キョン「あー、ハルヒからあげにして食いてぇ〜」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:シリウス「ハリーのために、私達ができることはなんだ?」

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8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 06:23:03.30 ID:+8P5XIJP0

キョン「あー、ハルヒからあげにして食いてぇ〜」

ふと、そんな言葉が口から出てしまった

別に人食癖がある訳じゃない、と言うか人食癖ってなんだ?

古泉「んっふ、突然どうしたんです?お腹でも減ってるんですか?」

キョン「いや、腹は減ってない」

古泉「ではストレスでも溜まっていますか?最近涼宮さんに振り回されっぱなしですから」

どうだろう、からあげにして食うって事は相手を支配したも同然なはずだ

そんな事が口から出るって事は、俺がアイツから主導権を奪いたいって思ってるからか?

キョン「…そうかもな、あれでストレスが溜まらないって奴がいたら拝んでみたいよ」

長門「食べる?」

キョン「は?」

長門「涼宮ハルヒのからあげ、食べたい?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 06:34:51.62 ID:+8P5XIJP0

キョン「…それは「ハルヒ作のからあげ」か「ハルヒ使用のからあげ」どっちだ?」

長門「もちろん後者」

古泉「珍しいですね、長門さんがジョークを言うなんて」

長門「ジョークではない、彼が食べたいのなら用意する」

キョン「無理を言うな、ハルヒを殺す気か?かまわんけど」

おっとっと、つい本音が出てしまった

まぁ長門がハルヒを殺す理由は無いはずだ、何か策があるのだろう

長門「鶏肉と本人の髪の毛、皮膚、体液があれば容易に再現が可能、安上がり」

古泉「なるほど、鶏肉を涼宮さんの遺伝子で改変するんですね」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 06:41:46.68 ID:+8P5XIJP0

キョン「…よし、そうと決まれば始めるぞ」

古泉「やる気ですか…、どんな味がするのか楽しみですね」

そうと決まればまずはハルヒの遺伝子を手に入れなければ

部室の端っこにでも落ちていれば――――

ハルヒ「部活始めるわよー!」がたこん

みくる「ふひぃ〜…」

ナイスタイミング、朝比奈さん可愛い

キョン「ハルヒ、ちょっと動くな」

ハルヒ「え?…って、ちょっ!なんでそんなに近付くの…?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 06:49:30.10 ID:+8P5XIJP0

ゆっくりとハルヒの髪に手を伸ばす、後少し…

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン…急にどうしたの?」ドキドキ

もらったぁっ!

キョン「オラァ!」ぶちぃ

ハルヒ「!?っ〜〜〜〜!」

キョン「すまん、今ゴキブリ付いてたから取ったぞ」

ハルヒ「はぁ?!アンタ素手でゴキブリ取るタイプだったの?!」

キョン「あぁ、アイツ等見るとつい…な」

ハルヒ「…何か納得いかないけど…私帰る!部活中止!」

みくる「ふぇ〜ん…そうですか〜」

ハルヒ(なによ…変な期待させて…)

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 06:55:54.22 ID:+8P5XIJP0

キョン「…よし、ハルヒの遺伝子ゲットだぜ」

古泉「かなりの量が手に入りましたね、これは十円ハゲレベルですよ」

長門「後は鶏肉があればいい、早速調達に向かう」

キョン「じゃあ近くのコンビニで買うか」

『コンビニエンスストア』

キョン「…これか?」

長門「骨付きは再現途中でエラーが発生する可能性がある」

古泉「長門さん、牛肉が安いのでこれも買いませんか?」

長門「かまわない」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:02:31.62 ID:+8P5XIJP0

『長門宅』

長門「では始める」

キョン「おう」

古泉「上手く行きますかね?」

長門「終わった」

キョン「早いなオイ」

古泉「これが涼宮さんの肉ですか…何と言うか、コメントしづらいですね」

キョン「あぁ、じゃあ油に入れるぞ」

古泉「いやいや!待ってください!貴方には下味とか衣とか関係なしですか!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:09:20.54 ID:+8P5XIJP0

