58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 02:54:21.33 ID:QuDyhGD2O
キョン「何で俺の写真が朝倉の生徒手帳に…?」
キョン「……何かの間違いだよな」
キョン「かわりに古泉の写真を入れておこう。急に押し付けられて邪魔だったんだよな」
キョン「初対面の奴に自分の写真を押し付けるとか、気持ち悪過ぎだろ、アイツ」
キョン「顔はイケメンなんだがなぁ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 02:59:45.96 ID:QuDyhGD2O
長門『もしもし』
朝倉「あ、長門さん?」
長門『そう』
朝倉「そろそろ次のお仕事が欲しいんだけど…」
長門『そう言うと思って貴女の教室の花瓶の下に生徒手帳が隠してある』
長門『次の標的の写真入り』
朝倉「なんでわざわざそんな方法を…」
長門『学生が生徒手帳を持つのは当然のはずだが?』
朝倉「……まぁいいわ。今回も普通にやっちゃっていいのよね?」
長門『構わない』
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:08:20.40 ID:QuDyhGD2O
キョン「お?朝倉、来たか」
朝倉「おはよう、キョン君。今日はやけに早いのね」
キョン「まぁな」
キョン「そうだ、この生徒手帳、お前のだろう?」
朝倉「…!!」
朝倉「中………見たの?」
キョン「いいや」
キョン(どうせ誰かの悪戯だろう。置いてあった場所も間抜けだったしな)
朝倉「そう…」
朝倉(一応、探りをいれてみようかしら?)
朝倉「ねぇ、キョン君。今日の放課後は暇?」
キョン「いや、今日もSOS団の活動があるんだが…」
朝倉「そうなんだ。それじゃ、いつなら空いてるかな?」
キョン「そうだなぁ…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:11:29.37 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
朝倉(警戒している様子はなかったわね)
朝倉(緊張は…まぁ、女の子から誘われてる状況を加味すれば常識の範囲内かしら?)
朝倉(後は日曜日に全部見定めるとしますか)
朝倉(………次から連絡方法変えて貰おう)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:16:02.82 ID:QuDyhGD2O
キョン「これは…デートなのだろうか」
ハルヒ「はぁ?」
キョン「いや、日曜日に朝倉と二人で映画を見に行く約束をしたんだ」
キョン「これってデートなのか?」
ハルヒ「………」
キョン「なぁ、聞いてるのか?」
ハルヒ「うるさい!勝手に妄想してろ!バカ!」
キョン「何で怒ってるんだ」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:20:56.02 ID:QuDyhGD2O
朝倉(この写真の彼が今回の標的か)
朝倉(古泉一樹、イケメンな変態として有名ね)
朝倉(……とはいえ、相手の情報が写真だけってのも問題じゃない?)
朝倉(方法と日時だけはしっかり指定してくる癖に)
朝倉(今回のが終ったら、長門さんとは縁を切ろうかな…)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:25:24.22 ID:QuDyhGD2O
―――日曜日
朝倉「おはよ、キョン君」
キョン「おっす」
朝倉「待たせちゃったわね、ごめんなさい」
キョン「いや、待つのも楽しかったよ」
朝倉「そお?」
キョン「さっきまで古泉もいたしな」
朝倉「えっ」
キョン「何でいたのかは知らんが、お前が来る少し前にどっか行っちまったよ」
朝倉「そ、そうなんだ…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 03:30:48.36 ID:QuDyhGD2O
キョン「で?今日はどんな映画を見るんだ?」
朝倉「偶然暗殺者の情報を盗み見てしまった主人公が逃げ惑うヤツ」
キョン「そんな映画やってたっけ?」
朝倉「再上映してるの。あまり知られてないちっちゃな映画館なんだけでね」
キョン「ほぉ、面白そうだな」
朝倉(いかにも!な映画なんだけど、動揺しないわね)
朝倉(やっぱり手帳の中は見てないのかしら)
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 07:23:27.01 ID:QuDyhGD2O
>>65から
――――
―――
――
キョン「結構面白かったな」
朝倉「トイレに追い込まれた時は、もう駄目だ!って感じだったわね」
キョン「あぁ、あのシーンは凄かったな。ある意味感動したよ」
キョン「……っと、そんな所で俺は少々お手洗いへ行ってくる」
朝倉「ムードもへったくれもないこと」
キョン「すまんな」
朝倉(……さて、と)
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 07:28:36.82 ID:QuDyhGD2O
キョン「なんだここのトイレ。男女共用で個室しかないのか?」
キョン「まぁいいか、汚くなければ」
―――
――
キョン「ふぅ……」
キョン「よっこらせっと」
朝倉「あら、存外ちっちゃいのね」
キョン「………あ?」
朝倉「こんにちは」
キョン(まてまてまてまて)
キョン「おまえ、何してんだ!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 07:35:15.30 ID:QuDyhGD2O
朝倉「静かにしないと殺すわ」
キョン(なんだそれは、包丁か?アーミーナイフにも見えるんだが、そんな物持ってるはずないよな?)
