6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:43:11.82 ID:ihudAuU4O
キョン「人を勝手に変態認定するなよ」
ハルヒ「嗅いでるったら嗅いでるの! だ、だから……あんたの体操服を出しなさい!!」
キョン「……いや、この流れで唐突すぎんだろ」
ハルヒ「えっ? ………えっ?」
キョン「その、何言ってんのこいつ?って顔は止めろ」
ハルヒ「何言ってんの?」
キョン「口に出しちゃったよちくしょうめ」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:50:19.94 ID:ihudAuU4O
ハルヒ「あんたがあたしの体操服を嗅いでる。あたしもあんたの体操服を嗅ぐ。これが不自然だとしたら、
この世界は不自然だらけよっ」
キョン「この世界ってのは、お前の頭の中にしか存在しない白昼夢だろ」
ハルヒ「いいから出しなさいよ。さもないと乱れた服装で『キョンに相撲勝負を挑まれたの!』って、
校内中を走り回るわよ!?」
キョン「へぇ、で終わると思うんだ」
ハルヒ「わかったなら早く出しなさいよ」
キョン「せめて会話をしてくれ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 19:48:33.78 ID:ihudAuU4O
キョン「大前提として、俺がお前の服を嗅いだ証拠はあんのか?」
ハルヒ「あたしの体操服からキョンの匂いがするもん。これはあんたが体操服に顔をうずめて、
クンカクンカしたからでしょ!?」
キョン「俺の匂いを嗅ぎ分けられることに引っかかりを感じるが……。それはお前が、体育終わりに
抱きついてきたからだろ?」
ハルヒ「あ、あたしそんなはしたない真似してないわっ! それこそ証拠があるの!?」
キョン「なんならクラス全員が証人だよ死にたい」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 17:43:21.82 ID:ihudAuU4O
ハルヒ「ぐぬぬ……」
キョン「もういいか?」
ハルヒ「まだ……まだよっ! 有希!」
長門「……ヨーダ?」
ハルヒ「あれを出しなさい!」
長門「……」スッ
キョン「なんだそりゃ?」
ハルヒ「キョンが教室で体操服を嗅いでる映像をおさめたデータよ!」
キョン「とうとう捏造できやがったよ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 19:19:04.25 ID:ihudAuU4O
ハルヒ「こんな証拠があるのにまだしらを切るってぇたぁ、とんだ悪党だよ!」
キョン「もう、誰だよお前」
ハルヒ「さぁ、出しなさい!」
キョン「……長門」
長門「……なに?」
キョン「今度、駅前にできた洋菓子店にでも行くk」
長門「バックアップもろとも消去した」
キョン「決断の早さよ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 19:31:10.31 ID:ihudAuU4O
キョン「ハルヒ、もう一度それの中身確かめてみろ」
ハルヒ「ふん、往生際の悪い……」カチカチ
ハルヒ「なん……だと…?」
キョン「どうだ?」
ハルヒ「みくるちゃんの着替えシーンに替わってる……」
キョン「なるほど、俺も改めようじゃないか」
長門「うなー」シャランラ
ボスン!
キョン「PCが古典的な音を立ててぶっ壊れた……だと…?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 19:46:14.70 ID:ihudAuU4O
キョン「……まぁいい、これで話は終わりだな」
ハルヒ「うっく……ぐふぉうえぇ……ぉうふ」
キョン「どんだけ泣いてんだよ」
ハルヒ「なんでよぉ……あたしはただキョンの体操服を嗅ぎたいだけなのにぃ…」
キョン「とうとうぶっちゃけちゃったよ」
ハルヒ「あんたもあたしの体操服嗅いでいいからぁ……」
キョン「話の発端どこいった」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 19:53:47.06 ID:ihudAuU4O
長門「……」ナデナデ
ハルヒ「ぐす……有希、慰めなんていらないわよ…」
長門「慰めるは自分自身」スッ
ハルヒ「……? これって…」
長門「そう、彼の体操服」
ハルヒ「なん……だと…?」ゴクリ
キョン「……んっ?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 20:05:22.10 ID:ihudAuU4O
長門「だからもう泣くのはやめて。今から下の方を泣かせるのだから」キリッ
キョン「真顔で何言ってんの? なぁ、何やってんの?」
ハルヒ「あ……ありがとう! ありがとう有希!」グワシッ
キョン「おい、ハルヒ。その鷲掴みにした体操服を返せ」
ハルヒ「じゃああたし、家に帰ってナニするね」ニパッ
キョン「良い笑顔で何宣ってんの?」
長門「健闘を祈る」グッ
キョン「なぁ、その親指折っていいか?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 20:12:58.20 ID:ihudAuU4O
キョン「……いやいやいや」
長門「良いことをした」
キョン「……なぁ、長門? なんで俺の体操服持ってたんだ?」
長門「……? わたしもクンカクンカしてたから」
キョン「当然のようにキョトンとするな。変態しか居ないのかここは」
長門「約束は守った。ケーキを所望する」
キョン「自由かっ」スパンッ
おわり
