1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:00:03.38 ID:LvqIddFv0
先発投手:久保 − 朝井
「ちょっ! ちょっとキョン! 先発朝井ってどういうこと!?」
「俺に訊くなよ。しかし、原も思い切ったことしてきたな。左の内海じゃなくて、右の朝井にしたのか」
「こっちは広大と俊介がスタメンだわ……。思いっきり対内海の布陣じゃない……」
「内海は阪神に打たれてるからな。朝井の調子を買って抜擢したのかもしれん」
って、聞いちゃいねえか。しかし、ハルヒがゴルフ脳だとか騒いでるが、誰のことを言ってるんだ……?
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:00:46.37 ID:LvqIddFv0
※このスッドレは『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズに登場したキャラクターが、キョンを賭けて担当チームを応援するスレです。
※原作『涼宮ハルヒの驚愕』までのネタバレがあるかもしれません。アニメだけしか観ていない方はご注意下さい。
※話の流れは実際の試合展開に順じます。
→ NHK BShi、CS「sky・A SPORTS+」などで視聴できます。
【主な登場人物】
・キョン:読売ジャイアンツファン
・涼宮ハルヒ:阪神タイガースファン
・佐々木さん:北海道日本ハムファイターズファン
【お知らせ】
・当スレの佐々木さんとキョンは、2009年日本シリーズに登場したキャラクターと同一ではありますが、
. 諸事情により(一年間の時間遡行を受け)二人で試合観戦した記憶を失い、親友という関係に戻っています。
⇒『諸事情』について知りたい方は、2010年パ・リーグ開幕カードをご参照下さい。
三回戦:ttp://www.vipss.net/haruhi/1269230814.html
※「ハルヒSSまとめサイト+α」さんより
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:04:44.94 ID:LvqIddFv0
一回表 虎0−0巨 チェンジ P:久保
坂本 右飛
亀井 からさん
小笠原 一ゴ
「先発は久保か。たしかマエケン抑えて勝率一位だったか?」
「そうね。久保は完封完投って感じのピッチャーじゃないけど、しっかり試合を作ってくれてたわ」
「そのわりには浮かない顔してるじゃないか。久保に何か問題でもあるのか?」
「……シート打撃中に新井さんの打球がスネを直撃したのよ」
「それで先発かよ、大丈夫なのか?」
「そんなことわかるわけないでしょ! できることなら完治させてあげたいわよ」
結局三凡かよ。ハルヒが妙なことをしでかしたとは思わないが、今日も簡単には勝てなさそうだ。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:09:43.37 ID:LvqIddFv0
一回裏 虎0−0巨 無死一塁 P:朝井
マートン 右安
「朝井ってなんなのよ……」
「俺も内海だとばかり思ってたからな。今日の原にはいい意味で驚かされたぜ」
「まあいいわ。うちは不動のスタメンが多いから、たいした影響もないわよ」
ハルヒにしては珍しく強がりか――と思いたいところなんだが、さっそくヒット打たれてるじゃねえか……。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:13:57.83 ID:LvqIddFv0
一回裏 虎1−0巨 二死一塁 P:朝井
平野 三犠打
鳥谷 みのさん
新井 右タイムリー!
「鳥谷三振か。得点圏に送られちまったが、なんとか凌げるかもな」
「まだよ! 一塁にランナーが居なければ新井さんが――さっすが新井さんね! あっさり先制よ!」
「おい、朝井先発で本当に良かったのか……?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:18:26.83 ID:LvqIddFv0
一回裏 虎2−0巨 二死一三塁 P:朝井
城島 中安
ブラゼル 右タイムリー!
「ジョニキも続いたわね! ここは一気にたたみかけるわよ!」
「これ以上の失点はマジでやばいぞ……。って、おい!」
「ブラニキも最高だわ! このまま試合を決めちゃいなさい!」
ハルヒ、さっきからジョニキとかブラニキとか言ってるが、誰のことだ?