キョン「じょ、冗談はよせ…」
朝倉「冗談じゃないわ、ほら」
キョン「痛ッ!お、おまえ…」
朝倉「痛いでしょ?これ、凄く切れ味がいいのよ」
キョン(ありえない。こんな非日常的な…)
朝倉「でも、ま。質問に答えてくれたら、これも冗談かもね」
キョン(さっきの映画の真似に違いない!しかし、それまた何で…)
朝倉「それじゃあ質問するわ」
キョン(考えている時間はない!)
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 07:43:43.58 ID:QuDyhGD2O
キョン(え、映画ではこの後、『あの手帳の中を見たな?』と続くはず…)
朝倉「古泉一樹」
キョン(何でそこで古泉が…。あ!生徒手帳か!)
朝倉「彼と私の関係、知ってる?」
キョン「こ……恋人とか?」
朝倉「………」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 07:51:24.64 ID:QuDyhGD2O
朝倉(緊張、発汗、目の動き、顔の筋肉の動き、どれも変化なし…)
朝倉(古泉一樹と私について重要な情報を知っている様子はなさそうね)
朝倉「そ。それじゃあ、死んで?」
キョン「ひいっ!」
朝倉「………ふふふ」
キョン「痛!…………くない?」
朝倉「あはははははッ!キョン君、ひいっ!ひいっ!って………!!」
キョン「え……あ?」
朝倉「くふふふ……お腹、お腹痛ひ………!!」
キョン「おい」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 08:24:54.66 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
朝倉「本物のナイフなんて高校生が持ってる訳ないのに、本気で怯えてるんだもの」
朝倉「凄く可愛かったわ!」
キョン「………」
朝倉「まだ怒ってるの?」
キョン「…当たり前だ」
朝倉「もう…、どうしたら許してくれるのかしら」
キョン「………」
朝倉「………ごめんなさい」
キョン「………」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 08:56:19.18 ID:QuDyhGD2O
キョン「……何であんな事したんだ?」
朝倉「あれは、一度やってみたくて…」
キョン「本当の事言えよ」
朝倉「……どうしても確かめなきゃいけなかったのよ。理由は言えないけど」
キョン「古泉が何だってんだ」
朝倉「言えないわ」
キョン「………好きなのか?」
朝倉「ない、絶対にない」
キョン「だよなぁ」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 12:04:39.98 ID:QuDyhGD2O
キョン「理由は言えないんだよな?」
朝倉「うん、ごめんなさい」
キョン「じゃあ、許せないな」
朝倉「それでも、許して欲しいの」
朝倉(今後の学生生活に支障をきたすだろうし)
キョン「……今日は駄目だ」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 12:43:50.32 ID:QuDyhGD2O
キョン(畜生、何なんだ?全くもって訳がわからん)
キョン(いきなりデートに誘われ、トイレで襲われ……)
朝倉「………」
キョン(今度は急にしおらしくなりやがった!)
