々木「……」

キョン「答えて、くれるんだろ?嘘はつかないん、だろ?」

佐々木「ねぇキョン」

キョン「……」

佐々木「もし。ボクが君の想像通りの女だったらどうする?」

キョン「あ……」

佐々木「もう親友じゃなくなっちゃうのかな?そんな女とは仲良くなんてできないのかな?」

キョン「……」

佐々木「どうだろう。キョン。君の想像通りだったら。どうなんだろう」

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:48:44.72 ID:tzHcmzXv0

キョン「……そんなことはねぇよ」

佐々木「……どういうことかな」

キョン「……言葉通りさ」

佐々木「もっと詳しく聞きたいな」

キョン「そんなことじゃ、別に友達やめたりしないってことだよ……。お前が誰かに抱かれたことがあったとしても、それとお前との友情は別問題だ」

佐々木「……そうか」

佐々木「そうか」

キョン「ただ、やっぱり少しショックみたいだ。前みたいに話すには少し、時間が欲しい」

佐々木「わかったよ。キョン。よく分かった。辛い話をしてしまってすまないね」

キョン「いや、いいさ……。元々元気付けに来てくれたんだからな……」

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:50:38.62 ID:tzHcmzXv0

佐々木「……」

キョン「それじゃ、俺帰るわ。……またな」

佐々木「ああ。またね。キョン」

キョン「……」

佐々木「キョン」

キョン「なんだ……?」

佐々木「ボクたちは、これからもずっと、友達だね」

キョン「……そうだな」





佐々木「……ばか……」

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 03:56:32.60 ID:tzHcmzXv0

キョン「……」

キョン「はは、なんだよ。佐々木もかよ……ははは」

キョン「さすがに、堪えるぜ……はは」

キョン「……相手、誰なんだろうな。藤原とかだったりして……」

キョン「聞けねぇよ……聞きたくねぇよ……そこまでは……」

キョン「……耐えらんねぇよ……」

キョン「……佐々木ィ……!」

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 04:04:12.34 ID:tzHcmzXv0

次の日

妹「キョンくん、お客さん……お見舞いだって」

古泉「……こんにちは」

キョン「……」

妹「キョンくん……ドアあけよう」

古泉「あ、いいんですよ。お構いなく。軽く話したら僕も帰りますのでお部屋に戻っていてもらってかまいませんよ」

妹「そう……?」

古泉「はい」

妹「うん……」

古泉「……さて」

439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 04:13:42.26 ID:tzHcmzXv0

古泉「先日は、本当に申し訳ありませんでした」
キョン「……」

古泉「もしかしたら、今日学校を休んだのも僕のせいなのかと思い……。いえ、それもありますが、ただ単純に心配だったので足を運ばせていただきました」

キョン「……別に」

古泉「!」

キョン「別に……お前は関係……ないこともないが。今日休んだのは、それじゃねぇよ」

古泉「そうですか……。申し訳ありません」

キョン「……別に、謝るようなことしてないだろ。お前は。それなのに謝られちゃ俺が惨めだ。やめてくれ」

古泉「……そうですね。分かりました。……ふふ」

キョン「なにがおかしい」

古泉「いえ、笑ったのではありません。ただあなたのそういう気高い所、僕は好きなんですよ」

キョン「馬鹿にしてるのか」

古泉「尊敬してるんです」

キョン「……」

古泉「……」

キョン「……ふん」

457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 04:27:42.74 ID:tzHcmzXv0

キョン「さすが二股かけられるイケメン様は言うことが違うな」

古泉「え?」

キョン「森さんと橘。どっちが本命なんだよ。それとも二人と上手くやってんのか?上手そうだもんなぁお前そういうの。飽きたらどっちか俺にも貸してくれよ」

古泉「……やめてください」

キョン「ハッ、図星でも突かれたかよヤリチン―――」

古泉「そんな、思ってもないこと言わないでください。そんなことを言って、自分を傷つけないでください」

キョン「……」

古泉「あなたがそんなこと言う人間じゃないってことぐらい分かるつもりです。……それなのに」

キョン「……なんだよ」

古泉「……僕が、そんなことを言わせてしまったんですね。そんなになるまであなたを追い詰めてしまったんですね」

キョン「……」

古泉「……今日来たのは、報告することもあったからです」

キョン「……報告?」

古泉「森さんと、橘京子との関係を清算してきました」

474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 04:45:25.85 ID:tzHcmzXv0

古泉「昨日のあなたとの一件で目が覚めました。僕は、ただ甘えていただけだ。関係をハッキリさせずズルズルと二人の言うがままに流されてしまっていた……」

古泉「そのせいで、あなたの信頼を裏切ってしまった。あなたの友人のつもりだったのに、裏切ってしまった。僕は、それがとても恥ずかしい」

キョン「……関係を清算って、なんだよ」

古泉「もう、ハッキリしないままは止めようと言ったんです。もしかしたら今後そういう関係になるのかもしれない。でも曖昧な関係なまま続けるのは止めようと」

キョン「……そんなん俺が知るかよ」

古泉「そう、ですね。でもあなたに聞いてもらいたかった。僕の目を覚まさせてくれたあなたに」

キョン「知らねーよそんなこと!好きにすりゃいいだろう!そんなこと俺にいってどーすんだよ!」

古泉「……」

キョン「お前の女関係なんて知ったこっちゃねーよ!聞かされてる身にもなれ!それ聞かされて俺はどーすればいいんだよ!え!?」

古泉「……仲直り、してもらいたいのです」

キョン「ああ?」

古泉「もう二度と、あなたの信頼を裏切りたくない。もうあんな失敗はしたくない」

古泉「もう、友人を失いたくないんです」

キョン「……」

482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 04:52:37.28 ID:tzHcmzXv0

古泉「今日は、それだけ伝えたくて……」

キョン「……」

古泉「あなたはもう僕のことを友人と思っていないのかもしれませんが……」

古泉「僕はずっと、あなたの友人でいたいと思っているのです」

キョン「……」

古泉「……それでは。失礼します」

    バタン

キョン「なんだよ……」

キョン「なんだよ今更……」

キョン「大体、お前悪くねーじゃねーか……俺がただ勝手に凹んでるだけじゃねーか……」

キョン「馬鹿じゃねーの……」

キョン「馬鹿じゃねーの……俺」

キョン「かっこわりぃ……情けねぇ……」

キョン「……ちくしょお」

502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:06:40.19 ID:tzHcmzXv0

次の日

古泉「こんにちは」

キョン「また、来たのか」

古泉「お休みされてるようでしたので」

キョン「……」

古泉「皆さん心配していましたよ」

キョン「皆さんって誰だよ」

古泉「谷口君、国木田君、朝比奈さん、長門さんそして、涼宮さん。皆さんですよ」

キョン「……それで?スネてないで早く学校来いってか?」

古泉「いえ……。疲れてる時はゆっくりと休むのが一番です。大丈夫。涼宮さんの方は僕がなんとしても退屈させないように頑張りますから」

キョン「……」

古泉「といっても涼宮さんにとってはあなたが顔を出してくれるのが一番なんでしょうがね」

キョン「知るかよ」

古泉「ははは」

514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:11:57.64 ID:tzHcmzXv0

次の日

妹「キョンくんお客さん」

キョン「……なんだよ。また来たのかよ」

佐々木「また、とはおかしなことを言うね君は」

キョン「さ、佐々木!?」

佐々木「大正解」

キョン「……なんで」

佐々木「学校、休んでるみたいじゃないか」

キョン「……」

佐々木「ボクのせいかい?」

キョン「……」

526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:21:54.25 ID:tzHcmzXv0

佐々木「ボクのせいでここまで悩んでくれるのは嬉しくもあるが……」

キョン「……」

佐々木「……冗談にはつっこんでほしいな」

キョン「……すまん」

佐々木「……仕方ないさ。一度に色々ありすぎたからね。整理する時間も必要だ」

キョン「……」

佐々木「……また来るよ。ドア越しでもいいからまた話してくれると嬉しい」

キョン「……ああ」

佐々木「……体調には気をつけてね。キョン。それじゃ、また……」

キョン「ああ。また……」



キョン「佐々木……」

533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:31:38.26 ID:tzHcmzXv0

次の日
古泉「こんにちは」

キョン「なんだ、お前か……」

古泉「おや?もしかして他に誰かいらっしゃるご予定が?それなら失礼しますが……」

キョン「いや、別に……」

古泉「……それでは誰かいらっしゃったらお暇するとしましょう。あ、そうだ。来る途中にケーキを買ってきたんです。よろしければご家族と食べてください」

キョン「ああ……」

古泉「……」

キョン「しかしお前も飽きないな。毎度毎度顔出して……一応進学クラスだろ。俺に構ってる暇あるのかよ」

古泉「……」

キョン「……?おい古泉?帰ったのか?」

古泉「えっ?あ、いえすみませんボーっとしてました」

キョン「……そーかよ」

ピンポーン

古泉「おや、待ち人来る、ですかね。それでは僕はこの辺で」

キョン「あ、ああ」

539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:41:27.33 ID:tzHcmzXv0

佐々木「こんにちはキョン」

キョン「お、おう」

佐々木「今いたの古泉君、だよね?」

キョン「ああ。なんか毎日来てる」

佐々木「ふーん……」

キョン「どうかしたのか?」

佐々木「いや別に。……なんだ。ボク以外にもいい友人に恵まれてるじゃないか」

キョン「そんなんじゃねぇよ」

佐々木「毎日来てくれてるんだろう?」

キョン「……」

佐々木「……まぁ、ボクが口を出すことじゃないか。どうだい。まだ時間がかかりそうかい?」

キョン「……もう少し、時間かかりそうだ」

佐々木「そうか……。落ち着いたら、また遊びでも行こう。友人として奢ってあげてもいい」

キョン「そりゃ楽しみだ」

佐々木「そうだろう。ボクもだよ」

550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 05:50:55.92 ID:tzHcmzXv0

次の次の日

キョン(昨日は古泉も佐々木も来なかったな……別に待ってたわけじゃないけど)

妹「キョンくんお客ー」

キョン「あ、ああ」

「……」

キョン(誰だ?古泉か?佐々木か?)

