1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 18:49:18.92 ID:NS1CqS/Q0
ハルヒ「やっぱり美形の敬語っていいわ」
長門「同意する」
キョン「意外とメンタル弱いとこあるのもいいぞ」
ハルヒ「そうなの?」
キョン「ああ。あいつ俺が近いから離れろとか言うと一瞬凄い寂しそうな顔すんだよ。そこからすぐ取り繕うように笑顔になるのが堪らん」
ハルヒ「あんた最低で最高ね」
長門「不憫な古泉一樹。慰めたい」
みくる「……え?え?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 18:54:34.45 ID:NS1CqS/Q0
ハルヒ「どうしたの?みくるちゃん」
みくる「え、いえその……」
キョン「何かあったんですか?」
みくる「えーと、だってその……いきなり古泉くんが可愛いって話になっちゃって……その……」
長門「?特に問題がある話題ではないと考えられる」
みくる「え、だって、だって……」
古泉「……」
みくる「い、今、こ、古泉くんそこにいるじゃないですかぁ」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 19:08:26.33 ID:NS1CqS/Q0
キョン「えーと……すみません朝比奈さん。ちょっと何がおかしいのかが理解できないんですが……」
みくる「え、えぇ!?だ、だって本人がいるのに……」
ハルヒ「いやぁねみくるちゃん。本当がいないのに話してたら陰口みたいじゃない」
みくる「え、えぇー……」
長門「この部室では本人の前で印象について考察をすることはよくあることだと考える。現に朝比奈みくるの衣装が変わった際に皆で感想を言い合うのはもはや形式と言っていい。何もおかしい所はない」
みくる「そう……ですか?」
長門「そう」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 19:17:11.96 ID:NS1CqS/Q0
ハルヒ「なーにみくるちゃん、嫉妬?皆が古泉くんのこと可愛いって言ってるから嫉妬しちゃった?」
長門「真に可愛いのは自分。朝比奈みくるはそう主張したかった?」
みくる「ち、違いますぅ!」
長門「大丈夫。朝比奈みくるも可愛い」
みくる「え?……あ、ありがとう、ございます……」
長門「事実を言っただけ」
みくる「……な、長門さんも可愛いですよ?」
長門「……反応に困る」
みくる「えへへ。事実を言っただけですよ」
長門「……今はそういう話をしていたわけではない。今の話題は……」
長門「古泉一樹は可愛い。これ」
古泉「……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 19:31:37.57 ID:NS1CqS/Q0
長門「私はやはり日頃のイメージとの乖離した言動……ギャップを押したい」
キョン「ふむ、王道だな。しかしあいつは自分のキャラクターについては徹底してるぞ。おいそれとボロを出すとは思えん」
ハルヒ「そうよねぇ。古泉くんって全く隙見せないんだもん。ま、そのちょっとなに考えてるか読めないところも可愛いんだけど」
長門「同意する。ミステリアスな古泉一樹も魅力的。しかし私は見た」
みくる「なにをですかぁ?」
長門「今日のお昼。古泉一樹は自販機で飲み物を購入した。季節は冬。私は当然彼も暖かい飲み物を購入するものだと思っていた」
キョン「ふむふむ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 19:41:15.00 ID:NS1CqS/Q0
長門「しかし彼が選んだのは冷たい飲み物だった。ここまではいい。冬だからといって暖かい飲み物でなければならないという決まりはない。古泉一樹が自分の意思で冷たい飲み物を選んだというのなら、それも一つの選択と言える」
長門「しかし彼は飲み物を取り出す際に『うわっ、つめてっ!』と声をあげ、思わず缶を落としてしまっていた」
ハルヒ「かっわいー!」
キョン「『冷たい!』とかじゃなく『つめてっ!』ってとこがポイントだよな!」
みくる「わぁ、わぁ!ちょっとドジな古泉くんって、なんだか……なんだか!」
長門「まだ終わりではない」
キョン「まだ続くのか!?……あ!」
ハルヒ「どうしたのよキョン。突然にやけて」