キョン(………なんだよ糞、可愛くなんかないだろ、こんな奴)
キョン(吊橋効果だかなんだか知らないが、ここで惚れちまったら、俺は古泉以上の変態じゃないか)
キョン「………送ってく」
朝倉「え?」
キョン「今日はもう帰れ」
朝倉「……うん」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 12:54:16.70 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
朝倉「ここよ、私の家」
キョン「長門と同じマンションじゃないか」
朝倉「まぁね」
キョン「………じゃあ、俺はこれで」
朝倉「そうだ、ちょっと待ってて!」
キョン「あ……、おい!」
キョン「……行っちまった」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 12:56:20.28 ID:QuDyhGD2O
―――
――
朝倉「お、おまたせ…」
キョン(結局待ってしまった)
朝倉「あの、コレ…」
キョン「なんだこの箱は。今度は爆弾か?」
朝倉「違うわよ!………今日のお詫び」
キョン「………今開けていいか?」
朝倉「信用してないのね。当然だろうけど」
朝倉「ネクタイピンよ。本当はまだ渡す積もりじゃなかったんだけどね」
朝倉「ちょうどいいわ。今つけてあげる」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 13:00:41.89 ID:QuDyhGD2O
キョン「………」
朝倉「うん、やっぱり似合うわ」
キョン「………」
朝倉「……それじゃ、また明日ね」
キョン「……ああ」
朝倉「あ、のさ……」
キョン「まだ何かあるのか?」
朝倉「明日、お弁当作っていってもいいかな?」
キョン「それも、お詫びの印か?」
朝倉「いや、うん、まぁ」
キョン「……いいよ。毒さえ入ってなけりゃ」
朝倉「…信用ないなぁ」
キョン「当たり前だ」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 18:54:41.55 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
キョン「はぁ、今日は散々だったな…」
妹「どーしてー?」
キョン「我が世の春が来たと思ったら、核弾頭付きだったのさ」
妹「んー、よくわかんないよー」
キョン「わからんでいい」
妹「ふーん」
妹「あ、そうだ。キョン君、漫画貸してー」
キョン「また銀魂か?好きだな、お前」
妹「銀さんとキョン君て似てるよねー」
キョン「俺を糖尿病予備軍と同じにするな」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:03:29.32 ID:QuDyhGD2O
―――
――
キョン「いってきまー…」
朝倉「おはよう、キョン君」
キョン「……何でいるんだ」
朝倉「昨日言ったでしょ?お弁当作るって」
キョン「だからって今渡さなくてもいいだろう」
朝倉「じゃあ、教室で皆の見てる前で?」
キョン「………むぅ」
キョン(それも悪くない……なんて事を考えるな、俺)
朝倉「私はそれでもいいんだけどね」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:12:01.89 ID:QuDyhGD2O
朝倉「そうだ、これもあげるわ」
キョン「なんだこれ、キーホルダー?」
朝倉「銀魂って漫画の主人公らしいわ」
キョン「おお、確かに」
キョン「これ、妹にあげてもいいか?アイツ、このキャラクターが好きなんだ」
朝倉「いいわよ。私も貰い物だし」
朝倉(元々そのつもりだったしね)
キョン「悪いな。ありがとう、朝倉」
朝倉「あ………うん」
朝倉(改めてありがとうなんて言われると恥ずかしいな……)
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:16:36.10 ID:QuDyhGD2O
朝倉「………そのネクタイピン」
キョン「あぁ、昨日のな」
朝倉「付けてくれてるんだ」
キョン「まぁな。せっかく貰ったんだしさ」
朝倉「ふぅん……」
キョン「何だよ?」
朝倉「ううん、ありがとね」
キョン「いや、まぁ、うん」
キョン「………俺の勝手だ」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:24:30.83 ID:QuDyhGD2O