「……なに、やってるんですかあなたは」

キョン「え……?この声……橘?」

橘「なにやってるんですかあなたはっ!」

564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 06:09:41.03 ID:tzHcmzXv0

キョン「な、なんで橘が……」

橘「そんなことはどうでもいいでしょう!それより!今あなたどんな状況になってるか分かってるんですか!?」

キョン「見ての通り引きこもりだけど……」

橘「そんなことを言ってるんじゃないんです!あの人が今どんな状態か分かってるのかって聞いてるんです!」

キョン「あの人って……もしかして古泉か?何かあったのか?」

橘「呆れましたよ……!本当に何も知らないなんて!あの人は今、入院してるんですよ!」

キョン「こ、古泉が?な、なんで……」

橘「あなたが涼宮ハルヒに負荷をかけてるからですよ!」

キョン「は?」

橘「あなたが学校に来なくなってから連日連夜閉鎖空間が発生してて……そのまま寝ないで学校に行ってからは涼宮ハルヒのご機嫌とり!そして一昨日の夜に閉鎖空間で……」

キョン「あいつ……なんとかするって……」

橘「……この件であなたを責めるのは筋違いなのかも知れません。……でも!学校に行って部活に顔を出すだけじゃないですか!たったそれだけじゃないですか!」

橘「お願いです……。学校、行ってあげてください……」

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 08:31:11.77 ID:tzHcmzXv0

キョン「しかしお前も飽きないな。毎度毎度顔出して……一応進学クラスだろ。俺に構ってる暇あるのかよ」

古泉「……」

キョン「……?おい古泉?帰ったのか?」

古泉「えっ?あ、いえすみませんボーっとしてました」

キョン「……そーかよ」

――――――――――

キョン「そういう、ことか……」

キョン「馬鹿な奴だ」

キョン「そんな疲れてるのに毎日家にきやがって……」

キョン「……」

ガチャ

橘「あ……」

キョン「……古泉が入院してる場所、教えて……くれないか?」

橘「……はいっ」

643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 08:39:50.79 ID:tzHcmzXv0

コンコン

古泉「はーい」

キョン「……よう」

古泉「ど……どうして……」

キョン「橘から……聞いた」

古泉「あ……すみません。黙っててほしいとお願いしたんですが……」

キョン「……怪我は、もういいのか」

古泉「あ、は、はい。閉鎖空間でした怪我は治るのも早いんですよ。超能力者の役得ってやつですかね」

キョン「そうか……」

古泉「はい……」

キョン「……」

古泉「だから、明日からはまた復帰できますから。あなたも無理は……」

キョン「もう、いいから」

古泉「え?」

キョン「もう。大丈夫だから。お前が無理しなくても俺、大丈夫だから」

650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 08:49:11.39 ID:tzHcmzXv0

キョン「本当は、お前が悪くないなんて分かってたんだよ……俺。でもあんまりにも情けなくて……恥ずかしくて……。謝るタイミングが分からなくなっちまって……」

古泉「……」

キョン「お前が毎日来てくれるもんだからつい……明日でいいかみたいにズルズルやっちまった。すまん」

古泉「……」

キョン「古泉……。許して、くれるか?」

古泉「許すも許さないも……あなたは悪くなんてないですよ」

キョン「それは……」

古泉「誰だってあんなことがあればショックを受けます。それにもしあなたの言う通りだったとしても……」

キョン「……」

古泉「これでおあいこ。でしょう?」

キョン「古泉……」

古泉「ね?」

キョン「……ありがとう」

662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 09:01:59.31 ID:tzHcmzXv0

キョン「傷大丈夫ならもう退院できるのか?」

古泉「あー……それは」

新川「退院?とんでもない。暫くは安静にしてないとダメですよ」

古泉「あ、どうも……」

キョン「……そうなんですか?」

新川「重体でしたからね」

キョン「……お前さっき明日には復帰できるとか言ってたじゃねぇか」

古泉「いや、はは……。まぁ頑張ればなんとかなるかなと……」

新川「死にたいのかバカモンが。新入り庇って重体で更に無茶するとはヒーロー気取りもその辺にしとけ」

古泉「……しかし学校が」

キョン「……ハルヒのことか?」

古泉「……」

キョン「それなら……」

キョン「……それなら、俺に任せてくれないか?」

669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 09:08:36.80 ID:tzHcmzXv0

古泉「え?」

キョン「俺が、お前のいない間はなんとかハルヒの奴を抑えてみようと思う」

古泉「え、でも……」

キョン「俺じゃ頼りないか?」

古泉「いえそんな!あなた以上に頼れる人なんて……!」

キョン「……」

古泉「……それじゃ」

キョン「……」

古泉「それじゃ甘えて、いいですか?」

キョン「ああ。任せろ。今度は俺が、なんとかしてやる」

古泉「……はい」

新川「ウチの古泉がだらしないせいでご迷惑をおかけします。微力ではありますが私も協力させてもらいます」

キョン「はは、心強いですよ」

681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 09:26:08.13 ID:tzHcmzXv0

次の日

キョン「オス」

ハルヒ「……キョン!」

みくる「キョンくぅん!」

長門「……」

キョン「長々と休んじまって悪かったな。ハルヒ」

ハルヒ「ま、ま、まったくよ!もう!団員としての自覚が足りないんじゃない!?」

キョン「はは……そうだな。悪い。しかし休んでる間いつお前が家に上がり込んできて無理やり登校させにくるか冷や冷やもんだったよ」

ハルヒ「ふんっ、さすがの私も高熱出して唸ってる人間引っ張り出したりはしないわよ」

キョン「高熱?」

ハルヒ「毎回古泉君が伝えてくれてたからどれだけ酷かったかも、まぁ分かってるつもり。でも自己管理ぐらいちゃんとしなさいよね!……するじゃない」

キョン「古泉が……」

みくる「お見舞いに行ってた古泉君も日に日に顔色悪くなってついにダウンですもんねぇ。私たちも気をつけないと」

ハルヒ「そうね。よし!これより我がSOS団は手洗いうがい徹底化を義務付けます!皆気をつけるのよ!風邪なんかに負けたらペナルティだかんね!」

695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 09:41:59.97 ID:tzHcmzXv0

キョン「……つーことがあったよ」

古泉「それはそれは。僕も副団長として気をつけないといけませんね」

キョン「いやお前はもう風邪引いてる設定だろ」

古泉「そうでした」

キョン「……新川さんに聞いたら閉鎖空間は発生してないみたいだ。この様子でいけば今日は発生しないかもだとさ」

古泉「さすがですね」

キョン「別になにかしたってわけじゃないんだがな」

古泉「だから凄いんですよ。僕がどんなに頑張ってもこの結果は得られなかったんですから。本当に感謝します。……さすがにこの体で閉鎖空間までいくのは少々辛くて」

キョン「ってお前そんなんで閉鎖空間行くつもりだったのかよ」

古泉「はは。あそこに入ってしまえば結構なんとかなるんですよ。入るまでが辛いだけで……」

キョン「……全く」

古泉「ははは……」

キョン「はははじゃないだろ……ん?」

古泉「どうしました?」

キョン「このフルーツ……誰か来てたのか?」

708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 09:52:09.92 ID:tzHcmzXv0

古泉「ああ、橘さん達が」

キョン「たち?」

古泉「ええ。大変でしたよ。ここは機関がよく利用する病院ですからね。彼女らが来てもう上へ下への大騒ぎで……」

キョン「……佐々木も来たのか?」

古泉「あ……すみません」

キョン「……いいさ。なんか不思議ともう大丈夫みたいだ。今ならまた佐々木と普通に話せそうだよ」

古泉「……」

キョン「そんな顔すんなよ。本当だって。……ま、さすがに女関係はしばらく御免蒙りたいがな」

古泉「そんな……身近にいい人いるかもしれないじゃないですか」

キョン「まぁなぁ。ま、そん時はそん時だ。佐々木や色々なことも受け入れられそうだしな。なんか世界がちょっと広がったのかもしれん」

古泉「ははっ」

キョン「ま、色々迷惑かけたしな。機会を作って話してみようと思う」

古泉「それがいいと思いますよ」

715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 10:03:19.46 ID:tzHcmzXv0

