1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:03:31.14 ID:UdpDz+C40
のび太「あぁ、岡部はどうするんだろう。来週が気になる気になるぅ」
ドラ「……あぁ、うん」
のび太「ん、どうしたのドラえもん」
ドラ「……」
のび太「どら焼きのあんこ、鼻に付いてるよ」
ドラ「……なんでもないよ」サワサワ
のび太「そっか」
ドラ「てか、あんこなんて付いてないじゃん」
のび太「バレたか(笑)」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:03:48.97 ID:UdpDz+C40
のび太「ドラえもんはさ」
ドラ「何、のび太君」
のび太「シュタゲ面白いよね?」
ドラ「……」
のび太「よね?」
ドラ「なんでまた、そんな断定的なのさ」
のび太「だってそりゃ、タイムマシンが出てくるからさ」
ドラ「あぁ、タイムマシンね」
のび太「うんうん」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:04:04.58 ID:UdpDz+C40
のび太「シュタゲに出てくるアレは、ちょっとばかし不便だったけどね」
ドラ「……まぁ、時間移動の法整備が未発達な段階なら、それもそうだよ」
のび太「え? どういうこと?」
ドラ「グレーゾーンが多すぎるんだ。それに、技術も発達してない。不安定なんだ。
分岐した世界線すべてを把握することが可能になった未来においては、岡部君達ラボメンの
やっていることなんてすべてTPの中央管制室のタイムテレビモニターに晒されるだけだよ。
彼らはそれを見て、ただ、介入すればいい。もちろん。介入されたことなんて当の介入された人間には
知ることもできない。このシュタゲだって、岡部君やダル君の知らない所で数百、いや数万回タイムパトロールに
介入されたんだろうね。ラボメンの存在するだけの世界線の数なんて、この地球の歴史のすべてのことに比べたら
ホンの少しのデータに過ぎない。君がよく持って帰ってくる0点の答案一枚の価値と変わらないのさ」
のび太「……ごめん、僕の頭じゃ理解できそうにないや」
ドラ「のび太くん、君はメン・イン・ブラックは見たことあるかい?」
のび太「あぁ、あのエイリアンのやつだっけ。この前テレビでやってたの見たよ」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:04:20.37 ID:UdpDz+C40
ドラ「彼らは周りの一般人に彼らが存在したという記憶を残してはいけないんだ」
のび太「そういえばなんかピカって光らせて忘れさせてたよね。わすれろ草みたいな感じで」
ドラ「そう。それってつまり人の記憶は改変できるもだってことでもあるんだよ」
のび太「考えてみれば、それもそうだね。僕がジャイアンに野球に誘われて断れなくても
ジャイアンがそもそも野球をしようということを忘れてしまえば誘われなくなるし」
ドラ「そう。そうやって君はいつも自分のために、時間を使うよね」
のび太「だって〜」
ドラ「ハハ。わかってるよ。僕だって君に協力してるから、人のこと言えないけど」
のび太「だよね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:05:14.11 ID:UdpDz+C40
ドラ「これはあくまで仮定の話だけどね」
のび太「なんだい。ドラえもん」
ドラ「のび太君は本当に、岡部君がリーディングシュタイナーを持った特別な選ばれし者だと思う?」
のび太「そりゃ、もちろん」
ドラ「僕は思わない。というか、そんなものは、無い」
のび太「夢が無いなぁ。ドラえもんは」
ドラ「まぁまぁ。この話に納得できないならこのどら焼きかけてもいいよ」
のび太「へぇ、自信があるんだね」モグモグ
ドラ「まだ話をしていないのに食べちゃだめだよ」
のび太「あっ、ごめん。気づいたら手が……これも介入!?」モグモグ
ドラ「ないない。そしてまずはその手と口を止めろ」
のび太「はい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:05:32.04 ID:UdpDz+C40
ドラ「岡部君が、選ばれし者だというのはある意味間違ってない。けれどね、特別な能力なんて存在しないんだよ」
のび太「じゃあなんだい。岡部は能力があると思い込んでる、本当の哀れな厨二病患者とでも言いたいの?」
ドラ「そのとおり。彼はある意味利用されたのさ。TPにね」
のび太「……」
ドラ「TPは何度も彼に介入している。何度も何度も、丁度必要な記憶を彼の頭に書き込んでる。
……正直、手際はよくない。もっとスマートにできるはずなのに、無駄が多いとは思う。
まぁ、TPもやっているのは人間だからね。データの管理に関してはすべて機械化されていても
思い込む、ということで自己の記憶行動を正当化できるのは動物もとい人間だけだからしょうがない」
のび太「またわけがわからなく」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:05:54.64 ID:UdpDz+C40
ドラ「話がそれちゃった。つまり、岡部はTPによって歴史の流れの中のTurning Pointに選ばれたってわけ」
のび太「どうして選ばれたのさ」