―――
――
キョン「おっす」
谷口「………」
朝倉「おはよう、谷口君」
谷口「お前ら…」
キョン「うん?」
谷口「いや、いい。俺の力不足だったって事だもんな…」
谷口「朝倉を泣かすんじゃねぇぞ、キョン」
キョン「はぁ…?それは俺の台詞だ。なんたって――」
キョン(俺が泣かされた方、と言いたい所だが…)
朝倉「言ったら殺すから」
キョン「―――わかってるよ」
谷口「もうそんな二人だけの秘密を…これがリア充か…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:32:33.10 ID:QuDyhGD2O
キョン「うっす」
ハルヒ「昨日はお楽しみでしたね」
キョン「お前は何を言ってるんだ」
ハルヒ「別にぃ」
キョン「怒ってるのか?」
ハルヒ「怒る理由が見当たらないわ」
キョン「あぁ、そうかい」
キョン「全く、お前といい朝倉といい、何を考えてるんだか」
ハルヒ「………」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:40:55.98 ID:QuDyhGD2O
ハルヒ「………それで」
キョン「ん?」
ハルヒ「それで、昨日はどうだったのよ」
キョン「どうだった、と聞かれてもなぁ」
ハルヒ「楽しかったの?」
キョン「いや、まぁ、つまらなくはなかったぞ」
ハルヒ「………ふぅん」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 19:42:11.79 ID:QuDyhGD2O
ハルヒ「不思議探索の時はいつも嫌そうな顔してる癖に」
キョン「そうか?」
ハルヒ「ムスッとしてる」
キョン「あぁ、罰金がな…」
ハルヒ「なら、もっと早く来なさいよ」
キョン「いつも30分前に…」
ハルヒ「もっと早く来なさい。私と同じくらい」
キョン「……何分前くらいだ?」
ハルヒ「一時間よ」
キョン「………考えておくよ」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 21:48:51.80 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
キョン「さて、昼飯だな」
谷口「よぉキョン、売店行こうぜ」
キョン「あ―、スマン。今日は俺、弁当があるんだ」
谷口「そうなのか?じゃ、俺と国木田はひとっ走り行ってくるわ」
キョン「おう、気をつけてな」
ハルヒ「………ねぇ」
キョン「ん?何だ?」
ハルヒ「そのお弁当、誰が作ったの?」
キョン「これは………うちのお袋が作ってくれたんだよ」
朝倉「!」
ハルヒ「お母さんが?」
キョン「あぁ」
朝倉「…………」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 21:54:35.96 ID:QuDyhGD2O
谷口「悪い、待たせたな」
キョン「おお、さっさと飯にしようぜ」
谷口「そうだな。しっかし、美味そうな弁当だなぁ」
谷口「誰が作ったんだ?」
キョン「これは……」
朝倉「キョン君!」
キョン「な、なんだよ、朝倉」
朝倉「今日は私も一緒に食べていいかしら?」
キョン「俺は別に構わんが…」
谷口「俺達も大丈夫だ」
キョン「だそうだ。椅子持ってこいよ」
朝倉「うん、ありがとね」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 21:55:41.93 ID:QuDyhGD2O
朝倉「それじゃ、いただきます」
キョン「いただきます」
谷口「………あぁ、なるほど」
キョン「ん?どうした?」
谷口「いや……お前らの弁当、そっくりだなーってよ」
キョン「…………えー、と」
朝倉「うふふふ」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:18:30.79 ID:QuDyhGD2O
―――
――
キョン「ご馳走様」
朝倉「お粗末様でした」
キョン「………おまえ、隠す気なかったな?」
朝倉「最初は隠すつもりだったんだけどね」
朝倉「それより、“私の作った”お弁当はどうだった?」
キョン「まぁ、結構美味しかった」
朝倉「本当?明日も作って来ていいかしら?」
キョン「そりゃ助かるが、いいのか?」
朝倉「もちろん。私の事、まだ許せないんでしょ?」
キョン「ん…いや、それは……」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:19:28.38 ID:QuDyhGD2O
