1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 07:34:41.53 ID:hKHggWCB0
駅前
キョン「ん? あれ、アレはもしかして長門じゃないか」
キョン「おーい、長門」
長門「……奇遇」
キョン「ああ、全くだ。ここんとこお互い連絡も取ってなかったしな」
キョン「どうした、スーツなんか着て、就活か?」
長門「……」コクリ
キョン「そうかー、お前も無い内定ってやつか。もう11月だし大変だな」
長門「…あなたは」
キョン「おれはまぁ、院に行くことにしたからもうちょい先かな」
長門「……そう」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 07:39:29.09 ID:hKHggWCB0
スタバ
キョン「で、最近どうなんだ、楽しくやってるか?」
長門「わからない、健康ではある」
キョン「なによりだ。就活に関しては、情報統合ウンタラは、アドバイスしてくれないのか?」
長門「……その話はもうやめて欲しい」
キョン「ハハ、すまん、ちょっと意地悪だったか」
長門「今の私はただのSF好きの大学生」
キョン「そうだったな。そう言えばお前が前言ってた映画見たぜ」
長門「どれ」
キョン「えーと、リベリオンじゃなくて……そう、ブレードランナー!」
長門「そう」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 07:46:13.82 ID:hKHggWCB0
長門「面白かった」
キョン「なんというか……よく分からなかったが、とにかく街がすごかったな、スターウォーズみたいで」
長門「……スターウォーズとはちがう」
キョン「そ、そうか、すまん」
長門「謝らないでほしい」
長門「……映画なら見てくれるの」
キョン「そうだな、少なくとも小説よりは、な」
長門「……ハイペリオン」
キョン「すまん」
長門「じゃあ次はエイリアンを見るといい」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 07:51:44.26 ID:hKHggWCB0
キョン「エイリアン? あのグチョグチョした気持ち悪いやつ?」
長門「一作目は言うほどグチョグチョしていない」
キョン「そうなのか。金曜ロードショーかなにかでチラチラとは見たことあるんだが、面白いのか?」
長門「……ユニーク。造形が」
キョン「造形……?」
長門「ブレードランナーと同じ監督」
キョン「へぇ……実はブレードランナーちょっと寝ちゃったんだが」
長門「……」
キョン「怒るなって」
長門「怒っていない。感性の違い」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 07:56:39.29 ID:hKHggWCB0
キョン「そもそもどうして俺に映画を見て欲しいんだ?」
長門「……私は話すのが苦手」
キョン「知ってるが」
長門「作品はコミュニケーションを仲介してくれる。私はあなたと楽しく話がしたい」
キョン「……まぁ、何となく分かる」
長門「私は話すのが苦手」
長門「あなたが私を宇宙人だと本当に信じこむくらいには」
キョン「今のはジョークだな?」
長門「わかってくれるのはあなたくらい」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:03:51.10 ID:hKHggWCB0
長門「あの頃の私は自分が対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドだと完全に信じていた」
長門「今でも半分はそう思っている」
キョン「さっきその話はよせって……」
長門「もう半分はそうじゃないと思っている」
キョン「お、おう、すまん」
長門「他の人がどうしてあんなに簡単に笑ったりできるのか分からない」
長門「でもそうしないと試験官には好意も意思も伝わらない」
長門「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドとしても不良品かもしれない」
キョン「今のはジョークか?」
長門「半々」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:14:44.81 ID:hKHggWCB0
長門「4年前」
キョン「ん」
長門「あなたに告白してふられた時も、いろいろ考えた」
キョン「あー、うん」
長門「私の苦手なことのせいなのか、涼宮ハルヒの存在のせいなのか」
長門「もっと他の理由があるのか」
キョン「……」
長門「この話はやめる」
長門「涼宮ハルヒは、元気」
キョン「……アイツは死んだよ」
長門「………………………………そう」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:19:24.01 ID:hKHggWCB0
長門「どうして教えてくれなかったの」
キョン「死んだのは去年の冬だけど、タイミングを逃した」
キョン「言いづらくてさ」
長門「………少し恨む」
長門「事故、とか」
キョン「いや、心臓発作だそうだ。全くアイツは最後まで意味が分からん」
キョン「嵐のような奴だったよ、ホント」
長門「その嵐のような奴にあなたはベタ惚れだった」
キョン「違うぞ、断じて違う!」
キョン「大体アイツの方から付き合えって無理やり言い出したんだ」
長門「甲斐性なし」
キョン「ほっとけ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:25:49.25 ID:hKHggWCB0
長門「実感がわかない」
長門「涼宮ハルヒは恨んでいる」
長門「でも感謝もしている」
長門「高校時代は彼女のお陰で楽しかった」
キョン「まぁ仕方ないことだな。いきなり死んだって言われてもな」
長門「それに私は今でもあなたに好意を持っている」
キョン「………」
長門「どうしていいか分からない」
キョン「……さぁてね、俺にも分からん」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:34:25.39 ID:hKHggWCB0
長門「他の二人は」
長門「生きてるの」
キョン「ああ、それは大丈夫だ。古泉のやつはさっさと大手企業に内定取ったって連絡がきたし」
キョン「朝比奈さんが銀行の受付嬢をやってるのはお前も知ってるだろ」
長門「そう」
キョン「みんなバラバラだな。アイツがいなくなったせいかな」
長門「……」
長門「………私は」
長門「………」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:39:19.08 ID:hKHggWCB0
キョン「出るか」
長門「」コクリ
キョン「大分寒くなってきたな」
長門「」コクリ
キョン「スーツ薄そうだけど平気か」
長門「平気」
キョン「そうか」
長門「……」
キョン「……」
長門「私はまだあなたの側にいたい」
キョン「………」
長門「…私は嫌な女」
キョン「……んなこたない」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:54:13.29 ID:hKHggWCB0
長門「……今日、あなたの家」
キョン「こっから二駅ほどで下宿中だが、来るか?」
長門「」コクリ
キョン「よし、じゃあ酒を買って鍋でもやろう」
長門「豆乳鍋」
キョン「豆乳だな。酒は何がいい」
長門「梅酒」
キョン「決まりだな、スーパー寄ってこう」
長門「……ありがとう」
キョン「なに、長い付き合いだ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/14(月) 08:57:08.02 ID:hKHggWCB0
夜まで残ってたら続き書くわ