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:26:10.84 ID:LvqIddFv0
一回裏 虎2−0巨 チェンジ P:朝井
広大 よんたま
藤川俊介 三ゴ
「満塁かよ……」
「広大よくやったわ! 俊介も続くのよ!」
朝井はコントロールが悪いな。このままだと本当に試合が決まっちまうぞ……。
「あー、俊介は続かなかったわね。まあいいわ、これからいくらでも点取れそうだし」
原の起用は意表を突いたと思う。思うが、肝心の朝井が雰囲気に飲まれちまったな……。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:30:53.60 ID:LvqIddFv0
二回表 虎2−0巨 二死 P:久保
ラミレス 中安
慎之助 三併殺
「よしよし、ラミちゃんよく打った」
「別にいいわ。次抑えればいいのよ」
「ハルヒ、慎之助はそう簡単に――おい、最悪じゃねえか……」
「ふん! 久保にかかればこんなものよ!」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:34:43.66 ID:LvqIddFv0
二回表 虎2−0巨 二死満塁 P:久保
由伸 投安
長野 左安
古城 死球
朝井 → スンヨプ
「由伸の打球が久保を直撃したみたいだが、大丈夫そうだな」
「そうみたいね。新井さんのこともあったからヒヤっとしちゃったわ」
「お、長野も続いたか」
「ちょっと、あとワンナウトなんだからしっかり――もう! なんでここでデッドボールなのよ!」
慎之助のゲッツーがマジで悔やまれるぞ……。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:37:57.62 ID:LvqIddFv0
二回表 虎2−0巨 チェンジ P:久保
スンヨプ 遊飛
「よっし! ナイスよ久保!」
「やれやれ、抑えられちまったか」
「なによキョン。あんまり悔しくなさそうじゃない」
ああ、まあな。ようやくスンヨプを手放せるかと思うとせいせいしてるんだ。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:40:11.27 ID:LvqIddFv0
二回裏 虎2−0巨 一死 P:グラシン
久保 三ゴ
「ピッチャーはグライシンガーなのね。……結局朝井はなんだったの?」
ハルヒ、それは俺が訊きたいぞ。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:49:41.35 ID:LvqIddFv0
二回裏 虎2−0巨 チェンジ P:グラシン
マートン 遊安
平野 遊ゴ(エンドラン・二塁封殺)
鳥谷 二ゴ
「せっかくマートンが出たのに抑えられちゃったわ」
「そのマートンも打ち取ってた当たりだったからな。グラシンは大丈夫そうだ」
「なによ、せっかく圧勝できそうな流れだったのに」
……ハルヒ、圧勝も辛勝も同じ一勝なんだからな。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:52:05.18 ID:LvqIddFv0
三回表 虎2−0巨 無死一塁 P:久保
坂本 左安
「CSの解説はムッシュとふくもっさんなのね」
「阪神のホームゲームだからな。解説も阪神寄りか」
「平野がふくもっさんにいじられる様子が目に浮かぶようだわ……」
なんだ、平野はいじられキャラなのか?
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 14:58:59.03 ID:LvqIddFv0
三回表 虎2−0巨 チェンジ P:久保
亀井 からさん
小笠原 からさん
ラミレス からさん
「なにやってんだよ亀井、バントもできねえじゃねえか」
「久保の投球術が勝ったようね。好調だった小笠原も三振よ!」
「しかも、ラミレスまで三振かよ……」
「ふふ、いいわね久保。その調子よ!」
まだ序盤とはいえ、流れが悪すぎるぞ……。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:04:46.29 ID:LvqIddFv0
三回裏 虎2−0巨 一死三塁 P:グラシン
新井 右二
城島 三直(グラシンWP・新井三進・小笠原好捕)
「今の当たりがツーベースかよ……」
「落ちたところが良かったわね! 絶好のチャンスだわ!」
「打たれちまったもんは仕方ねえ。ここは落ち着いて――おい! 暴投はマズいだろ!」
「わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい!」
このままだと本当に試合が決まっちまうぞ。なんとかしてくれ!
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:08:06.33 ID:LvqIddFv0
三回裏 虎2−0巨 一死一三塁 P:グラシン
ブラゼル よんたま
「ブラゼルとは勝負を避けたのね」
「ブラゼルよりは桜井の方がまだいいだろ。一塁埋めればゲッツーだって……」
「ゲッツー? あんたのとこは前進守備敷いてるわよ」
一点の重みはわかるが、桜井の脚だったらゲッツーシフトでもいいんじゃないか……?
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:12:32.13 ID:LvqIddFv0
三回裏 虎3−0巨 チェンジ P:グラシン
広大 右犠飛
藤川俊介 投ゴ
「いいわよ広大! この追加点は大きいわ!」
新井のツーベースからしても、流れは完全に向こうだな……。
やれやれ、すぐに追いついてくれとまでは言わないが、早いとこ点差を縮めてくれよ?
