3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:23:03.62 ID:zz+Nc2j7O
古泉「まずはフライパンを熱して……」
古泉「たまごをいれます」
古泉「目玉焼き……楽しみですね」
古泉「さて。醤油と塩胡椒を用意しましょう」
古泉「……」ゴソゴソ
古泉「醤油が切れてる……」
古泉「ソースで我慢してやりますか」
古泉「……あれ?」
古泉「油を入れ忘れました」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>2 すみません……] 投稿日:2010/10/20(水) 21:27:36.28 ID:zz+Nc2j7O
古泉「……真っ黒です」
古泉「…………」ゴクリ
古泉「目玉焼き丼を食べようと思っていたのに、どうすべきか」
古泉「こ、れはこれで……案外」パクッ
古泉「いけませんね」ウボァッ
古泉「……」フキフキ
古泉「癌になる原因と言われたのにも納得の味です」
古泉「……たまごは残り二つですね」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:32:27.27 ID:zz+Nc2j7O
古泉「炒飯を作りましょう」
古泉「まず、ご飯は水で洗います」
古泉「水気をよく切っておきます」
古泉「切っておいたネギ、チャーシューまたはエビなどお好みの魚介類をぶつ切りにしたものを用意します」
古泉「そして、フライパンを熱します」
古泉「……油をひきます」ドキドキ
古泉「溶き卵をフライパンに入れ、いりたまごを作ります」
古泉「たまごはクリアです」
古泉「勝利はもう、目の前ですね」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:37:27.62 ID:zz+Nc2j7O
古泉「なんだかワクワクしますね」
古泉「具を熱したフライパンに入れます」
古泉「炒めます」
古泉「ネギは一番最後に入れます」
古泉「ふふふ」
古泉「……ふふ?」
古泉「…………」
古泉「ご飯を入れ忘れました」
古泉「早く入れねばなりませんね」
古泉「あ……水気があまり切れていない」
古泉「とばさなければ。強火にしましょう」
古泉「……具が焦げてきました」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:44:55.39 ID:zz+Nc2j7O
古泉「……べちゃべちゃですね……」
古泉「よいしょっ」グチャッ
古泉「さて」
古泉「いただきマンモス」パクッ
古泉「ちょっと言ってみたかったんですよねもごもご」クチャクチャ
古泉「ふむ」ムグ
古泉「ねちゃっとしてますね……」ムグムグ
古泉「まるで残飯ですよ」ゴクン
古泉「……」カチャッ
古泉「……ふう……」
古泉「あと、何口食べれば終わるのでしょうね……」
ピンポーン
古泉「おや。誰でしょうか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:58:50.92 ID:zz+Nc2j7O
ガチャッ
古泉「おや、あなたでしたか」
みくる「あ、あの……こんばんは……」
古泉「どうしたのですか、こんな時間に」
みくる「ごめんなさい、ご飯中でしたか?」
古泉「ええ、まあ」
みくる「あっそうですか……すみません、ちょっと作りすぎたので、おすそ分けをと思ったんですけど、余計なお世話でしたね……」
古泉「えっ」
みくる「帰りますね」
古泉「あの」ガシッ
みくる「ひゃあっ!」
古泉「かたじけないですが……誠に申し訳ないのですが……そのご飯を……いただきたい……」ギチギチ
みくる「痛っ、あの、はい、わかりました! わかったので放してくださぁいっ!」
古泉「本当ですか! ありがとうございます!」パッ
みくる「はい……」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:04:45.76 ID:zz+Nc2j7O
古泉「立ち話もなんですから、中へどうぞ」
みくる「お邪魔します……」チラッ
みくる「あ……」
古泉「…………」
みくる「これ……」
古泉「本当にかたじけないです……かたじけない……今片付けます……」
みくる「えっと! あの! お片付け手伝いますね! ひゃ!」ガチャッパリンッ
みくる「ごごごごめんなさい、古泉くん……」
古泉「いやいや、大丈夫ですよ」ニコッ
古泉(これで捨てる理由が出来ました……)
みくる「ふええ……ごめんなさい、お料理出しますね」
古泉「是非!」キラキラ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:18:50.04 ID:zz+Nc2j7O
古泉「……これで大丈夫ですかね。怪我はありませんか?」
みくる「はい……あの、用意出来ました」
古泉「そうですか! それはそれは」
みくる「どうぞ。簡単な煮物とお浸しですみませんけど」
古泉「いっいえいえ、ご馳走ですよ」カチャッ
古泉「いただきます」パクッ
古泉「……」モグモグ
