1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:29:25.06 ID:nA+4K1f40
永沢「いつも、いつも……」
藤木「どうしたんだい、永沢君。早く帰ろうよぉ」
永沢「ごめん、今日は一人で帰らせてくれないか」
藤木「えっ?」
永沢「じゃあ、また明日」
藤木「う、うん………」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:32:55.22 ID:nA+4K1f40
藤木君は、いつも僕の側にいた。
だから、今までこの気持ちに気付けなかったんだ。
うっとうしいようで、憎めない性格。
あの青白い唇。
鋭い目。
藤木君の一つ一つが、僕の心をガッチリ掴んで離さない。
……卑怯だよ、藤木君。
僕を、こんな気持ちにさせるなんて……
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:38:17.25 ID:nA+4K1f40
永沢「……今日も、進展ナシ…だったな……」
永沢「……藤木君……なんで君は僕の気持ちに気付いてくれないんだ……」
永沢「……」
藤木君のことを考えるだけで胸がキュンとなり苦しくなる。
ふん、僕が恋の悩みを抱えるなんてね。
永沢「明日こそは……絶対、進展させるぞ……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:43:20.66 ID:nA+4K1f40
翌日
藤木「おーい永沢くーん」
永沢「ーーー!」ドキッ
藤木「どうしたんだい、昨日は?心配したんだぞ、永沢君」
永沢「……ウソだね。ロクに引きとめもしなかったクセに。本当は一緒に帰りたくなかったんじゃないのかい?」
藤木「な、なんだよそれ。そんなことないよ」
永沢「ふんっ」スタスタ
藤木「あっ、待ってくれよ。一緒に行こうよ」
ああ、なんで僕はこんなことしか言えないんだ。
本当は嬉しくてたまらないのにな。
ありがとう…なんて言えないよ。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:48:28.18 ID:nA+4K1f40
学校
永沢「……」
藤木「な、なんか言ってくれよ永沢君…」
永沢「君と話すことなんてないね」
藤木「そ、そんな……本当にどうしたんだよ、永沢君……」
永沢「……君の、せいなんだよ……」ボソッ
藤木「えっ?なに?」
永沢「……なんでもない」
藤木「な、なんだよ。気になるじゃないか。教えてくれよ」
キーンコーンカーンコーン
藤木「あっ」
丸尾「ズバリ!チャイムが鳴ったでしょう!席に着いてくださーい!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:52:40.08 ID:nA+4K1f40
藤木「……」ガタンッ
永沢「………」
最近は藤木君が近寄ってくるだけで頭がまともに働かなくなる。
藤木君のいやらしい吐息、いやらしい目線、いやらしい手つき、いやらしい唇…。
全てに興奮してしまうからね。
何か話さなくちゃいけないのに、このままじゃ…嫌われちゃうな……。
先生「いい天気ですね。今日も一日がんばりましょう!」
「はーい」
僕の心は、どしゃ降りだ。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 20:57:02.13 ID:nA+4K1f40
永沢(……一時間目は体育か……着替えよう)
藤木「永沢くーん。一緒に着替えようよー」
永沢「なっ!?」ドキッ
藤木「一時間目からマラソンなんて、地獄だよ」ヌギヌギ
永沢「な、ななな……///」
藤木「ーー? どうしたんだい、永沢君。頭のてっぺんまで真っ赤だよ?」
永沢「ーー! な、なんでもない」
藤木「?……そうかい?」ヌギヌギ
藤木君の青白い乳首。
そそる。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:01:24.46 ID:nA+4K1f40
体育の時間
先生「はい、では二人組を作って準備運動をします」
永沢(……藤木君が声をかけてくるはず)
藤木「ーー山田。僕とペア作ろう」
永沢「ーー!?」
山田「お?別にいいじょー!」
永沢「な、なんで……」
先生「おや?永沢君、余ってしまったのですか?」
永沢「え、いや、その……」
先生「仕方ないですね。私とやりましょう」
永沢「……はい」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:05:59.12 ID:nA+4K1f40