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:20:41.88 ID:LvqIddFv0
四回表 虎3−0巨 チェンジ P:久保
慎之助 投ゴ
由伸 右二
長野 二ゴ(平野好捕!)
古城 投ゴ(久保打球を弾く)
「よし! いいぞ由伸!」
「追加点の直後だっていうのに、ちょっといやな感じね」
「ここで点差を縮めないとな。よし、長野ナイス――おい、あれがアウトになるのかよ……」
「古城の当たりまで平野の方に飛んで行ったわ! まさに平野ゾーンね!」
ハルヒ、妙なテニス漫画と混同するんじゃない……。しかし、巨人は最悪の流れだな……。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:25:41.68 ID:LvqIddFv0
四回裏 虎3−0巨 チェンジ P:グラシン
久保 一ゴ
マートン 二飛
平野 一ゴ(亀井好捕!)
「やれやれ、三者凡退か」
「それにしても、あの平野の当たりをよく捕ったわね」
ああ、ファインプレーだな。その後の処理も含めて胸の空くようなプレイだったぞ。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:27:33.06 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−0巨 一死 P:久保
グラシン → 松本 みのさん
「松本まで三振かよ……」
「今日の球審はかっこいいポーズの人なのね」
ハルヒ、ちゃんと名前で呼んでやれ……。
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:29:30.74 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−0巨 一死一二塁 P:久保
坂本 左安
亀井 二失
「坂本はよく打ってるな」
「そうね。まあ次の亀井を抑えてるから――ちょっと! 何してんのよ平野!」
「ゲッツー捕るためのダイレクトグラブトスだったのか?」
「あれはただ弾いただけよ……」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:30:51.83 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−1巨 一死一三塁 P:久保
小笠原 右タイムリー!
「よっしゃ! さすが小笠原だっぜ!」
「ちょっと! いきなり何打たれてんのよ!」
頼むぜラミちゃん! ここでホームランだ!
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:34:22.69 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−2巨 二死一塁 P:久保
ラミレス 中犠飛
「よしよし、ナイス最低限だ!」
「キョン、今のあんたの台詞だけど、日本語的にはおかしいんじゃないかしら……」
言葉ってのは伝わればいいんだよ! それより慎之助! ここで打ってくれよ!
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:36:23.47 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−2巨 二死一二塁 P:久保
慎之助 左安
「ようやく慎之助にもヒットが出たか」
「もう! 何やってんのよ! 追いつかれそうじゃない!」
頼むぞ、由伸。一気に追いついてくれ!
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:40:56.12 ID:LvqIddFv0
五回表 虎3−2巨 チェンジ P:久保
由伸 からさん
「くそっ! ここで三振かよ……」
「高橋にはここまで二安打されてたわね。久保もよく抑えたわ」
一点差止まりかよ。CSに相応しく、重い展開になりそうだな。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:44:37.07 ID:LvqIddFv0
五回裏 虎3−2巨 無死一塁 P:MICHEAL
鳥谷 中安
「あら、マイケルじゃない」
「去年はひどかったがな。今年はそこそこの働きしてくれてるんだよ」
「ま、鳥谷の敵じゃなかったみたいね」
ハルヒから挑戦的な視線を向けられるのはわかる。
しかし佐々木、なんでお前まで敵意に満ちた視線を送ってくるんだ……。
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:46:14.56 ID:LvqIddFv0
五回裏 虎3−2巨 一死一塁 P:MICHEAL
新井 みのさん
「よし、新井は抑えたな」
「新井さん、広島のユニフォームで応援してた人に動揺したのかしら……?」
いや、それはないだろ……。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:50:00.99 ID:LvqIddFv0
五回裏 虎4−2巨 二死二塁 P:MICHEAL
城島 遊失
ブラゼル 中犠飛
「よし! これはゲッツーコースだ――おい、何やってんだよ坂本……」
「ここでブラゼルね! まだまだ流れはウチにあるわ!」
「あっさり犠牲フライかよ……。しかも、城島に二塁行かれてるじゃねえか……」
「センターの長野が油断してたみたいね。城島はこういういやらしい走塁があるのよ!」
ハルヒ、あまり褒め言葉に聞こえないのは俺の気のせいか?