次の日
ハルヒ「はーいじゃ本日はこれにてかいさーん!」

長門 コク

みくる「はぁい」

キョン「おー」

キョン(……ハルヒの奴の機嫌はどんな感じかな)

ハルヒ「……ん?なによ」

キョン「あ、ああいや。なんでもない」

キョン(ダメだ。よーわからん)

ハルヒ「……ひょっとして具合悪い?」

キョン「い、いやそんなことはないが」

ハルヒ「ホントに?治ったからって油断しちゃダメよ。ちゃんと手洗いうがいすること。いいわね?」

キョン「へいへい」

ハルヒ「返事は3回!」

キョン「HEY!HEY!HEY!」

ハルヒ「おっけー!」

726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 10:19:35.01 ID:tzHcmzXv0

古泉「涼宮さんご機嫌みたいですね」

キョン「……そうか?」

古泉「ええ。過去にない安定を見せています。今まで抑圧されていた分一気に弾けてる感じですね」

キョン「……」ポリポリ
古泉「……照れてます?」

キョン「そういうんじゃねーけど」

古泉「ふふっ、ちょっと嫉妬してしまいますね。僕がどんなに頑張っても塞ぎ込んでいた涼宮さんが……って思うと」

キョン「俺は美少女三人が毎日見舞いに来てくれるお前の方が羨ましいぞ」

古泉「いえこれは……橘さんだけだと機関の目があるので入りにくいから付き添いという形で……」

キョン「はは、分かってるよ。お返しにからかっただけだ。でもどうだ?佐々木は中々いい奴だろう?結構小難しい話し方するからな。お前とは気が合うんじゃないかと思ってたんだが」

古泉「そうですね。非常に聡明な方なので話していて楽しいです」

キョン「はは……やっぱそっか」

古泉「ま、話題はもっぱらあなたの話なんですけどね」

キョン「え……」

古泉「……もう一度ちゃんと、お話してみた方がいいんじゃないですか?」

キョン「……そうだな」

738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 10:34:04.14 ID:tzHcmzXv0

キョン「とは言っても今日は不思議探索か」
ハルヒ「キョン遅い!」
キョン「おいおいまだ二人来てないじゃないか」
ハルヒ「んーそれがね。二人とも急用ができちゃったみたいなのよ……さっき連絡があったわ」
キョン「マジか」
ハルヒ「もう、大事な団活をなんだと思ってるのかしら!仕方ないっちゃないけどさ……せっかくキョンがまた参加するんだし」
キョン「あーそれじゃ今日は―――」
ハルヒ「……」

キョン「今日は、どこ行くか」

ハルヒ「そ、そうね。その、どこにしようかしらね!」

キョン(……あぶねー。帰ろうかとか言いそうだったぜ)

ハルヒ「よし決めた!付いてきなさいキョン!」

キョン「へいへいへい」

ハルヒ「最後はホーよ!」

キョン「へいへいほー!」

ハルヒ「よし!それじゃ森林公園にしゅっぱーっつ!」

キョン「それ絶対今決めたよな」

ハルヒ「まーね!」

キョン(……ま、いいか)

746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 10:49:17.30 ID:tzHcmzXv0

キョン「なんつーか……普通に楽しかったな」

キョン「いやいつもつまらないってわけじゃねーんだけど」

キョン「ハルヒの奴も、いつもより笑ってた気がする」

キョン「……まぁ、退屈はしないんだよな。あいつといると。なにかにつけ全力で楽しもうとしてる奴だし。退屈するはずもないし」

キョン「なんか……あんまり気にすることないのかな」

キョン「普通に、ハルヒといることを楽しんでればいいのかもしれん」

キョン「あいつがたまに暴走して、俺がそれにブレーキをかけて……」

キョン「朝比奈さんが慌てて、長門は我関せずで、古泉もにやけてて……」

キョン「俺は変に考えすぎてたのかもな」

キョン「目の前のことに全力で楽しむだけでよかったのかも」

キョン「……よし」

キョン「いっちょ頑張るかね」

759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 10:59:08.13 ID:tzHcmzXv0

数日後
コンコン

古泉「あ、は、はい」

ガチャ

キョン「うーっす」

古泉「ど、どうも」

キョン「ん?どうした?」

古泉「え?なにがですか?」

キョン「……まさかお前また隠れて筋トレとかしてたんじゃなかろうな」

古泉「ま、まさかぁ」

キョン「また退院延びても知らんぞ全く」

ぽんっ

古泉「うっ」

キョン「あ、すまん痛かったか?」

古泉「いえ大丈夫ですよ」

キョン「そうか。ならいいが……。安静にしてろよ」

776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 11:10:25.21 ID:tzHcmzXv0

古泉「それで……今日はどうしたんです?」

キョン「ん……そうだな。その、な。今日、佐々木と話そうかと思うんだ」

古泉「え……」

キョン「随分またせちまったしな……その、今なら話せる気がするんだ。なんつーか、吹っ切れたっていうか」

古泉「そう、ですか……」

キョン「心配すんなよ。また前みたいになったりはしねーって」

古泉「……はい」

キョン「ま、お前には言っておこうと思ってさ」

古泉「あの……」

キョン「ん?」

古泉「僕も……僕も聞いてもらいたいことがあるんです。今すぐにってわけじゃないんですけど、あなたに聞いてもらいたいことが……」

キョン「……ああ。いいよ。お前が話せる時になったら必ず聞くよ」

古泉「……すみません」

キョン「気にすんな。それじゃ俺そろそろいくわ。慌しくてすまんな」

古泉「……はい。いってらっしゃい」
バタン

799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 11:19:29.94 ID:tzHcmzXv0

キョン「佐々木は……まだ来てないのか」

佐々木「……お待たせ」

キョン「さ、佐々木……」

佐々木「……待たせたかな?」

キョン「いや、俺も今来たところだよ」

佐々木「そっか……それで、話ってなんだい?キョン」

キョン「……お前に謝りたいと思ってな」

佐々木「……君に謝られる覚えはないのだけれど」

キョン「いや。あるさ。俺は、お前を誤解したままだったからな」

佐々木「……どういう意味だい?」

827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 11:38:46.16 ID:tzHcmzXv0

キョン「思えば……おかしいところばかりだった。俺はそんなことも気がつけなかった。それを詫びたい」
佐々木「……たとえば?」
キョン「例えば……あの時お前は端々にヒントを残してくれていた。『言葉はよく選んでほしいかな。なんてね』。お前はああいう場面で冗談を挟む人間じゃない。冗談じゃないなら……本気だったってことだ」
佐々木「よく覚えてるものだね……」
キョン「そしてお前は俺の質問に嘘はつかないといった。……確かに嘘はついてなかったと思う。けど本当のことも言ってなかったな」
キョン「お前は『もし。ボクが君の想像通りの女だったらどうする?』と『聞いた』だけだ。俺の質問に『答えた』わけじゃない」

キョン「そしてお前は『俺の想像のお前』を詳しく聞きたがった。分かりやすく食らい付いてくれた。なのに……俺は気がつけなかった」

佐々木「もういい……」

キョン「そしてお前は最後にこうも言ってくれた。『ボクたちは、これからもずっと、友達だね』と。多分、あれがラストチャンスだったんだろう」

佐々木「もういいよ。キョン」

キョン「……」

佐々木「今更だ……」

キョン「……」

佐々木「本当に、今更だよキョン……」

佐々木「でも……」

佐々木「でも……嬉しい。悔しいなぁ。なんでだろうなぁ。嬉しい。嬉しいよ……キョン」ポロポロポロ

キョン「佐々木……」

佐々木「気づいてくれて……ありがとう……キョン」ニコッ

875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 11:52:45.72 ID:tzHcmzXv0

