86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 03:44:03.55 ID:cM9Dq1dSO
キョン「ああ、俺達に言っちゃうんだ」
ハルヒ「今年はあんた達も作るんだからいいでしょ?」
キョン「初耳です」
ハルヒ「あっ、審査員は有希ね」
長門「どんとこい」
キョン「おい、審査員ってなんだ?」
ハルヒ「アホねキョン! 略してアョン!」
キョン「どう発音すりゃいいか分からん言葉を作るな」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 03:50:18.45 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「ただ作っただけじゃ面白くないじゃない?」
キョン「いや、なんなら創作自体を遠慮したい」
ハルヒ「でも、SOS団内で勝負という形にしたらクォリティーアップにも繋がるわ!」
キョン「話を聞け」
古泉「審査基準はどうなさるんです?」
ハルヒ「単純に味と見た目よ! 尚、評価は有希の独断にまかせるわね」
長門「どんとこい」
キョン「お前らには俺が見えていないのか」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 03:54:04.71 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「みくるちゃんっ」
みくる「ひゃい!?」
ハルヒ「いーい? おっぱいチョコなんてありきたりな物じゃダメなんだからね?
絶対ダメなんだからね!?」
みくる「わ、わかりました〜」
ハルヒ「そりゃもうダメなんだから!!」
キョン「お前の頭の方が駄目だろ」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 03:59:07.62 ID:cM9Dq1dSO
キョン「―――で、当日なわけだが」
ハルヒ「ではこれより、『チョっとマジ!? コれが幻の……ッ!!』選手権を開催します!」
キョン「幻の何だよ。バレンタインどこいった」
ハルヒ「はい、ツッコミは受け付けませんー。じゃ、最初は古泉君からね」
古泉「んっふ、了解しました」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:03:32.87 ID:cM9Dq1dSO
古泉「これが僕の作品です!」バッ
ハルヒ「あら、大きいけど単に丸いだけのチョコじゃない」
長門「ガン●ツ?」
キョン「ちゃんと隠せよ」
古泉「いえいえ。実はこれ、上下に分離するんですよ」
みくる「あっ、確かに継ぎ目があります!」
古泉「さぁ、開けてみてください」
長門「……」パカッ
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:08:11.26 ID:cM9Dq1dSO
長門「……これ」
ハルヒ「小さい人形が入ってるわね」
古泉「1/16スケールの僕です」
キョン「ああ、あの赤玉をイメージしてたのな」
古泉「どうです? 砂糖菓子なので食べられるんですよ」
長門「気分悪い」ポイッ
古泉「ああ!? 僕がFly a way!!」
キョン「そりゃお前が悪い」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:12:52.14 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「有希、点数は?」
長門「チョコは悪くない。5点」モギュモギュ
古泉「低っ!?」
長門「あの人形で−50点」ゴクン
キョン「シビアだな」
ハルヒ「次はみくるちゃんね!」
みくる「はい!」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:17:23.59 ID:cM9Dq1dSO
みくる「どうぞ」コト
ハルヒ「……ちょっとみくるちゃん?」
みくる「ふえ?」
ハルヒ「なんでおっぱいチョコじゃないの?」
みくる「ええ!? だ、だって涼宮さんが…」
ハルヒ「みくるちゃん、ここには何がある? そう、空気よ」
キョン「せめて迷う時間だけでも与えてやれよ」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:21:43.67 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「空気には流れがあるの。ここはおっぱいチョコを作ってきてちょっとした盛り上がり
を見せるところでしょ?」
キョン「勝手だなー」
みくる「す、すみません…」
ハルヒ「はぁ……もういいわ。有希、判定にいっちゃって」
長門「味も口あたりも素晴らしい。しかし、猫を象っただけで独創性に欠ける。55点」
みくる「ふえぇ……」
ハルヒ「次はキョンね」
キョン「へいへい」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:26:20.55 ID:cM9Dq1dSO
キョン「ほら」コト
長門「ほほぅ」
ハルヒ「……これ、本?」
キョン「やっぱ見た目を楽しむなら好きなもんが一番だろ? 型作りから始めました」
ハルヒ「そんな、〜冷やし中華始めました〜みたいなノリで言われても…」
キョン「どうだ長門?」
長門「これで開くギミックもついてたら完璧だった。70点」
キョン「さすがにそこまでの技術はねぇよ」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:30:44.11 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「次はあたしよ!」
キョン「よっぽど自信があるんだろうな?」
ハルヒ「当然でしょ! あんた達の敗因は、色にこだわらなかったことよ」
キョン「色?」
ハルヒ「これを見なさい!」バッ
キョン「……」
長門「……」
ハルヒ「……な、なによ」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:34:00.13 ID:cM9Dq1dSO
キョン「いや、うん。確かに凄いぜ?」
ハルヒ「言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ!」
長門「……1/10スケールと見た」
キョン「あー……あれだ、古泉と被ってないか?」
ハルヒ「アレは砂糖菓子! これは全身チョコなの!!」
キョン「確かに色も付いててそっくりだが……なんで自分をモデルにしたんだよ?
