1 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2011/05/16(月) 18:04:27 ID:14AQznyc0
キョン「おい、お前いたのかよ」
みくる「うふ、これ前にキョンくんと買った服なんです♪」
長門「……(キョンを注視)」
ハルヒ「キョン!ちょっとついてきなさい!」
古泉「…………」
古泉「……酷い」
キョン「ん?」
古泉「なんで貴方だけがいつもいい思いしてんですか!!!」
3 名前:>>1じゃないけど[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 02:52:33 ID:Q2Ki5q/.O
午前1時。
この時間になるといくらバイパスとは言えども車通りは少ない。眩しいオレンジ色の街灯に照らされた家路を僕は真っ黒なZX-10Rに跨って疾走している。
高校を卒業したのと同時に、僕は晴れて超能力者としての役を終え、機関は解散となった。
涼宮さんや彼と同じ大学へは行かなかったが偶然、橘京子と同じ大学へ行った僕は成り行きで彼女と恋人の仲へと成り立った。
4 名前:>>1よ。乗っ取てスマン。[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 03:38:19 ID:Q2Ki5q/.O
かつては血で血を洗う抗争をしていた事が嘘のように僕達は毎日、互いを求め、愛し合った。
その後、大学を出て就職しても僕と京子の関係は何のトラブルもなく続き、結婚と言う新たなステージへのステップを考え始めていた。
しかし、そう上手くは行かなかった。
5 名前:書きたいと言う衝動を抑えられないんだ。[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:00:11 ID:Q2Ki5q/.O
ほんの些細な事だった。
ある日、僕と京子は喧嘩をしてしまった。
その日から僕達の間に入った小さな亀裂は日を追うごとに大きくなり、収集が付かなくなっていった。
そして今からニ年前、僕達は別れた。
その際、その腹いせと言うわけではないが、京子との結婚資金をこのZX-10Rに注ぎ込んでしまった。
6 名前:文才なくてゴメンね。[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:05:02 ID:Q2Ki5q/.O
恋愛と結婚は違う。
よく考えるとあの頃の僕はそれを良く解っていなかったのかもしれない。
そんな下らない思考を廻らしていた僕の目の前に赤信号が光る大きな交差点が現れた。
少し焦ったが、ギアを一つ落としエンジンブレーキをゆっくり効かせつつ、幾度かポンピングブレーキをかけた為、静かに停止線前に滑り込む事ができた。
危ない。危ない。
内心そう思っていたその時、僕から見て右の道から一台の白いセダンが交差点に入って来た。
7 名前:>>1じゃないけど[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:09:35 ID:Q2Ki5q/.O
僕の位置からその白いセダンの助手席が見える。僕は目を疑った。
ツインテール、幼い面持ちの横顔、笑顔。
「……京子?」
不意に小さく呟いた僕の声はフルフェイスの中に響いた。思わず僕はフルフェイスのシールドを上げて凝視した。
京子…?
京子なのかい?
君が笑顔を向けている運転席の男は誰なんだい?
8 名前:>>1じゃないけど[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:10:34 ID:Q2Ki5q/.O
僕の問いかけを無視するように白いセダンは僕の目の前を横切り、左の道へと姿を消して行く。
京―――ッ!
突然僕が跨っていたZX-10Rがガタンと大きく前に振動し、転倒しかけた。
一瞬何が起こったのか理解出来なかった僕はオイルランプの赤い光りを見て理解した。
そう、ギアが入っているにもかかわらず、クラッチを放してしまった為にエンストしてしまった。
9 名前:>>1じゃないけど[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:11:42 ID:Q2Ki5q/.O
何をしているのだろうか僕は。
あれが本当に京子だったのか?
別に良いじゃないか。京子であろうとなかろうと。
ニ年前に決別を決意したんだろう?
京子が幸せな道を歩んでいるならそれで良いじゃないか。
気を取り直してフルフェイスのシールドを下ろし、クラッチを握りセルを回す。
ありがとう。目を覚まさせてくれて。
僕は感謝の意を添えながらZX-10Rのタンクの上を優しく撫でた。
信号が青になり、僕は道をそのまま直進。あの白いセダンが入った道は振り向かない。
「お元気で。京子。」
そして今日、結婚式を挙げたキョン君と涼宮さん。
「僕の分まで幸せになって下さい。」
‐THE END‐
10 名前:>>1じゃないけど[sage] 投稿日:2011/06/19(日) 04:13:05 ID:Q2Ki5q/.O
キョン「というお前が主人公の小説を書いたんだ。これを女子に読ませればお前のイメージ上がってモテるようになるんじゃないか?」
古泉「酷い……」
本当におわり