タラヲ「いい猫見つけたデース」猫「は?」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ハルヒ「キョン、私と付き合わない……?」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 04:57:46.91 ID:tN2qBYVF0

猫(なんだ、この子供?)

タラヲ「今日からお前は僕のペットになるですぅ」

猫(冗談じゃない、とっとと逃げるか!)

タラヲ「逃がさないですぅ!」

猫(ちょっ離せ!この!)

猫(た、助けてくれぇ!黒!!!)

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 04:58:16.62 ID:tN2qBYVF0

サザエ「あらタラちゃん、その猫は何?」

タラヲ「拾ったですぅ」

猫(凄い頭してるぞ、この女)

サザエ「あら可愛い猫ちゃんね」

タラヲ「飼ってもいいですか?」

サザエ「家には、タマがいるじゃないの」

猫(よし!そのまま俺を解放してくれ!)

タラヲ「飼いたーいでーすぅ!」

サザエ「しょうがないわねぇ」

猫(何て甘い母親なんだ……)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 04:58:52.83 ID:tN2qBYVF0

磯野家


カツオ「へぇ、今日から、新しい猫を飼い始めるんだ」

ワカメ「わーい、また家族が増えるわね、お兄ちゃん」

波平「左様、みんな可愛がるんだぞ」

マスオ「ところで、猫の名前は、決めてあるのかい?」

フネ「そういえば、まだ決まってないねぇ」

タラヲ「猫(マオ)」

猫「!」

タラヲ「猫(マオ)がいいですぅ」

猫(こいつ、俺の名前を……偶然?いや三歳そこらの子供が、こんな名前思いつくか?)

マスオ「へぇ、カッコいい名前だね、タラちゃん」

カツオ「僕は、それでいいと思うよ」

波平「ふむ、では今日から、この猫の名前はマオだな」

タラヲ「よろしくでーす、マオ」

猫(や……やばい、ここから早く逃げないと不味い……)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 04:59:48.95 ID:tN2qBYVF0

深夜

猫(よし皆、寝てるな、ささっとこんな所おさらばだ)

タマ「止めたほうが良いぜ」

猫「お前……確かタマて言ったな、お前も契約者か?」

タマ「契約者?違うな、俺はタダの猫さ」

猫「じゃあ何で喋れるんだ?」

タマ「恐らく、同じ猫同士だからだろう」

タマ「それより、今ここを抜け出しても、碌な事にはならないぜ」

猫「どういう事だ?」

タマ「昼間、散歩がてら、この町を案内してやる……」

タマ「この狂った町をな……」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:00:18.49 ID:tN2qBYVF0



タマ「おい起きろ」ボソッ

猫「ん?何だよ、もう少し寝かせろよ」

タマ「馬鹿、さっさとこっちに隠れてろ」

猫「押入れ?」

タマ「いいから早く入れ!そして、この隙間から、よく見ておくんだ……」

猫「?よく分からんが、隠れてれば良いんだな」

猫(一体なんだっていうんだ?)

タラヲ「タマ!起きるですぅ!!」

タマ「にゃあ」

タラヲ「ターーーマ!!!!おーきるでーすぅ!!!」

タマ「ぎにゃあああああああああ!!!」


押入れの隙間から、見えた光景は悲惨なものだった。
既に目が覚めているタマを、蹴る、殴る、踏みつける、尻尾を引っ張る、布団に包み窒息させようとするなど、その光景は正に地獄絵図。
猫はこの時始めて、タラヲの恐ろしさを知った。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:01:01.20 ID:tN2qBYVF0

サザエ「タラちゃーん、ご飯よ!」

タラヲ「ハーイですぅ」

タマ「がはっ」

猫「おい大丈夫か?」

タマ「ああ大丈夫だ、これに耐える為の、訓練を積んでるんでな」

猫「訓練?」

タマ「ああ、いずれはお前にも教えてやる、それよりも朝飯の時間だ、行くぞ」

猫「お、おう」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:01:30.95 ID:tN2qBYVF0

昼間

タマ「この時間帯は比較的平和だ」

猫「そうなのか?」

タマ「ああ、タラヲの奴は出かけてるから、俺達に構う事も無い」

猫「なるほど」

タマ「さて約束通り、この町を案内してやる、俺からはぐれるな」

猫「分かった」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:02:00.15 ID:tN2qBYVF0

公園

タラヲ「そこのお姉さん!」

女「それって私?」

タマ(ヤバイ!隠れろ)

猫(うおっと)

タマ(ちっついてねぇ、タラヲの狩り時間とダブっちまうなんてな)

猫(狩り時間て何だ?)

タマ(見ての通り、女を狩りに来てるんだよ)

猫(どういう事だ?)