普通ここは長門じゃね? ご機嫌取り的な意味で」
ハルヒ「うっさい! クォリティーが高けりゃなんでもいいでしょ!!」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:39:20.65 ID:cM9Dq1dSO
長門「……」モギュモギュ
ハルヒ「って、頭消えてる!?」
キョン「これで誰かは分からなくなったな」
ハルヒ「もう少し鑑賞とかしなさいよ……」
長門「完成度は高い。でも、パーツの繋ぎにまで同一のチョコを使ってるせいでクドい。75点」ゲプッ
キョン「最後までシビアだな」
ハルヒ「古泉君のせいでなんか無駄に恥ずかしいし散々ね……」
古泉「これは酷い」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:42:07.79 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「じゃあ、最後は有希」
長門「どんとこい」
キョン「ん? 長門も作ってきたのか」
ハルヒ「部内対抗だから当然でしょ?」
キョン「それもそうだな」
長門「これが100点のチョコ。とくと見よ」コト
キョン「いや、カレーじゃん」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:45:18.12 ID:cM9Dq1dSO
ハルヒ「ううん、もしかしたらご飯にかかってるだけでチョコかもしれないわよ?」
みくる「ああ、ですね〜」
ハルヒ「じゃ、キョンが食べてみなさい」
キョン「俺かよ!? ご飯にチョコとか罰ゲームじゃねぇか!」
長門「……」ジー
キョン「……」
長門「………」ジー
キョン「わかったよ、食べりゃいいんだろ……」パク
キョン「いや、カレーじゃん」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:50:38.53 ID:cM9Dq1dSO
長門『まずは湯煎』グツグツ
長門『……』ポチャ
長門『……なにかおかしい』グツグツ
長門『もっと投下してみるか』ポチャポチャ
長門『……』グツグツ
長門『なんかチョコとお湯が分離する形になったわ』グツグツ
長門『まだ足りないのかもしれない。全部いってみよう』ポチャチャチャ
長門『……』グツグツ
長門『間違えて固形ルーまで入れる形になったわ』デロデロ
長門『どんどんカレーの匂いがたちこめてきたわ。もう取り返しのつくもんじゃないわ』
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 04:53:43.90 ID:cM9Dq1dSO
長門「……ゆきりんにかかればこの有り様だわ」
キョン「妙に甘いけどカレーだ」モグモグ
ハルヒ「つまり有希の100点はカレーってことね」
キョン「すっかりキレンジャーだな」
みくる「なんだかカレーを食べたくなってきました」
ハルヒ「うん、確かに」
古泉「では、僕の知り合いに本格派のカレー店を経営している人がいるので、そこに行きませんか?」
ハルヒ「いいわね!」
キョン「また機関の人間か?」
ワイワイ キャッキャッ
長門「ちょろいもんだわ」
おわり