佐々木「おや、僕を部屋に呼んでおいてその顔はなんだい?キョン」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:04:11.03 ID:1+6izj7I0


佐々木「ん? 呼んだ覚えはない?

    それはおかしいね。僕の携帯電話にはしっかりと君からのメールが届いているんだ。

    この事実さえも君は嘘だと言うのかい?

    ……俺に身に覚えはないって……それはないよ、キョン。

    一体僕がどれほど今日という日を待ち望んでいたか君には想像できないのかい?

    な、何を言っているんだ、キョン。そういう意味ではなくて、親友との久しぶりの再会だ。

    楽しみじゃない訳がないだろう?

    ……そうだよ。どうやら久しく会ってない間に、君も少し変ったみたいだね。

    …………鈍感なくせに、余計なところだけ察しがいいなんて、困ったものだよ。

    ん? いや、なんでもないんだ。気にしなくていい」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:10:13.55 ID:1+6izj7I0


佐々木「とりあえず、君には僕の携帯電話にメールをしたという自覚を持ってもらわないといけないようだね。

    ほら、これを見てほしい。しっかりと君の名前が刻まれているだろう?

    うん……ようやく納得してくれたようだね。しかし、まだ半信半疑という顔だ。

    くっくっ。まあいいさ。君に自覚がなかろうが、こうして誘われたのは事実。

    そして、今僕が君の部屋に遊びに来ているということも事実なんだ。

    確かに、君に自覚がないことについて、寂しくないと言ったら嘘になってしまうけどね。

    ……ん? いや、いいのさ。怒っていない。ただ、その分、今日は楽しませてもらいたいね。

    ……くっくっ。何、久しぶりの再会なんだ。最初から険悪になるのは嫌だからね」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:18:14.00 ID:1+6izj7I0


佐々木「ところで、君に自覚がないということは、僕を誘った理由も……

    だろうね。やはり、分からないか。となると、少し困ったな。

    何せ、君が僕に何か用でもあるんじゃないかと思っていたからね。

    生憎、僕もノープランなんだ。……ん? 心配しなくていい? 俺と佐々木はそんなので気まずくなる仲じゃない?

    ……くっくっ。いや、君は実に嬉しいことを言ってくれるね。まさに君の言うとおりだよ。

    一瞬とはいえ、僕と君の関係の深さを忘れてしまっていた。ごめんなさい。

    と、言っている間に、どんどん時間は過ぎていっているみたいだね。

    「時間を忘れる」とは、こういうことを言うんだろうか。いやはや、やはり君と話すのは楽しいよ、キョン。

    ……くっくっ。何、君が照れることはない。むしろ、それは僕の方だよ。

    だから、この頬の赤さに話題を持ってくるのはできれば避けてほしいね。

    ……ありがとう、キョン」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:27:53.89 ID:1+6izj7I0


 佐々木「ところで、君の部屋はあまり整理整頓が行き届いていないようだね。

     余計なお世話だって?

     くっくっ。しかし、部屋の清潔さは、君が女の子をこの部屋に呼ぶ時には少なからず気に掛けることだと思うけどね。

     ……そんなことはありえない、か。それは喜んでいいのやら、悲しんでいいのやら。

     何故だ、って……君は、僕のことを女の子として一切見てくれていないのかい?

     それはやはり悲しいことだよ、キョン。……ん? 何故喜ぶかを聞いていたのかい?

     ……ま、全く。僕が間違っていたよ。やはり君は何一つ変わっていない。

     ……ん? よく分からないことを言うな?

     ち、違う。誤魔化している訳じゃない。それは君が……いや、もうこの話はやめよう。

     いずれにせよ、この部屋は片付ける必要があるね」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:35:01.01 ID:1+6izj7I0


佐々木「何故止めるんだい? 何かやましいものでも隠しているんじゃないだろうね。

    ま、それは別に僕には関係ないことだ。……君の興味に、興味がないという訳ではないけどね。

    い、いや、なんでもないんだ。聞かなかったことにして欲しい。

    ……何故だい? 少し外に出ておけって……その行動は僕の中にある疑惑をより確信に近づけるものだよ、キョン。

    何、簡単さ。君は僕が部屋の外にいる間に、見られてはまずいようなものを隠すつもりだろう?

    ……くっくっ。まあ、慌てなくていい。僕もそこまで意地悪じゃないからね。

    君の言うとおり、部屋の外で待っておくことにするよ。

    それじゃあ、完了したら声をかけてほしい」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:44:14.30 ID:1+6izj7I0


佐々木「部屋の外へ出てきたけど、少し寒いね。それに、退屈だ。

    ……早く終わらないかな、キョン。

    ……ん? この足音は……。

    やはり、久しぶりね、妹ちゃん。ん? 今?

    今は、キョンが部屋を片付けると言うから、外で待っているところよ。

    やっぱり、私が外で待ってる理由、気になるよね。でも、聞かない方がいいと思うわ。

    え? そんなのおかしい? 私がかわいそうって……妹ちゃんはいい子ね。

    でも私は大丈夫よ。少し寒いけど、これくらいならへっちゃらだもの。

    ……え? ……ちょ、ちょっと! 妹ちゃん! ひっぱらないで!