タマ(まあ見てな)

タラヲ「――というわけで家に来てくださーい」

女「分かったわ、お姉さんが着いて行ってあげる」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:02:26.75 ID:tN2qBYVF0

猫「おい、あの女は、どうなるんだよ?」

タマ「玩具にされる、アイツが飽きるまでな」

猫「お、玩具?」

タマ「最後まで言わなきゃ分からないか?あの女はタラヲに犯しつくされ、挙句の果てに、壊れるまで遊ばれ続けるんだよ!」

猫「あ、あんな子供が……流石に……」

タマ「奴はタダの子供じゃない……」

猫「何を馬鹿な……」

タマ「何なら今から、タラヲの後を着けてみるか?」

猫「や、止めておく」

タマ「契約者としての合理的判断て奴か、まっそれが一番だ」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:03:24.68 ID:tN2qBYVF0

タイコ「それで」

サザエ「あらっ私たっら、ついうっかりしちゃったわ」

サブちゃん「ちーす三河屋でーす」

伊佐坂先生「はい原稿」

ノリスケ「ありがとうございます」

中島「磯野野球しようぜ!」

花沢さん「磯野君!」




この数時間、猫とタマは、この町を隅々まで見て周っていた。
どの場所にも、共通しているのは『笑顔』この町には狂っているぐらいに笑顔しかなかったのだ。
その笑顔が猫には、とても不気味に感じられた――。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:04:25.43 ID:tN2qBYVF0

タマ「どうだ?この町の感想は?」

猫「契約者である俺が言うのも何だが、狂ってるよこの町は、人間といえる人間が一人もいない」

タマ「そうだ、お前の言うとおり、この町の人間は、笑顔以外の感情が無いんだ」

猫「はっ何だそりゃ、俺の知り合いの契約者の方が、よっぽど人間染みてる」

タマ「さて……そろそろ家に戻るぞ」

猫「分かった」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:04:56.52 ID:tN2qBYVF0

磯野家

タマ(止まれ)

猫(どうした?)

タマ(匂いで分からないのか?)

猫(これは血の匂い?)

タマ(ああ、タラヲ奴、今度の女はかなり早く飽きたな)

猫(おいこりゃ一体?)

タマ(隠れろ!)

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:06:04.01 ID:tN2qBYVF0

タラヲ(だれか居た気がするけど気のせいでーす)

イクラ「チャーン!」

タラヲ「早く壊れた玩具を捨てに行くデース!」

ズル……ズル……

イクラが引きずっているものを見たとき、猫は一瞬ボロ雑巾かと思った。
だが良く目を凝らしてみると、それは昼間公園で見た女だった事に気付いた。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:06:39.32 ID:tN2qBYVF0

猫「なんて奴だ……警察は?」

タマ「無視だ」

猫「は?」

タマ「捕まえるどころか、あれを引きづってる、タラヲを褒めて笑顔を見せるだけだ」

猫「なっそんな事が……」

タマ「だから言ったろう、この町には笑顔しかないってな」


この時、猫はタマの言っている事を、ようやく理解した。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:07:18.89 ID:tN2qBYVF0

猫「――俺はこの町から出て行く」

タマ「契約者としての合理的判断でか?」

猫「そうだ」

タマ「なら尚更止めとけ、お前はタラヲに目をつけられたんだ。もう逃げ場は無い」

猫「冗談じゃない、こんな場所もう沢山だ」

タマ「アンタみたいな奴は沢山居たよ」

猫「?」

タマ「よく居るんだ、アンタみたいに外の世界から、この町に迷い込んじまった奴らがな」

猫「外の世界?」

タマ「そうさ、ここはアンタの知る世界じゃない、何もかもがトチ狂ったイカれた世界だ」

タマ「色んな奴らがこの町に来た。ただの女子高生から、情報思念体や、魔法少女だの、スタンド使いだの、挙句の果てに猫型ロボットとか言うのも来たな」

タマ「大抵の奴らはタラヲに犯されつくされるか、狂ってイカれるかのどっちかだ」

タマ「まぁ無事に、この町から出れた奴も居ない訳じゃない」

タマ「分の悪い賭けだが、アンタの好きにしな、俺はもう止めないからよ」

猫「……」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:08:19.40 ID:tN2qBYVF0

???「あのーすいません」

ノリスケ「はい?何でしょうか」

???「この写真の猫を探しているんですが、心当たりはありませんか?」

ノリスケ「ああ、確かサザエさんの家で、この猫と似たような猫を飼い始めてたな!」

???「案内して貰ってよろしいでしょうか?」

ノリスケ「ええ良いですよ。ところで貴方の名前は?」

???「李……」

李「李舜生です」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:08:59.72 ID:tN2qBYVF0