キョン「からあげって何もしないで揚げるからからあげじゃないのか?」

古泉「貴方からあげ食べた事無いんですか?なんか周りに付いてたでしょう」

長門「まずは下味を付ける」どぼん

キョン「…」

古泉「…」

長門「…」

キョン「……」

古泉「……」

長門「……」

おい、誰かしゃべれよ

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:14:32.58 ID:+8P5XIJP0

キョン「…もういいんじゃないか?」

古泉「まだ早いんじゃないですか?」

長門「これでは味が付いてない」

キョン「………」

古泉「………」

長門「………」

キョン「いや、もう駄目だ、腹減って死ぬ、だから先進めよう」

長門「せかっち」

古泉「まぁ味は後でマヨネーズ掛けるなりレモン掛けるなりで何とかなりますか」

古泉はレモンかける派か…コイツとは相成れない関係だ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:22:21.82 ID:+8P5XIJP0

キョン「で、次はあれか、衣か」

古泉「えっと…衣は何を付けるんでしたっけ?」

長門「以前朝倉涼子と揚げ物を作った時、パン粉を使った」

古泉「いえ、からあげはパン粉は使いませんよ、もっとシンプルな何か…」

キョン「でもパン粉以外に何があるんだ?天ぷらのあれか?」

古泉「天ぷらのあれは天ぷら専用じゃないですかね?」

キョン「でもなんか似てるだろ、あれとパン粉以外ないだろ」

長門「…パン粉を強行する」べしゃあ

古泉「……」

キョン「妥当な判断だ」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:29:00.84 ID:+8P5XIJP0

長門「…完成した」

キョン「おお…これが…」

古泉「涼宮さんの…」

長門「からあげ」

古泉「じゃあレモン掛けますね」

キョン「待て!まずは素材の味を味わえ」

古泉「そうでしたね、それでは…」

一同「「「いただきます」」」

キョン「……」もぐもぐ

古泉「……」むしゃらむしゃら

長門「……」きゅいーん

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:32:09.94 ID:+8P5XIJP0

キョン「……」

なんだ…何かがおかしい…

下味は対して付いてないが、気にする程度ではないはずだ

じゃあ衣か?たしかに古泉の言ってた事はおかしくなかったかもしれない

それに若干火の通りが甘い気もする

…だがそれよりも明らかにおかしい


…そうか

キョン「…これはハルヒのからあげじゃない」

長門「!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:38:53.58 ID:+8P5XIJP0

古泉「一体何が違うんです?」

長門「この肉は涼宮ハルヒの肉とほぼ変わらない」

長門「多少違っても0.001パーセント以下の誤差」

キョン「確かにこの肉はハルヒと同じ肉かもしれない…」

キョン「でも俺はハルヒのからあげが食べたかったんだ!」

長門「……」

キョン「ハルヒの肉を使ったからあげじゃない…ハルヒを使ったからあげだ!」

古泉「それはつまり…」

キョン「ハルヒの全て…ハルヒの一本からあげが食べたかったんだ!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:43:48.15 ID:+8P5XIJP0

古泉「……」

長門「……」

キョン「ぜー…はぁ…ぜー…はぁ…」

自分は何を言ってるんだ

視線が痛い

でも妥協はできなかった

古泉「…やりましょう」

キョン「古泉…」

長門「貴方の思いは伝わった」

キョン「長門…!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 07:48:30.84 ID:+8P5XIJP0

朝倉「私もいるわよ!」

キョン「あーさーくーらー!」

古泉「そうと決まれば涼宮さんの家に行きましょう!」

長門「私が涼宮ハルヒを捕らえる」

朝倉「私は最高の衣を探してくるね」

キョン「あぁ…助かるぜ」

俺達の晩御飯ははこれからだ!


おわり、疲れた

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:03:59.59 ID:+8P5XIJP0

あれ…おかしいな…

何でこんな事になった?何で俺はハルヒのからあげが食べたくなったんだ?