佐々木「そんなこと、言わないと気がつけないよね……。でも、ボクは君に気が付いて欲しかったんだ。めんどくさい女だよボクは」

キョン「佐々木……」

佐々木「ずっと待ってたんだ。君が気が付いてくれるのを。あの時諦めようと思ったのに、それなのに諦めきれなくて……。女々しく何度も君の家に足を運んだよ」

キョン「……」

佐々木「もしかしたら、気が付いてくれるんじゃないかって。ドアから出てきてボクを抱きしめてくれるんじゃないかって。そんな期待してたんだよ。馬鹿みたいだよね」

佐々木「もうずっと……気が付いてもらえないと思ってた。伝えることもできないで終わっちゃうのかと思ってた」

佐々木「でも……気付いてくれたんだね。ボクのこと、真剣に考えてくれたんだね」

佐々木「ありがとう、キョン。やっぱりボクは、君を好きになれてよかったよ。……君は、迷惑だったかもしれないけどね」

キョン「佐々木!」バッ

949 名前:すまん、すまん、即興だから!時間かかっちゃうのから![] 投稿日:2012/02/19(日) 12:09:25.78 ID:tzHcmzXv0

佐々木「痛いよキョン……」

キョン「佐々木!俺はっ!」

佐々木「ダメだよキョン」

キョン「佐々木!」

佐々木「君は、ボクをふっきりに来たんだろう?」

キョン「……!」

佐々木「ごめんね……ボク、さっき古泉君の病室にいたんだ。橘さんの代わりに、お見舞いに来てたんだよ」

キョン「な……」

佐々木「せっかく今日会えるのに……誤解されたくないからつい隠れちゃってさ。盗み聞きするつもりはなかったんだ。ホントだよ」

佐々木「ただ……もしかしたら君を好きでいられる最後の日なのに……誤解されたくなかっただけなんだ。勝手だよね。最初は自分から誤解されるようなこと言ってたのに」

佐々木「古泉君にも……迷惑かけちゃってさ。……全部、聞いちゃってたんだボク」

佐々木「だから……離してよ。キョン」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 13:30:43.07 ID:tzHcmzXv0

キョン「……あ、あれは……」

佐々木「……」

キョン「あ、あれは……佐々木……あれは!」

佐々木「痛い……キョン、手……強く握りすぎだよ……」

キョン「あっ」パッ

佐々木「……」

キョン「佐々木……あれは……!」

佐々木「ごめんねキョン……」

キョン「え……」

佐々木「惑わしてしまってごめん。嬉しいなんて言ってごめん。……好きになってしまって、ごめん」

キョン「さ……」

佐々木「……会っちゃ、ダメだったね」

キョン「佐々木ィ!」ガバッ

スルリ……

佐々木「……ばいばい」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 13:37:05.21 ID:tzHcmzXv0

キョン「あ、ああ……」

キョン「あああ……」

キョン「……ああああ……」




佐々木「……」スタスタスタ

佐々木「……」

佐々木「……」クルッ

佐々木「……誰もいないや」

佐々木「……終わっちゃった」

佐々木「……終わっちゃったよぉ……」ポロポロポロ

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 13:54:24.10 ID:tzHcmzXv0

キョン「……これで……よかったんだよな……」

キョン「俺は……ハルヒが……。ハルヒには……俺が……」

キョン「佐々木は……しっかりした奴だし……俺じゃなくても……」

キョン「俺じゃ……なくても……」

キョン「ハルヒ……」

キョン「ハルヒに……会おう……」

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 14:03:24.68 ID:tzHcmzXv0

ハルヒ「なによ急に呼び出して」

キョン「……」

ハルヒ「……呼びつけといてだんまりとはいい度胸してるじゃない。極刑ものよ」

キョン「……ハルヒ」ギュッ

ハルヒ「ちょ、ちょっと、なに……!」

キョン「ハルヒ……俺、もう苦しくて……」

ハルヒ「は、はぁ?」

キョン「……好きなんだ。ハルヒ。お前のことが。だから……」

ハルヒ「……キョン」

バッチーン

キョン「なっ……」

ハルヒ「しっかりしなさいよ!」

キョン「ハル……ヒ?」

247 名前:ぬるぽ[] 投稿日:2012/02/19(日) 14:13:45.02 ID:tzHcmzXv0

ハルヒ「なにがあったか知らないけどね!私をそんな安い逃避先にしないで!」

キョン「……」

ハルヒ「あんた今全然私のこと見てなかったでしょ!そんなんでよく好きとか言えたもんね!」

キョン「……いや……それは……」

ハルヒ「好きっていっときゃ靡くと思った?弱ってるなら受け入れてくれると思った?馬鹿にしないで!私は涼宮ハルヒよ!」

キョン「……すまん」

ハルヒ「なに謝ってんのよ!このっ!」

キョン「すまん……どうかしてた……全面的に俺が悪い。……殴ってくれ」

ハルヒ「……っ」

ハルヒ「言っておくけど遠慮なんてする女じゃないわよ」

キョン「構わない。やってくれ」

ガッ

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 14:20:14.56 ID:tzHcmzXv0

キョン「ぐっ……!」
ハルヒ「……っ!」

ギュッ

キョン「え……?ハルヒ?」

ハルヒ「さっきの一発でチャラにしてあげるわ」

キョン「……これは?」

ハルヒ「……サービスよ。落ち込んでんでしょ」

キョン「……口ん中切れてんだけど」

ハルヒ「私の一発くらったんだから当然じゃない」

キョン「……柔らかい」

ハルヒ「うるさい。死ね。もう一度殴るわよ」

ハルヒ「……なんだか分からないけど、気合入れなさいよ。SOS団にしょぼくれた団員なんていらないんだからね」

キョン「……ハルヒ」

ハルヒ「あによ」

キョン「マジで惚れそう」

ハルヒ「……ばーか」

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 14:41:25.78 ID:tzHcmzXv0

コンコン

キョン「よう」

古泉「あ……」

キョン「……佐々木とナシつけてきた」

古泉「ええ……聞いています」

キョン「そんでさ……お前が俺に聞いてもらいたいことって、もしかしたらそれ関係なのかなーって」

古泉「……そうです」

キョン「それって……さ。やっぱり、お前と佐々木が……さ。そういう関係だったり……」

古泉「ち、違いますよ!佐々木さんに関係してる話ではありますがそういう話ではないです!」

キョン「……」

古泉「僕と佐々木さんの間に……男女間での関係はありません。彼女の名誉にかけて嘘ではありません。命だって賭けてもいい」

キョン「……お前が言うと冗談に聞こえないな」

古泉「冗談ではありませんからね」

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 14:50:36.13 ID:tzHcmzXv0

キョン「分かったよ。でも、それじゃなんなんだよ」

古泉「それは……」

キョン「……まだ言えないか?」

古泉「……いえ。今しかないですね。この機会を逃すと、もう言えなくなってしまうかもしれない」

キョン「……」

古泉「僕は……。僕はずっと佐々木さんの相談相手を勤めさせていただいてました」

キョン「相談相手?なんの?」

古泉「……あなたについてですよ」

キョン「俺?」

古泉「あなたが佐々木さんの出したヒントをどうやったら気付いてくれるかってことです」

キョン「……ちょっと待て。じゃお前……」

古泉「……」

キョン「最初っから知ってたのかよ……。佐々木の本心を……」

古泉「すみません」

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 15:02:40.96 ID:tzHcmzXv0

古泉「あなたに教えるべきか何度も迷いました。彼女のためにも、あなたのためにも、その方がいいんじゃないかと」

古泉「でも、言えなかった。……僕は彼女と誰にも言わないと約束をしてしまったし……。何よりあなたならきっと彼女のサインに気がつくはずだと確信していましたから」

古泉「けれど、あなたが僕に信頼を寄せてくれる度、僕はその信頼を裏切っているようで辛かった……」

古泉「だから、どの様な結果になろうとも……決着がつきしだいあなたに全てを告白するつもりだったんです」

キョン「……そっか」

古泉「……怒らないんですか?」

キョン「といっても元々俺が撒いた種だしな。お前は律儀に約束を守っただけだ。怒るのは筋違いってもんだろ。それにお前の期待通り佐々木のサイン、ちゃんと気づけたしな」

古泉「……」

キョン「まぁ、遅すぎたけど……」

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 16:09:28.99 ID:tzHcmzXv0

キョン「古泉……」

古泉「なんでしょう」

キョン「俺ハルヒに告ったよ」

古泉「……えっ」

キョン「……」

古泉「……」

キョン「聞かないのか?」

古泉「えっとその……聞かせてもらえるのならば……」

キョン「ぶん殴られて舐めるなって怒鳴られたよ」

古泉「えっ」

キョン「それで惚れちまった」

古泉「ええっ」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 16:30:57.67 ID:tzHcmzXv0

古泉「それはその……結局は涼宮さんとお付き合いする、ということでいいんでしょうか」

キョン「いやその……なんというか友達以上恋人未満的な……」

古泉「は?」

キョン「なんというか……一回タイミング逃しちゃってからもう一回ってのも……。でもまぁ俺が好意を持ってるのは伝えたというか……」

古泉「はぁ……」

キョン「だからなんつーかさ……。もうフラフラすんのは止めようと思う。ハルヒのためにも、俺をふっきろうとしてる佐々木のためにも」

古泉「なんとなく、事情は察しました」

キョン「……そか」

古泉「応援しますよ、僕は」

キョン「……サンキュ」

古泉「色々な意味で、それが一番なのかもしれません」

キョン「それで……さ」

古泉「はい?」

キョン「佐々木のことなんだけど……」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 16:43:51.07 ID:tzHcmzXv0

キョン「あいつも……やっぱり傷ついてると思うんだよ。でもなんつーかな……あの状態の佐々木を男には任せられないし……でも放っておくと藤原みたいな男に利用されるかもしれないし……」

