1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 01:36:09.49 ID:tr2wPHid0
カイジ「金の重みも知らないガキがっ!」
紬「!?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 01:45:09.08 ID:tr2wPHid0
カイジ「25万円のギターを5万円にしろ?薄汚ねぇこと言ってんじゃねぇ!」
紬「あ、あのぉ…ここはうちの系列n」
カイジ「んなことが通じるかっ!!」
カイジ「お前はどうせ親の金で何の苦労もせずに生きて来たんだろうがな!」
カイジ「こっちは生活がかかってるんだよ!」
カイジ「どこのお偉いさんとかそんなの関係ねーんだ!」
紬「…ごめんなさい、そんな、私」グスッ
律「おいおい何の騒ぎだ?」バタバタ
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 01:51:08.69 ID:tr2wPHid0
紬「ううっ、ぐすっ…」ゴシゴシ
律「…!どうしたんだよムギ!」
紬「ううん、何もないよりっちゃん。私が悪いの」ヒック
律「何だ?この店員に何か言われたにか?」
カイジ「ったくこれだから嫌なんだよ。近頃のありがたみを知らない奴は…」
律「おいおっさん!」
カイジ「あん?」
律「あんたムギに何しやがった!」
カイジ「別に。世間知らずに説教してやったんだよ」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 01:59:53.33 ID:tr2wPHid0
律「大人が子供泣かせて嬉しいのかよ」
カイジ「別に好きで泣かせてるわけじゃない」
バタバタバタ
唯「どしたのーりっちゃん?」
澪「騒がしかったけど、何かあったのか?」
律「このおっさんがムギを泣かしたんだよ!」
澪「えっ…?」
紬「あ、いや、これは違うの…」グスッ
律「この貧乏そうなおっさんに何かされたんだってさ」
唯「おじさん、ムギちゃんに謝ってよ!」
カイジ「そうやって理不尽ばかり人に押し付けてっからダメになんだよ!」
律「何だとこのヤロー!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:07:04.96 ID:tr2wPHid0
カイジ「…」フシューッ
律「…」ガルルルル
唯「…」ムー
紬「ぐす」ボロボロ
澪「え、えーっと…」オドオド
店長「どうしたのカイジくん。何かあったかい?」
カイジ「あっ…店長!聞いてくださいよ!」
店長「ん?」
カイジ「このガキどもが25万のギターを5万にしろとかどうとか言ってるんですが?」
店長「何?それは……ああっ!あなたは!」
紬「?」
店長「社長の娘さん!」
カイジ「」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:14:32.05 ID:tr2wPHid0
カイジ「(社長の娘…?つまりここのボスのボスの娘?)」
店長「そ、それで今日はどういったご用件で?」ヘコヘコ
紬「あ…はい、あのギターの値段をちょっと値切ってもらいたいんですが」
カイジ「いやダメだ!社長の娘だろうがホームレスだろうが人間は平等なんd」
店長「でわ、このようなお値段で如何でしょうか?」
紬「…ん〜もう一声!」
店長「それでは…五万円でご奉仕させていただきます…ね」
紬「はい。ありがとうございます」
カイジ「ちょ、店長!俺の給料どうなるんですか!」
店長「社長の娘を泣かせるなんて…君はクビだ」
カイジ「!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:22:59.84 ID:tr2wPHid0
Locker Room
カイジ「くっそ…!これからどうやって食っていけばいいんだよ…っ!」ガンガン
赤木「…ん。どうしたの?」
カイジ「ここを…クビになっちまったっ…!」
赤木「あらら」
カイジ「俺が何をやったって言うんだ…二十万も値切るなんてありえねぇだろ…」ボロボロ
赤木「運が悪かったね」
カイジ「簡単に言うなよっ!俺はこれからまたニート…なんだぞっ!」
赤木「あらら」
カイジ「何十件も回って…ようやく面接に受かったと思ったらこれだ!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:30:08.42 ID:tr2wPHid0
赤木「世の中正しい者が勝つとは限らない。権力の前に正義なんてゴミ以下だ」
カイジ「うっ…うっ…」グスッ
赤木「憎い?」
カイジ「…え?」
赤木「アンタをクビにしたそいつらが憎い?」
カイジ「そりゃあ憎いに決まってるだろ…っ!」
赤木「復讐したい?」
カイジ「そこまではいかねぇけど…ギャフン、と言わせたい」
赤木「なら手伝ってやろうか?アンタのやり方で復讐するの」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:39:20.72 ID:tr2wPHid0
カイジ「ああ…と言いたいところだけど、中学生には期待できねぇよ」
赤木「……」