先生「皆さん、ついてこれていますか?次はこの運動です」
永沢(…………)
藤木「お、おい山田。痛い、痛いよ」
山田「あははは。力加減が分からないじょー!」
藤木「勘弁してくれよぉ……」
山田「あははは!!」
二人の楽しげな声を聞くたびにイラッとする。
藤木君は僕のものだぞ、山田。
それに、藤木君も何で……
なんで、今日は山田なんかとやっているんだ。
僕の心はどしゃ降りからさらに荒れそうだ。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:09:18.79 ID:nA+4K1f40
授業終わり、更衣室
永沢「……」ムスッ
藤木「さ、さらに不機嫌だな永沢君……」
永沢「別に。言っとくけど、君のことでイライラしているわけではないからね」
藤木「え?」
永沢「……黙って着替えなよ、君みたいな人間は」ヌギヌギ
藤木「ど、どうしちゃったんだよ……まったく……」ヌギヌギ
そそる。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:13:53.40 ID:nA+4K1f40
放課後
永沢「……」ボー
藤木「永沢くーん。今日こそは一緒に帰ろう」
永沢「ーーー藤木君……」
藤木「ほら、行こう」
永沢「…ふん。あいにくだけど、僕は用事があるんだ。先に帰っててくれないか」
藤木「よ、用事……なんだよぉ、それ」
永沢「君には関係ないね。帰ってくれ」
藤木「……わかったよ、帰ればいいんだろ。バイバイ」
ガラガラ…バタンッ
永沢「……はぁ……」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:17:55.17 ID:nA+4K1f40
永沢「なんで、僕は……素直になれないんだ……」
ガラッ
永沢「っ!?」ビクッ
先生「おや?永沢君、まだ居たんですか?」
永沢「あ……先生……」
先生「……何か、悩み事があるみたいですね。話なら聞きますよ」
永沢「……先生には、関係ないから」
先生「当ててもいいですか?永沢君の悩み」
永沢「…えっ?分かるんですか?」
先生「藤木君のことでしょう?」
永沢「ーーー!!」
先生「永沢君が藤木君の乳首にそそっているところ…何回も見ましたよ。藤木君のこと……好きなんですね?」
永沢「……」コクン
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:21:55.82 ID:nA+4K1f40
先生「でも、素直になれない……」
永沢「……すごいな、先生は。何でも知ってるみたいだ」
先生「はは、そんなことはないですよ」
永沢「……先生なら、分かりますか。僕がどうすればいいのか……」
先生「……まだ、若いんですから。失敗を恐れずにやりたいようにやりなさい」
永沢「そ、それが1番だとは思うけど」
先生「……永沢君。ちょっと昔話をしてもいいですか?」
永沢「……??」
先生「……昔、永沢君と同じ悩みを持った子がいました……」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:26:49.43 ID:nA+4K1f40
先生「その子は、同じクラスのAという女の子に恋しました」
先生「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
先生「そして、その子は童貞のまま、大人になりました」
先生「大人になった今でも、その子は告白しやかったことを後悔しているそうです……」
永沢「…………まさか、その話の子って」
先生「……後悔のないようにしなさい、永沢君」
先生「私と同じ過ちを犯してはいけませんよ?」
永沢「ーー!……先生……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:33:34.30 ID:nA+4K1f40
先生「あの時、勇気を持って告白していれば…失敗したとしても」
先生「私は、精神的に一歩成長できたと思うんです。なのに私は告白しなかった」
先生「おかげで、女に対して苦手意識がついてしまいました。今では童貞+ホモですよ、ははは」
永沢「……そんな辛い話、僕なんかに……」
先生「……そんなこと、気にしなくてもいいですよ」ニコッ
永沢「……っ」ウルッ
先生「……最後に質問です、永沢君」
先生「今の話で、勇気は出ましたか?」
永沢「!……はいっ……っ」グスッ
先生「……私はうれしいです、永沢君。僕は一人の生徒の成長を見れたようですね……」
永沢「はい…!はい…!僕、頑張ります……!」ポロポロ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:37:53.30 ID:nA+4K1f40
