1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:04:44.60 ID:blp/sRjP0
古泉「何故そんなもみあげをされていらっしゃるのですか?」
キョン「ん?ああもみあげか」
キョン「これはカツラだ」
古泉「そうなんですか。髪全体がカツラなのですか?」
キョン「いや、もみあげだけだ」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:05:59.46 ID:blp/sRjP0
古泉「なるほど」
キョン「触って見るか?」
古泉「いえ」
古泉「揉んでみます」
キョン「もみあげだけに?」
どっワハハ
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:07:15.75 ID:blp/sRjP0
古泉「では早速」
モミモミ
古泉「ふむ……」
キョン「どうだ?」
古泉「もみあげですね」
キョン「そうだろう?ここのメーカーはもみあげに対してかなりの情熱を注いでいる」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:10:17.61 ID:blp/sRjP0
古泉「そうですか」
キョン「ああ」
鶴屋さん「やっぱり髪の毛は地毛が一番じゃないかい?」
キョン「いつからそこに」
鶴屋さん「一樹くんがもみあげを揉んだあたりからかなっ」
古泉「これはお恥ずかしい所を」
鶴屋さん「いやいや、恥ずかしがることはないよ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:12:56.64 ID:blp/sRjP0
鶴屋さん「もみあげは底知れぬ魅力があるからねっ!」
キョン「さすが鶴屋さん。わかってらっしゃる」
古泉「ええ、もみあげ検定一級を所持されているだけありますね」
キョン「そんなのあったか?」
古泉「いえ、冗談ですよ」
鶴屋さん「悪い子だねえ一樹くんは!」
キョン「こいつぁ一本取られた」
ワハハ
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:15:51.84 ID:blp/sRjP0
キョン「ところで鶴屋さん、髪の毛は地毛が一番とは?」
鶴屋さん「ああそれね!やっぱり地毛が良いんじゃないかなっ!」
鶴屋さん「トリートメントで髪を育てる喜びが無いわけじゃん?そこが惜しいと思わないかな?」
古泉「んっふ……」
キョン「なるほど、確かに」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:20:37.95 ID:blp/sRjP0
鶴屋さん「ほら、あたしってすっげー髪長いからさ!その分手入れも面倒だし、先っちょが痛んだりしやすいんだけど」
鶴屋さん「でも毎日のケアでさらっさらを保つ喜びが髪の分だけあるんだよね」
古泉「解ります。僕はそれほど長くありませんが……」
古泉「ふと前髪を掻き上げた時、前日ちゃんとリンスをした自分を褒め称えたく思う事も多々ありますね」
キョン「そうか……まあ、カツラもカツラで手入れが大変なんだがな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:24:35.32 ID:blp/sRjP0
古泉「と、言いますと?」
キョン「まあ多分わからなかったと思うが、実はもみあげの中に仕込み刀があってだな」
鶴屋さん「それは驚きだね……えらく物騒じゃないか」
古泉「全く解りませんでしたよ!お見せして頂いても?」
キョン「ああ、いいぜ」
チャッ
シュイン
キョン「ほれ」
古泉「これは……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:30:31.26 ID:blp/sRjP0
鶴屋さん「ロトの剣……!?」
古泉「仕込み刀どころの話ではありませんね……何と言うか……勇者と言うか……」
キョン「びっくりだろ?因みにこれを見せたのは鶴屋さんと古泉が初めてだ」
鶴屋さん「一体キョンくんのもみあげはどんな構造してんのっ?お姉さんびっくりしすぎて何かお腹空いてきちゃったよ」
キョン「ああ、でしたら左のもみあげに」
ファサッ
キョン「うまい棒がありますのでどうぞ」
鶴屋さん「おっラッキー!有難く頂いちゃうよ!」
古泉「ふふっ笑うしかありませんね」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:33:45.61 ID:blp/sRjP0
キョン「まあ、話を戻しますと」
キョン「このもみあげの上部、収納部はステルス機能が搭載されていてな」
鶴屋さん「へー」
古泉「そんな気はしていましたよ」
キョン「もみあげの部分だけ人毛で装飾されているわけだ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:37:16.45 ID:blp/sRjP0
キョン「そして収容量は縦横一メートルのボックスになっている」
鶴屋さん「多機能もみあげってとこかい?」
キョン「ええ、その通りです」
古泉「僕も欲しくなってきましたよ」
キョン「因みにロトの剣は抜き身だ」
古泉「おやおや……」
キョン「実際藤原なんぞ何時でも殺れた」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:40:14.63 ID:blp/sRjP0
鶴屋さん「藤原?」
キョン「ああ、ただのシスコン包茎野郎です」
古泉「彼のナニは抜き身では無いのですね」
鶴屋さん「ちょっとちょっと、お姉さんの
前でそんな話はやめておくれよ!」
キョン「おっと、すみません」
古泉「そうですよ全く……」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:46:20.20 ID:blp/sRjP0