カイジ「またどっかで会おうな。じゃあバイト頑張れよ」
赤木「今までの記憶を思い出しなよ」
カイジ「…!」
エスポワール…地下労働…鉄骨渡り…Eカード…etc
赤木「アンタがすんなりと勝てたこと何てなかっただろ?」
カイジ「…」
船井…佐原…鈴木さん…利根川…
赤木「アンタは負けるために生まれてきたわけじゃないだろう?」
カイジ「未来は俺達の手の中だ…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:50:23.88 ID:tr2wPHid0
赤木「言っておくが俺は何の手出しもしない。その女子高生に勝てるかどうかはアンタ次第だ」
カイジ「…」ゴクリ
赤木「そうだね。どうせなら腕一本とか賭けて戦いなよ」
カイジ「腕っ!?」
赤木「そっちのが面白そうだ」
カイジ「馬鹿言うなよ!そんな…イっちまった賭けなんて」
赤木「あら?アンタ指とか鼓膜とか賭けてただろ」
カイジ「…アレは強制で自分の意思じゃない!(何でコイツ知ってるんだ?)」
赤木「いやだな、冗談ですよ」
カイジ「……」
赤木「じゃあまずは誰と戦いたい?」
カイジ「…あの因縁つけてきたデコっぱちだ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:55:08.44 ID:tr2wPHid0
カイジ「ところでお前、何者だ?」
赤木「余計な詮索はしないほうがいいよ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 02:58:58.46 ID:tr2wPHid0
別の日
澪「じゃあな、律。また明日」
律「おう!そんじゃな!」
律「容姿端麗♪頭脳明晰♪さわやか笑顔で幸せ運ぶ〜」
ポンポン
赤木「ねぇ」
律「ん?なんd」
赤木「…」シュッ
ボゴオッ!
律「げふうぅっ!!」ヨロッ
赤木「悪いね。ちょっと眠っててくれる」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:07:03.98 ID:tr2wPHid0
――
律「…う」
律(あれ…?あたし確か澪と分かれて…それからどうしたんだっけ?)
赤木「目が覚めた?」
律「あっ!お前…っ!」
カイジ「おい、どういうことだよこれ!」
律「楽器屋のおっさん?!」
赤木「見れば分かるでしょ?今からここで二人にギャンブルで勝負をしてもらう」
カイジ「そうじゃなくて、この固定された右手だよ!」ガチャッ
律「ほんとだ…何だこの金具、外れないぞっ」ガチャガチャ
赤木「ああ、それね。つまり腕一本賭けて勝負するってこと」
赤木「負けたら即、腕シュパーン」
律「」サーッ
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:15:33.54 ID:tr2wPHid0
カイジ「マジでやるつもりだったのか!」
赤木「二人とも、もう逃げられないね」
律「ふ、ふざけんなー!やってられっかこんなん!」
赤木「ああ、勝負放棄は負けってことで…」
律「ちょちょちょタンマ!」
律(うう。何でこんな事に…)
カイジ「…で勝負って何なんだ?」
赤木「コレ」
律「何だ。ジャンケンのカードか?」
カイジ「限定ジャンケン…!」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:28:03.02 ID:tr2wPHid0
赤木「いや、ここはエスポワールじゃないから単なるジャンケンなんだけどね」
カイジ(エスポワール知ってるのか…)
赤木「ルールは説明するまでもないだろ。普通の、単なる、ジャンケン」
赤木「力の強さとか頭の出来とか関係無い、最も誰にでも平等なゲーム」
律(あ、これなら…あたしでも勝てるかも)
カイジ「カードはグー、チョキ、パーの三枚だけなのか?」
赤木「12枚もあっても意味がない。この場には二人しかいないんだから」
カイジ「これじゃ勝負が早くつきすぎるだろ…」
赤木「どちらかが二勝した時点で勝ちだ」
律「あいこになった時は?」
赤木「もう一回すれば?カードは別に無くならないし」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:38:16.44 ID:tr2wPHid0
律「…カードでやる意味あるの?」
赤木「ああ。こっちのがどっちも緊張感あがるだろ」
カイジ「…」
律「…」
赤木「じゃあ始めようか」
赤木「二人とも、どれか一枚を選んでテーブルの上に伏せろ」
カイジ「…」ドクンドクン
律(くっそお、もうヤケだ)バン
カイジ「セット」スッ
律「こ、こっちも終わったぞ」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:45:57.78 ID:tr2wPHid0
木「時計の針が12をさした時に表を向けろ」
カイジ(頼む…!)ドクンドクン
律(神様…!)ドクンドクン
チッ チッ チッ チッ チッ チッ
律(大体何であたしこんなことやらせれてんだ?)
律(さっきまでみんなで楽しくお茶してたのに…)
律(腕切られるなんて嫌だ…嫌だよ)
カイジ(俺!勝つのは俺!俺だっ!!)
カイジ(未来は俺の手の中!)