磯野家

ノリスケ「という訳で、その猫は李君の飼い猫らしいんだ!」

李「今まで預かってて貰ってすいませんでした」

波平「いやいや、そんな事は無いぞ、李君」

ワカメ「私達も短い間とは言え楽しかったもんね」

李「そう言ってもらえると幸いです。では僕はこれで」

サザエ「そうだ、貴方、夕飯食べていきなさいよ」

李「いえ僕は別に……」

波平「そうだ、それがいい」

ワカメ「お願い一緒に、ご飯食べようよ」

李「は、はぁ……」








タラヲ「アイツは殺すデース……」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:10:12.79 ID:tN2qBYVF0

李「夕飯を、ご馳走になってしまったりして、すみませんでした」

サザエ「遠慮することなんて無いのよ」

タラヲ「お兄ちゃん!もっと遊んで欲しいデース」

李「御免なさいタラちゃん、また今度……」

タラヲ「嫌デース」

李「――え?」


包丁の刺さった胸を抑えたまま李は倒れた。
周りには赤い血が広がっている。


猫「黒!」

タラヲ「やっぱり猫の仲間でしたか」

猫「やべっ」

タラヲ「少しお仕置きデース」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:10:46.07 ID:tN2qBYVF0

タラヲ「逃がさないデース!」

猫「クソ!あいつ本当に三歳児か?」

タマ「こっちだ!」

猫「タマ!」






タラヲ「消えた……ちっデース」

タラヲ「でもこの町からは逃げられないデース」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:11:11.06 ID:tN2qBYVF0

猫「何故、俺を助けた?」

タマ「俺も、そろそろ勇気を出そうと思っただけさ」

猫「勇気?」

タマ「ああ、この町から出る勇気さ」

タマ「行くぞ。この先に、この町を出るルートを確保した」

猫「分かった」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:11:54.38 ID:tN2qBYVF0

ワカメ「あーあ、勿体無かったな李さん」

サザエ「ゴミはちゃんと捨てなきゃ駄目でしょ」

ワカメ「頭ぐらいいいじゃないい!」

サザエ「駄目なものは駄目!」

波平「ワカメ、それぐらいならワシが買ってやろう」

ワカメ「本当?お父さん」

波平「左様」

マスオ「それにしても随分と遅いんじゃないか?カツオ君」

フネ「そう言えばそうだね?」

サザエ「もう何処まで、李君を捨てに行ってるのかしら」








ゴミ捨て場

カツオ「……」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:12:42.92 ID:tN2qBYVF0

フネ「心配だねぇ、ちょっと様子を見てくるよ」

サザエ「あっ母さんが行くなら、私が行くわよ」

フネ「いいよ。少し散歩したい気分だったし……ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」

一瞬にして、フネの首にワイヤーが巻きついたかと思うと、ワイヤーから電流が流れフネは絶叫して息絶えた。
その後ろには、ピエロの様な仮面を被り、黒いコートに身を包んだ黒が立っていた。

ワカメ「アハハハハハハ変な顔、母さんたら」

波平「左様」

磯野家『アッハハハハハ!!!』


狂った笑いを浮かべると磯野家の住人達が一斉に黒に襲い掛かってきた。


黒「……お前らの笑顔を見てるだけで反吐が出そうだ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:13:28.23 ID:tN2qBYVF0

タマ「急げ!この橋を渡れば、この町ともおさらばだ!」

猫「ああ、分かってる!」

タラヲ「何処へ行く気デースか?」

猫「タ、タラヲ……」

タラヲ「お前らは一生ここで僕の玩具デース」

イクラ「ハーイ!」

イクラの包丁がタマの腹を切り裂く。

タマ「ぎにゃあああああああああ!!!」

タラヲ「さーてお腹の中に何を入れるか迷うデース」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:13:41.06 ID:aniroRrr0

カツオはふつうなのか

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:14:58.22 ID:tN2qBYVF0

>>39
黒さんに殺されました
それとまともじゃないです

イクラ「チャーン!」

タラヲ「ゴキブリですか?イクラちゃんも、えぐいデース」

タマ「に、にゃあああああ!!!」

タラヲ「暴れるなデース。イクラちゃんも、ちゃんと抑えてるデース」

イクラ「……」

タラヲ「イクラちゃん?」

イクラ「……」ドサッ


イクラの後頭部には、猫の良く知るナイフが突き刺さっていた。



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:15:52.40 ID:tN2qBYVF0

猫「黒!」

黒「無事か?猫」

猫「ああ、だが……」

タラヲ「よくもイクラちゃんを許さないデース!」

タラヲ「サブちゃん!」

サブちゃん「ちーす三河屋です!」

黒「!」

黒は、自分に向かってくるバイクを、紙一重でかわす。
そして、すれ違い様にサブちゃんの首に、ワイヤーを巻きつけ電流を流す。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:19:07.32 ID:tN2qBYVF0