キョン「い、いや……これは長門から言ってもらいたい。続けてくれ長門」
長門「了解した。感謝する」
古泉「……」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 19:53:17.44 ID:NS1CqS/Q0
長門「当然古泉一樹が取り落とした缶は転がっていく。なだらかな坂になっていたのも災いした」
長門「古泉一樹は取り落とした缶を追いかけた。焦っていたのだろう。思わず『待って!待って!』と口に出していた。とても魅力的だった」
ハルヒ「それは魅力的ね」
キョン「それは魅力的だな」
長門「魅力的だった。そして何とか缶を回収した古泉一樹は誰にも見られていないかと辺りを確認した。そこにいたのが……」
キョン「俺だな」
長門「そう、あなた。古泉一樹は動揺していた。よりにもよって知り合いにという思いだったのだろう。しかし姿を確認してしまっては挨拶しないわけにはいかないと思ったのだろう。トボトボとあなたの元へ足を向けた。そんな律儀な古泉一樹も魅力的だった」
ハルヒ「魅力的ね」
キョン「魅力的だな」
みくる「魅力的ですね」
古泉「……」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 20:04:00.12 ID:NS1CqS/Q0
長門「先程の失態を指摘されると思っていた古泉一樹だったが幸運なことにあなたは古泉一樹の行動を目撃してはいなかった」
キョン「俺にとっては不運だったけどな」
長門「同情する。しかし古泉一樹は気付かれていないということを悟りホッとした様だった。その様子を見た私はご飯が進んだ」
俺もご飯進めてくる
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 21:19:44.00 ID:NS1CqS/Q0
長門「平静を装い挨拶をする古泉一樹。これだけでもご飯三杯は堅い。しかしそこに思わぬツッコミが入る」
長門「『この寒い中わざわざ冷たい飲み物を選ぶとは変わった奴だな』。そう、失敗はもう一つあった。正直に白状するか誤魔化すか。古泉一樹は逡巡した。そして白状するタイミングを逃し、誤魔化すことを選んだ」
長門「『ご飯の時は冷たい飲み物と決めているんですよ』。古泉一樹はそう言った。彼は特に気にした様子もなく『そうか』とだけ言い飲み物を購入して教室へ戻っていった」
長門「残された古泉一樹は罪悪感からか肩を落とし教室へと戻っていった。私のカレーは6杯目に突入していた」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 21:42:30.95 ID:NS1CqS/Q0
キョン「まさかあのジュースにそんな事情があったなんてな」
みくる「やーん古泉くん……」
ハルヒ「さすがユキね。毎回決定的な瞬間は見逃さない。羨ましいわ」
長門「それほどでもない」
古泉「……すみません。少しトイレに……」
キョン「ん、付いていこうか?」
古泉「い、いえ、結構です」
ハルヒ「それじゃ私が」
古泉「いえ……一人で」
ハルヒ「ちぇー。早く戻ってきてねー」
古泉「は、はい」
ガラララ
長門「では本人がいなくなったからもう少し踏み込んだ話をしたいと思う」
みくる「えっ」
ハルヒ「どうかした?みくるちゃん」
みくる「だ、だって本人がいないところだと陰口みたいだって……」
ハルヒ「悪口じゃないから平気よぉ。それにさすがに本人の前じゃちょっと遠慮しちゃって話にくいしね」
みくる(遠慮してたんだ)
長門「朝比奈みくるは嫌?」
みくる「いえそんなことないですよぉ。続けましょう!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 21:55:06.89 ID:NS1CqS/Q0
古泉「……」
古泉「……なんだあれ」
古泉「なんだあれ!なに!?なんなんですかあれは!?え!?意味わかんない意味わかんない!」
古泉「新手のイジメ?涼宮さんのイタズラ?いやそんな報告はなかったし……」
古泉「朝比奈さんだけはマトモなのかと思ってたら速攻で取り込まれてるし……」
古泉「だいたい毎回ってなんなんですか……。やけに話し慣れてる感じだし……」
古泉「トイレに行くって言ってるのについていこうか?って……。いや彼はまだいいとしても涼宮さんは無理でしょう……」