赤木「…!」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 03:54:07.06 ID:tr2wPHid0
赤木「開けろ」
カイジ「!」バッ
律「…」バッ
律「おっしゃああああ!」
カイジ「な…っ!!」
律「あっぶねー。グー出しといてマジでよかった…」
カイジ「くそっ!もう一回だ!」
カイジ「ちくしょう!今度こそ、今度こそは!」
律「あと一回勝てば解放してくれんだよな?」
赤木「ああ」
律「おーし…」
カイジ(やばいやばい!もう後がない!)
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:00:37.80 ID:tr2wPHid0
カイジ「なぁ赤木!負けたら腕切るって本当は嘘なんだろ?」
赤木「……」ジッ
カイジ
カイジ(この眼…マジでやるつもりだコイツっ)
赤木「まだチャンスはあるでしょ」
律「あと一回!あと一回だ!」
カイジ「…」ブルブル
カイジ(あ、あ…指が震えてカードがつかめねぇ…)
カイジ「く、くそ、止まれ!止まれよ!」
律「ん?何か知らないけど、ビビってるのかおっさん?」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:08:52.49 ID:tr2wPHid0
カイジ「なわけ…ねーだろおがぁっ!!」ガンガンッ!(床に頭突き乱打)
律「うわっ!?」
カイジ「ふんふんふんっ!!」ガンガンガンッ!
赤木「…」
律「お、おいやめろって!死んじゃうぞ!?」
カイジ「…ふーっ、スッキリした」ピタッ
カイジ「じゃあ二回戦行こうか」ドクドク
律(コイツ絶対おかしいって…)
カイジ「セット」スッ
律「せっと」スッ
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:16:53.43 ID:tr2wPHid0
カイジ「…ふふ」
律「…!?」
律(何だよ、この自信たっぷりの顔は)
チッ チッ チッ チッ
赤木「開けろ」
カイジ「オープンっ!」
律「…」スッ
カイジ「」ニヤ
律「…あ!」
カイジ「俺の勝ちだ」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:26:40.74 ID:tr2wPHid0
律「お前なんかイカサマしてないだろうな!」
カイジ「おいおい、言いがかりはよせ」
律「じゃあさっきの自信満々の顔は何だよ?」
カイジ「教えてほしいか?」
赤木「…」
律「だから何だよっ!」
カイジ「お前の下、見てみろ」
律「した?」スッ
律「…お前の血痕しかないじゃん」
カイジ「それで気付かなかったらご愁傷様だな」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:35:01.11 ID:tr2wPHid0
赤木「…」チラ
律「…??」
律(え、マジで何したのコイツ?)
カイジ「じゃあ次。ラスト行こうか」
律「ちょ、ちょっと待てよ!ずるいぞ!」
カイジ「はぁ?」
律「お前今イカサマしてるって言ったようなもんじゃないか!」
カイジ「さっきイカサマはしてないっていっただろ」
律「じゃあ何で…あんな自信ある顔」
カイジ「俺が自信ある顔してちゃイカサマなのか?」
律「それは…」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:44:17.33 ID:tr2wPHid0
カイジ(ああ、そうだ。確かに俺は『イカサマ』なんかしていない)
律(やばいやばい。絶対あっちはあたしが何を出すか分かってる…)
カイジ「…セット」
カイジ(でも"不本意"にも、見えてしまったものはどうしようもないよな)
律「せ、せっと…」
カイジ「」ニヤ
律「…」ドキドキ
チッ チッ チッ チッ
赤木「開けろ」
カイジ「オープン!」バッ
律「…くっそ!」バッ
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 04:54:24.99 ID:tr2wPHid0
ザシュツ!
ボトッ
カイジ「……」
律「……」
赤木「……」
律「」フラッ
ドサッ
カイジ「…おい、気絶したぞコイツ」ボタボタッ
赤木「精神にきたんでしょ」
カイジ「…」
赤木「お前も早く病院に行け。放置してたら死ぬぞ」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 05:11:23.91 ID:tr2wPHid0
カイジ「痛っ…!またかよちくしょう…」
赤木「でもこれじゃ、つまらないな」
赤木「最初っからこれじゃ後が思いやられる」
赤木「はたしてわざわざ憎み、勝負を挑んだ相手なんぞ守る必要なんてあったのか」
カイジ「やってることが利根川や船井と同じだ…って気付いたんだよ」
赤木「自分でイカサマじゃなくて不本意って言ってただろ…」
カイジ「それで勝ったとしても気分が悪いだけだ」
カイジ「…それより早くこのカッター取ってくれ。いい加減、残りの指が裂けそうだ」
赤木「甘い、甘すぎる」
赤木「次こそ死ぬかもなオマエ」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/04(水) 05:28:36.32 ID:tr2wPHid0
次回
唯「鉄骨渡りって何?」
ざわ……
ざわ……