朝倉「許さなくていいのよ。それだけの事をしたんだし」
朝倉「それに、その間は私の手作り弁当が食べられるんだし、ね?」
キョン「………むぅ」
谷口(距離近すぎだろ……。これがアベックって奴か?見せ付けてくれるぜ…)
ハルヒ「………チッ」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:26:17.53 ID:QuDyhGD2O
―――
――
ハルヒ「お母さんが作ったお弁当、ね」
キョン「………何だよ」
ハルヒ「別にぃ」
キョン「悪かったな、嘘ついちまって」
ハルヒ「嘘なんだ」
キョン「………」
ハルヒ「別にいいわよ?嘘をつかない人間なんていない訳だし」
ハルヒ「ま、何で嘘をつくのか、ってのが問題なんだけどね」
キョン「……すまん」
ハルヒ「謝らないでいいわよ、別に気にしてないから」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:44:42.88 ID:QuDyhGD2O
――――
―――
――
キョン「さて、掃除完了」
キョン「……部室、行くか?」
キョン(ハルヒとは、気まずいままなんだよな…)
キョン「……このままフケちまおうかな」
朝倉「あら、随分不真面目なのね」
キョン「朝倉か。いつも気配無く現れるな、お前は」
朝倉「そう?キョン君が鈍いだけじゃない?」
キョン「そんな事はないだろう」
朝倉「いいえ、絶対鈍い。間違いないわ」
朝倉「女の子の気持ちだってかけらも理解できてないし」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:47:56.31 ID:QuDyhGD2O
キョン「あれは難解に過ぎる。まだ数学の方が簡単だ」
朝倉「理解しようとしてるの?」
キョン「……余りしてない」
朝倉「あらあら、鈍い以前の問題ね」
朝倉「私が何でこんな事を言っているのかもわからないんでしょう?」
キョン「あぁ、わからんね」
朝倉「これは重症だこと」
朝倉「ま、私もさっきまで理解できてなかったんだけど、ね」
キョン「はぁ、どういう事だ?」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 10:28:02.34 ID:s99HPt0qO
――――
―――
――
ハルヒ「遅いわね、キョンの奴」
みくる「掃除当番でしたよね?」
ハルヒ「にしたってもう終わる頃じゃない?」
みくる「う〜ん、確かに…」
長門「………」
ハルヒ「古泉君は今日休みらしいし、うちの男性陣は何やってんのかしら?」
みくる「まぁ、そんな日もありますよ」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 10:41:50.17 ID:s99HPt0qO
キョン「すまん、遅れた」
みくる「あ、こんにちは、キョン君」
キョン「こんにちは、朝比奈さん」
ハルヒ「バカキョン!何時まで掃除してるのよ!」
キョン「悪い、ちょっと朝倉と話しこんじまってな」
ハルヒ「朝倉さん?」
朝倉「うん。ごめんね、涼宮さん」
ハルヒ「なっ……」
ハルヒ「何であんたがいるのよ!」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 10:48:20.49 ID:s99HPt0qO
キョン「何だよ、別にいいじゃねぇか」
朝倉「ごめんなさい、キョン君。やっぱり団員以外がいちゃマズイわよね」
キョン「いや、うちはそんなに堅くないから…」
ハルヒ「ダメよ、絶対」
キョン「おいおい、いつからそんな事決まったんだ?」
ハルヒ「今よ!絶対にダメ!」
キョン「………わかったよ」
ハルヒ「………」
キョン「悪い、朝倉。そういう訳だから、続きは外で話そう」
朝倉「うん。私はどこでも平気よ?」
ハルヒ「あ……」
長門「…………」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 10:51:30.06 ID:s99HPt0qO
みくる「あ、あの、今の人、誰なんですかー?」
ハルヒ「………」
長門「朝倉涼子。彼のクラスメイト」
みくる「じゃ、じゃあ、ただのお友達なんですよね?」
長門「………」
ハルヒ「………」
みくる「あうぅ」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 12:40:28.34 ID:s99HPt0qO