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 15:54:10.89 ID:LvqIddFv0
五回裏 虎4−2巨 チェンジ P:MICHEAL
広大 遊ゴ
「やれやれ、一点で抑えてくれたか」
「まあいいわ。ここで追加点取れたんだもの」
せっかく掴みかけた流れを、エラーと油断で逃しちまったか……。
「さあキョン! おっサンテレビに移動よ!」
ハルヒ、関西ローカルのネタを出すんじゃない……。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:05:03.80 ID:LvqIddFv0
六回表 虎4−2巨 チェンジ P:久保
長野 からさん(ハーフスイング)
古城 右飛
MICHEAL → 谷 右安
坂本 右飛
※桜井 → 浅井(右)
マートン(右) → (左)
「久保はよく投げてるわね。打撲の影響もなさそうだわ」
「せっかくよしくんがヒット打ったのにな。やれやれ、坂本はまたポップ病か」
しかし、9安打でたったの2点かよ。拙攻にも程があるだろ……。
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:08:58.80 ID:LvqIddFv0
六回裏 虎4−2巨 無死一塁 P:高木
藤川俊介 よんたま
「ストレートのフォアボールよ! また追加点のチャンスね!」
「高木はストライクが入らないな。最終戦の3ランが尾を引いてるのか……?」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:15:02.17 ID:LvqIddFv0
六回裏 虎6−2巨 一死三塁 P:高木
上本 投犠打
マートン 敬遠
平野 中三タイムリー!
「いいわね! 上本ナイスバントよ!」
「マートンは結局敬遠か」
「ふふ、平野勝負なのね。……まあいいわ」
「って、おい! 敬遠したマートンまで返すなんて、最悪じゃねえか……」
「あの平野が二打点なんて……、どういう流れなの……?」
ハルヒ、お前は何を驚いてるんだ?
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:20:38.10 ID:LvqIddFv0
六回裏 虎6−2巨 チェンジ P:高木
鳥谷 投ゴ
新井 からさん
「平野までは返せなかったわね」
「しかし4点差かよ……、いよいよ追い詰められてきたな……」
「ふふ、今日の試合はもらったも同然ね!」
やれやれ、しかも7回から久保田かよ……。
今日負けたって明日があるんだ。このままあっさり終わるんじゃねえぞ。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:23:48.23 ID:LvqIddFv0
七回表 虎6−2巨 一死二塁 P:久保田
亀井 二ゴ
小笠原 右二
「亀井は相変わらずだな……」
「そうね。……ちょっと、小笠原も相変わらずじゃない」
ツーベースか、ここからビッグイニングと行ってもらいたいところだぜ。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:28:59.64 ID:LvqIddFv0
七回表 虎6−5巨 二死 P:久保田
ラミレス 一ゴ
慎之助 二タイムリーエラー
由伸 右2ランホームラン!
「今の守備がエラーになるのか」
「あれがエラーになるなんて、平野もやってられないわね」
「まあこっちにとっちゃヒットでもエラーでも嬉しいがな――って、おい! マジでか!」
「ちょ、ちょっと! なにやってんのよ久保田! しっかり抑えなさい!」
まだこっちにも運が残ってたみたいだな。頼む! このまま追いついてくれ!
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:32:08.11 ID:LvqIddFv0
七回表 虎6−5巨 チェンジ P:久保田
長野 左安
古城 中飛
「結局一点差止まりか」
「6回裏の2点が大きかったわね。大丈夫よ、まだウチがリードしてるんだし!」
やれやれ、高木の乱調が本当に余計だったな。
いや、それを言うなら坂本のエラーもか……。
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:33:41.12 ID:LvqIddFv0
七回裏 虎6−5巨 攻撃前 P:高木
「トラッキーはいつ見てもかわいいわね」
画面に映る阪神マスコットと共に踊っていたハルヒが、また珍妙なことを言い出しやがった。
「よし! 今度みくるちゃんに着せましょう!」
おい、朝比奈さんは可憐な少女なんだ。せめてガールフレンドのラッキーにしてやれよ。
「キョンの提案も朝比奈さんの不興を買いそうなのだけれど、僕の思い過ごしなのだろうか……」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:39:25.49 ID:LvqIddFv0
七回裏 虎6−5巨 二死 P:高木 → 越智
城島 遊ゴ
ブラゼル からさん
「佐々木さん!」
けたたましい音をたてて、橘がドアを蹴破ってきやがった。
涙目になってるところを見ると、ホークスは負けたのか。
「どうしたんだい? 橘さん……えっ!? どうして僕にくっつくの?」
「佐々木さんに慰められに来たんです。佐々木さんだって彼にくっついているのですから、これくらいいいじゃないですか」
佐々木は戸惑いながらも橘の勢いに押され、なすがままになっている。
俺に抱きついてる佐々木に、更に橘が抱きつく格好だ。おい、これは何の組体操なんだよ……。
「キョン、あんたずいぶん楽しそうね」
ハルヒ、お前も何かつっこめ。
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:44:25.88 ID:LvqIddFv0
七回裏 虎6−5巨 二死一二塁 P:越智
浅井 中安
藤川俊介 よんたま
久保田 → 檜山
「おい、藤川にフォアボールはマズいだろ……」
「次はひーやんなのね……」
ハルヒ、なぜ微妙な表情をするんだ?