    い、今部屋に入るt…………あはは、キョン、これは僕には予想できなかった事態なんだ。

    ゆ、許してほしい……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:53:57.46 ID:1+6izj7I0


 佐々木「い、いや……中々壮大な眺めだね。

     何、僕の予想を遥かに超えた本の量で、少し驚いただけさ。

     ん?……僕っ子倶楽部……? これは……。

     君のその慌てよう……くっくっ。そうだね、これ以上の追及はやめておこう。

     ん? 妹ちゃん、どうしたの? ……な、なんか嬉しそうなんて、そんなことはないわよ。

     きっと気のせいだと思うわ。……こ、この顔の赤さは、その……暑いからよ。

     え? さっきは寒いって言ってたって? この部屋は暖房がよく効いてるから。

     いや、いいんだ、キョン。温度は下げなくていい。

     …………ふぅ。なんだか、僕が一番振り回されているみたいだね。

     くっくっ……しかし、たまにはこういうのも楽しいものだね、キョン」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:00:35.85 ID:1+6izj7I0


佐々木「やっとこの部屋も落ち着いたね。

    うん……やはり、部屋は清潔な方がいい。こう広いと、何故か寝ころびたくなる。

    …………ふう。

    ……ん? おっと、これはすまないことをしたね。はしたない真似をしてしまった。

    くっくっ。君の顔が赤い理由は、あえて聞かないでおいておくよ。

    ……ところで、最近SOS団の方はどうなんだい?

    何、親友たるもの、やはり近況が気になってね。ぜひ君の話が聞きたい。

    ……そんなことはない。言っただろう? 君と話していると、僕はそれだけで楽しい」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:02:40.64 ID:1+6izj7I0

佐々木「やっとこの部屋も落ち着いたね。

    うん……やはり、部屋は清潔な方がいい。こう広いと、何故か寝ころびたくなる。

    …………ふう。

    ……ん? おっと、これはすまないことをしたね。はしたない真似をしてしまった。

    くっくっ。君の顔が赤い理由は、あえて聞かないでおくよ。

    ……ところで、最近SOS団の方はどうなんだい?

    何、親友たるもの、やはり近況が気になってね。ぜひ君の話が聞きたい。

    ……そんなことはないさ、キョン。言っただろう? 君と話していると、僕はそれだけで楽しい」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:10:10.01 ID:1+6izj7I0


佐々木「……なるほど。涼宮さんらしいね。

    僕も彼女のように行動力があれば、何か変えることができるのかもしれない。

    ……そうだね。涼宮さんは、皆にきっかけを作ってくれる、素晴らしい人だと思うよ。

    そんな空間に居場所を見つけられた君が羨ましいね。

    …………。

    ……時々、実は君が全てを理解した上で発言しているのかと疑う時があるよ。

    「しかし、俺の中で佐々木という居場所も、SOS団と同じでいつまでも無くならないんだろうな」?

    これはさすがの僕でもノックアウt……ああ、君は僕が何を言っているのか分からないだろうね。

    でも、今はそれでいいとさえ思うよ。むしろ、理解されていたら困るくらいだ。

    全く、君は恐ろしいよ、キョン」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:19:42.29 ID:1+6izj7I0


佐々木「さて、気がつけばもう夕方だ。カラスも鳴いている。

    カラスが鳴いたら帰ろうと言うし、僕はそろそr……。

    ……

    い、いや、大丈夫さ。君が唐突にそんなことを言うもんだから、びっくりしてしまった。

    しかし、いいのかい? 親御さんに迷惑じゃ……え? いない?

    それはそれで問題が……、いや、そうか、君は僕のことを女の子だと思っていなかったんだね。

    ……くっくっ、冗談さ。少し君をからかってみたくなったんだ。

    それじゃあ、遠慮なく泊まらせてもらうことにするよ。何、平気さ。

    キョン、僕は君を信じているからね。

    ……くっくっ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:25:09.85 ID:1+6izj7I0


佐々木「しかし、そうなると着替えを取りに家に帰らないといけなくなる。

    ということで、どちらにしても一度戻るとするよ。僕の両親には、その時に泊まると伝えておく。

    何、泊まり先が君の家なら大丈夫さ。心配はいらない。

    ……その前に、僕は妹ちゃんの部屋で寝ればいいのかい?

    な、何を言ってるんだ、キョン! さすがに僕と君が同じ部屋で寝るというのは……

    ふう、すまないね。それじゃあ、妹ちゃんと寝させてもらうことにするよ。

    じゃあね、君の家につきそうになったら、また連絡させてもらうよ」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:29:30.26 ID:1+6izj7I0


キョン「さて……突然佐々木が俺の部屋に現れた時は死ぬほどびびったが……。

    実はもう犯人の目星は付いている。佐々木の携帯に残る俺名義の受信メール。

    そして俺の携帯に残る佐々木名義の送信メール……。この真実を知るのは一人しかいない。

    おい妹! 出てこい! 今から兄ちゃんが説教してやるからな!」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:33:21.03 ID:1+6izj7I0


Iさん(身元証明の危険を無くすため、声を変えてあります)

   「始めはー、遊びのつもりだったんですけどー、お兄ちゃんの携帯電話をつついているうちにー

   ピカッ! ってなんか閃いちゃってー、それでいたずらしちゃったんですー!