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:36:45.63 ID:ihudAuU4O
キョン「なぁ、古泉」
古泉「なんでしょうか?」
キョン「お前ってフェチとかあったりするのか?」
古泉「なるほど、いわゆる猥談ですか」
キョン「改めて言われるとアレだが……」
古泉「そうですね……僕はうなじでしょうか?」
キョン「またテンプレートな回答だな。安心した」
古泉「おや、安心とは?」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:44:02.39 ID:ihudAuU4O
キョン「身体的特徴に惹かれるのが普通だよな?」
古泉「はあ、断言は出来ませんが……」
キョン「一般論でいいさ。それでな……この部室内には、少しばかりズレを持った人間が二人居るんだよ」
古泉「ズレですか?」
キョン「どうにも、匂いフェチらしい」
古泉「えー……つまり、女性陣の内の二人が体臭に興奮を覚えると?」
キョン「はっきり言えばそうなる」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:52:12.48 ID:ihudAuU4O
古泉「わかりました。これは相談だったんですね?」
キョン「ああ。巻き込みを図ったわけだ」
古泉「んっふ、一人で抱えるには重すぎたと言うわけですか」
キョン「正直、どう対応すりゃいいのかわからん……」
古泉「貴方が知ったということは、その二人は貴方の体臭に惹かれている、と」
キョン「体臭って言われるとなんか気分悪いな」
古泉「申し訳ありません。……しかし、好かれているなら悪いことではないのでは?」
キョン「いや、人の服を嬉々として持って帰られ、尚且つ家で発散されると聞かされた俺の心境よ」
古泉「それは……確かに複雑ですね」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:58:50.43 ID:ihudAuU4O
キョン「んで、どうすりゃいい?」
古泉「丸投げですか」
キョン「お前ならどう対処する?」
古泉「そうですね……。やはり、見て見ぬふりでしょうか」
キョン「目の前でクンカクンカされてもか?」
古泉「が、我慢しましょう……」
キョン「ひっそり後ろに近づかれて、直接嗅ぎに来られてもか?」
古泉「それは……もう諦めるしかないのでは?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:02:35.62 ID:b91IDQlgO
キョン「……なんかイヤに肯定的だな」
古泉「フェチとは人それぞれですから…」
キョン「どうせお前も気づいてんだろ? 誰が匂いフェチなのか。だから否定しないんだろ?」
古泉「分かってるなら聞かないで下さいよ……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:08:13.27 ID:b91IDQlgO
キョン「お前から、それとなく注意してみてくれないか?」
古泉「また無茶を言いますね」
キョン「もうカミングアウトを受けてから、日に日に物が無くなるのはウンザリなんだよ……」
古泉「なるほど、開き直りですね」
キョン「もうシューズが下駄箱から煙の様に消えてる光景は見たくない……っ」
古泉「ちょっとしたイジメですね」
キョン「あのフェチを飛び越えた変態達から助けてくれ……」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:15:40.06 ID:b91IDQlgO
古泉「ふむ……それでは、貴方も同じことをしてみてはいかがでしょう?」
キョン「……それによってどんな変化が起きるんだ?」
古泉「簡単に言えば、どれだけ迷惑かと伝えればいいんですよ」
キョン「目には目を……か」
古泉「しかし、これは両刃の剣でもあります」
キョン「皆まで言わなくてもわかる。というより、最悪な結末の方しか浮かばん」
古泉「何故です?」
キョン「先に本人が提案してきたからな。罪悪感が消えて悪化しかねん」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:22:51.99 ID:b91IDQlgO
古泉「……それでも、やるべきかと」
キョン「他人事だと思って…」
古泉「止めろと言って止める人ではないでしょう。だからこそ、僕に相談を持ちかけた」
キョン「その通りだよちくしょう」
古泉「大丈夫、僕も協力しますから」
キョン「あ? それはつまり……」
古泉「全力で嗅ぎにいきましょう!」
キョン「お、俺の為に変態の汚名を受けるつもりかっ?」
古泉「んっふ……仲間、でしょう?」
キョン「古泉……お前って奴は…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:29:06.09 ID:b91IDQlgO
キョン「――ハルヒ!」
ハルヒ「あら、キョン。どうしたの?」スンスン
キョン「一旦、俺の消しゴムを嗅ぐのを止めろ。話はそれからだ」
ハルヒ「えぇ? 仕方ないわね……」
キョン「よし。……ハルヒ」
ハルヒ「な、なに? 急に真剣な顔しないでよ」テレテレ
キョン「お前の体操服を渡せ」
ハルヒ「……えっ?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:59:53.63 ID:b91IDQlgO
キョン「お前が俺の私物を嗅ぐなら、代わりにお前の物を嗅がせろ」
ハルヒ「きょ、興味無いんじゃなかったの?」
キョン「いいから。渡すのか渡さないのか、どっちなんだ?」
ハルヒ「え、あ……うん。キョンが嗅ぎたいなら」カァ
キョン(照れんなよぉおおおお! 気持ちが鈍るだろうがっ!!)