古泉「……」

キョン「けど訳あって俺は橘や九曜なんかからはちょっと距離置かれてるというか……むしろ佐々木を傷つけた原因の俺がどの面さげてお願いするのかというか……だから、古泉……」

古泉「全く……。あなたも大概お人好しですよね」

キョン「……」

古泉「分かりました。僕が橘さんにでも上手くとりなしてみますよ」

キョン「……すまん」

古泉「お気になさらず。短い間でしたが、佐々木さんは僕にとっても友人だったんですから」

キョン「本当に……何から何まで世話をかけるな」

古泉「そんなのお互い様ですよ」

306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 17:01:37.67 ID:tzHcmzXv0

一ヶ月後

キョン「おーっす古泉。やっと復帰だな」

古泉「おはようございます。本当ですよ。まさかここまで長引くとは思ってみませんでした」

キョン「ま、二股かけてた罰じゃないか?」

古泉「そ、それを言わないでくださいよ……。一応ですけど決着はついたんですから……」

キョン「ほぉ……どうなったんだ?」

古泉「ぼ、僕のことはいいじゃないですか。もう。それよりあなたの方はどうなんですか?」

キョン「お、俺はうん。順調なんだけどさ……なぁ古泉」

古泉「なんです?」

キョン「その、さ……。そろそろ、手出したりしてもいいもんかな?」

古泉「……朝から何を言ってるんですか」

キョン「そうは言うがな……。手を繋ぐのだってあんだけ苦労したんだし……でもやっぱり先に進みてーってのはあるし……」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 17:22:21.69 ID:tzHcmzXv0

キョン「それでまぁ、言うなればお前の方が先輩なわけだし……ひとつアドバイスをと思ってな」

古泉「アドバイスって……。そ、そんなの、相手を想って動くだけですよ」

キョン「いやそういう曖昧なのじゃなくってもっと具体的な……」

古泉「そ、そんなのこと言われても……」

キョン「……まぁいい。でも俺、今度出かける時、勝負かけるぜ」

古泉「が、頑張ってください」

キョン「もっと気合入れて応援してくれよ」

古泉「だ、だって知り合い同士のそういう話ってどんな顔で聞けばいいのか困るんですよ……」

キョン「まぁそうか……そういやさ」

古泉「なんですか?」

キョン「佐々木の件、あれからまかせっきりになってたけど……どうだ?」

古泉「ええ。今ではなんとか持ち直してますよ」

キョン「そっか……やっぱ女のことは女に任せるのが一番なのかもな。やっぱ九曜と……」

キョン「橘か?」ニヤ

古泉 ピクッ

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 17:31:41.32 ID:tzHcmzXv0

キョン(反応したってことはやっぱ橘か?)

キョン(森さんは同じ職場ってことでアドバンテージあると思ってたが……やっぱ年が近い方が有利だったか)

古泉「そ、そうですね……」

キョン「お前さ……俺が上手くいくまで黙ってようとか思ってる?」

古泉「……お見通しでしたか」

キョン「そんな気をつかわんでもいいんだぞ。……つってもそうだな。お前が堂々と俺に紹介できるように俺もいっちょ頑張るとしますかね」

古泉「……」

キョン「そんときゃ改めて紹介してくれんだろ?」

古泉「……約束しますよ」

キョン「俺も気まずいままなのは嫌だしな。友達の彼女となると尚更だ」

古泉「ははは……」

キョン「……で、さ。その、アレつけるタイミングっていつごろなんだ?」

古泉「か、勘弁してくださいよ……」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 17:49:17.99 ID:tzHcmzXv0

ホテル
キョン(つ、ついに入ってしまった……)

キョン(ハルヒがシャワーからあがったらついに……できるか?俺……できるのか?)

キョン「いや……落ち着け……。ハルヒだって緊張してたじゃないか……俺がしっかりせんと……」

―――本当に?

ホテルの仕組みとかやたら詳しくなかったか?

キョン(そんなの、耳年増な奴なら知っててもおかしくないだろ……)

だってカバンからゴムがポンと出てくる奴だぜ?

キョン(俺だってお守り代わりにもってたことがあったさ。サイフの中で破れてエライ目にあったけど)

血が出なかったら、どうする?お前が初めてじゃなかったらどうする?

キョン(あいつはスポーツが得意だし……運動中に破れちゃうってのも聞いたことあるし……)

んなもん処女とやったことのない連中の迷信か騙された馬鹿の戯言だよ

キョン(俺は……ハルヒを信じてる)

信じてるならいいじゃないか。少し聞いてみるだけさ。

ハルヒ「お待たせ……キョン」

キョン「!」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 17:59:17.59 ID:tzHcmzXv0

ハルヒ「や、やっぱり照れるわね、なんか……」

キョン「あ、ああ……」

ホラ、チャンスだぜ?いつものハルヒなら無理だけどテンパってる今のハルヒなら、さ

キョン(テンパってる……)

キョン(そうだ……ハルヒも緊張してるんじゃないか。そうだよ。そんなわけないって……)

キョン「や、やっぱり緊張するな。し、知ってるかもしれないけど俺、初めてでさ。どっちかが経験者だったら助かるのになー……」

ハルヒ「え?」

キョン「い、いや悪い変なこと言って……。いや、お前に痛い思いとかさせたくなくてさ……ふとそうだったらよかったかなーって」

ハルヒ「……」

キョン「あ、いや悪い。すまん。失言だった」

キョン(やっぱそうだ……ハルヒに限って……)

ハルヒ「だ、大丈夫よ」

キョン「……え」

ハルヒ「その……慣れてるわけじゃないけど……私、初めてじゃないから。だから、大丈夫だと思う……」

キョン「…………え」

340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 18:09:55.75 ID:tzHcmzXv0

ハルヒ「その……凄い上手いって自称する奴がいて……まぁ実際はこんなもんかって感じだったんだけど」

ハルヒ「経験もしてないのに批判するとか馬鹿みたいでしょ?だから……」

ハルヒ「男で好きになったのはあんたが最初よ。本当に。手を繋いでドキドキしたのもあんただけ……」

ハルヒ「ってなに言ってんだろうね。する前にする話じゃないか。あはは……」

ハルヒ「……だからね、キョン。心配しないで。ね?」


そこから先は、よく覚えてない。

俺はハルヒの言われるがまま、動いて、動いて、動いて、果てた。

途中緊張で萎んでしまったり、唐突に暴発してしまったりもした。

ハルヒはそんな俺を見ても「仕方ないよ」と言ってくれた。

部屋を出るとき、ハルヒは俺の手を握り「次は頑張ろ」と言ってくれた。

俺はボンヤリと頷いてハルヒに手を引かれて部屋を出た。

俺の初体験は、こうして終わった。

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 18:17:38.00 ID:tzHcmzXv0

ハルヒ「じゃ、私……こっちだから」

キョン「ああ……」

ハルヒ「……気にしないでいいんだからね。ああいうのって上手い下手じゃないし……。私、嬉しかったよ」

キョン「ああ……」

ハルヒ「……じゃ、またね。キョン」

チュッ
キョン「またな……ハルヒ……」

キョン「……」

キョン「……別に」

キョン「別に……そんなの関係ないさ。そんなんでハルヒが嫌いになるわけじゃない」

キョン「……そうさ」

キョン「……」

キョン「……帰ろう」

ザッ

佐々木「あっ……」

キョン「佐々……木……」

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 18:29:19.22 ID:tzHcmzXv0

佐々木「いやごめん……覗くつもりはなかったんだけど……」

なんだよ佐々木……

佐々木「いやしかし知り合いのこういう場面に出くわすとさすがに照れるね」

なんでお前……

佐々木「いや、でも君もやるものだな。もっと奥手なのかと思っていたよ」

なんでお前、そんなふっきれた顔してるんだよ……

佐々木「しかし君、あの仏頂面はないんじゃないか。別れ際だというのに可哀想じゃないか」

お前俺が好きだったんじゃないのかよ……

佐々木「……それでも涼宮さん、嬉しそうな顔してたね。ま、少し気持ちは分かるかな」

そんなんじゃお前……

佐々木「好きな人と口付けを交わせたんだ。そりゃああいう表情になるというものだよ」

―――もう、別に好きな奴がいるみたいじゃないか―――

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 18:41:36.06 ID:tzHcmzXv0

キョン「なんか……変わったか?佐々木……」

佐々木「ん?そうかもね。最近は少し肩の力が抜けて楽になった気がするよ」

キョン「なんか、あったのか?」

佐々木「……色々あったね。悲しいこと。辛いこと。……嬉しいこと。おかげで今は幸せだけど」

キョン「……」

佐々木「今度改めて会いに行くよ。色々話したいこともあるしね」

キョン「佐々……!」

佐々木「あ、ごめん!ボクこの後少し用事があるんだ。またねキョン。ちゃんと涼宮さんを大事にしてあげるんだよ」

キョン「佐々木!」

佐々木「ばいばい!キョン!」

キョン「……」

キョン「なにが……ばいばいだよ」

キョン「同じ台詞、笑顔で言うんじゃねぇよ……」

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 18:56:51.43 ID:tzHcmzXv0

キョン「……」トボトボ
長門「……」ガシャガシャ
キョン「……長門?なにやってんだこんな所で」

長門「ごみ捨て」

キョン「こんな時間にか」

長門「先ほどいらなくなったものだから」

キョン「なんだよそりゃ」

長門「観察記録」

キョン「観察記録って……このラベル……佐々木?こ、これ佐々木の観察記録なのか!?」

長門 コクリ

キョン「な、なんでこんなもの……」

長門「あなたと涼宮ハルヒが番いになったことで彼女の可能性は消失した。よってこれはもう廃棄することにした」

キョン「……これ、見てみても……いいか?」

長門「……推奨はできない」

キョン「……最低なのは分かってる。でも……頼む。長門」

長門「……」
長門「……了解した」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 19:18:32.27 ID:tzHcmzXv0