ハルヒ「……今日は解散よ」
みくる「は、はい…」
長門「………」
みくる「あ、長門さん。また明日」
長門「………ん」
ハルヒ「……戸締まりは私がしておくから、みくるちゃんは先に帰ってて」
みくる「あの、それなら一緒に帰りませんか?」
ハルヒ「………」
みくる「……校門で待ってますから」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 12:53:00.30 ID:s99HPt0qO
―――
――
キョン「悪かったな。不快な思いさせちまって」
キョン「ハルヒの奴、たまにああやって訳も分からず融通が効かなくなるんだ」
朝倉「そうなの?私には凄く分かりやすく見えたけど」
キョン「嘘だろ?あれの理由がわかるなら教えて貰いたいね」
朝倉「教えてあげてもいいけど…」
朝倉「うん、やっぱり駄目。教えてあげない」
キョン「何でだよ」
朝倉「そういうのが解らないキョン君の方が、私は好きだもの」
キョン「……そうかい」
朝倉「ね、これからどうするの?」
朝倉「キョン君さえよければ――」
長門「朝倉涼子」
朝倉「………」
キョン「長門?」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 12:57:08.50 ID:s99HPt0qO
朝倉「どうしたの?長門さん」
長門「話がある」
朝倉「今じゃないと駄目?」
長門「早急に話しておかなければならない事」
朝倉「………」
キョン「いいよ、行ってこい。大事な話なんだろ?」
朝倉「……ごめんね」
キョン「構わん。校門で待ってる」
朝倉「うん。……それじゃ、行きましょうか」
長門「……ん」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 13:05:06.52 ID:s99HPt0qO
―――
――
朝倉「で?話って何?」
長門「何故彼はまだ生きている?」
朝倉「彼って、キョン君のこと?」
長門「そう。今回の標的。貴女ならば土日の内に始末できたはず」
朝倉「標的…!?キョン君が?」
長門「何故驚くの?」
朝倉「ちょ、ちょっと待ってよ!今回の標的は古泉一樹でしょう?」
朝倉「彼なら日曜日のうちに始末したわ!」
長門「え………それはおかしい」
長門「古泉一樹は依頼者、標的ではない」
朝倉「はぁ!?」
長門「………生徒手帳を見せて欲しい」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 13:16:22.52 ID:s99HPt0qO
朝倉「ね?どう見ても古泉一樹でしょ?」
長門「………ありえない」
長門「私は確かに彼の写真を入れておいたはず」
朝倉「……ねぇ、前から言いたかったんだけど」
長門「何か?」
朝倉「この連絡の取り方、色々と不備がないかしら?」
長門「………」
朝倉「花瓶の下に生徒手帳ってのがそもそも意味不明だし」
朝倉「そんなのを誰かが見つけたら、絶対に中見るわよ?」
朝倉「その度に目撃者を始末するの、私なのよ?」
長門「………一考しておく」
長門「とりあえず、この件はうやむやにしておく」
長門「報酬はいつも通り支払うが、しばらく仕事は回せない」
朝倉「それはいいけど、これでキョン君はもう関係ないわよね!?」
長門「う、うん…大丈夫」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 13:28:45.37 ID:s99HPt0qO
朝倉「絶対よね?嘘だったら殺すわ」
長門「ぜ、絶対大丈夫…!」
長門(涼子が殺すなんて言うと冗談に聞こえないから困る…)
朝倉「信じるからね?……それと、今後キョン君絡みの仕事は一切受けないから」
長門「彼と何かあったの?」
朝倉「別に」
朝倉「ただ、最近演技に熱が篭って来ただけの話よ」
長門「…よくわからない」
朝倉「いいのよ、わからなくて」
朝倉「それで、話はもう終わり?」
朝倉「キョン君を待たせてるから、早めに帰りたいんだけど」
長門「問題ない。私も帰る」
朝倉「そう。それじゃあまたね、長門さん」
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 13:49:20.50 ID:s99HPt0qO
―――
――
みくる(涼宮さん、遅いなぁ。今頃泣いてたりして…)
みくる(だとしたら、慰めに行った方がいいのかな?)