―物陰―
古泉(頑張ってください! ここで引いては負けです!)
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:05:51.62 ID:b91IDQlgO
ハルヒ「じゃ、じゃあ、後で部室で渡すから」
キョン「お、おう、わかった」
古泉「――大丈夫ですか?」
キョン「今凄い死にたい」
古泉「勝負の前に力尽きないで下さいよ? それにしても、あの様子だと自身の匂いを嗅がれるのは、
少々抵抗があるようですね」
キョン「もう羞恥心なんぞ、ドブに捨てたもんだと思ってたから焦ったぜ……」
古泉「これなら、上手くいくのでは?」
キョン「そう信じたいね……」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:11:10.89 ID:b91IDQlgO
―部室―
キョン「……古泉はまだ来ないのか?」
ガチャ
キョン「……!」ビクッ
ハルヒ「お、お待たせ」
キョン「おう……」
ハルヒ「はい、これ」スッ
キョン「……おい、なんでブルマだ?」
ハルヒ「そ、そっちの方が喜ぶかと思ったのよ」カァ
キョン(……なぁ、誰でもいいから代わってくれ。失うものの方が多すぎる…)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:16:47.99 ID:b91IDQlgO
ハルヒ「かっ、嗅ぐなら早くしなさいよ…」
キョン「ああ、わかってる……」
キョン(ええい、ままよ!)ガバッ
――パシャッ
キョン「……んっ? 今の音はなんだ?」
ガチャ
長門「わたしだ」
キョン「長門!? なんで用具入れに!?」
ハルヒ「掛かったわねキョン!」
キョン「なん……だと…?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:22:37.05 ID:b91IDQlgO
ガチャ
古泉「申し訳ありません…」
キョン「古泉!?」
ハルヒ「ふっふーん、あたしがキョンをクンカクンカするのを止めるとでも?」
キョン「まさか……」
ハルヒ「そう、最初から古泉くんはあたしの協力者だったのよ!」
キョン「古泉テメエ……っ」
古泉「すみません、世界と天秤に賭けたら仕方なく……」
ハルヒ「これでキョンも世間から見れば間違いなく変態ねっ」
長門「証拠はバッチリ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:31:30.12 ID:b91IDQlgO
キョン「……何が目的だ」
ハルヒ「だってキョンったら、最近こまめに体操服やシューズを洗ってるでしょ? 匂いが足りないのよ!
匂いが!」
キョン「せめてもの抵抗だよちくしょう……」
ハルヒ「だから、これをバラまきたくなかったらちゃんと一週間は使い続けなさい!」
キョン「ちゃんとって何!? おかしいから!! 当たり前じゃないからな!?」
長門「我々にとっては必然」
キョン「自分本意にも程があんだろ!?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/25(土) 01:40:18.65 ID:b91IDQlgO
ハルヒ「約束を破ったら社会的にアウトだからねっ」
キョン「お前らは人としてアウトだよ」
長門「残念、わたしは宇宙人」
国木田「まぁまぁ、それで満足する人がいるんだから」
谷口「くよくよすんなよ」
鶴屋「さっそく上履きを頂くにょろ」
森「では私はブレザーで…」
佐々木「えっと、僕はパンツを貰えるかな……?」
橘「最初からクライマックスなのです!」
九曜「──クンカ───クンカ────」
古泉「ハハッ カオス」
おわり