古泉「……」
古泉「考えていても仕方ないか……。戻ろう」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 22:11:05.18 ID:NS1CqS/Q0
古泉「戻りまし……」
みくる「で、古泉くんがポットを持ってくれることになったんですけどちょっと熱かったみたいで……思わず『あちっ』って言ってから耳たぶ触ってるんですよ!あの古泉くんが!」
長門「興味深い。続けて」
古泉(すっかり馴染んでる……)
みくる「で、私慌てて古泉くんの指を冷やしてあげたんですけどそしたら古泉恥ずかしそうに『いやぁ、失態です……。内緒にしてくださいね?』とか言うんですよー!それがもー!」
ハルヒ「かっわいー!たまんないわねそんなの!」
古泉(内緒にしてくださいって言ったじゃないですか……)
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 22:23:39.85 ID:NS1CqS/Q0
長門「やはりとっさの事態だと口調が少し違う」
キョン「その辺から普段とのギャップというか等身大の古泉の姿が垣間見えて」
ハルヒ「萌えるわね。この間も『新しいボードゲームを手に入れたんですよ』って部室に持ってきてたじゃない?あの時あんたが来るまで古泉くん凄い楽しそうに準備してたんだから。正直羨ましくてキョンを亡き者にして成り代わろうかと思ったわ」
長門「あの時の表情も魅力的だった。しかし本番は彼とのゲームが終わってから」
キョン「ああ、あれか。あれはいいものだったな」
ハルヒ「え、なになに?なによ?」
みくる「教えてくださぁい」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 22:37:14.58 ID:NS1CqS/Q0
長門「自ら持ち込むだけあって古泉一樹もそのゲームには些か自信があったのだろう。しかし結果は……」
キョン「いつも通り俺の勝ち」
長門「僅差だった。しかし負けは負け。古泉一樹は素直に負けを認めた。『ちょっと自信あったんですけどね』と微笑みながら」
ハルヒ「なーんだ!それなら私も見たわよ!たしかにあれは……」
長門「違う。本番はその後。いつもと同じ、微笑んで負けを認めボードゲームを片付けた後、古泉一樹はちょっと唇を尖らせながら自分の敗因を考えていた。その表情がとても魅力的だった」
キョン「小さい『ちぇっ』とも言っていたな」
ハルヒ「ぎゃー!見逃したー!」
みくる「私も見たかったですー!」
長門「同情する」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 22:45:28.44 ID:NS1CqS/Q0
ハルヒ「気付いていたなら私にも教えてくれてよかったじゃない!」
長門「それは無理。喜びを共有したい気持ちは山々だったがそれを伝えてしまうと古泉一樹の貴重な表情が消えてしまう恐れがあった」
ハルヒ「むむむー」
長門「申し訳ないと思っている」
ハルヒ「……いいわ!今回は私の注意力が足りなかったのが原因だもの。次は逃さないわよ!」
長門「応援している」
古泉(ボードゲームは暫くやめよう)
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 23:04:57.47 ID:NS1CqS/Q0
みくる「はぁー……。でも今日は本当に突然どうしたんです?今までこういう話しなかったんでびっくりしちゃいましたよぉ」
古泉(!朝比奈さんナイスです!さすが最上級生!頼りになります!)
ハルヒ「そうだっけ?結構前から話してたと思うんだけど。まぁいいじゃないそんなこと。ね、それよりみくるちゃんはもっとなんかないの?古泉の話!」
古泉(よくないです!朝比奈さん頑張って!流されないで追求してください!)
みくる「そうですねー。別にいいですねー。あ、古泉といえばこの間……」
古泉(朝比奈さん……)シクシク
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/25(水) 23:30:55.91 ID:NS1CqS/Q0
書けなくなっちった。ごめんね。
ネタバレすると古泉の苦労人っぷりを観察してた長門が古泉萌えになってキョンやハルヒに熱く語るもんだから感化されて二人も古泉萌えになったって話。
すまぬ。さらば。