   でもまさか本当に来るとは思ってませんでしたよー! ま、なんだかんだ文句を言いながらも

   嬉しそうなお兄ちゃんとSさんを見ていると、私も嬉しくなっちゃうんですけどね!」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:36:51.17 ID:1+6izj7I0


キョン「ったく……妹は。ま、今回の説教でよく反省していたみたいだし、これ以上はよしとするか。

    ん? そうこうしている内に、佐々木からメールが来たな。

    何々、……「そろそろ着くから準備をしておいて欲しい」か。

    エロ本の類はしっかりと隠した。ティッシュの山も捨てた。一応家族の下着などは見えない場所に移動したし……

    よし、完璧だな!」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:40:36.94 ID:1+6izj7I0


佐々木「やあキョン。今日2回目の訪問だね。

    しかし、まさか君の方から泊まれと言ってくるとは……。

    ころころ意見を変えて申し訳ないが、やはり君は変わったのかもしれないね。

    なんというか、僕の知らない一面も持つようになって、少し寂しい気持ちもあるよ。

    ……くっくっ。そうだね。君の言うとおり、僕は君に対して母親のような感情も持ち合わせているのかもしれない。

    でも、それはいいことじゃないかな、キョン。

    少なくとも、僕にとって大切にしていきたいと思える気持ちだよ」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:47:04.44 ID:1+6izj7I0


佐々木「ん? 持ち物かい? とくに着替え以上のものは持ってきていないね。

    いや、君と過ごすにあたって、何か物が必要になるほど暇になることはないと思ったのさ。

    ……そうだろう? くっくっ。

    こうして、君と一日を過ごすことができる貴重な日なんだ。

    娯楽より会話を楽しみたいと思う気持ちがあってもいいんじゃないかな。

    ん? ああ、服は着替えてきたよ。動きやすい方がいいと思ってね。

    どうだい? 似合っていると思うかい?

    ……あ、ありがとう、キョン。

    いや、自ら言わしておきながら、やはり君に言われるとなんだか照れてしまうよ、キョン。

    ……くっくっ。確かに、この高揚する気分がそうさせているのかもしれないね」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:53:11.18 ID:1+6izj7I0


佐々木「分からないかい? 人の家に泊まるということは、少なからずとも気分は高なるものだよ。

    ……しかし、君の家の場合は、それとはまた種類の違う高なりかもしれないね。

    おっと、このことについて深く聞くのはやめてほしいな。

    今それを聞かれたら、僕は押し黙ってしまうだろうからね。

    何、それもまたこの雰囲気と気分の高揚のせいだよ、キョン。

    分かりにくいかい? 簡単に言うと、僕が今のこの状況をたまらなく楽しんでいるってことさ。

    ……くっくっ。感謝するよ、キョン」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 01:58:58.97 ID:1+6izj7I0

佐々木「そういえば、夕食はどうするつもりなんだい?

    ……くっくっ。君のことだから、何も考えていないだろうと思っていたよ。

    それじゃあ、今日は泊めてもらうお礼に、僕に料理を振る舞わせてくれないかい?

    何、謙遜することはない。こう見えても、僕の料理の腕はなかなかのものなんだ、キョン。

    そして料理が上手いということは、手間を省くのが上手いということだ。

    つまり、僕にとってそれはなんの苦でもない。むしろ君に料理を振る舞うまたとないチャンスだ。

    楽しささえ感じてしまうくらいだよ。

    ……ん? 本当に楽しそうな顔だって?

    ……くっくっ。それはそうさ。

    なんせ、君といるんだからね、キョン」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:03:56.07 ID:1+6izj7I0


佐々木「とは言っても、まだあまりお腹が空いていないね。

    丁度いい。記念に、僕と一緒に写真を撮ってくれないかい?

    くっくっ。何、そんな大袈裟なものじゃない。携帯電話で撮るお手軽なものだよ。

    必要ないとは言わないでおくれよ、キョン。

    僕は、今日という日をどうしても形にして残しておきたいんだ。

    ……な、何度も言わせないでくれ。楽しいからだよ。

    さすがにこう何度も言うのには、恥じらいを感じてしまうね。

    さあ、準備はいいかい? キョン」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:08:12.39 ID:1+6izj7I0


佐々木「キョ、キョン。もう少し近づいてくれないと画面に入りきらないみたいだ。

    ……うーん。もう少し。……も、もう少し。……後ちょっと

    ……

    い、いや! なんでもない、気にしないでほしい。そ、それにしても……

    この部屋は少し暑いみたいだね。できれば温度を下げてもらえないかな?

    ……ありがとう、キョン。

    それじゃあ、気を取り直して……」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:12:42.83 ID:1+6izj7I0


佐々木「ありがとう、いい思い出になったよ、キョン。

    いや、こうして思い出が形に残るというのはいいことだね。

    中学校の卒業アルバムにも、僕と君が二人で写っている写真はあるんだけど

    やっぱりそれだけじゃ物足りないというか……って、ぼ、僕は一体何を言っているんだろう。

    すまない。忘れてほしい。

    どうやらこういう夜は僕を少し開放的にしてしまうみたいだ。

    今後気をつけるよ。……え? 気にすることはない?