古泉「もうすぐですね、ちょっとドキドキします」

ハルヒの肉は食ったんだ、これでいいじゃないか

長門「不審に思われないよう、貴方がターゲットを外におびき出してほしい」

キョン「あ、あぁ…」ぴぴぴんぽぴんぽーん

インターホンを押す、少し震えて連打してしまった

ハルヒ「……どちら様ですか?」

しばらくして不機嫌そうな声をしたハルヒ応対した

キョン「…俺だ俺…ちょっと外に出てきてくれないか?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:14:59.92 ID:+8P5XIJP0

ハルヒ「…オレオレ詐欺はお引取りください」

キョン「違う、お前と同じクラス、部活も一緒…」

ハルヒ「えっ…?キョン?どうして私の家に…」

キョン「…それも踏まえて話があるんだ、ちょっと出てきてくれ」

ハルヒ「わかった…ちょっと待ってなさい…」

キョン「……」

今からでも遅くないはずだ、ハルヒが出てきたら適当に話してすぐ家に戻ってもらおう

ハルヒ「…こんな遅くに何の用?」

キョン「お、おお、ハルヒ…」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:21:29.14 ID:+8P5XIJP0

キョン「えっと…なんか、突然からあげが食いたくなってな!」

ハルヒ「は?」

キョン「明日あたり…昼ごろに無性に食べたくなる気がするんだ!」

ハルヒ「…で?」

キョン「…明日、からあげ作ってきてくれ」

よし決まった、これでハルヒは怒り無言で家に入るだろう

ハルヒ「……突然何言ってんの?」

キョン「…ハルヒのからあげが食べたいんだ」

ハルヒ「…レモンは?」

キョン「え?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:28:58.67 ID:+8P5XIJP0

ハルヒ「レモンは必要なのか聞いてんの」

キョン「あ、いや…俺はレモン掛けない派だ」

ハルヒ「あっそ、じゃあ明日期待して待ってなさい」

…これはつまりハルヒのからあげって事か?左手から出すのか?

まぁそんな事はどうでもいい、早くドア開けて引っ込め、さっさと寝ろ

キョン「じゃあ明日な!おやすみ!」

ハルヒ「…おやす――――」

その時俺の視界が真っ赤に染まった

ハルヒが全身から血を噴出していた

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:37:07.55 ID:+8P5XIJP0

キョン「っ!?ハルヒ!」

ハルヒ「キョ…ン…」どしゃあ

キョン「おいハルヒ!しっかりしろ!何がどうなってやがる!」

長門「涼宮ハルヒの血液を排除した、からあげにするにしたがって必要な行為」

キョン「な…」

古泉「しかしこれは凄まじい光景ですね、見つかったら危険です」

長門「すでに血液の分解は始まっている、問題ない」

キョン「おい…ハルヒ…」

ハルヒ「――――」

長門「すでに朝倉涼子がからあげの衣を用意している、新鮮な内に帰るべき」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:42:02.01 ID:+8P5XIJP0

ハルヒが死んだ、俺の無意識な発言のせいでだ

俺が最後にハルヒにできること…

『長門宅』

長門「今帰った」

古泉「お邪魔します」

キョン「……」

朝倉「お風呂にする?私にする?それとも…か・ら・あ・げ?」

俺が最後にハルヒにしてやれる事、それは…

キョン「からあげだ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 08:54:53.17 ID:+8P5XIJP0

長門「では始める」

キョン「なぁ…俺から頼みがあるんだ」

古泉「何でしょう?」

キョン「ハルヒを…最高のからあげにしてくれ」

長門「心配ない、今回は朝倉涼子もいる」

朝倉「じゃあ最初に涼宮さんの下ごしらえを…」

長門「それはここに来る前に済ませた」

朝倉「流石長門さんね、それじゃあ次は下味ね、醤油、日本酒、みりん…」

朝倉「摩り下ろしショウガ、塩コショウ、それとジャムとヨーグルトを混ぜたタレを作るの」

古泉「んっふ、本格的ですね」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:05:36.68 ID:+8P5XIJP0

朝倉「古泉君、これをお風呂一杯に作ってくれる?」

古泉「はい?いえ、さすがにそれは難しいですね」

朝倉「男の子なのにだらしないわね…じゃあ涼宮さんをお風呂場まで運んで?」

古泉「それなら僕にも可能ですね、ふんもっふ!」

長門「今湯船をタレで満たした」

朝倉「そしたら涼宮さんをタレに入れて内臓全体にタレを入れてね」

古泉「わかりましたよ!セカンドレイッ!」どがしゃあん

朝倉「後は…キョン君、卵を溶いてくれる?私は片栗粉を出すから」

キョン「ああ、任せろ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:14:13.19 ID:+8P5XIJP0

