10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 00:21:24.83 ID:0jIvhXdG0
キョン「おお、奇遇だな。長門も初詣に行くのか」
長門「おめでとう」
キョン「おめでとう」
長門「おめでとう」
キョン「おめでとう」
キョン「エヴァじゃないんだから」
長門「・・・・・・」
長門「初詣と言うものには行かない。ただの散歩。朝倉涼子に頼まれてコンビニへパシらされているとも言う」
キョン「ふーん、そうなのか・・・初詣なら一緒に行こうと思ったんだけどな・・・仕方が無い、ハルヒでも誘うか」
長門「!」
長門「実は初詣に行く途中だったのを忘れていた」
キョン「・・・・・・」
長門「なに」
キョン「長門、一緒に初詣に行かないか」
長門「いいですとも!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 00:35:08.73 ID:0jIvhXdG0
キョン「神社に着いたぞ。流石に参拝客が多いから離れ離れにならないようにしないとな」
長門「・・・・・・」
長門「・・・・・・出店は無いの?」
キョン「長門、初詣は縁日じゃないんだ。たこ焼きやお好み焼きの出店は無いぞ」
長門「もう、帰りたい」
キョン「そう言うなよ。・・・それにしても、参拝客が多過ぎてちっとも前に進まんな」
ソーッ ギュッ
キョン「! な、長門!?」
長門「ここは手を繋ぐべき。さもないと、この人混みでは離れ離れになる可能性がある」
キョン「そ、そそ、それも・・・そうだな・・・」 キョン(・・・長門の手、温かくて柔らかいな)
長門「・・・いやらしい想像をしてはいけない。人混みではぐれないように、手を繋ぐだけ」
キョン「そうだよな!はぐれないようにだよな!」
ドン
参拝客「おっと」
長門「!」 キョン「! な、長門!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 00:52:53.63 ID:0jIvhXdG0
キョン「おい!危ねえぞ!」
参拝客「・・・・・・チッ」
長門「こんなところで喧嘩をしては周囲の人間の迷惑になる。やめるべき」
長門「うっ」
キョン「それもそうだな、すまん。・・・って、長門!?」
長門「大丈夫。ちょっと転んだだけ」
キョン「大丈夫には見えないんだが、歩けそうか? ・・・帰るにしても、この人混みじゃ無理だな・・・」
長門「大丈夫。ちょっと転ん・・・」
キョン「まさか、背中に担ぐわけにもいかないしな・・・」
長門「足が痛くて歩けない。死ぬほど痛い。これは足の骨が複雑骨折したと考えられる。これでは歩けない」
キョン「・・・・・・」
長門「・・・・・・」
キョン「・・・・・・」
長門「・・・・・・チッ」 スタスタ
キョン「普通に歩けるじゃねえか!!」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 01:00:37.23 ID:0jIvhXdG0
キョン「ここで賽銭をして新年の抱負と願い事をするんだ」
長門「そんなことぐらいは知っている」
キョン「そうか」
キョン「でもな、パーカーのフードで賽銭を泥棒するのはやめたほうがいいぞ」
長門「!」
長門「そ、そんなことをするわけがない。あなたの発想は非常識」
キョン「・・・・・・」
キョン「ま、いいか。さて、賽銭を・・・」
チャリーン
キョン(・・・・・・・・・) ガランガラン パンパン
長門(・・・・・・) ガランガラン パンパン
キョン「こんなもんか」
長門「なにを願ったの」
キョン「秘密だ。こういうことは秘密にしておくもんだろ」
長門「そう」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 01:08:21.86 ID:0jIvhXdG0
キョン「さーて、参拝も済んだことだ。帰るとしようぜ」
長門「おみくじ」
キョン「おみくじ? 混んでるからやめとこうぜ」
長門「おみくじ」
キョン「・・・・・・」
長門「おみくじ」
―1時間後―
キョン「1時間も待って、末吉か。やれやれ・・・」
キョン「長門はどうだったんだ?」
長門「・・・・・・大・・・・・・凶・・・・・・」
キョン「」
長門「・・・・・・もう一度」
キョン「勘弁してくれ。もう二度と並ぶのはゴメンだ」
キョン「おっ、あそこで破魔矢が売ってるぞ。アレにしようぜ」
長門「・・・・・・」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 01:18:40.15 ID:0jIvhXdG0
バイトの巫女さん「ありがとうございましたー」
長門「これはどうするもの?」
キョン「飾るんじゃないのか」
長門「どこに」
キョン「玄関とか、居間とか、・・・そうだな、破魔矢なんだから悪いものの近くに置くのもいいかもな」
長門「悪いもの・・・」
キョン「それにしても、破魔矢の値段があんなにするなんて知らなかったな・・・」
キョン「あんな値段のものをポンと買うだなんて、長門も随分とブルジョアなんだな」
長門「・・・・・・」
長門(朝倉涼子の財布から出したことは、隠し通しておこう)
キョン「長門、おしるこが売ってるぞ。奢ってやるけど飲むか?」
長門「飲む」
キョン「おしるこ2つ」
おっさん「はい。あけましておめでとう。お二人さん、恋人同士かい?お似合いだねえ」
キョン「こ、恋人同士!?」 長門「・・・///」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/01(土) 01:37:29.07 ID:0jIvhXdG0
キョン「今度こそ本当に帰るとするか・・・
キョン「どうした、長門、帰らないのか?」
長門「・・・まだ、帰りたくない・・・」
キョン「朝倉が待ってるんじゃないのか?」
長門「・・・帰っても、ウチには・・・カレーとオデンしかない・・・」
長門「・・・おせち料理・・・」
キョン「うーむ、おせち料理か。・・・・・・ウチので良ければ食っていくか?」
長門「あなたが神か」
キョン「やれやれ。ま、妹も喜ぶだろうからいいか」
―長門の家―
朝倉「・・・・・・長門さん、遅いわね・・・コンビニに買いだしに行くのに何時間も掛かるなんて・・・」
朝倉「・・・・・・心配だわ。ちょっと様子を見に・・・あら? ・・・玄関に・・・何か置いてある・・・?」
『朝倉涼子へ プレゼントの破魔矢 そばに置いておくこと』
朝倉「長門さんったら・・・これを渡すのが恥ずかしくて、どこかに行っちゃったのね・・・」
朝倉「・・・・・・でも・・・どうして、私のお財布の中身がカラッポなの・・・?」 おわり