    き、君は気にならなくても僕は……いや、か、感謝するよ、キョン」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:20:11.62 ID:1+6izj7I0


佐々木「……あ、暑いね。いや、大丈夫、大丈夫さ。

    どうやらあらぬ事を口走ってからというもの、僕は少し気分が慌ててしまっているみたいだ。

    す、少し落ち着かないといけないみたいだね……。

    上着を一枚脱いでもいいだろうか? ……。

    ふう、これで少し涼しくなった。……ん?

    そ、そんなにジロジロ見ないでほしい。僕も一応女なんだ。

    いや、君は謝らなくていい。僕がデリカシーの欠如した行動をとったからなんだ。

    ……くっくっ、お礼は受け取らせてもらうけど、なんだか顔が赤いよ、キョン」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:29:01.26 ID:1+6izj7I0


佐々木「え? ……そ、そうかい?

    僕が、その……女らしくなったって?

    キョ、キョン……それはどういう風に受け取れば……きゃっ!

    ……な、なんだ、妹ちゃんか。いや、驚いたよ。

    キョン、妹ちゃんを責めるのはよくない。

    自分の家では気が緩んでしまって、中々ノックなんてできないものさ。

    ん? ご飯? わかったわ。今から私が作るから、楽しみに待っててね。

    ……と、ということでキョン。リビングに降りるとしよう」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:35:53.12 ID:1+6izj7I0


一人トイレにて

キョン「ぐあああ! なんだあの雰囲気は! なんなんだあの俺のセリフは!

    女らしくなった? 確かになったさ! だが俺はなんでそんなことを口走っちまったんだ!?

    ぐっ……いかん……なんなんだ。なんだこの感情は……。

    落ち着け……いかんいかん……いかんぞ……親友だ。

    佐々木は親友、佐々木は親友、佐々木は親友…………いかんぞ……いかんいかん……いかんぞ……」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:39:29.00 ID:1+6izj7I0


Iさん(身元証明の危険を無くすため、声を変えてあります)

   「始めはー、遊びのつもりだったんですけどー、部屋の外でー、二人の会話を盗み聞きしている内にー

    なんか二人がどんどんいい雰囲気になっちゃってー、

    そしたらピカッ! なんか閃いちゃってー、咄嗟に二人の部屋に入って邪魔しちゃったんですー!

    でもまさかあんなに良い雰囲気だったなんて思いませんでしたよー! ま、なんだかんだ文句を言いながらも

    楽しそうなお兄ちゃんとSさんを見ていると、私も嬉しくなっちゃうんですけどね!」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:44:38.51 ID:1+6izj7I0


佐々木「さあ、妹ちゃん、料理が完成したわよ。

    ……くっくっ。ありがとね妹ちゃん。私の得意料理だから、きっとおいしいと思うわ。

    おや、随分長い間トイレに籠っていたね、キョン。

    しかし、丁度よかったね。君がいない間に料理が完成したよ。

    ……あ、ありがとう。喜んでもらえて、僕も嬉しいよ。

    ……くっくっ。さて、それじゃあ食べるとしよう」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:50:09.44 ID:1+6izj7I0


佐々木「いや、我ながら、よくできていたよ。おいしかった。

    それにしても、残さず食べるどころか、2度もおかわりをしてくれるなんて思ってもみなかったよ、キョン。

    それが僕の自信へと繋がる。感謝するよ。

    ……妹ちゃんはどうだった?

    うん、ありがとね。……え? な、何を言ってるの妹ちゃん!

    わ、わた、ぼ、僕がキョンのお嫁さんだなんて……そ、それは僕じゃなくてキョンが決めることだよ。

    なんでって……か、からかわないで妹ちゃん!」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 03:03:57.57 ID:1+6izj7I0


佐々木「さて、キョン、ご飯も食べ終わったことだ。

    僕は食器類を片付けておくから、君はお風呂に入ったらどうだい?

    ……くっくっ。何、気にすることはないさ。

    言っただろう? 僕は君に対して持つ、母親のような気持ちも大切にしたいのさ。

    こんな日だ。たまにはその気分を味わったって罪にはならないさ。

    ……ああ、ゆっくりつかるんだよ。……なんて言ったら、本当に母親のようだね。くっくっ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 03:09:46.30 ID:NnvvTKqz0


佐々木「い、妹ちゃん! 新婚さんみたいって、またからかって、困るわよ?

    わ、私とキョンはそういうのじゃなくて、ただの親友なのよ。

    ……え? 親友は結婚しちゃいけないのって? ……い、いいんだけど

    と、とにかく、僕とキョンはまだそういう関係にはなっていない。キョン、君からも言ってくれないか?

    ……え? ま、まだ……? い、いや! それは……

    も、もういい、キョン、お風呂に入ってきてくれないかい? このままじゃ、僕がのぼせてしまいそうだ」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 03:33:55.89 ID:NnvvTKqz0


佐々木「ふう……キョンのお風呂がこんなにも長いとは思ってなかったよ。

    もう既に食器の片付けも終わってしまったし……なんとなくキョンの部屋に来たけど

    一人では何もすることがないね……。いや、でもお昼に整理整頓しておいてよかったよ。

    おかげで部屋が広くて、こうして優雅に寝ころぶことも……ん?

    あれは……?