みくる「うぅーん…」
キョン「あれ?朝比奈さん?」
みくる「あ…キョン君」
キョン「今日はもう団活は終わりですか?」
みくる「うん。あの後すぐに涼宮さんが…」
キョン「そうですか。まったく、あいつの気まぐれには困ったもんだ」
みくる「そういうのじゃ、ないと思うな…」
キョン「え?」
みくる「キョン君は女心がわかってない、って事です」
みくる「もっと涼宮さんに優しくしてあげてください」
キョン「優しく、って言われてもなぁ…」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 13:57:09.70 ID:s99HPt0qO
みくる「じゃあ、例えば涼宮さんに『今日からSOS団に来ないで』って言われたらどうします?」
キョン「急にそんな事を言われたら、怒りますね」
みくる「それを言ったのが私だったらどうですか?」
キョン「……まず理由を聞きます」
みくる「ね?涼宮さんも、そういう扱いをして欲しいんじゃないかな?」
キョン「………難しいですね。ハルヒは朝比奈さんじゃありませんから」
みくる「そうかもしれないけど…」
みくる「でも、涼宮さんも私と同じ、女の子なんですよ」
キョン「………」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 16:07:43.42 ID:s99HPt0qO
みくる「……それじゃ、私は涼宮さんの様子を見に部室へ戻ります」
みくる「きっと、すぐにどうこうできる問題じゃないし、もしかしたら二人にとっては問題と呼ぶべき物じゃないかもしれないけど…」
みくる「でも、頭の片隅には置いといてください」
キョン「……はい」
―――
――
朝倉「キョン君」
キョン「おぉ、早かったな。もういいのか?」
朝倉「うん」
朝倉「ところで今の、SOS団の人よね?」
キョン「あぁ、朝比奈さんな」
キョン「一つ上の先輩だ」
朝倉「ふぅん」
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 16:18:23.90 ID:s99HPt0qO
朝倉「真面目な雰囲気だったけど、何を話してたの?」
キョン「たいしたことじゃない」
朝倉「……胸の大きな人ね」
キョン「………」
朝倉「キョン君も胸は大きい方がいいの?」
キョン「何故そんな話になるんだ?」
朝倉「仕方ないでしょ?気になるんだもの」
朝倉「で、どうなの?」
キョン「……胸の大きさで人を好きになる訳じゃないだろ」
朝倉「その言い方、ズルイなぁ」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 16:28:43.47 ID:s99HPt0qO
キョン「じゃ、そろそろ帰るか」
朝倉「ね、ちょっと寄り道してもいいかな?」
キョン「いいけど、どこへ行くんだ?」
朝倉「駅前のね……」
――――
―――
――
朝倉「一度行きたかったのよね、ここ」
キョン「ゲームセンターぐらい、一人でも来れたんじゃないのか?」
朝倉「………」
朝倉「一度キョン君と二人で行きたかったのよね、ここ」
キョン「……そうかい」
朝倉「あ!キョン君、あれやりましょう!」
キョン「ちょ、急に引っ張るな!」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 16:36:03.48 ID:s99HPt0qO
―――
――
キョン「UFOキャッチャーか…」
朝倉「あの“どせいさん”って人形が欲しかったのよね〜」
キョン「……わかったよ、ちょっと待ってろ」
朝倉「流石キョン君。頑張って!」
キョン「へいへい。調子のいい奴だよ、全く」
朝倉「もし一発で取れたらー…」
キョン「お、ラッキー。見ろ朝倉、ワンコインでいけたぞ」
朝倉「………あれま」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 17:08:16.28 ID:s99HPt0qO
朝倉「ありがとね、キョン君」
キョン「何、このくらい朝飯前だ」
朝倉「ふふふ、ラッキーとか言ってた癖に」
キョン「運も実力の内って言うだろ?」
朝倉「…ねぇ、記念にプリクラ取りましょう?」
キョン「そんな記念するようなもんじゃ…」
朝倉「あら?キョン君から初めて貰った物なのよ?私にとっては、十分記念になるわ」
キョン「そうなのか?」
朝倉「えぇ、もちろん」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 17:29:30.68 ID:s99HPt0qO
―――
――
朝倉「ふんふーん」
キョン「随分デコレーションするんだな」
朝倉「そっちの方が可愛いでしょ?」
キョン「男にはわからんよ」
朝倉「そうなの?じや、私が全部書いておくわ」
キョン「おう、任せた」
朝倉「ふふーん」
朝倉「よし、これで最後、と」
キョン「……おい」
朝倉「なぁに?後10秒で撮影よ?」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 17:30:26.12 ID:s99HPt0qO
キョン「勘違いさせるような冗談はやめてくれ」
朝倉「………私は、勘違いして欲しいんだけど」
キョン「なに言って……」
朝倉「……ん!」
『撮るよー?』
朝倉「………ん、はぁ」
朝倉「勘違い、してくれた?」
キョン「……」
朝倉「キョン君のこと、好きよ?私」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 19:01:34.75 ID:s99HPt0qO
正直書いてる方も今あまり楽しくないんだが、続ける?