「ここーでいっぱつかーけろー!」
ハルヒ、なぜ条件反射的に応援歌が出てくるんだ…・・・?
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:46:58.96 ID:LvqIddFv0
七回裏 虎6−5巨 チェンジ P:越智
桧山 からさん
「よっしゃ! ナイスだ越智!」
「まあ、こんなものね」
ハルヒ、その落ち着きはどこから来るんだ。
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:52:43.93 ID:LvqIddFv0
八回表 虎6−5巨 一死 P:球児
脇谷 投ゴ
「おい、ここで球児かよ……。まだ八回だぞ?」
「短期決戦なのよ? 出し惜しみなんてしてられないわ!」
「終盤はずいぶん疲れてたみたいだからな。つけいる隙はあるはずだ」
「シーズン終わってから何日経ってると思ってんの? 球児の疲労だってもう解消されてるわよ」
ハルヒが指摘するとおり、藤川の球もかなり走ってるな。
やれやれ、打線の奮起に期待するしかないか。
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 16:55:22.72 ID:LvqIddFv0
八回表 虎6−5巨 二死 P:球児
坂本 からさん
「くそっ、三振かよ……」
「あとアウト4つよ! 絶対に抑えなさい!」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:01:23.46 ID:LvqIddFv0
八回表 虎6−5巨 二死二三塁 P:球児
亀井 よんたま(あわやホームランのファウル)
小笠原 右二
「えっ!? まさか球児が……」
「おい! まさか亀井が……」
「結局フォアボールだったわね。まあホームランよりはマシってものだわ」
「次は当たってる小笠原か――おお! さすがだガッツ!」
「何よ、一気に逆転されそうじゃない……」
ここでラミちゃんか、マジで頼むぞ! 二冠王!
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:06:30.92 ID:LvqIddFv0
八回表 虎6−7巨 二死一塁 P:球児
ラミレス 中タイムリー!(代走:鈴木)
「よっしゃ! ラミちゃんさすがだぜ!!」
「もう……、なんなのよ……」
ようやく二冠王らしい働きをしてくれたな。まったく、ラミちゃん様々だっぜ!
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:09:13.78 ID:LvqIddFv0
八回表 虎6−7巨 チェンジ P:球児
慎之助 二ゴ
「この試合で初めてリードしたか。このまま抑えてくれよ」
「まだまだこれからよ! あんたのチームの守護神を引きずり出せばいいだけじゃない!」
やれやれ、お前はどうしようもなくハルヒらしいよ。
守護神が打たれたってのに、まだまだ勝つ気満々じゃねえか。
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:14:47.90 ID:LvqIddFv0
八回裏 虎6−7巨 一死 P:越智
マートン 遊ゴ
「マートンが先頭打者か」
「年間最多安打を更新したバッターなのよ! ここで打ちなさい!」
ショートゴロか。やれやれ、坂本のところに打球がいくと、心臓が止まりそうだ。
「まだよ! 次は打率二位の平野がいるわ!」
しかし、お前のチームは本当に嫌なバッターばっかりだな……。
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:19:33.88 ID:LvqIddFv0
八回裏 虎6−7巨 二死一塁 P:山口
平野 からさん
鳥谷 右安
「よし、いいぞ山口」
「くっ! 鳥谷だって三割バッターなんだから! ――ほら見なさい!」
ツーアウトだが、ランナーのいる状況で四番かよ……。
やれやれ、頼むぜ山口。
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:22:48.18 ID:LvqIddFv0
八回裏 虎6−7巨 チェンジ P:山口
新井 右飛
「よし! 山口ナイスピッチだ!」
「ふん! 最終回にサヨナラ勝ちの方が勢いつくじゃない。この回はあんたに花を持たせてやっただけよ!」
九回か。やれやれ、気が重い。
頼むからあいつを出してくれるなよ……。
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:28:23.63 ID:LvqIddFv0
九回表 虎6−7巨 二死二塁 P:球児
由伸 左飛(マートン好捕!)