先生「ほら、永沢君。泣いていたら目が腫れてしまいますよ?」
永沢「……せん、せい……僕、行ってくる……」ゴシゴシ
先生「ーー幸運を祈ります、永沢君」ニコッ
永沢「……ありがとうございました……」
ガラガラ…バタンッ
先生「……」
先生「……ふぅ」
先生「あの子……元気にしていますかね……」
先生「もう、決して出会えないあの子……」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:44:41.28 ID:nA+4K1f40
永沢「ーーふん。」
永沢「僕が、他人の説教で泣くなんてね…」
先生の話で、僕の心に火が点いた。
あの日、僕の家を燃やした火よりも激しい火が、確かに僕の心の中でメラメラと燃えている。
それは、心地よいような
落ち着かないような、不安定な火だけれど。
確かに、僕に告げている。
玉砕覚悟で燃え尽きてこい!……と。
永沢「……」
永沢「……覚悟しろよ、藤木君……」
僕の心に
もう、迷いは無かった。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:50:41.58 ID:nA+4K1f40
永沢の家
永沢「……誰も居ない……」
好都合だ。
思いきり藤木君と話が出来る。
永沢「……」ガチャ
永沢「藤木君の電話番号は……」
永沢「よし……かかった」
永沢「…………」
鳴り響くコール。
藤木君は出ない。
永沢「……」
緊張感が高まっていく。
でも、嫌な感じではなく、むしろ心地よい緊張感だ。
僕の集中力が股間と目の前の電話に注がれる。
「…もしもし?」
永沢「……!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 21:57:23.53 ID:nA+4K1f40
永沢「……僕だよ」
「ーー永沢君? 学校の用事は終わったのかい?」
永沢「…ああ、とっくにね」
「ふぅん……で、何?」
永沢「……君に言いたいことがあってね。大切な話だ……」
「……なんだい、永沢君。声の雰囲気がおかしいけど……?」
永沢「単刀直入に言わせてもらうよ、藤木君」
「な、何を…?」
永沢「……」
いつも、一緒に居てくれる藤木君。
その関係が壊れてしまうかもしれない。
でも、僕は…これを言うために電話したのだ。
後悔は…したくない。
永沢「……」キッ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:03:27.54 ID:nA+4K1f40
永沢「僕は…君のことが……」
永沢「……す、すすす……」
「藤木、電話長いじょー!!」
永沢「好きっ……………」
「ちょ……うるさいな。永沢君の声が聞こえなかったじゃないか」
「だって長いから!早く遊びたいじょー!!」
永沢「ーーーーーあれ?」
「ごめん、永沢君。もう一度言ってくれよ」
永沢「ーーーーーーなっ………」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:09:09.05 ID:nA+4K1f40
まさか、今の声は。
いや、そんなはずはない。
うそだ、うそだ。
「…永沢君?もう一度……」
永沢「…………」
確認したくない、けど……
永沢「……今の、山田かい……?」
「ああ、そうだよ。最近はずっと僕の家で遊んでるんだ」
永沢「……なっ……」
「藤木ーー!!!!」
「はいはい、ちょっと待ってくれよ。で、永沢君……何を言ったんだい?」
ーーーそうか。
僕の藤木君は…すでに
僕の藤木君じゃないんだ。
そういうことだろ…山田。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:15:16.78 ID:nA+4K1f40
「藤木ーーーー!!!!」
「永沢君?聞こえてるかい?」
ああ、聞こえてるともさ。
藤木君の声も、山田の声もね。
「あの……永沢君。この後、山田と服を買いにいくんだ」
永沢「ーー!!!」
「すまないけど、早くしてくれないかな…?」
永沢「……ふ……ふん。山田の間抜けな声を聞いたら、何を言うつもりだったか忘れちゃったよ」
永沢「また今度に…………」
「いいのかい?」
永沢「……じゃっ」
「えっ」
永沢「……また明日」ガチャ
ツー…ツー…ツー…
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:18:19.88 ID:nA+4K1f40
永沢「……」
本当に藤木君は卑怯だ。
期待させるだけさせておいて、最後は山田?