キョン「……」かしゃかしゃかしゃ

朝倉「……」びりりばさぁ

長門「…涼宮ハルヒのタレの浸透速度を上昇化、塩分調整」

古泉「んっふ、んっふ…手ごわいですね」

『十数分後…』

長門「涼宮ハルヒに十分タレが浸透した」

朝倉「そう、それじゃ衣を付けましょ、キョン君、涼宮さんに卵を付けてあげて」

キョン「あぁ…」

ハルヒ…ちょっとタレ色に染まったな

ハルヒの体はすごく綺麗なんだな、腹が裂けてるのは少し痛そうだ

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:21:05.34 ID:+8P5XIJP0

キョン「…終わったぞ、こんな感じでいいか?」

朝倉「ええ、ムラ無く上手に塗れてるわよ、じゃあ片栗粉を付けるね」

ハルヒに片栗粉がまぶされていく

それはまるで町を覆ってゆく雪のように美しかった

朝倉「さて、ようやくお待ちかねの揚げの作業よ」

長門「朝倉涼子、問題が発生した、しかも重大な問題」

朝倉「えっ?…あ、そうだった、油を熱するのを忘れてたわ」

長門「そうじゃない」


長門「涼宮ハルヒが入る鍋が無い」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:30:31.30 ID:+8P5XIJP0

古泉「そんな…」

キョン「それじゃ…ハルヒをからあげにできないじゃないか!」

朝倉「……」

長門「もう少し早く気が付けばよかった、申し訳ない」

キョン「……」

古泉「…元気を出してください」

朝倉「そうよ…きっと何か別の方法が…」

その時長門宅のインターホンが鳴った

朝倉「すみません、今立て込んでいて…って、あれ?これって…」

玄関から戻ってくる朝倉、その手には人が入るほどのドラム缶があった

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:43:16.04 ID:+8P5XIJP0

キョン「どうしてドラム缶なんか…」

朝倉「玄関の前に置いてあったの」

古泉「ちょっと待ってください、何かメモが貼ってありますよ」

メモを読んでみるとそこには見慣れた名前が書いてあった


『おいキョン!困った事があったら言えって言っただろ?
                                谷口』

『皆で探したんだけどなかなか良いのが見つからなくて…でも応援してるよ
                                            国木田』

『川原で待ってるにょろ
            鶴屋』

『キョン君が困る事は『禁則事項』で知ってました
    届けるのが『禁則事項』せいで遅くなってごめんなさい
                                  朝比奈』

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:53:18.47 ID:+8P5XIJP0

キョン「谷口…国木田…鶴屋さん…朝比奈さん…」

キョン「その他大勢の皆…ぐすっ」

長門「これなら涼宮ハルヒを揚げる事ができる」

古泉「しかしこの部屋では十分な火を使えませんね…」

朝倉「川原で待ってるって…川原で揚げろってことじゃない?」

キョン「そうか…!よし、急いで川原に行ってみよう!」

俺たちはドラム缶とハルヒを抱えて川原へ向かった

片栗粉だらけのハルヒを見られるんじゃないかと思ったが、ドラム缶に入れる事で事なきを得た

川原に着くと20人程が集まっている

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 09:59:57.94 ID:+8P5XIJP0

キョン妹「キョンくーん!遅いよー!」

大きな火を囲む人達、それは全員俺の知り合いだった

谷口「キョン遅いぜ!…最高のからあげにするんだろ?」

キョン「あぁ…ああ!」

先ほどの気分が嘘のように晴れ渡った

ハルヒの顔も何処と無く嬉しそうだった


長門「…油の準備が出来た、これで行ける」

朝倉「それじゃみんな、最後の仕上げに入るけど…」

朝倉「この状態じゃ最高のからあげはできないわ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:08:41.78 ID:+8P5XIJP0

谷口「ワァッツ?!そりゃどういう事だ?」

朝倉「揚げ物は温度との勝負よ、このドラム缶の容量では油が足りないの」

朝倉「この量の油に涼宮さんを入れたら油の温度は急激に下がるわ」

朝比奈「でも…これだけ火が強ければすぐに高温に…」

朝倉「…その前に旨味が逃げる」

朝比奈「……」

古泉「…僕が、やります」

キョン「古泉…?」

古泉「僕が涼宮さんの旨味を閉じ込めます!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:16:41.09 ID:+8P5XIJP0

キョン「無理だ!お前の力は閉鎖空間でしか使えない!」

古泉「でも他に方法があるんですか!?ここで妥協するんですか!」

キョン「っ!?……そうだ、妥協は駄目だ」

あの時の思い

『妥協はできない』

長門「私も残りの力を使って彼をサポートする」

キョン「これしかないなら…みんなを信じる!」

キョン「最高のからあげに!」

一同「「最高のからあげに!」」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:20:35.14 ID:+8P5XIJP0

朝倉「…準備はいい?」

緊張が場を支配する…ってこういう事なのか?