    ……間違いない。僕がお昼に見てしまった、僕っ子倶楽部という本だね。

    しかしキョン、ベッドの下に隠すとは、なんとも古典的な……いや、これ以上はやめておこう。

    見なかったことに……うん。

    ……でも、ちょっとくらいならいいかな……いや……でも……ちょっとくらいは……いや……」

81 名前:さっきのVIPの異変でID変わっちゃったっぽいな[] 投稿日:2011/01/10(月) 03:38:44.45 ID:NnvvTKqz0


佐々木「……はあ、暇だな。なにかこう、読書がしたい気分だ。

    ちょ、ちょうどいい本が、偶然ベッドの下とかに眠ったりはしてないだろうね。

    いや、まさかね。……ゴクリ。

    あっ、ほ、本当にあるとは思いもしなかったよ。何々? 僕っ子倶楽部? ふ、ふ〜ん。

    なんだかおもしろそうだし、読んでみようかな。

    ……って、僕は一人で何を言っているんだ。すごく馬鹿らしくなってきた……。

    ……」ペラッ

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:59:25.87 ID:NnvvTKqz0


佐々木「……ほ、ほう……キョンは中々どうして……こういう子がタイプなんだね……。

    ポニーテールで一人称が僕……か……

    …………。

    ……よし。

    ……ん? ……このページは何やら貼りついているみたいだね。

    破ってしまうのはさすがに申し訳ないし、見るのはやめておこう。

    ん? ああ、これかい? キョンがいない間にキョンが一体どんな子w……って、キョン!?

    い、いつ、いつからそこに居たんだい!? あ、た、たった今?

    いや、これは違うんだキョン。読んでいたわけではない。え? 嘘?

    嘘なんかついていないよ? ……あ、実は最初から見ていたのかい? …………ごめんなさい」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:04:40.16 ID:NnvvTKqz0


佐々木「そうだね。君の言うとおり、こんなものはもう見えない場所にしまっておくべきだ。

    ごめんなさい。反省しているよ。

    ん? こ、これは……ポニーテールというやつにしてみたんだが、どうだい?

    ぼ、僕でも似合うかな……?

    ……くっくっ。たまらない、か。ありがとう、キョン。

    さて、君に褒めてもらったところで、僕もお風呂に入ってきていいかな?

    ……うん、それじゃあ、入ってくるよ」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:20:49.43 ID:NnvvTKqz0


キョン「佐々木のやつ……着替えを全部置いていっちまってる……。

    まあ、あの本を読んでいる姿を俺に見られて、異常なほど焦っていたからな。

    少し気が動転したんだろう……。さて、着替えを脱衣所まで届けるべきか否か……。

    変態になっちまわないか? いや、でも佐々木とは古くからの親友関係であり……

    だが待て、今日の俺はどこかおかしい。佐々木をかわいいと思ってしまっている自分がいる。

    さっきのポニーテールは反則だったし、何故か仕草が女の子っぽくなってやがる。

    これも久々に再開した効果というべきか……いかんいかん……何を言っているんだ俺は……いかんいかん……

    よし、届けに行k……って、佐々木! な、そ、そんな恰好で何してやがる!

    着替えを忘れた? そんなことは分かっている! だから俺が今届けようと……すまないっておいおい……。

    少しは危機感を持ったらどうだ? さすがにタオル一枚は……いくら俺とお前でも健全な男女なんだ。

    俺にだったら見られてもいい? ば、馬鹿野郎。何を言ってやがる。……これはあれだ。風呂上がりだから暑いんだよ。照れているとかでは断じてない。

    笑うな。……笑うんじゃない。……笑うな」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:28:46.91 ID:NnvvTKqz0


佐々木「くっくっく。あー、おかしい。君のそんな顔を見たのは久しぶりだよ、キョン。

    いや、初めてかもしれないね。くっくっ。

    ああ、わかった。すぐに着替えてくる。それまで君はその顔を維持しておいてくれないかい?

    ……くっくっ。冗談だよ。あまりにも君がかわいらしい顔をするものだから、ついね。

    それじゃあ、着替えてくるよ。すまないね。

    このままだと体が冷えてしまう。そうなった暁には、君に暖めてもらうのも一つの手かも知れないね……くっくっ。

    どうやら、君のその表情を見てから、僕は君をからかうことが楽しくなってしまったらしいよ、キョン。

    ……わかった、わかったよ。それじゃあ、着替えたらまた戻ってくる」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:37:36.08 ID:NnvvTKqz0


佐々木「ふう、やはり暖房が効いている部屋は暖かいね。

    どうやら君に暖めてもらう必要もないみたいだ。……くっくっく。わかった、すまなかったよ。

    どうだい? 恥ずかしながら、僕の寝間着姿を他人に見せるのは初めてなんだ。

    カエルを模した服を選んでみたよ。その方が君の好みに合うと思ってね。

    ……くっくっ。ありがとう。キョン、君は寝るときはいつもスウェットなのかい?