ふざけてるね。
…いや。
こっちが勝手に期待していただけか……
永沢「……ふんっ」
永沢「とんだピエロだな、永沢……」
永沢「ふ、ふふっ……ふふふ……」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:22:32.72 ID:nA+4K1f40
永沢「……」ゴロン
何もやる気がしない。
そう……この感覚。この感覚は……
あの日と同じだ。
火事が起こって、何もかも燃え尽きてしまったあの日。
あの日も、しばらくは何もやる気が起こらなかった。
ひたすら絶望していた。
そして今、僕の心も燃えてしまった……
それも、あの日より手ひどくやられた。
永沢「……」ゴロゴロ
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:28:14.39 ID:nA+4K1f40
永沢「くっ…そっ……」ドン
さらに、今日の火事とあの日の火事は一味ちがう。
今日は、火事が治まったあとに、新たな火がつき始めたのだ。
僕の心に新たについた火。
その火は、僕にとって認めたくない色をしていた。
ーーー山田への、嫉妬。
永沢「くそっ……くそっ……!」ドン
永沢「僕が…1番長く一緒に居たのに…ノコノコ出てきやがって……!」
永沢「何様なんだあいつは……!」ドン
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:29:58.84 ID:nA+4K1f40
翌日
結局、お母さんに頼んで学校を休んだ。
仲良くする二人を見て、冷静でいられる気がしないからだ。
永沢「……」ゴロゴロ
永沢「……」
永沢「……チッ」ドン
永沢「……」ゴロゴロ
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:34:24.78 ID:nA+4K1f40
午後5時ごろ
ピンポーン
永沢「……誰も、居ないのか……」スッ
ピッ
永沢「はい、どなたですか」
「藤木だよ……お見舞いに来たんだけど」
永沢「……」ドキッ
「永沢君……入れてくれないか」
永沢「……やだね。今は誰とも会う気分じゃないんだ」
「永沢君…僕は、君が心配なんだ。なんで最近冷たいんだよ?休んだことと関係あるのかい?」
永沢「……被害妄想もはなはだしいね。君には関係ないよ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:36:51.63 ID:nA+4K1f40
「……永沢君。わかった、君は僕が嫌いになったのかもしれない」
永沢「…ふんっ」
「でも、それでも。入れてくれないか。君と話がしたい。風邪じゃなそうだし」
永沢「……勝手にしなよ」
「……ありがとう」
永沢「……」
また、期待させるのか。
この卑怯な男は…。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:39:47.35 ID:nA+4K1f40
藤木「…………」ゴソゴソ
永沢「靴は適当でいいよ。僕の部屋に来てくれ」
藤木「うん……おじゃまします」
永沢「……」
また、股間に集中がいってしまう。
だめだ、期待するな。治まれ。
藤木君は、トドメを刺しに来たに決まってる。
藤木「……」
永沢「……」ドキドキ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:42:58.13 ID:nA+4K1f40
永沢の部屋
藤木「……ごめんね、いきなり」
永沢「……謝るくらいなら、早くしてくれるとありがたいね」
藤木「……わかった。でも……だいぶ、重い話でね。覚悟はしておいて欲しいんだ」
永沢「ーー!……あ、ああ……」
藤木「……今日さ。放課後に先生と話をしてきたんだ」
永沢「……先生と……?」
藤木「それで、こんな昔話を聞いたんだ」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:48:43.23 ID:nA+4K1f40
藤木「その子は、同じクラスのAという女の子に恋しました」
藤木「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
藤木「そして、その子は童貞のまま、大人になりました」
藤木「大人になった今でも、その子は告白しなかったことを後悔しているそうです……」
永沢「……そ、その話……!」
藤木「それで、その子は女性に苦手意識を持っちゃって、今では童貞+ホモになっちゃったらしいよ」
永沢(な、なんで藤木君がその話を…先生…こんな話を誰にでもするのか……!?)