みんなの息遣いが全て聞こえるようだ

古泉「…いつでも!」

長門「どこでも」

谷口「よし…入れるぞ!」

国木田「せーの…」

ハルヒが油に沈められる

高温の油が谷口と国木田を襲う

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:25:21.75 ID:+8P5XIJP0

国木田「うわぁあぁあああ!」じゅあ

谷口「っぐぅぅうううっ!」ばしゃあ

キョン「おいっ!大丈夫か!?」

谷口「ぐぅ…キョン!アイツから目を離すな…!」

キョン「くっ…すまん」

朝倉「古泉君!温度が下がってきたわ!」

古泉「やります!」

長門「!」

ドラム缶が赤く光輝く

それは以前見た光の弾よりも強く、明るく輝いている

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:34:52.62 ID:+8P5XIJP0

朝倉「すごい、旨味が逃げてない…!」

古泉「くぅ…はぁっ…!」

キョン「頑張れ古泉!もう少しだ!」

古泉「やります…っ、やり遂げてみせます!」

朝倉「温度上昇中…適正温度まで70…65…60…」

古泉「はっ…はっ…」

長門「……」

朝倉「50…45…40…30…」

古泉「ぐぅぅ…」

長門「…――――」どさぁ

みくる「長門さん!?」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:41:09.06 ID:+8P5XIJP0

鶴屋「大丈夫さ!気絶してるだけにょろ」

古泉「っぐわああぁぁぁぁ!」

キョン「古泉!もういい!十分だ!」

古泉「くっ…まだ…いけます…」

朝倉「15…13…11…9…8…」

古泉「……っ……」

朝倉「7、6、5、4、3、2、1!」

古泉「……」ぐらぁ

朝倉「適正温度に到達確認!」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:43:31.96 ID:+8P5XIJP0

「おめでとう」

「おめでとう」

「おめでとう」

「おめでとう」

古泉「……」

「おめでとう」

古泉「…ありがとう」



美味しく揚がりましたー

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:48:20.79 ID:+8P5XIJP0

古泉「……」

長門「……」

朝倉「……」

キョン「できた…のか?」

谷口「これが…お前のからあげか…やればできるじゃねぇか…」

キョン「あぁ…」

ハルヒのからあげが出来た

俺が望んだ最高のからあげ

キョン「みんな…ありがとな、いただきます」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 10:55:21.80 ID:+8P5XIJP0

しょっぱかった

別に味付けが失敗したって訳じゃない、失敗な訳が無い

でもただただしょっぱかった

キョン「ハルヒ…お前は最高のからあげだよ…」

キョン「俺…ハルヒからあげにして食ってるよ…」

カリカリの衣が濡れる

ポタリポタリと、雨でもないのに水が落ちてきた

キョン「…ごちそうさま」

ハルヒ…お前さ…



ちょっと脂肪落とした方が良かったな

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 11:06:55.33 ID:+8P5XIJP0

―――――――――
 ―――――
  ――

チュンチュチュンチュン…

キョン「んぁ…?」

最近唐揚げ関係の夢を見る事が多い

いつも誰かに助けられてる、そんな気がして長門に能力者にしてもらった

これで宇宙人、未来人、超能力者に並べたかと思った…が

手に入れた能力は左手から唐揚げを出せる事、微妙だ

でも一つだけ分かった事がある

唐揚げの食べ過ぎは体に悪いらしいって事、それだけ


おわり

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 11:09:19.73 ID:+8P5XIJP0

ごめんやっぱ俺にからあげは難しかったわ、最後のイメージが足りなかった
「つまんねぇよクズ」って言う人には申し訳なかった
「まぁまぁじゃん」って言ってくれる人にはダンケシェン



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