キョン「とにかく、モミリストの風上にも置けん奴ですよあいつは」
鶴屋さん「キョンくんがそう言うってことは、相当悪い輩みたいだね」
古泉「ええ、彼のもみあげに偽り無し。ですよ」
キョン「やめんか、照れるだろうが」
鶴屋さん「照れ屋だねいキョンくんは」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:51:10.82 ID:blp/sRjP0
古泉「ところで、収容されていたのはロトの剣とうまい棒のみなのですか?」
キョン「ん?他にもあるぞ」
鶴屋さん「ほんとかいっ?見して見して!」
キョン「ええ、良いですよ。……では……」
ゴトッ
キョン「四星球と」
チャッ
キョン「チキンナイフとエクスカリパー」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:54:23.23 ID:blp/sRjP0
キョン「あとは……あった」
パスッ
鶴屋さん「これはなにかなっ?」
キョン「ハルヒの財布です」
古泉「おやおや」
キョン「毎回探索の度に奢らされてるんだ、そりゃ魔がさすこともあるさ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 00:59:01.86 ID:blp/sRjP0
古泉「ですね」
鶴屋さん「そういえばバスの整理券あったから入れとこうかな!」
キョン「きっと喜びますよ、あいつ」
古泉「忙しくなりそうですね、主に僕が」
鶴屋さん「えっ?なんで一樹くんが?」
古泉「ただの独り言です、お気になさらず」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:03:26.05 ID:blp/sRjP0
キョン「とりあえず右のもみあげはこれくらいか」
鶴屋さん「お次は左だねっ!」
キョン「おお、鋭いですね、その通りです」
鶴屋さん「ふふっちょろいちょろい!」
古泉「シャーロック・ホームズ顔負けの名推理ですね」
鶴屋さん「あたしにかかれば朝飯前……いや、放課後だから夕飯前かなっ!」
古泉「んっふ、非常にユーモラスな言葉遊びですね」
キョン「はっはっは、こりゃ参った」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:09:38.07 ID:blp/sRjP0
キョン「では、左のもみあげから」
ハーイデス
キョン「タラちゃ……」ズドンッ
古泉「ふう、仕留めました」
キョン「おい!何て事しやがる!!」
鶴屋さん「びっくりしちゃったよ……」
古泉「仕方ないですよ、あれは」
キョン「まあ……それもそうか」
鶴屋さん「あの子から何やらおっかない雰囲気を感じたんだけど気のせいかな?らしくないけど身の危険を感じちゃったよ」
古泉「気のせいではありませんよ、S級の危険人物です。容姿に騙されるとかなり痛い目を見ていたかと」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:13:43.93 ID:blp/sRjP0
鶴屋さん「やっぱりかい?いやーキョンくん、ダメだよそんなのもみあげに入れてちゃ」
キョン「すみません……封印してたんですがちょっと気が緩んでましたね」
古泉「サラッと出さないで下さいよ。僕が居なければどうなっていたことか……」
キョン「すまん、お礼にうまい棒チーズ味だ」
古泉「これはどうも」シャクシャク
キョン「よし、ではお次は」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:20:05.79 ID:blp/sRjP0
キョン「朝比奈さんだ」
鶴屋さん「みくる!!」
古泉「おや、こんにちは」
みくる「こ、こんにちは」
鶴屋さん「何だってキョン君のもみあげの中に?!」
みくる「え〜っと〜……その、ケーキを作ってましたぁ……」
古泉「はあ?寝言は寝て言えや」
キョン「まあ落ち着けよ」
みくる「あの、ちょっと焼いてる途中なんで戻りますね」
キョン「はい、どうぞ」
鶴屋さん「じゃーねいみくる!」
みくる「はーい」
古泉「ッチ、クソアマが」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:23:32.64 ID:blp/sRjP0
シュッ
キョン「うん、まあこんくらいかな」
鶴屋さん「ちょっと質問があるんだけど良いかい?」
キョン「どうぞ」
鶴屋さん「聞いてたよりだいぶ収容できるみたいだけど……どゆこと?」
古泉「確かに言われてみるとそうですね」
キョン「ああ、それは小さくして収納できるからですよ」
鶴屋さん「そっか、なるほどね!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:27:47.51 ID:blp/sRjP0
キョン「さらに幾つも部屋があって、それなりの生活はできるくらいのものは揃ってますよ」
キョン「まあさすがに部屋ごと出すわけにはいかないんで……」
古泉「するとS級の危険人物……TARA_warを封印していたのは?」
キョン「それ専用の場所もちゃんとあるさ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:31:54.50 ID:blp/sRjP0
古泉「なるほど……あなたのもみあげの中が益々興味深くなりますね」
鶴屋さん「すっげーハイテクじゃん!入ってみたいねっ」
キョン「あ、はい。いいっすよ」
鶴屋さん「ほんとに?!やっほーい!」
キョン「何ならお前もどうだ?」
古泉「いえ、僕は遠慮しておきますよ。楽しみは後に取っておきたいので」
鶴屋さん「んじゃあお先に行って来まーす!」
キョン「はい、いってらっしゃい」
ニョロン
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:35:20.43 ID:blp/sRjP0
