7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:12:59.04 ID:ajwMri1KO
キョン「あのな、余談すら聞いてないんだが」
橘「私は最初からクライマックスなのです!」
キョン「そうか。どうでもいいから帰れ」
橘「お断りなのです! お断りなのです!」
キョン「断ってんのはこっちだ」
橘「お邪魔します!」ダッ
キョン「お前の交渉術は勢いだけか」ベシッ
橘「アイタっ……痛いじゃないですか! 賠償としてご飯を要求するニダ!」
キョン「わかった、こいつ面倒くさい奴だ」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:18:47.59 ID:ajwMri1KO
橘「キョンだけにニダ!」
キョン「はっ倒すぞ」
橘「お腹が空いてて自然にぶっ倒れそうなのです……」
キョン「機関にいるなら金ぐらいあるだろ?」
橘「あなたに奢らせることに意義がある」キリッ
キョン「なんだ、単なる嫌がらせか」
橘「いい加減にしてください。もはや腹痛のレベルに達してるんですよ!?」
キョン「知らねぇよ……」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:23:50.42 ID:ajwMri1KO
橘「私が倒れたらあなた、どう責任をとるんですかっ」
キョン「迷惑だろうが、佐々木を呼んで引き取ってもらうさ」
橘「佐々木さんが私なんかのために来るとでも?」
キョン「どんだけ嫌われてんだよ」
橘「お腹すいた空いたスイターっ!!」ジタバタ
キョン「幼稚園児か、お前」
橘「……」チラッ
キョン「暴れながら様子見んな」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:28:55.30 ID:ajwMri1KO
キョン「しかたねぇな……」
橘「ご飯!?」ガバッ
キョン「……」ピッ
橘「どこに電話してるのです? ハッ、出前ですか!?」
キョン「もしもし、古泉か? すまんが、森さんの連絡先を…」
橘「ていっ」ベシッ
キョン「いてっ」ポロ
橘「こ、殺す気ですか!?」
キョン「すっかりトラウマだな」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:34:34.76 ID:ajwMri1KO
橘「森さんコワイ森さんコワイ……」ガタブル
キョン「はぁ……、わかったよ。家にあるもんでいいなら……」
橘「ごはん!」ガバッ
キョン「よだれ拭け。ったく、なんで俺が…」
橘「佐々木さんが、キョンさんは面倒見がいいと言っていたのです」
キョン「ねぇよ。……佐々木の奴余計なことを」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:39:44.04 ID:ajwMri1KO
橘「パジャマでおっじゃっま♪」
キョン「私服にもほどがある」
橘「このままで寝るので、私服だってパジャマです! 私服だって私服さっ!」
キョン「意味がわからん。とにかく、ちょっと待ってろ」
橘「はいっ、テレビ見て待ってます!」
キョン「いい返事だよ、ほんと……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:45:56.26 ID:ajwMri1KO
―キッチン―
キョン「ああっと……あれ? カップラーメン無かったっけか?」ガサガサ
キョン「面倒だが、茹でる方……も無いのか」
キョン「冷蔵庫に何か……見事になにもないな」
キョン「パンも無いし、ご飯も炊けてない。どうしたもんかな」
橘「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」
キョン「テレビ見て待ってろよ……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:55:22.01 ID:ajwMri1KO
キョン「お菓子ね……。シリアルならあるが、驚いたことに牛乳が無いんだ」
橘「この家の台所はどうなっているのですかっ」
キョン「お前に文句を言われる筋合いはない」
橘「どうしてくれる! この突き出したお腹の行方をっ!」バッ
キョン「ヘソを出したら風邪ひくぞ」
橘「あ、はいなのです…」イソイソ
キョン「それと、腹を突き出して食物の催促ってどういうことだ?」
橘「いったん0にしてから突っ込まないでください……」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:04:37.91 ID:ajwMri1KO
キョン「しょうがない。出前でも頼むか」
橘「あっ、どうせなら外に食べにいきましょうよ」
キョン「腹がへってるのにわざわざ遠出すんのか」
橘「どうせキョンさんが奢ってくれるなら、食べてみたいものがあるのです」