藤木「……でね。その子って言うのは、ここだけの秘密だけど…先生のことなんだ」
永沢(知ってるよ……)
藤木「……そして、ここからが本題なんだ」
藤木「なんで僕がこの話を知ってると思う……?」
永沢(……)
永沢(何がなんだか……)
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:51:48.97 ID:nA+4K1f40
藤木「……君も、この話を知っているよね」
永沢「ーーー!!!」
藤木「……ねぇ、永沢君。僕がこの話を聞いたってことは……君と同じ立場だったってことだよ?」
永沢「お、おい、藤木君。やめ、やめろ」
期待させるな。
どうせ、また裏切るんだろ、藤木君!
藤木「僕……聞いたよ、先生から。」
藤木「永沢君が僕を好きだってこと……」
永沢「……///」ドキドキドキドキドキドキ
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:54:15.60 ID:nA+4K1f40
藤木「僕達……」ズイッ
永沢「〜〜〜!!!」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
藤木「両想いだったんだよ」チュッ
永沢「……!!!!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 22:58:29.91 ID:nA+4K1f40
藤木「……」
永沢「なっ……///」
藤木「キス…しちゃったね」
永沢「な、なななな何をするんだ藤木君!!!」
藤木「……ごめん、嫌だったかな」
永沢「大体、君には山田がいるだろ!浮気か!?」
藤木「……山田?なんで山田が出てくるんだい?」
永沢「で、デートもしたし、最近はよく遊ぶんだろう……?」
藤木「……君が最近冷たいから……山田しか遊ぶやつが居なかったんだ」
永沢「……藤木……君……」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 23:01:14.53 ID:nA+4K1f40
藤木「ほら……続き、しようよ」
永沢「……ああ///」
藤木「……」チュッ
永沢「……」
これからは、身を委ねてもいいんだな?
君を信じていいんだな?
安心して、この棒をいきり立たせてもいいんだな?
君の乳首にそそってもいいんだな?
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 23:06:27.39 ID:nA+4K1f40
藤木「……あっ!ちょ、いきなりそんな…」ビクン
永沢「ふん。口では抵抗しても……」
永沢「体は正直だぞ!本当に卑怯だな君は!」
藤木「……うっ……///」
山田への嫉妬はどこへやら。
僕の嫉妬の火は、とっくに色を変えていた。
そう、その火の色は
藤木君との燃え盛る「愛」の色になっていた。
・・・・
・・・
・・
・
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 23:14:02.02 ID:nA+4K1f40
三ヶ月後
今でも、僕は幸せに藤木君と過ごしている。
あの時、勇気を出して良かった。
先生には本当に感謝している。
全部燃えてしまっても、何があっても。
あきらめてはならない。今回のことで、無気力な僕が学んだことだ。
一燃え尽きてしまうこともある心の火。
でも、あきらめなければ……心の火は、色を変えて、再びつき始める。
家の火事と心の火事……二つの火事を経験して、僕はそれを知った。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/02(金) 23:18:00.62 ID:nA+4K1f40
そして……
藤木「永沢君……///」
永沢「……ああ」
藤木君との「愛」の火を絶やさないために
僕は今日も、二つのたまねぎと一つの人参と長ネギとともに
藤木君とのキャンプファイヤーを楽しむ。
〜おわり〜