    ……なるほど。君らしいよ」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:43:54.00 ID:NnvvTKqz0

http://livedoor.2.blogimg.jp/news4wide/imgs/3/f/3f8508b6.jpg
探すの手間取った。カエル佐々木。完全に俺の趣味

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:50:26.25 ID:NnvvTKqz0


佐々木「それにしてもキョン、今日は本当に楽しかったよ。

    まるで中学時代に戻ったかのような気さえした。ありがとう。

    ……くっくっ。お礼を言うのは俺の方? 君らしいね。

    いいじゃないか。お互い、礼を言い合える一日だったってことだ。素晴らしいと思うよ。

    いつしか疎遠になっていた僕と君の関係も、これをキッカケに元に戻るのかもしれないしね。

    君はどう思う? キョン。

    ……くっくっ。それは嬉しいね。不思議なことに、僕も同じ気持ちだよ」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:00:30.83 ID:NnvvTKqz0


佐々木「僕は……いや、やはりやめておくよ。

    ……おそらく、しんみりしてしまうだろうからね。

    ちょうど妹ちゃんが階段を駆け上がってくる音が聞こえたし、僕はそろそろ妹ちゃんの部屋に移動するよ。

    いや、キョン。本当にありがとう、なんだか夢のような日だった。

    明日になれば、きっと今日のことを思い出して、少しせつなくなるんだろうね。

    だからこそ、少しでも多く今日という時間を楽しまないといけないね。

    あ、妹ちゃんの部屋に移動する前に、一つだけお礼をしてもいいかい?

    何だ、って? ……チュッ。

    …………くっくっ。時に思い出を作りたいという気持ちは、とんでもない力を生み出すものなんだよ、キョン。

    ……それじゃあ、おやすみなさい」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:04:02.37 ID:NnvvTKqz0

5分後

佐々木「……くっ、キョン。笑いたければ笑うがいいさ。

    まさか妹ちゃんに追い出されて、再び君の部屋に戻ってくることになるとはね。

    あ、あんな別れ方をした手前……ど、どういう顔をしていいのか……。

    あ、ああ。今度は認めるよ。この頬の赤さは、照れているからだ。

    あの時の感情と、今の感情は少し違うんだよ、キョン。僕は、僕はとんでもないことを君に……」

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:10:08.87 ID:NnvvTKqz0


佐々木「きゃっ! ちょ、ちょっとキョン、どうしたんだい?

    急に抱きつかれて、変な声がでてしまったじゃないか。

    ……え? い、一緒にかい? しかしキョン、君は……。

    ……くっくっ。わかった。君が何もしないと僕に誓ってくれたんだ。

    それを信じて、君と同じ部屋で眠ることにするよ。

    しかし、そ、そろそろ離してもらえないだろうか、キョン。

    君の抱きしめる力が強すぎて、なんだか苦しくなってきてしまった。

    ……ふう、ありがとう。いや、いいんだ。

    僕は……その……嬉しかったからね」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:17:13.80 ID:NnvvTKqz0


佐々木「キョン、君は本当に布団でいいのかい?

    なんだか、泊まらせてもらっている身なのに、君のベッドまで使うのはやはり遠慮してしまうよ。

    …………くっくっ。それなら、素直にここを使わせてもらうよ。ありがとう。

    君は、そういう優しさを無意識で僕にくれるから、怖いんだね。

    ……いや、なんでもないんだ。気にしないでほしい。

    ……」


181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:25:48.04 ID:NnvvTKqz0


佐々木「真っ暗だね。なんだか、この空間に君と二人でいることを不思議に感じてしまうよ、キョン。

    ……さっき中断した話を、してもいいかい? ……くっくっ、ありがとう。

    僕はね、キョン。正直な話、寂しかったんだ。……君と、関係が疎遠になってしまって。

    君は、涼宮さん達と新しい居場所を見つけてしまっただろう? それで、僕は怖くなってしまった。

    キョンは、僕のことをもしかしたらもう覚えていないんじゃないかって、ね。……くっくっ。そんなわけがない、か。嬉しいよ、キョン。

    だからこそ、君に自覚は無いといえ、メールが届いたときは喜々とした思いだったよ。

    僕は、本当に君に会いたかったんだ、キョン。

    ……おっと、これ以上は、君に見せたくない表情を見せてしまうかもしれない。

    いや、夜は人を変えてしまうという話は、本当なんだね。

    ん? 暗くて顔は見えないって? ……くっくっ。確かにそうだね。

    でも、それでは不十分なんだ、キョン。生憎、声でばれてしまうからね」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:32:50.36 ID:NnvvTKqz0