キョン「俺が金を出すのは確定か……。高い所なら却下だぞ?」
橘「大丈夫です! 行くのはファミリーレストランなので」
キョン「ん、ならいいか」
橘「さぁ、いきましょう!」
キョン「やれやれ……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:09:57.80 ID:ajwMri1KO
―ファミレス―
店員「イラサイマサーイ。ナンサース?」
キョン「2名で」
店員「コッドゾー」
キョン「ああ、はい」
橘「……あれ何人ですか?」
キョン「名札を見る限りじゃ日本人だな」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:14:37.86 ID:ajwMri1KO
キョン「何にするんだ?」
橘「うーん……」
キョン「食べたいもん決まってたんじゃなかったのかよ」
橘「それはデザートなのです」
キョン「ああ、デザートありきで考えてたのか驚いた」
橘「じゃ、このマーボー丼で」
キョン「スルーか」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:21:05.70 ID:ajwMri1KO
店員「――ッタセーアタ」カチャカチャ
橘「ありがとうなのです♪」
店員「ユックリシテイッテネ」
キョン「……さりげなくタメ口だな」
橘「ほらっ、キョンさんきましたよ!」
キョン「んじゃ、さっさと食べるか。お前のよだれで俺の食欲がヤバい」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:30:04.76 ID:ajwMri1KO
橘「……」モグモグ
キョン「……」モグモグ
橘「……」ジー
キョン「……なんだ?」
橘「それはなんですか?」
キョン「なにって……見りゃわかるだろ? ステーキ定食だ」
橘「不公平! なんという食卓の格差社会!」
キョン「メシ粒が飛ぶから叫ぶな」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:35:45.22 ID:ajwMri1KO
キョン「お前も頼めばよかっただろうが」
橘「奢りだから気を使ったんです! なのにあなたは構わずそんな高額の
一品を……ッ」プルプル…
キョン「まぁ、金出すの俺だしな」
橘「ズルいのです! 一切れプリーズ!!」
キョン「ほら」ヒョイ
橘「あ、はい……あれ?」
キョン「ん?」
橘「こんなあっさり貰えると拍子抜けです……」
キョン「いいから食えよ。そして礼を言えよ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:31:26.85 ID:ajwMri1KO
橘「――うー、食った食った」
キョン「おっさんか」
橘「失敬な! こんな可愛いうら若き乙女を捕まえて」
キョン「乙女は人前でゲップなんてしません」
橘「女性に幻想を抱きすぎですよ! 女の子だって生き物なのですから! ゲップだってするしオナラだってするんです!」
キョン「今お前が恥じらいをドブにかなぐり捨ててるのは、幻想じゃないけどな」
橘「猫をかぶるのは嫌われたくない人の前だけでいいんです」
キョン「そうだな。俺はお前が嫌いだよ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:38:57.14 ID:ajwMri1KO
キョン「よし、食ったし帰るか」
橘「ま、待ってください! まだ本命が残ってます!」
キョン「今の会話の流れでまだねだるのか。関心するな」
橘「それほどでも……」
キョン「褒めてねぇよ」
橘「店員さーん!」
キョン「本当に話を聞かないなお前は。だから佐々木に嫌われるんだよ」
橘「聞いてないんじゃなくて、マイペースなだけなのです」
キョン「マイペースは魔法の言葉だな」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:50:09.82 ID:ajwMri1KO
店員「ッタセーアタ」ドン
橘「きたきたー♪」
キョン「……なんだこの舟盛り」
橘「スペクタクルサンデーなのです! これだけアイスが盛り盛りで2500円
のお得スイーツですよ!」
キョン「デザートが主食の合計を超えてんじゃねーか!」
橘「こんな時じゃないと頼めませんもの」
キョン「ほんとお前が嫌いだ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:57:01.87 ID:ajwMri1KO
橘「〜〜♪」パクモグ
キョン「……」
橘「うぅん、おいすぃーです」
キョン「ソウディスカ」
橘「あっ、キョンさんも食べてみます? はい、あーん」
キョン「ねぇよ。……ねぇよ」
橘「二回も否定しますか。いいもん一人で食べるもん!」
キョン(これ一人で食べきれるのか……?)