長門「これは元々は私のメモリーに記録されていたもの。しかし無用となった今、彼女のプライバシーを考慮してデータを破棄することにした。よって私以外にこのデータは再生できない」

キョン「そういうのはどうでもいいから早く見せてくれ」

長門「了解した。特徴的な出来事をピックアップして再生する」

キョン「頼む」

―――

佐々木「入ってくれ」

「……お邪魔します」

―――

キョン「これは……!」

長門「場所は彼女の寝室」

キョン「なん……で……お前が……」

キョン「なんでだよ……!古泉ィ!」

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 19:32:53.28 ID:tzHcmzXv0

長門「この日古泉一樹は相談者である彼女がショックを受け病院から飛び出したのを追いかけてその後彼女と合流。しかし無理がたたり体調を崩し彼女の家で休むことになった」

キョン「相談者って……なんで小泉が!橘に頼んだはずだろう!?」

長門「事情を知らない橘京子には気を使ってしまい悩みを相談できなかったと思われる。その結果あなた以外で唯一全ての事情を把握している古泉一樹が彼女のメンタルケアを勤めることになった」

463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 20:05:57.98 ID:tzHcmzXv0

キョン「だからって……!」

長門「橘京子の願いでもあった」

キョン「……!」

長門「そしてあなたはこの時涼宮ハルヒとの交際で絶頂期にあった。古泉一樹への病室へ足が遠のいていた時期でもある」

キョン「あ……」

長門「古泉一樹の人間性からあなたの邪魔を避けたいという思考が働いたと考えられる」

キョン「……」

長門「……再生を続行する?」

キョン「……頼む」

472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 20:15:16.88 ID:tzHcmzXv0

佐々木「このベッドを使ってくれ」

古泉「しかし……」

佐々木「……遠慮されて容態が悪化した方がより迷惑だって言っているんだよ」

古泉「……すみません」

佐々木「……どうしてこんな無茶をしたんだ」

古泉「……すみません」

佐々木「謝っているだけでは分からないだろう!」

古泉「あの状況で……僕なら一人になりたくないな、と思ったからです」

佐々木「勝手な憶測だね」

古泉「でも佐々木さん止まって待っていてくれましたよね」

佐々木「……」ギロッ

古泉「すみません……」

佐々木「君の容態を考えれば追ってこれるわけがないと判断したまでだよ」

古泉「そ、そうですか……」

499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 20:35:49.40 ID:tzHcmzXv0

古泉「佐々木さんがあの写真を見てしまったのは僕の失態です。その責任ということではどうでしょう」

佐々木「ダメだね。カバンからはみ出していた写真を勝手に取り出して見てしまったのはボクの悪徳だ。なぜ君が責任をとる必要がある」

古泉「誰にだって好奇心はあります」

佐々木「くっくっ、好奇心は猫をも殺すというのは本当だね。……まさかキョンと涼宮さんのツーショット写真を見ただけで自分があれほど動揺するとは思わなかった」

古泉「そんなにすぐふっきれる人もいませんよ。それに……」

佐々木「……なんだい」

古泉「佐々木さんが落ち込むのは、それだけ彼を大切に思っていたからでしょう。無関心な相手のそんな写真を見ても驚きはしてもショックなんて受けませんよ」

佐々木「……」

古泉「誰かを大切に思うことは尊いことです。ですから佐々木さん。あなたのその感情は自然なことです。恥じることなんてないんです。自分を軽蔑なんてしなくてもいいんですよ」

佐々木「……その台詞。キョンから聞いたのかい?」

古泉「はい?」

佐々木「驚いたな。確かにキョンの言う通り、ボクたちは気が合うのかもしれないね……」

古泉「……はぁ」

佐々木「……しかし恥ずかしい台詞を言ったものだな。ボクも」

522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 20:56:16.40 ID:tzHcmzXv0

佐々木「……いけないな。すぐキョンの話題になってしまう」

古泉「共通の友人ですからね」

佐々木「……しかし分からないな。なぜ君はそうまでしてキョンに尽くすんだい?ボクがキョンに献身的になるというのならばまだ分かるが君はただの友人だろう?機関の意向というやつかな?」

古泉「……友人だから、というのではおかしいですか?」

佐々木「おかしいね。友人のためにということ自体はおかしくないが、君の行動は少々いきすぎなんじゃないかと思う。ボクのことだってキョンから頼まれたからといってホイホイ引き受けてしまって、結果このざまだ。なにか裏でもあるんじゃないかと疑ってしまうよ」

古泉「……」

佐々木「いったい何が狙いなのかな?機関の超能力者くん」

古泉「その……」

佐々木「……」

古泉「……僕」

佐々木「……」

古泉「……僕、友達が少ないんです」

佐々木「は?」

545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 21:10:30.87 ID:tzHcmzXv0

古泉「機関の活動は不定期ですし……とても普通の部活動なんてやっていられませんでした」

古泉「超能力のことだって人に言えるわけがないし……なんでも話せる友達、というのはいなかったんです」

古泉「でもその機関のおかげで信頼できる仲間はできたのですが……同年代の友達というのはやっぱり」

古泉「だから彼の存在は、僕には夢のようなものだったんです」

古泉「もちろん機密なんかは話せるわけではありませんが、超能力者ということを隠さずに、普通の男子高校生として遊べる。それが堪らなく嬉しくて」

古泉「だから……って佐々木さん?」

佐々木「あ、いや……」

古泉「……呆れました?」

佐々木「いや、まぁちょっと……しかしそれ以上に君に対するイメージが大分変わってしまったよ」

古泉「はぁ」

佐々木「ボクは君をもっと超然としたスーパーマンみたいな人だと思っていてね。……なんというか想像以上に人間臭くて面食らってしまった」

古泉「スーパーマンって……スーパーボールみたいなカタチにはなれますけど」

555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 21:21:41.80 ID:tzHcmzXv0

佐々木「今のはシャレかい?」

古泉「……まぁ」

佐々木「でもそうだろう?今まで君は自分の弱みを見せないで人の相談にばかり乗っていたんだから。ボクからみたらそう見えたんだよ」

古泉「買いかぶりですよ」

佐々木「そうだね。つまらないシャレも言うもんね」

古泉「……」

佐々木「でも、そういう君との方が仲良くなれそうだよ」

古泉「複雑ですね……」

佐々木「そんなことはないさ。至極簡単な話だよ」

古泉「え?それはどういう……」

佐々木「おや、君の迎えが来たようだね。それは次までの宿題だ。考えておいてくれ」

古泉「ちょっ」

佐々木「さ、それでは無茶したことをたっぷりと絞られてきたまえ。くっくっ」

564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 21:41:18.08 ID:tzHcmzXv0

キョン「な、なんだ……別に古泉が佐々木に手を出したわけじゃないのか」

長門「……」

キョン「……長門?」

長門「……まだ、見る?」

キョン「まだ俺は……目的の映像を見つけていない……まだ終わるわけにはいかない」

長門「私本体からはデータを吸い出してあるから、今の私はこの中にどんなデータが入っているか認識できない。……あなたにとってショッキングな映像を見せてしまうかもしれない。それでも?」

キョン「それでも、だ。頼む。長門」

長門「……了解した」

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 22:08:47.83 ID:tzHcmzXv0

佐々木「やぁ。具合はどうだい」

古泉「はい。順調ですよ」

佐々木「嘘吐きめ。退院が延びたと聞いたよ」

古泉「……お見通しでしたか」

佐々木「君は表情一つ変えずに嘘をつくよね。しかもバレても全く悪びれることもないし」

古泉「ははは」

佐々木「……すまなかったね」

古泉「なにがでしょう」

佐々木「先日はついヒステリックになって当り散らしてしまった」

古泉「そういうときもあります」

佐々木「君のそういうところは想像つかないね」

古泉「ははは」

佐々木「くっくっ、胡散臭い男だな君は」

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 22:22:11.24 ID:tzHcmzXv0

佐々木「そんな男にわざわざ会いにきてしまうのだからボクも物好きだよまったく」

古泉「今日はお一人で?」

佐々木「ああ。橘さんは立場上あまりここに足を運ぶわけにはいかないし、九曜さんは……少々何を考えるてるか難解な所があるからね」

古泉「さて……困りましたね。見目麗しい女性が一人きりでお見舞いにきてくれたというのに……。どうおもてなしすればいいのか皆目見当もつきません」

佐々木「白々しいね。いつも通り君のペースで始めればいいのに。ボクの口から言わせたいのかい?」

古泉「さて……。僕にはよく分かりませんが、言葉で伝えるということは大切な事だと思いますよ。言葉は人間が生み出した偉大なツールなのですから」

佐々木「……生憎だけどボクはそうやって乗せられるのは好みじゃないんだ」

古泉「ではどうします?」

佐々木「もちろん、行動で示させてもらう。……ベッドに、上がらせてもらうよ」

古泉「……大胆な人だ」

佐々木「こういのはお嫌いかな?」

古泉「まさか」

598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 22:34:36.87 ID:tzHcmzXv0