ドラ「それはTPに幹部やコンピューターに聞かないとどうにも。いつの時代も膨大なデータがすべての裏付けをするものさ」
のび太「でも、完璧じゃないんだよね」
ドラ「有る、ってことと無いってことは表裏一体。有ることはすぐに証明できても無いってことの証明は……難しい」
のび太「ドラえもんの話も難しいよ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:06:28.07 ID:UdpDz+C40
ドラ「簡単に言うとね、僕のいる未来ではまず過去のすべてを把握しようとされている」
のび太「そんなことできるの」
ドラ「実は、大したことはないんだ。少なくとも、未来を把握するよりは」
のび太「でも、パラレルワールドは無数にあるって」
ドラ「人間の行動一つで未来は、変わるのは間違いないよ。でもね、だからってたくさんの分岐があるなんて
証明はできる? むしろその数は少ない、いや、知らなくては、改変なんてできないという結論が出たんだよ」
のび太「つまり……?」
ドラ「記憶の概念そもそもが違う、記憶装置が発明されて、それから時代は変わった」
のび太「?」
ドラ「君は不思議に思わないのかい? タイムテレビはまだしも、タイム電話なんてなんで実用化できるのかって」
のび太「どういうことさ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:06:47.65 ID:UdpDz+C40
ドラ「シュタゲの中では、同時進行で未来と過去を行き来なんてしてなかっただろ」
のび太「確かに、メールを送ったり、記憶を送ったりだけだったけど」
ドラ「タイムマシンだって、結局は時間を戻ったり、進むだけ。同時ではない」
のび太「それもそうだ」
ドラ「タイム電話は違うでしょ。双方向を同時にやってる」
のび太「でもそれって、要するに未来と過去でメールをやりとりするのを短くするってことじゃ」
ドラ「そう。その間隔を限りなく短くすれば、まるでその場とその場が同時に時を刻んでるってことになるでしょ」
のび太「まぁ、そうなるよね」
ドラ「それが、証明になったのさ」
のび太「はぁ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:07:30.20 ID:UdpDz+C40
ドラ「タイムテレビはこっちがその時代をのぞくだけ。簡潔に言えば録画されたビデオを見てるだけのようなものさ。
そこに時間の改変はありえない。起きようもない。タイム電話はどうだい? 起きないと思う?」
のび太「起きるんでしょ。ドラえもんが言うには」
ドラ「そう。なぜなら『タイム電話の送信機がそこに設置されそれに向かって話す』という介入がそこにすでに発生している。
TPがそれを把握するのはとても容易だ。そこにタイム電話があるのを、まぁ簡単にいえば調べてしまえばいい」
のび太「だから、想定外のことは起きないって言うの?」
ドラ「そうだよ。結局岡部君がやったことも、TPの介入、そしてはじき出された結果。それだけ」
のび太「本当に夢が無いね。ドラえもんは」
ドラ「バカだなのび太くん。そうじゃなきゃ、こうして僕が君とこうして話していることすらできないでしょ」
のび太「それも……そうなのかな」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:08:53.14 ID:UdpDz+C40
ドラ「そういうことさ。深く考えることもない。それが、それが未来の姿なんだよ」
のび太「……」スヤスヤ
ドラ「もう、寝ちゃったか」
のび太「……」スヤスヤ
ドラ「あっけないよなぁ、本当に」
おわり
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:11:48.89 ID:UdpDz+C40
TPぼんを読めばまた面白くなってくるよ
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:34:23.88 ID:UdpDz+C40
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\ ───___
<  ̄ ̄ ̄ ̄|
> _________ |
 ̄ ̄ | / \ | | あえていうならTPは直接的な介入を嫌う
| /⌒ヽ /⌒ヽ | | シュタゲで岡部が自ら道を切り開いていく
| | ‘ | i ‘ | | | ような展開というのはまさにTPのマニュアル
| ヽ.__ノ ヽ._ ノ レ⌒ヽ として理想的な介入方法であるわけだ
ノ o 6 | ちなみに、鈴羽の介入も
/__ \ _ノ ダルが修理を行えたのも
> ノ TPの介入である
<、___ イ
|───┤
/ |/ \ / \
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/31(水) 13:37:45.09 ID:UdpDz+C40
/  ̄ ̄ ̄ \
/ / vv 知らないものをどうやって知るんだよ
| | |
| (|| ヽ _______
,ヽヘ / | >_____ |
/\\ /  ̄ |⌒ v⌒ヽ |__|
/ \\ __ / | .| . ノ ) 知らされるのさ。それが介入だ
/ `\| < ` o `- ´ ノ
| ヽ > /
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