キョン「そんなもの、俺が全て受け止めてやる」

佐々木「……くっくっ。キョン、君はいつからそんなに男らしくなったんだい?」

キョン「大切なやつが泣きたくても泣けないでいるんだ。さすがの俺でも、それくらい分かる」

佐々木「……キョン、君は本当に……」

キョン「佐々木、そっちにいってもいいだろうか」

佐々木「え? しかし、君は……」

キョン「お前の話を、出来るだけ近くで聞いてやりたい。その話を聞けるのは、俺だけなんだろう?」

佐々木「……きて、くれるかな、キョン」

キョン「ああ。行くさ。それで、飽きるまでお前の話を聞いてやる」

佐々木「……ありがとう……ぐすっ……ありがとう、キョン……」

キョン「大丈夫だ。お前には、俺というやつがいるんだ。不安になることは何一つないんだぞ、佐々木」

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:43:36.52 ID:NnvvTKqz0

佐々木「キョン、その……」

キョン「なんだ?」

佐々木「ぼ、僕の方から、抱きついてみてもいいかい? あの時、抱きつかれっぱなしだったんだ」

キョン「クスッ……ああ、いいぞ」

佐々木「ふふっ……キョン……あったかいね。僕は、最高の幸せ者だよ」

キョン「不思議なことに、俺も同じ気持ちだ、佐々木」

キョン「それとだな、俺も一つ忘れていたことがあったんだ」

佐々木「なんだい?」

キョン「あの時、お前にされたままになっているものだ」

佐々木「キョン……それは」

キョン「ああ、そうさ……チュッ」

佐々木「……ふふっ。嬉しいよ、キョン。すごくね」

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:53:14.97 ID:NnvvTKqz0

キョン「それとだな」

佐々木「おっと、まだ何かあるのかい?」

キョン「俺はお前を、その……なんだ」

佐々木「……どうしたんだい?」

キョン「どうやら……好きになっちまったらしい」

佐々木「キョ、キョン? ……それは、本気かい? 冗談でそんなことを言っていたら、さすがの僕でm」

キョン「冗談な訳がないだろう。今日久しぶりに会って、お前と一日過ごしてみて、気がついた正真正銘本物の気持ちだ」

佐々木「それは……ちょっと、驚きを隠せないよ」

キョン「やっぱり……言わない方がよかったのかもしれんな。俺とお前の関係を、崩すかもしれんとは考えたんだが……」

佐々木「キョン、君は一つ勘違いをしている」
キョン「……え?」

佐々木「僕が驚いた理由は、そんなこと考えもしなかったからじゃない。むしろ、その逆だよ、キョン。
    いつもそうであってほしいと思っていたから……つまり、僕と君が同じ気持ちになっていたことに驚いたんだ」

キョン「ってことは……」
佐々木「ああ……僕も……ううん。
    私も……ずっとキョンのことが好きだったよ」

キョン「佐々木……」
佐々木「……くっくっ」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 23:02:21.57 ID:NnvvTKqz0


えんだあああああああああああああああああああああ
いやあああああああああああああああああああああああああああああ

〜Fin〜

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 23:11:35.61 ID:NnvvTKqz0

拙者、「プラトニックな雰囲気が似合うんだよ」、みたいなハルキョンSSスレを未完のまま落としてしまった身でござる。
それを受け、拙者の中で不燃焼状態であったプラトニックイチャイチャSSを書きたいと思い、始めたのがこのSSなのである。
キョン×ハルヒに次いで、佐々木×キョンもまた、プラトニックな関係が似合う仲だと……拙者は、思うのであった……。

いよぉー! ポンッ!

―完―

ありがとうございました!
>>1先生の次回作にご期待下さい!

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:37:49.03 ID:2RrImLyB0


佐々木「おっと、どうやらいつの間にか眠ってしまっていたようだね。

    キョン、朝だ、起きよう。きっと妹ちゃんも待っている。

    ……くっくっ。いつにも増して間抜けな顔をしているよ、キョン。

    でも、君のこんな顔を見ることができるのも昨日の……いや、やめておこう。

    幸せは、口にしすぎると逃げて行くと言うしね。

    さあ、君がいつまでもその間抜けな顔を継続させるつもりなら、僕は先にリビングに降りてしまうけど、いいのかい?

     ……くっくっ。そんなに慌てて飛び起きてくれるとは、嬉しいね。

     ……チュッ。……ああ、やっと今、実感したよ。僕は、とんでもなく幸せ者だ」


254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:38:29.27 ID:2RrImLyB0


佐々木「それにしても、キョン……僕は何やら、君が隠した方がいいものを見てしまっているような気がする……。

    ……い、いや、慌てなくていいんだ。その、男性の生理現象なんだろう?

    昔何かの本で読んだ覚えがある。朝は皆……いや、その、これに関しては、僕も悪かったよ。

    でも、言うべきかどうか悩んだということは、理解してくれるとありがたいね。

    ……キョン、君はこんなシチュエーションでも僕の顔の赤さを指摘するのかい?

    全く。いやしかし、こういうときはどういう反応をすればいいのか、困ったものだね。

    彼女なんだから堂々としてればいいって……な、何を言っているのか分かっているのかい? キョン。

    でも、いずれ通る道……分かってはいる。分かってはいるけど、僕と君にはまだ早い気がするんだ。

     ……くっくっ。大事に、か。……そうだね。嬉しいよ、キョン。

     君に大切にされていることを、こうも間近に感じ取ることができるとはね」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:40:24.53 ID:2RrImLyB0


佐々木「さて、じゃあ一緒にリビングに降りようか。

    今日の朝ごはんも、僕が作っていいだろうか?

    ……くっくっ。君にそんなに楽しみにしてもらえると、作りがいがあるよ、キョン。

    あ、妹ちゃん、おはよう。よく眠れた?

    わ、私達がうるさくて眠れなかった? ご、ごめんね。え? 会話も聞こえてた?

    ……キョ、キョン。ぼ、僕は一体どんな顔をして君の妹と今後接していけば……ああ……なんてことだ。

    え? じょ、冗談? ……これは一本とられたね。

    や、やましい会話なんてしてないわよ! ……キョン、今更無駄だ、なんて顔をしないでくれないかい?」


259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:41:52.95 ID:2RrImLyB0


佐々木「さあ、完成だ。キョン、君は妹ちゃんの隣に。

    え? いや、いいんだ。気にすることはない。料理を振る舞う者にとって、一番楽しみなのは食べてくれる人の反応だよ、キョン。

    つまり、僕は二人の目の前で二人の顔を見ておきたいのさ。

    ……くっくっ。すまないね。

    ああ、おかわりもあるから、たくさん食べてくれると嬉しいよ。

    それじゃあ僕も、いただきます。……ん? キョン、君の頬に、ご飯がついてしまっているよ。

     ああ、そっちじゃない、反対だ。……ぼ、僕にとってほしいのかい?