佐々木「王手」

古泉「待った」

佐々木「ダメだね。これで君の7連敗。本当に弱いんだな君は……」

古泉「まずはカタチからということでベッドの上で正座で、と思ったのですが……あまり意味がありませんでしたね」

佐々木「あったとしてもボクも同じ条件になるわけだから実力差も変わらないと思うけどね」

古泉「なるほど」

佐々木「……」

古泉「どうしました?」

佐々木「いや……なんだかこんなに寛いだ時間は久しぶりだなと思ってね」

古泉「これは奇遇ですね。実は僕もそうなんですよ」

佐々木「君の場合は入院してるんだから腐るほどあるじゃないか」

古泉「いや、それがですね。暇と寛いだ時間は全く違うものだと始めて知りましたよ。いつもはずっと暇が欲しいと望んでいたはずなのにいざ暇になってみるとなにをしていいやら。なので佐々木さんが遊びに来てくれるのは素直に嬉しいです」

佐々木「くっくっ、スーパーボールくんの暇潰しにお付き合いできて光栄だよ」

古泉「もう忘れてくださいよ……」

609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 22:47:32.28 ID:tzHcmzXv0

佐々木「しかし……悪くない」
古泉「……」

佐々木「なんだかんだ言ってこうして君と過ごす時間は心地いいと感じてしまう。やはりボクたちは似ているのかもしれないね。思考が……というよりも波長が、ね」

古泉「これはこれは。光栄です」

佐々木「そうやってすぐ誤魔化すんだな君は」

古泉「……」

佐々木「君は人に好意を向けるのには惜しむことはないが、自分に好意を向けられるとすぐにその仮面をつけてしまうね」

古泉「そんなことは……」

佐々木「それは全ての人に対してそうなのかな?それともボクにだけ、なんだろうか」

古泉「……」

佐々木「ボクには君が何を考えているかいまいち読みきれないが……それでもボクは、君のことを友人だと思っているよ」

古泉「あ……」

佐々木「……」

古泉「あ、りがとう……ございます」

佐々木「……くっくっ。これは大金星だ。今日は勝ってばかりだな、ボクは」

古泉「……」

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 23:13:21.82 ID:tzHcmzXv0

キョン「なんだよこりゃ……」

長門「……二人は順調に親密度をあげていっている。古泉一樹が一歩引いてるのは恐らくあなたへの負い目からで……」

キョン「長門」

長門「……」

キョン「お前、本当に中身分からないのか?」

長門「……」

キョン「本当はただ単にお前のいうショッキングな映像を避けて俺に見せているんじゃないか?本当は……」

長門「本当は……もうあなただって気が付いているはず」

キョン「!」

長門「それでも、見るの?たぶん……辛いだけ」

キョン「……分かってるさ。本当は、分かってるさ俺だって!でも、自分の目で見ておかないと……いざあいつらが俺の前に立ったら俺……自分でもなに言っちまうか分からねぇんだよ……」

長門「……」

キョン「頼む長門……。やってくれ。俺に踏ん切りつけさせてくれ」

長門「……了解した」

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 23:26:23.35 ID:tzHcmzXv0

長門「これが……最後のデータ」

キョン「最後……?」

長門「……彼女はこの最後のデータまで、極めてプラトニックな関係を続けていた」

キョン「最後……まで……」

長門「……」

キョン「は、ははは、そうか……最後まで……」

キョン「……」

キョン「いい……長門。やってくれ。俺はもうそんな希望には飛びつかない」

長門「……再生する」

キョン(佐々木……)

646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 23:38:09.33 ID:tzHcmzXv0

佐々木「……本当になにもない部屋だね」

キョン(あれ?)

古泉「いや、その……ほぼ眠るための部屋のようなものだったので……」

キョン(なんか……なんかおかしいぞこの映像)

佐々木「まったく……。君はマメなんだかズボラなんだか分からないな」

キョン(あ、そうだよ。古泉の奴が復帰したのって今日じゃないか。それなのに古泉の部屋にいるのがおかしいんだ)

古泉「えーと、その……そのお洋服よくお似合いで」

キョン(そうだ。佐々木の服もだ。俺が今日見たのと同じ服を着てる。なんでだろう)

佐々木「もうさっき聞いたよ。もうこれからはそんな生活はさせないからね。ボクは今日から君の……」

キョン(なんでこいつらは、今日俺が見た姿のままでここに映っているんだ?)

佐々木「―――君の彼女なんだから」

653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 23:43:41.00 ID:tzHcmzXv0

キョン「があああああああっ!」

ドタン!ドタドタドタ……

長門「待って」ガシ

キョン「放せ!放しやがれ!」

長門「どこに行くの」

キョン「止めんだよ!止めにいくにきまってんだろ!見過ごせるかそんなもん!」

長門「無駄」

キョン「ああ!?」

長門「あの家にはもう彼女はいない」

キョン「な、に……」




長門「これは録画」





672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/19(日) 23:54:59.44 ID:tzHcmzXv0

キョン「あ……」

ガクン

長門「ここに映ってるのは、もう終わったこと。今から行っても、無駄」

キョン「あああ……」

長門「これは、彼女が今日あなたに会った後に起きた出来事で……あなたが過去の記録を見てる間に終わったこと」

キョン「……時間稼ぎ、してたのか」

長門「……あなたは涼宮ハルヒと交際しているはず。他のカップルの邪魔をする権利はない」

キョン「……」

長門「映像を見るのは止めない。私も同罪だから。けれど彼らの邪魔をするのは認められない」

長門「……どうする?」

キョン「……」

ズルズルズル……

キョン「……見せろ。長門」

長門「……了解した」

686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 00:16:47.93 ID:GQgXtA940

それは……二人だけのつつましいパーティーだった。

シンプルながらも手の込んだ、一生懸命さが見た目からも伝わってくる料理を、微笑みながらテーブルに並べる佐々木。それを手伝おうとするも無理やり机に押しとどめられる古泉。

一品一品丁寧に並べられていく料理に、古泉は「こんなに食べきれるでしょうか」なんて嬉しそうに困っていた。それを聞いた佐々木も「張り切りすぎたから余ったら明日にでもたべてほしいな」なんて言いながら少し照れ笑いを浮かべている。

申し訳程度につけられた飾りつけの中、佐々木の握るクラッカーのささやかな破裂音が部屋に響く。古泉は髪に絡んだクラッカーの紙テープを取りながら「これは少しやりすぎでは」とはにかむように笑った。

佐々木も「少しね。でもやりたかったんだ」と恥ずかしそうに、しかし嬉しそうに笑った。

笑顔。笑顔。笑顔。そこには笑顔しかなかった。俺が見たこともないような素直な笑顔を佐々木は古泉に向けていた。古泉もそれを真正面から受け止めて、見たことのない朗らかな笑顔を浮かべている。

……一体、二人はこの笑顔を相手に向けられるようになるまでどれだけの時間を過ごしたのだろう。どれだけ、俺の知らない時間を過ごしてきたのだろう。

強く強く結びついた二人がモニターに映る映像は、幸せの具現化そのものだった。

702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 00:39:41.77 ID:GQgXtA940

食卓の上があらかた片付いたころ、古泉が急にソワソワし始めた。当然佐々木が気が付かないはずがない。

どうかしたのかと訊ねられた古泉は、大きく深呼吸をしてから懐から小さな小箱を取り出した。パカッとその箱が開くと、シンプルだが上品なリングが二つ収められていた。

驚きに目を丸くさせる佐々木。古泉は「僕のセンスで選んでしまったから不安なのですが」なんていいながら箱を佐々木の前まで持っていく。

佐々木心なしか目を潤ませながら「君の快気祝いなのにボクがプレゼントをもらってどうする」なんて言っていた。古泉はその様子に若干怯んでいたが、佐々木が「嵌めてくれ」と微笑むとどこか安心したように微笑んだ。

佐々木の細くしなやかな指にシンプルなシルバーのリングが通される。自然と視線は相手の目に吸い込まれていく。

そして、ゆっくり、ゆっくりと二人の顔が接近していき

―――重なった。

772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 01:52:59.50 ID:GQgXtA940