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:01:24.07 ID:J75rFQIyO
橘「――キョンさん」
キョン「なんだ?」
橘「寒いのです……」
キョン「だろうよ。夏ならまだしも秋だしな」
橘「お腹が冷え冷えです……」
キョン「そりゃ腹下すように祈ってるからな」
橘「も、もう食べれない……」
キョン「……」
橘「あの……」
キョン「許さない。絶対にだ」
橘「き、鬼畜めぇっ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:07:44.88 ID:J75rFQIyO
キョン「――あ、あめぇ……。もう色んな種類のアイスが溶け合ってカオスだしさ……」
橘「面目ない……」ゲプッ
キョン「残したらもったいないからな……」ゲプッ
橘「甘いものは別腹だと思っていた時期が私にもありました」
キョン「それこそ幻想だったか…」
橘「のです……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:09:31.65 ID:J75rFQIyO
店員「アッシター」
ティウンティウン
キョン「腹がヤバい……」
橘「男のくせにだらしないですね」
キョン「よーし、後で森さん呼んでやる」
橘「すみませんでした」
キョン「ったく……じゃあな」
橘「え?」
キョン「ん?」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:15:10.96 ID:J75rFQIyO
橘「ご飯食べて終わりなんて、まるで出会い系でブサイクが来た時の対応
じゃないですか」
キョン「それよりヒドい状況だけどな」
橘「そう言わずに、もうちょっと付き合ってくださいよー」
キョン「なんで俺がお前の暇つぶしに突き合わなきゃならんのだ」
橘「こんな美少女とデートできるなんて、二度とないかもしれませんよ!?」
キョン「その絶対の自信はどこから来るんだ…?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:23:17.70 ID:J75rFQIyO
橘「とりあえず、腹ごなしにブラブラしましょうか」
キョン「まだ行くと言ってないだろうに」
橘「か、勘違いしないでよね! 佐々木さんに遊びの誘いを断られたから
仕方なくなんだからねっ」
キョン「だから話を聞け。その耳は飾りか? そして悲しい事実を突きつけるな」
橘「本当なら佐々木さんとご飯食べて、ランジェリーショップにでも連れ込む
予定だったのに……」
キョン「余計な企みも言わんでいい」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:29:44.50 ID:J75rFQIyO
橘「お願いしますよぉ」
キョン「はぁ……少しだけだぞ」
橘「やったね! じゃ、目についたからあのゲーセンに洒落こむのです!」
キョン「まだ金を使わせるか」
橘「自分で遊ぶ分ぐらいは出しますって」
キョン「ならあのデザート代も半分は出せよ」
橘「ゴー!!」ダッ
キョン「ほんとに勢いだけだなあいつ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:36:20.84 ID:J75rFQIyO
―ゲーセン―
キョン「なんか来るのも久々な気がするな」
橘「あまり来ないんですか?」
キョン「基本的に休日は団活だしな。平日も学校終わりに寄ってる暇はない」
橘「大変そうですねぇ」
キョン「まぁな。谷口や国木田にも付き合いが悪いと言われてる」
橘「誘ってくれる友達がいるだけマシですよ……」
キョン「おい、悲しくなるからやめろ」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:45:24.07 ID:J75rFQIyO
キョン「ほ、ほら、なにで遊ぶんだ?」
橘「そうですね……キョンさんは格ゲーはするのですか?」
キョン「あまり上手くはないが、中学の頃はよく対戦してたな」
橘「へぇ、じゃあやりましょうよ! 隣で見てますから」
キョン「見てるのかよ! やらないならなんで話振ったんだ!?」
橘「それがデートの定番かと……」
キョン「確かによく見るけどよ……」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:51:32.02 ID:J75rFQIyO
橘「――このっ、とあぁっ!」ブイーン
キョン「……」ブーン
橘「あー! あー! 壁に引っかかった!」ギュラララッ
キョン「……」ブーン
橘「ちょっ、タイムタイムタイム!」ボンパッパ!