みくる「……えっと」ドキドキ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:22:00.80 ID:zz+Nc2j7O
古泉「……美味しいです、とても」ホワァッ
みくる「よっ、よかったです〜」
古泉「さつま揚げの旨味が染みて、噛むとジワッと溢れ出てきます。甘味も程よく、ご飯が進みますね」モグモグ
古泉「ほうれん草のお浸しも、胡麻の風味が生かされています。文句なしですよ」
古泉「これぞ和食。幸せです……」ホロホロ
古泉「僕はさっきまでなにをしていたのでしょう……」
古泉「お母さん……」
みくる「古泉くん……」ホロホロ
古泉「すみません……つい……」グシグシ
みくる「いえ……私こそ。ゆっくり食べて下さい」グシグシ
古泉「はい……」モグモグ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:42:43.63 ID:zz+Nc2j7O
古泉「……ごちそうさまでした」カチャッ
みくる「いえ、おそまつさまでした」ニコッ
古泉「すみません、遅くまでお付き合いさせてしまって」
みくる「大丈夫ですよ。私が押しかけてきたんですし」
古泉「そんな……」
みくる「いえ……」
古泉「…………」
みくる「…………」
みくる「あの」
古泉「はい、なんでしょう」
みくる「台所においてあるたまごは、なにを作るつもりだったんですか?」
古泉「ああ、あれですか」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:49:42.09 ID:zz+Nc2j7O
古泉「自炊でもしてみようと思ってですね」
古泉「たまご料理なら僕にでも出来るかと思っていたのですが……」
みくる「ええ」
古泉「その……」チラッ
みくる「……あ」
古泉「お恥ずかしい限りです」
みくる「そうだったんですか……」
古泉「あなたが来てくださって、とても助かりましたよ。いつもは支給されているレトルトか、外食が多いものですから」
みくる「そうなんですか? 食生活、偏りませんか?」
古泉「おっしゃるとおり」
みくる「それで、自炊なんですね」
古泉「このザマですがね」ニコッ
みくる「ふふ……あっごめんなさい」
古泉「いいんですよ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:56:59.22 ID:zz+Nc2j7O
みくる「……お腹、まだ空きはありますか?」
古泉「え? はい。そこそこは」
みくる「たまご、一つだけあまらせたら可哀相ですよ」
古泉「と、言うと」
みくる「ちょっと冷蔵庫、見ても大丈夫ですか?」
古泉「いいですが、たいしたものは……」
みくる「いいんです。……ありました!」ガサゴソ
みくる「小麦粉も……うん、大丈夫」
古泉「なにをなさるんですか?」
みくる「ふふ、台所、お借りしますね」
古泉「どうぞ」
古泉「一体、どうするんでしょうか」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:09:04.78 ID:zz+Nc2j7O
みくる「フライパンは……あ、ありますね。フッ素加工だ。やりやすいです」
みくる「フライパンを熱してから、一度、濡らした布巾のうえに置きます」
みくる「熱してる間、ボールにたまごと牛乳を入れて、よく混ぜます」
みくる「キレイに混ざったら、小麦粉を三回に分けて入れます」
みくる「これもよく混ぜて下さいね。空気を入れるようにです」
古泉「ほう」
みくる「古泉くん、フライパンを布巾のうえにお願いします」
古泉「あ、はい」ジューッ
みくる「えっと、キレイに混ざったのを確認したら、少し冷ましたフライパンをコンロに戻して、弱火にかけます」
古泉「ふむ」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:16:46.95 ID:zz+Nc2j7O
みくる「フッ素加工のものならだいたい油は入りませんが、他のものや剥がれかけた古いものなら、油ふくませたキッチンペーパーで少し引いて下さいね」
古泉「僕の家のものは入りませんね」
みくる「ここに、お玉で先ほどのタネをすくい、少し高めの位置から三分の一を落とします」
みくる「まあるくなるようにですね」
みくる「ふつふつと、気泡が出てきたら、裏を確認して、ひっくり返します」
古泉「おや、これは……」
みくる「裏にしたら、フライパンにフタをします。これでふっくら、厚めに出来上がりますよ」
古泉「香ばしい匂いです」
みくる「残りも同じように作れば、ホットケーキの完成です!」
みくる「メイプルシロップが無かったので、はちみつとバターで味をつけますね」
古泉「ほかほかふわふわ……バニラアイスなんかもよいですね」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:30:45.48 ID:zz+Nc2j7O
みくる「はい、どうぞ」カタッ
古泉「素晴らしいですね」
みくる「我ながら、美味しそうに出来ましたっ」
古泉「……では、いただきます」カチャッ