長野 よんたま
山口 投犠打
「球児も集中力を乱してるようね」
「長野に投げた最後の球なんか、完全にすっぽ抜けてたな」
「九回裏に逆転サヨナラするんだから! 球児! これ以上点取られるんじゃないわよ!」
こっちとしても一点差は怖いんだ。脇谷頼むぜ。
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:32:12.17 ID:LvqIddFv0
九回表 虎6−7巨 二死一二塁 P:球児
脇谷 よんたま
「藤川の球が荒れてきてるな」
「なによ、ただ塁が埋まっただけでしょ。次抑えればいいだけじゃない」
やれやれ、ハルヒの強心臓には呆れるのを通り越して賞賛したくなっちまうぞ。
まあ、こっちとしては追加点が欲しいところなんだ。タイムリー打ってくれよ。
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:34:36.38 ID:LvqIddFv0
九回表 虎6−7巨 二死満塁 P:球児
坂本 よんたま
「またフォアか、これで満塁だな」
「大丈夫よ、まだ点が入ったわけじゃないわ」
絶好のチャンスだな。ただ、次は亀井なのか……。
「キョン、なんであんたが暗くなるのよ……」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:37:52.84 ID:LvqIddFv0
九回表 虎6−7巨 チェンジ P:球児
亀井 中飛
「さすが球児ね!」
「さすが亀井だな……」
「キョンと涼宮さんを見ていると、どちらが勝っているチームなのかわからなくなってしまいそうだよ……」
佐々木、最終回の怖さはお前だって充分知ってるだろ……。
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:40:11.80 ID:LvqIddFv0
九回裏 虎6−7巨 一死 P:山口
城島 中飛(鈴木好捕!)
「先頭は城島かよ……、一発は警戒しろよ――って、なにやってんだ!」
「いいわ! その調子でスタンドまで……くぅ〜! あと一伸びじゃない!」
鈴木はよく捕ったな。ツーベースでも大ピンチだったところだ……。
286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:44:41.19 ID:LvqIddFv0
九回裏 虎6−7巨 二死 P:山口
ブラゼル 三邪飛
「ここでホームランよ! ブラゼル打ちなさい!」
「くそっ、めちゃくちゃ粘られてるじゃねえか――よし、なんとか抑えたか」
「まだよ……、まだ、終わってないもん…・・」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 17:50:59.30 ID:LvqIddFv0
九回裏 虎6−7巨 試合終了 P:山口
浅井 投ゴ
勝ったか……。やれやれ、なんて試合してくれるんだよまったく。
「…………」
直前まで懸命に応援していたハルヒも、言葉がないようだ。
さて、SOS団の平団員としては、団長殿に何か声をかけるべきなのかね――って、おい。何してるんだハルヒ……?
「キョン、じっとしてなさい……」
ハルヒは俯いたまま俺の胸に腕を回している。なんだ、何の冗談だ? それとも古泉あたりのドッキリか?
「佐々木さんだって、あんたにくっついてるでしょ……。これくらいいいじゃない」
「いや、いいも何も……お前がそれでいいなら俺は――」
団長殿のご乱心に俺はすっかり混乱していた。
この時、母親からおやつを持たされた妹が、ドアを開けたままこちらを不思議そうに見つけてたのにも気付かなかったくらいなんだからな……。
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/17(日) 18:07:42.50 ID:LvqIddFv0
お疲れ様でした!