キョン「……同じレースゲーム、同じコースを走ってるのに、一回も姿を
見ないってありえるのか?」
橘「ガッデム! ガッデム!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:57:54.59 ID:J75rFQIyO
橘「――もうちょい右です」
キョン「おう」ウィーヌ
橘「そう、そのまま……ストップ!」
キョン「若干ズレてないか?」ウィンウィン
橘「私の計算が正しければ、ヒモに引っかかるはずなのです!」
ティールル ティールル
キョン「……」
橘「……UFOのアームが弱いせいです!」
キョン「アームもなにもカスってすらいなかったぞ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:03:39.43 ID:J75rFQIyO
ティールル ティールル
橘「あああ!! またすべった!」
キョン「もう止めにしないか?」
橘「イヤです! あのぬいぐるみに勝つまで止めません!」ウィーヌ
キョン「募金箱とはよく言ったもんだ」
橘「ガッデム! ガッデム!」
キョン(いい加減帰りたい)
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:09:53.09 ID:J75rFQIyO
橘「……」
キョン「3000円もつぎ込むくらいなら、飯代を出せばよかったと思うんだが」
橘「うるさいのです」
キョン「ったく、涙目になるなら早めに切り上げろよ」
橘「あなたは私の保護者ですか!? くどくどくどくど、くどいです!」
キョン「そうかい。んなら、俺は帰るよ」
橘「絶対に許さない。絶対ニダ」
キョン「お前は何なんだ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:25:56.71 ID:J75rFQIyO
橘「もうゲーセンはこりごりです。次はどこに行きます?」
キョン「帰らせろ」
橘「それじゃあ、最初の提案通りブラブラとウィンドウショッピングでも
するのです!」
キョン「断る」
橘「ほら、置いてっちゃいますよー?」
キョン「置いてけ」
橘「来ないと、さっき撮ったプリクラがどこに出回るかわかりませんよ?」
キョン「お前……一人プリクラ帳とか可哀想だから撮ってやったのに」
橘「ふはは! 同情するなら大人しく来るのです!」
キョン(色んな意味で哀れだ)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:37:34.60 ID:J75rFQIyO
橘「あっ、この服可愛くないですか?」
キョン「俺に同意を求めるな」
橘「別に買えと言ってるんじゃないんですから、少しぐらい相づちをくださいよ」
キョン「オシャレなんざ俺にはわからんからな」
橘「完璧な答えなんて期待してないんですから、適当にそうだね、とか言ってりゃ
いいんですよ」
キョン「そーですね」
橘「……」
キョン「……すまん、さすがに態度が悪すぎたな」
橘「あっ、あっちのファンシーショップも覗きましょう!」
キョン「聞けよ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 20:29:08.55 ID:J75rFQIyO
橘「こんな良い所があったんですね〜」
キョン「元々あったが、あまりにも外観が地味でリニューアルしたんだそうだ」
橘「詳しいですね。誰かと来たのです?」
キョン「ああ、この間の不思議探索で朝比奈さんとな」
橘「あー、好きそうですもんね」
キョン「フェルトの人形を買ってあげたら、すごく喜んでくれたな」
橘「ちなみに私も小物が好きです」
キョン「だからなんだ」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 20:35:19.10 ID:J75rFQIyO
橘「私も可愛い小物が好きです」
キョン「ふーん」
橘「私も可愛いもふもふした小物が大好きです」
キョン「お前が求める答えを返すつもりはないぞ」
橘「チィッ!!」
キョン「そんな攻撃的な舌打ち初めてだ」
橘「数百円のものを惜しむようでは、女の子に嫌われますよ?」
キョン「問題ない。何故なら、俺はお前に好かれる気がミジンコほども
ないからな」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 20:43:26.33 ID:J75rFQIyO
橘「それは私もですが、この場面は大人の余裕を見せるべきだと思うのです」
キョン「お前は交渉に向いてないな」
橘「ならば命令するのです! 全力で私にお人形を買いなさい!」
キョン「それが通ったらお前がハルヒの代わりになれるな」
橘「ケチ」
キョン「もっと可愛いらしくいってみろ。そしたら気が変わるかもしれんぞ?」
橘「お兄ちゃんのケチんぼっ」プイッ
キョン「もう少しプライドを持て」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 20:47:43.50 ID:J75rFQIyO
橘「なんという外道。次はパンツでも見せればいいですか!?」