サブちゃん「ぎゃああああああああああああ!!!」

タラヲ「役に立たない奴デース」

タラヲが愚痴り終わるよりも早く、黒はタラヲの懐に潜り込みナイフをタラヲの眉間に突き刺した。

タラヲ「がっ」

そのまま呆気なくタラヲは力尽きた。



だがそれで終わりでは無かった。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:20:46.39 ID:tN2qBYVF0

ノリスケ「アハハハハハハ!!!」

タイコ「アハハハハハハ!!!」


町中から聞こえるのは笑い声、気が付けばこの町の全ての住民が黒たちを狙っていた


黒「猫、この町から出るぞ」

猫「ああ、分かってる」

タマ「にゃあ……」

猫にだけ聞こえる声で、一言そう鳴くとタマは力尽きた。

猫「タマ済まない……」

黒「来るぞ!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:21:44.41 ID:/qNhWj0N0

黒=李って事なのか?

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:25:18.21 ID:tN2qBYVF0

>>49
そうです

一斉に襲い掛かる狂人達。
黒は猫を抱きかかえると全速力で橋を駆け抜ける

黒「くっ」

猫「おい黒!」

このままでは、間に合わないと判断したのか、抱きかかえた猫を橋の向こう側に投げると黒は狂人達に向き直る。

ナイフ、包丁、鉈、バッド様々な武器を持った狂人達が黒の襲い掛かる。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:31:01.74 ID:tN2qBYVF0

黒は最初に、殴りかかってきたバッドをかわし頭を掴み感電死させる。
そのまま死体を狂人達の方へ蹴り飛ばすとふと後ろを見る。

黒(猫は何とか渡りきったか)

猫が無事、橋を渡りきり逃げたのを確認すると黒は狂人達に背を向け走り出す。

黒「ぐっ」

足に何かが貫通する感覚、自分は銃で撃たれたのだと分かったときには、黒は地面に倒れこんでしまった。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:39:03.63 ID:tN2qBYVF0

タラヲ「ざまぁ見ろデース」

銃を持ちながら黒に近づいてきたのは死んだ筈のタラヲだった。

黒「お前は……俺が殺した筈だ?」

タラヲ「この世界じゃ僕は無敵デース」

そう言った後、タラヲが指を鳴らすと死んだ筈の磯野家の住人達が姿を現した。

タラヲ「お前は簡単には死なせないデース」

亡者と狂人に囲まれる黒。

タラヲ「さあ皆さん!こいつをぶち殺してくださいデース!!!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:48:29.11 ID:tN2qBYVF0

自分に向かって振るわれる凶器、それらが自分の命を引き裂く瞬間が、黒にはとてもスローモーションに感じられた。

ワカメ「アハハハハハハ!!!李さんの首頂戴!!」

黒「!」

我に返った黒はタラヲにナイフを投げる。

タラヲ「何を血迷ってるデー……」

ふとナイフの刺さった場所を見てタラヲは冷や汗を流す。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 05:56:32.03 ID:tN2qBYVF0

ナイフの刺さった場所はタラヲの左胸、正確にはそこに入っていた漫画だった。

黒「お前の本体はその漫画だった訳か」

タラヲ「流石は黒の死神デース」

黒「お前は一体何者だ?」

タラヲ「タラちゃんデース」

そう言うとタラヲの姿が消え、気付けば何時も通りの見慣れた風景に戻っていた。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 06:02:43.80 ID:tN2qBYVF0

黒「無事に帰ってこれたという訳か」

痛む足を引きづりながら黒は立ち上がる。

『黒サーン!』

ふと後ろを振り向くと、そこには――


『お魚加えたドラ猫♪』

ワンセグでTVを見ながら歩いてた通りすがりしかいなかった。

黒「そうだ……あの町何処かで見た事があると思ったら」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/23(水) 06:10:05.45 ID:tN2qBYVF0

痛む足を我慢し、黒は銀の居るタバコ屋に向かった。

黒「銀TVを見せてくれ」

銀「黒?」

TVをつける時刻は6時半を過ぎたあたりだ。

『姉さん!』

『カツオ!』

黒「これは一体……」

猫「よう黒、無事戻れたみたいだな」

黒「猫……。あの世界は何だったんだ?」

猫「分からん」

黒「……」


『来週もまた見てくださいね〜!ジャンケンポン。うふふふふふ 』


銀「勝った……」

END



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:まる子「あたしゃ磯野家を滅ぼしてみせるよ。」