     ……はい。と、とれた。

     え? ……べ、別に何にも変わってないわよ? 昨日より仲良くなってる?

     ……そ、それは……キョン、君にパスだ。…………くっくっ」


261 名前:短いけどね。>>247の言ったことを実行するだけですよ。[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:48:13.58 ID:2RrImLyB0


佐々木「おっと……そうこうしている内に、もうこんな時間だね。

    キョン、君ともう少しこういう時間を過ごしていたかったけど、そろそろ学校に行かないといけないみたいだ。

    ……くっくっ。君も同じ気持ちだということは、何回聞いても嬉しいね。

    ああ、幸せが目の前にあるという実感がわくよ。……くっくっ。

    大丈夫、離れていても、考えていることはきっと同じさ。

    ん? 妙に積極的になったって?

    ……キョン、君は勘違いしている。変わったのは僕じゃなくて、君の方だよ。

    それにしても、君から鈍感さがなくなった途端、こうも簡単に僕の気持ちを操られるとはね。

    ああ、今の僕には、君しか見えていないのさ、キョン。これじゃあ、まるで立場が逆だね。

    なんだか悔しいけど……うん、いいことだと思う」

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 00:57:27.79 ID:2RrImLyB0


佐々木「それじゃあ、行こうか、キョン。君との初めての登校だ。

    なんだか、少しだけ緊張するね。……ああ、世界がいつもと違って見えるのは、決して勘違いではないだろうね。

    ……くっくっ。僕のおかげ、か……。

    キョン、君は嬉しいことを言ってくれる。

    僕はそのたびに、幸せを感じることができるよ。ありがとう、キョン。

    え? ふ、夫婦じゃないの! ……なんだか、妹ちゃんにからかわれてばかりだね。

    くっくっ。僕たちのことを、一番よく知っている人物かもしれないからね。

    君をとられないようにがんばるよ、キョン。……くっくっく」


265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 01:03:29.23 ID:2RrImLyB0


佐々木「や、やはり外は少しだけ寒いね。こんなことなら、ちゃんとした上着を着てくるべきだったよ。

    ……え? 君の上着をかい? それは遠慮しておくよ。僕のために、キョンが風邪をひいてしまったら意味がないからね。

    ……くっくっ。……その代わり、君の手を、一つだけ貸してもらってもいいかい、キョン。

    何をするつもりだ、って……わからないのかい?

    ……ギュッ。…………。

    ……な、なかなか勇気をだしたんだ。あまり反応されると、逆に照れてしまうよ、キョン。

    ……くっくっく。何、僕がしたいことをしただけだよ。君が謝る必要はない。

    それにしても……君の手は、暖かいね。キョン」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 01:11:35.39 ID:2RrImLyB0


キョン「でも、こうしたら、もっとあったかいぞ。

    ほら、こうして……二人の手を、俺の上着のポケットに入れるんだ。

    どうだ? あったかいか? …………そうか、そりゃよかった。

    …………佐々木、好きだぞ。

    あ、いや、何を言ってるんだ俺は? はははっ……その、急に再確認したくなったというかだな……

    クスッ……そうだな。お互い、真っ赤だ。

    まあ、俺の赤さは寒さによるものなんだがな。……はは、冗談に決まっているだろう。

    ……ああ、すごくいい時間だ。やっぱり、古い付き合いのお前とじゃないと、流れない時間がある。

    そして俺は、その時間がたまらなく心地いいんだ。だからこそ、お前と居たいと思えるんだ、佐々木。

    …………お前の言うとおり、どうやら変わったのは俺の方らしいな。全く。

    おかしいな、こんなことを言う性格じゃなかったはずなんだが……。笑うな、結構真剣なんだ、こっちは」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 01:22:05.75 ID:2RrImLyB0


佐々木「君がそこまで言ってくれるのなら、僕も言わせてもらうよ。

    キョン、君が好きだ。う、うん、……好きだ。

    ……はぁ……キョン、今は僕の顔の赤さにはつっこまないでくれないかい?

    せめて全て言い終わってからだろう? ……全く。なんだか調子が狂ってしまったよ。

    残念ながら、今回ばかりは今さら謝っても遅いね。すまない。

    君のしてしまったことを深く反省して、またの機会に楽しみにしておいてくれ、キョン。

    え? …………くっくっくっくっ…………そんなの、決まってるじゃないか。

    僕は、世界一の幸せ者だよ、キョン」

―完―

もうゴールしていいよね?

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 01:29:06.55 ID:2RrImLyB0

ありがとう。
えんだあああいやあああは正直すまんかった。

言い忘れてたけど、なんだかすごくフリーダムな書き方で叩かれないかずっとビクビクしてたけど
お前らがいい人でよかった、ありがとう。
ずっと一人称でどうやって状況や相手の言っていることを読んでくれている人に伝えるか一人で悩んで楽しめたぜ。
伝わりにくかったらすまんね。じゃ



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