キョン「俺を変態に仕立てあげんな。……まぁ、いいか。もう考えるのが
面倒になってきた」
橘「じゃ、入るのです!」
キョン「へいへい」
ティロリン ティロリン
店員「イラサイマサーイ」
キョン「またかよ」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 20:55:23.87 ID:J75rFQIyO
橘「お、おお……外観だけじゃなく内装までピンクづくし」
キョン「だから入りたくなかったんだ」
橘「ただ意地悪してただけじゃなかったのですね」
キョン「客も女の子ばかりで、居心地の悪さといったらないぜ」
橘「……キョンさん知ってます?」
キョン「何をだ?」
橘「女の子は、買い物に時間をかけるものなのです!」
キョン「制限時間は10分な。それを過ぎたら電話をかける」
橘「もう余計なことは言いませんからやめてください」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 21:02:52.74 ID:J75rFQIyO
キョン「こんな宇宙人みたいなのも可愛いのか?」
橘「私の守備範囲外なのでなんとも……」
キョン「なら、これをプレゼントしてやる」
橘「……キョンさんって、いい性格してますよね」
キョン「ははっ、褒めてもこれが二倍になるだけだぞ?」
橘「あっ、この人軽くSだ」
キョン「冗談だ。お前なんぞに余計なプレゼントなんかしねぇよ」
橘「Sなのを否定してください」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 21:32:38.65 ID:J75rFQIyO
橘「あっ! キョンさんキョンさん!」グイグイ
キョン「服が伸びる。どうした?」
橘「これ! これがいいのです!」
キョン「ん、確かにもふもふしてんな。雪虫?」
橘「手触りもですが、この表情がなんとも…」
キョン「これでいいんだな? 清算してくるから待ってろ」
橘「あざーっす!」
キョン(ちょいちょいイラッとするのは何故だろう)
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 21:38:12.26 ID:J75rFQIyO
橘「ふひひ、ギザモユルス」ナデナデ
キョン「怖ぇよ」
橘「そんなこと言って、キョンさんも買ってるじゃないですか」
キョン「これはSOS団の女性陣の分だ」
橘「うわっ、出たよ八方美人」
キョン「お前は俺と遊びたいのか逆鱗に触れたいのかハッキリしろ」
橘「どっちでもいいです」
キョン「後でツインテ引きちぎりの刑な」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 21:47:09.63 ID:J75rFQIyO
キョン「ほら」スッ
橘「なんですか、これ? なんやかんやで私の気を惹きたいのです?」
キョン「寝言って目を開けてても言えるんだな」
橘「キョンさんもたいがい馬鹿にしますよね」
キョン「事実だしな。これは佐々木ともう一人……周防だっけか?
とりあえず渡しとけ」
橘「どんだけフラグを乱立したいんですか」
キョン「別にお前からの手土産でいいだろ。また付き合わされると面倒だし、
これでご機嫌でもとってろ。んで、遊んでもらえ」
橘(藤原さんが選択肢に入ってないところが、キョンさんらしいのです)
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 21:54:20.11 ID:J75rFQIyO
橘「物で釣るなんて私のプライドが許しません! 何より、仲は良いのです!」
キョン「今日一日を振り返ってみろ。どう足掻いても友達と呼べるレベル
じゃねぇだろ」
橘「うぐぅ……心に大ケガです! 賠償金を要求するニダ!」
キョン「それはもういい」
橘「なら、代わりにまたどこか行くのです」
キョン「もう何度目だろうな? 話を聞け」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 22:03:43.46 ID:J75rFQIyO
橘「暇な時でいいのです……」
キョン「……俺の頭がどうかしてる時なら、かまわん」
橘「いいのですか?」
キョン「佐々木はそんな冷たい奴じゃないだろうが、佐々木の代理くらい
ならしてやる」
橘「ありがとうなのです! パトロン、ゲットだぜ!」
キョン「よーし、お前の存在を記憶から抹消してやる」
橘「ジョーダンジョーダン、マイケル・ダグラス」
キョン「はぁ……」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[( OMO)ドンダケライダーマチダヨ] 投稿日:2010/10/21(木) 22:10:01.42 ID:J75rFQIyO
キョン「じゃ、陽も暮れてきたし気をつけて帰れよ」
橘「え?」
キョン「え?」
橘「さっきから、何をお別れ間際な雰囲気だしてるのです?」
キョン「これ以上どうすんだよ」
橘「何言ってるんですか! ここからが本題ですよ」
橘「――お腹がすきました」
なんかもういいや