佐々木「んっ……ふぅ……」

ポスッ

佐々木「……ファーストキスあげちゃったね」

古泉「……いただきました」

佐々木「……でもボクは君のファーストキスもらえなかったんだよね」

古泉「……」

佐々木「ねー?」

古泉「……すみません」

佐々木「……ごめんね。ボクはめんどくさい女だ」

古泉「そこも含めて、愛してます」

佐々木「……ボクも、そういうずるい君が好きだよ」

チュ


783 名前:がんばっていそぐよ[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:03:07.89 ID:GQgXtA940

佐々木「んん……」ピクン

佐々木「ん〜〜〜っ!」

佐々木「ぷぁっ……。突然舌を入れるとは……鬼だな君は」

古泉「……驚きました?」

佐々木「……いや。全部受け入れてあげるよ。ボクは、君の彼女なんだからね」

古泉「……」

佐々木「あっ……ちょ、ちょっと……!耳元で名前呼ばれると……!」

古泉「……受け入れてくださるのでは?」

佐々木「ひ、ひきょうものめ……ふぁっ」

古泉「すみません、こういう人間なんです」

佐々木「……やれやれ。えらいのに惚れてしまったな」

古泉「でももう逃がしませんよ」

佐々木「……受けてたつとも」

15分後
佐々木「ちょ、ちょっとは手加減しないかい?」

古泉「すみません、手が抜けない性格なもので。続き、いきますよ」

795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:10:55.42 ID:GQgXtA940

佐々木「はぁ……はぁ……」

古泉「ちょ、ちょっとやりすぎましたかね……」

佐々木「んぅ……」ぎゅっ

古泉「あ……」

佐々木「んっ……はぁ……ん」

古泉「……すみません、そろそろ……いいですか?」

佐々木「あ……うん……」ぽー

古泉「では……」

佐々木「……あっ、ちょっとまって」

古泉「?なんですか?」

佐々木「えーと……こほん。あの……その……ボクの、初めて……もらってください」

古泉「……はい」

佐々木「大事に、してくれよ」

古泉「はい。一生、大切にします」

ツププッ……

814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:21:23.90 ID:GQgXtA940

佐々木「つっ……!」

古泉「……痛いですか?」

佐々木「ああ……でも、嬉しいよ」

古泉「……」

佐々木「君にボクの全部をあげられて……よかった」

古泉「……佐々木さんも、十分卑怯だと思いますよ」

佐々木「え?」

古泉「動きますね」

佐々木「あっ……くぅ……」

古泉「……っ!……っ!」

佐々木「あぁっ……あぅぅ……」

古泉「佐々木さんは……毛がないんですね」

佐々木「ば、ばかぁ……コンプレックスなんだぞ……!まじまじ見ないって……約束……くぁん!」

古泉「ここも、弄りやすい」

佐々木「ばかっ……ばかぁ……」

829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:32:48.76 ID:GQgXtA940

事後

佐々木「う〜」

古泉「あはは……」

佐々木「大事にするといった舌の根が乾かぬウチからこれだ……」

古泉「申し訳ありません」

佐々木「……まぁ、夢中になってくれたのは嬉しかったが、ね……」

古泉「大変魅力的でした」

佐々木「……恥ずかしかった」

古泉「徐々になれていきましょう」

佐々木「このまま調教されてしまう気がする……」

古泉「お嫌ですか?」

佐々木「……いいさ。君好みの女に成れるのも悪くない」

古泉「……僕の方が参ってしまいそうです」

佐々木「互いに参ってるんだ。構わないさ」

古泉「……そうですね」

837 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:41:19.63 ID:GQgXtA940

佐々木「……今日、キョンに会ったんだ」

古泉「……ほう」

佐々木「涼宮さんと歩いてた」

古泉「……」

佐々木「あ、知ってた?」

古泉「まぁ……」

佐々木「それでね……。自分でもびっくりするほど、すんなりと受け入れられたんだ」

古泉「……」

佐々木「君がいたからね」

古泉「……」

佐々木「別れた後はすぐに君につくってあげる料理のことを考えたり……君は喜んでくれるかな、なんてことを考えてる始末だ」

佐々木「ボクはどうやら想像以上に君にやられてしまったらしい」

845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 02:51:47.05 ID:GQgXtA940

佐々木「……恋人といる時に話す内容ではなかったね」

古泉「いえ……」

ぎゅっ

佐々木「あ……」

古泉「彼が好きだったあなたを含めて、僕はあなたを愛してます」

佐々木「古泉くん……」

古泉「彼がいなかったら……僕とあなたはこうしていることはなかったでしょう。僕は、それも含めて彼に感謝しています」

佐々木「ボクも……たぶんキョンがいなかったら君とこうしていることなんて出来なかったんだろうね」

古泉「ええ。不思議なものです。僕たちは彼がいなかったらつながることはなかった。彼が、僕たちをつ繋いでくれたといってもいいかもしれません」

佐々木「……いつ報告しにいこうか」

古泉「たぶん、明日以降なら大丈夫だと思いますよ。彼も今日、涼宮さんと―――」


キョン「があああああああっ!」

その台詞だけは、最後まで聞くことができなくて

俺はモニターを叩き壊した

880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 03:13:36.49 ID:GQgXtA940

次の日、古泉は昨日言っていた通り佐々木と付き合っていることを俺に打ち明けた。

俺がハルヒと上手くいくまで正式に交際という形をとっていなかったことや、俺とハルヒが上手くいくまで佐々木に手を出さなかったことなどは伏せて、ただ俺に黙っていたことを詫びた。

分かってる。こいつはそういう奴だ。正しい奴だ。森さんや橘ともキチンとぶつかって解決したらしい。佐々木もそれを承知してる。俺が文句を挟める余地などどこにもない。

こいつは正しい奴だ。俺に文句も「言わせてもくれないほど」に、いい奴だ。

そして俺は、照れくさそうに古泉と一緒に俺の前に現れた佐々木の指に嵌ったリングを見て初めて、佐々木は古泉のものになったんだと実感した。

でもしかし、俺は不幸なんかじゃない。俺にはハルヒがいる。

ハルヒは処女じゃなかった。でもちゃんと俺を好きでいてくれている。それで十分だ。古泉と佐々木は眩しいが、俺にはハルヒがいるんだ。なんの問題もない。

ハルヒ「キョーン!行くわよー!」

キョン「おー」

今日もハルヒとデートだ。俺はとても幸せだ。

俺たちの世界は今日も大いに盛り上がっている。



ハッピーエンド

900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 03:20:39.73 ID:GQgXtA940

大変疲れました。でも、皆さんのレスが僕に力をくれました。

眠いしもうやめよかな、と思ってるときに「やめれば」と温かいレスをくれた方、たくさんたくさんレスをしてスレを盛り上げてくれた方。

全てのレスをしてくれた人達に最大限の感謝を捧げます。レスをしてくれた皆さんのおかげで僕は完走できたのです。僕一人じゃとても無理だったことでしょう。けれど皆さんのおかげでやり遂げられることができたのです。

本当にありがとうございました!

949 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 03:55:19.56 ID:GQgXtA940

この楽しかった時間も終わる……
こんなにも沢山の人から悪意と敵意を向けられるなんて……とても幸せだった
一生懸命になって叩いてくれて楽しかったよ
なんていうか一生懸命考えたんだろうってのから適当にノリで書いてみたものまで色々あって一つ一つ本当に楽しく読ませてもらった
またいつか会えたらいいな
最後に……俺の書いた物語で一人でも多くの人が心安らかになれますように……

955 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 04:10:25.06 ID:GQgXtA940

つーかね、本当は前のスレで古泉に取られて終わりにしようと思ってたんだ
キョンを振り切るためブレないように古泉に抱いてもらってからキョンと会うみたいなね。
本当にさっきまでは処女だったのにギリギリで台無しってのいいなぁって思って。
でもそれじゃインパクト薄いかなぁって思って伸ばしちゃったからこんなに長くなっちゃったんだ。だからぶっちゃけ2スレ目は全部蛇足なのかもしれない。
でも古泉の部屋でのパーチーとかさっきまでは処女だったあの子はもういない的な展開はそれなりに気に入ってるんだ。
橘さんと佐々木さんの3Pとかもやろうと思ってたけどもう無理だったよ。ごめんね。

958 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 04:16:29.99 ID:GQgXtA940

あと古泉と佐々木さんのSEXって凄そうだよね
お互いSだから気を抜いた瞬間体力全部持っていかれそうな限界SEX
責め始めたら止まらない的なね
あとハルヒちゃんは絶対Mだよね

961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 04:20:17.11 ID:GQgXtA940

朝倉さんはSと見せかけたM
長門さんはMじゃ映えないからやっぱりS
喜緑さんは完璧にS
九曜さんはまぁSでいいんじゃない?

965 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/20(月) 04:24:36.40 ID:GQgXtA940

朝比奈さんは見るからにM
鶴屋さんも見るからにS
橘さんはツインテールだからM
森さんは……たぶんS



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