古泉「……」パクッ
みくる「……どうでしょうか?」ドキドキ
古泉「……どうぞ」スッ
みくる「えっ……」
みくる「あ、もしかして、美味しく……」
古泉「……」フルフル
古泉「僕だけで食べるなんて、とてももったいない味ですよ」
みくる「そんなっ……あ、いただきます」パクッ
みくる「……美味しい、です」フワッ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:49:50.06 ID:zz+Nc2j7O
みくる「古泉くん」
古泉「なんですか?」
みくる「……」
古泉「……どうされました?」
みくる「……えっと、なんでもないんです、ごめんなさいっ! 私、洗いものしちゃいますね」
古泉「え、いや、そんなことまでさせられませんよ」
みくる「いいんです。お皿、割っちゃいましたし……」
古泉「そんな、いいんですよ」
みくる「私がやりたいんですよ」
古泉「そうですか……なら、お願いします。ただし」
みくる「はい?」
古泉「皿拭きは、任せて下さいね」
みくる「ふふ、はい。わかりました」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:10:19.73 ID:8lH5X3GxO
みくる「……」ジャーッ
古泉「……あの」フキフキ
みくる「なんですか?」
古泉「今日は、ありがとうございました」
みくる「いえ……」
古泉「ご飯、とても美味しかったです。ホットケーキも」
みくる「嬉しいです……」
古泉「…………」
みくる「…………」
古泉「それで、少し思ったんですが」
みくる「はい」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:13:52.36 ID:8lH5X3GxO
古泉「ご自分の家からここまで、歩いて来られたんですか?」
みくる「……はい」
古泉「かなり、時間がかかると思うのですが」
みくる「そうですね」
古泉「わざわざ、来られたんですか?」
みくる「……はい。ごめんなさい、作りすぎたなんて、嘘で。ホントは、元々多めに作ったものなんです」
みくる「古泉くんに、食べてもらいたくて……」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:32:19.45 ID:8lH5X3GxO
古泉「……」
みくる「……困らせてますか?」
古泉「いえ……」
みくる「……ごめんなさい」カチャッ
古泉「えっ」
みくる「私、帰りますね。また、明日、学校で」
古泉「待って下さい、あの……」
古泉「よく、わからないのですが。いえ、意味がというわけでなく、その」
古泉「……」
みくる「いいんですよ、そんな。私、古泉くんにそんな顔をさせたかったわけじゃ、ないんです」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:49:56.61 ID:8lH5X3GxO
古泉「僕は……あなたの好意を嬉しいと感じていますし、あなたに今この場を離れていただきたくないと思っています」
みくる「古泉くん……」
古泉「……料理しましょう」
古泉「また明日、この時間に。教えて下さい、僕に」
古泉「まだ、わからないことばかりなんです」
みくる「……それは、料理ですか?」
古泉「ふふ、どちらでしょうか」
みくる「もう……」
古泉「お願い、出来ますか?」
みくる「……もちろんです」
古泉「ありがとうございます」
みくる「うふふ」
古泉「ふふ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:00:24.47 ID:8lH5X3GxO
古泉「……もう遅いですね」
みくる「本当ですね」
古泉「送って行きます」
みくる「いいですよ、そんなこと」
古泉「いえ、危ないですから」
みくる「ふふ、優しいですね。けど、いいんです」
みくる「もう少し、このドキドキを一人占めしていたいので……」
古泉「……そう、ですか」
みくる「はい」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:04:22.34 ID:8lH5X3GxO
古泉「なら、これだけ」スッ
みくる「わっ」フワッ
古泉「僕のものなので、少し大きいかも知れませんが。ジャケット一着でも、あたたかいですよ」
みくる「あ、ありがとうございます。嬉しいです……」
みくる「それじゃあ……」
古泉「……それでは」
ガチャッ
古泉「さて」
古泉「……明日ですね」
古泉「料理の勉強でも、始めますか」
END
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:06:34.05 ID:8lH5X3GxO
エロ無しなうえに、時間のかかる投下ですみませんでした。
これで終わりです。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:19:53.41 ID:8lH5X3GxO
あっ見ていた人がいてよかったです。
ありがとうございました。おやすみなさい