先発朝井という奇策を講じられながらも、持ち前の打力で跳ね返した阪神と、
イニシアチブを取られながらもしつこく食い下がり、終盤で試合をひっくり返した巨人。
どちらも伝統の一戦に相応しい打撃戦を見せていただきました。
敵地ながらも阪神を破った巨人が、中日とどのような戦いを繰り広げるのか、今から楽しみです。
次の予定なのですが、水曜日のセCSファイナル第一戦でスレを立てようと思っております。
※パCSファイナルも続いておりますが、時間が合うか不明ですので、明日は未定です。
本日はお付き合い頂きありがとうございました。
よろしければまた次の試合もよろしくお願い致します。
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 19:33:41.25 ID:LvqIddFv0
「ねえ、キョン」
宵闇に包まれた通学路で、後部座席に鎮座するハルヒがためらいがちに問いかけていた。
「佐々木さん、何があったの?」
「佐々木か。正直言って、詳しいことは俺にもわからん。ただ、あいつの応援する日ハムがCS出場を逃したことに起因してるらしいぞ」
口に出してしまうとなんとも間抜けな理由だ。ハルヒが変に勘違いしなければいいんだが。
「そう……。そうだったのね」
俺の予想とは裏腹に、ハルヒにとっては得心のいく回答であったようだ。
女同士なにか通じるものでもあるのだろうか。いや、この場合神様同士というべきなのか?
俺としては、佐々木にべったり張り付かれてることに対して、何か言われるんじゃないかと戦々恐々だったんだがな。
「なあハルヒ、佐々木はあんな態度を取っちゃいるが、だいぶ傷心してるみたいなんだ。俺が言うのもおかしいが、そっとしておいて――」
「なによそれ! あたしに『キョンから離れろ』とか言わせたいわけ!? そんなこと……できるわけないでしょ!」
今の言葉のどこにハルヒを怒らせる要因があったのかわからないが、神の逆鱗に触れてしまったようである……。
しかし、なんでそこまで怒るんだよ。普段のお前だったら、朝比奈さんに少し触れたくらいで烈火の如く怒るじゃないか。
――などと、怒気を露(あらわ)にするハルヒに言えるはずもなく。俺はただ「すまん」と答えるしかできなかった。
やれやれ、自分の情けなさに呆れちまうよ。一年半もの付き合いになるのに、未だにハルヒの気持ちをわかってやれないんだからな。
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 19:34:30.80 ID:LvqIddFv0
昨日と同じようにハルヒの家をめがけて黙々とペダルを漕いでいる。唯一違うのは、その沈黙が気まずいということだ。
俺自身が招いてしまったという負い目もあり、暗澹たる気持ちに拍車をかけている。
「佐々木さんね……」
まもなく家に到着しようかという頃、消え入りそうな声でハルヒが何かをつぶやきだした。
その声は普段のハルヒからは考えられないくらい小さかった。俺に伝えることを迷ってるのだろうかと勘違いしてしまいそうな程に。
「キョンと一緒に居るのに、なんだか辛そうだった」
いきなり妙なことを言い出すじゃないか。佐々木が辛い思いをしてまで俺にひっついてるなんて、あいつはいつから修行僧になったんだ?
「そうじゃないわよ! そうじゃ、ないの……」
佐々木のフォローをしたつもりだったんだが、間抜けなことを言ってしまったようだ……。
やれやれ、いつもと雰囲気の違うハルヒに、俺までまでつられちまったんだろうか。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 19:35:24.50 ID:LvqIddFv0
「佐々木さんね、あんな風にしてるけど、きっと覚悟してるんだと思う。たぶん、これから先ずっとあんたと……」
声が細く掠れていく。ハルヒがどのような予想をしていたのか、俺の耳には最後まで届かなかった。
「あんな顔するなんてずるい。あんな風に、大好きなぬいぐるみを取り上げられそうな子供みたいに、キョンに縋りついてるなんて」
佐々木はそんな顔をしていたのだろうか。どんな気持ちで俺を頼ってきたのだろうか。考えてみればわからないことだらけだ。
「あたしは、あんな風に……」
それ以降ハルヒの口が開くことはなかった。
何か声をかけるべきだということはわかっている。けれど、その言葉を紡ぎ出すことはできなかった。
ついこの間も感じた記憶の空白、曖昧模糊とした去年の思い出が何かを握っているのだろうか。
二人乗りの自転車は、長くゆるい上り坂を全速力で駆け上がっていく。胸にモヤモヤと纏わりつく違和感を吹き飛ばせとばかりに。
<セ・リーグCSファイナルステージ第一戦につづく>