古泉「んっふ、まるで少女の様に目を輝かせていましたね」
キョン「全くだ。鶴屋さんほど可愛らしく、かつ天真爛漫な方もそういないだろうよ」
古泉「あなたのもみあげも、本望でしょう」
キョン「そうだな。もみあげ冥利に尽きるとはこの事だ」
古泉「よっ!もみあげ大臣!」
キョン「うるさいだまれ」
古泉「はい」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:38:58.34 ID:blp/sRjP0
キョン「おだてりゃ良いと思うなよバカタレが」
古泉「……」コク
キョン「何か喋れや!!」ドンッ
古泉「はい、すみません」
キョン「うん」
キョン「取りあえず出したもん片付けるから手伝ってくれ」
古泉「ええ、勿論ですよ」
シュッ
シュッ
シュッ
シュッ
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:41:57.64 ID:blp/sRjP0
キョン「よしオーケイ、グッドジョブだ」
古泉「イェア」
ガチャ
長門「……」
キョン「おお、今日は遅いな」
長門「……」コク
古泉「こんにちは」
長門「……」ッチ
古泉「シタウチシテンジャネェヨクサレガ……」
キョン(さすがに宇宙人相手には強く出られないみたいだな)
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:45:50.60 ID:blp/sRjP0
古泉「ブツブツ……クソッ……ヘイサクウカンナライチゲキダゾ……」
長門「声帯の振動をごく微小に抑えて言語を発し私に聞こえない様にしているつもりでも、聞こえている」
古泉「おや、何がですか?」
長門「……もういい」
キョン(帰ったらもみあげにリンスつけてみようかな……)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:52:04.68 ID:blp/sRjP0
長門「朝比奈みくる」
キョン「ん?」
長門「2時間32分44秒前から、現在と彼女が存在する時間軸双方に置いて存在が確認できない」
キョン「朝比奈さんなら俺のもみあげの中だ」
長門「?」
キョン「だからもみあげだよ」
長門「私と貴方の意思疎通が齟齬をきたしている可能性がある」
古泉「ププ……ソゴヲキタシテイルwwww」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 01:55:02.43 ID:blp/sRjP0
キョン「いや、それはないぞ。大丈夫だ」
キョン「朝比奈さんなら俺のもみあげの中に居る。鶴屋さんも居るぞ」
長門「……そう」
キョン「そうだ」
古泉「理解されていない様ですが、大丈夫ですかね?」
キョン「いずれわかるさ」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:01:41.49 ID:blp/sRjP0
長門「……貴方の側頭部周辺の頭髪から空間、次元、及び時空の捻れは確認できない」
キョン「そうか……ならちょっとこっち来てみろ」
長門「……」スタスタ
キョン「そらっ」
長門「……?」
シュッ
キョン「……よし」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:07:47.57 ID:blp/sRjP0
古泉「おや、よろしいのですか?」
キョン「長門の宇宙パワーも通用しないステルス技術みたいだしな、入れて確認させてやるのが一番手っ取り早い」
古泉「なるほど」
キョン「おう」
バンッ!!!
ハルヒ「あ〜もうありえない!!財布盗んだのはどこのどいつよ!!見つけ次第ひっとらえt シュッ
キョン「落としたかもしれないだろ!盗まれたと決め付けるにはまだ早いんじゃないのか?」
古泉「もう収納済みですよ」
キョン「テヘッ(ゝω・)vキャピ☆」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:15:43.53 ID:blp/sRjP0
古泉「全く……お茶目な方ですね」
キョン「すまんな、生まれつきだ」
古泉「しかしもみあげは?」
キョン「カツラだ」
どっワハハ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:29:11.67 ID:blp/sRjP0
古泉「それにしても涼宮さんまで収容してしまうとは……」
キョン「悪いか?」
古泉「いえ、願ったり叶ったりですよ」
キョン「そうだろ?まあ一応左のもみあげに鶴屋さん含めSOS団女性陣が居るんだ。退屈はしないだろうよ」
古泉「好い加減涼宮さんの我が儘に付き合うのもうんざりでしたよ」
キョン「まあ元からの性格があれだからな……全く」
古泉「しかしあなたのもみあげは?」
キョン「は?もみあげはもみあげだけど?」
古泉「ええ、ご名答。その通りです」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:38:28.63 ID:blp/sRjP0
キョン「アーラッセイヤラーレイ!!」
古泉「え?なんですかいきな シュッ
キョン「……よし、SOS団全員収納したな」
全て計画通りである。
今から俺ももみあげの中に入り、特に理由の無いサプライズパーティーを始める予定だ。
朝比奈さんには事前に言っておいたが、ケーキはちゃんと焼けているだろうか?
いやはや、楽しみである。
俺は左のもみあげをおもむろに取り外した後、俺主催SOS団パーティーへと向かった。
___完
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/06/20(月) 02:41:25.58 ID:blp/sRjP0
最後まで読んで頂きありがとうございました!
ちゃんと甘酸っぱい青春の一ページっぽい話が書けて良かったです…
あと関係ありませんが鶴屋さんが一番好きです!