1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 22:23:38.04 ID:YMqje1JT0
キョン「え?…これ、俺にくれるのか?」
ハルヒ「アンタ以外ここに居ないでしょうがっ」
キョン「ありがとう。…でもなんで?」
ハルヒ「…アンタ自分の誕生日も忘れちゃったの?」
キョン「あ…そうか…」
ハルヒ「もう…」
キョン「…」
ハルヒ「…」
スレ立ったら書く
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 22:30:40.16 ID:YMqje1JT0
キョン「ありがとう」
ハルヒ「それ、さっきも聞いたわよ」
キョン「まあ、嬉しくてさ。早速明日から着けていくよ」
ハルヒ「それはいいけど、私があげたことは言わないでよ」
キョン「ん?なんでだ?」
ハルヒ「だって恥ずかしいじゃない。とにかく、秘密よ」
キョン「…ああ、分かった」
キョン「秘密だ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 22:49:00.16 ID:YMqje1JT0
予感めいたものなど、何ひとつなかった。
ハルヒ「キョン!今日自転車借りるからね!」
キョン「はあ?そりゃまたなんでだ?」
ハルヒ「みくるちゃんを攫ってショッピングにね」
キョン「攫うってなんだ。2人のりで行くってのか?」
ハルヒ「そうよ」
キョン「危ないだろ、やめとけ」
古泉「まあまあ、いいではないですか」
キョン「おいおい、事故ったらどうするんだ」
ハルヒ「私がそんなヘマするわけないでしょ」
キョン「やれやれ…」
ハルヒ「あ、有希も一緒に行く?」
キョン「どんな大道芸人だ、やめとけ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 23:06:14.09 ID:YMqje1JT0
みくる「キョン君、お茶ですう」
キョン「あ、どうも」
ハルヒ「ってお茶なんてどうでもいいのよ!」バシャー
キョン「熱ぶぅっ!」
ハルヒ「みくるちゃん、さっさと行くわよ!」
みくる「あ、は、はい!」
キョン「ひぃぃ」ジタバタ
みくる「あの、キョン君、ごめんね」
ハルヒ「いいからはやく!」グイ
みくる「わー」
キョン「うぃぃ!」バタバタ
長門「…」
古泉「…」ピロリン
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 23:27:28.36 ID:YMqje1JT0
長門「ハンカチ…使って」
キョン「お、サンキュ」
古泉「さて、今日はオセロでもしましょうか」
キョン「おい、長門だけ仲間はずれにする気か?」
古泉「いえ、長門さんとしようかと」
キョン「チクショ」
長門「3人で出来る方法がある」
キョン「ほう」
長門「三角形の駒を作ればいい」
古泉「ほう、それはいい考えですね」
キョン「非常に滑稽な画が浮かんだんだが…」
古泉「それぞれの面に、白、黒…あなたは茶色でいいでしょう」
キョン「チクショ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 23:41:22.79 ID:YMqje1JT0
ガチャ
キョン「ん?」
みくる「あの…」
キョン「朝比奈さん、どうしました?」
みくる「最後の人は戸締りよろしく、だそうです」
キョン「あ、はい」
みくる「では、さようなら」
バタン
キョン「メールすりゃいいのに…」
古泉「おっちょこちょいですね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/13(月) 23:56:57.50 ID:YMqje1JT0
キョン「しかしハルヒたちは何を買いにいったんだ」チョキチョキ
古泉「んふっ、気になりますか」ペタペタ
キョン「顔寄せんなキモい」
長門「朝比奈みくるの衣装を買うと言っていた」チョキチョキ
キョン「そうか」
古泉「彼女が居なくて寂しいですか?」
キョン「そんなんじゃねえよ鼻息キモい」
長門「…」チョキチョキ
キョン「あれ…」
古泉「どうしました?」
キョン「三角形じゃ駄目じゃん」
長門「…」ペタペタ
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:05:48.41 ID:fMpNSkyw0
古泉「オセロはもういいです」
キョン「いいのかよ」
長門「…」
古泉「どうです?ゲームセンターに行くというのは」
キョン「いいな、長門も行くだろ?」
長門「…」コク
古泉「では、行きましょうか」
〜玄関〜
古泉「あ、そうそう、涼宮さんの能力は無くなりましたよ」
キョン「さらっとすごいこと言うなよ」
古泉「それも数ヶ月前にね」
キョン「尚更びっくりだわ」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:20:18.15 ID:fMpNSkyw0
古泉「去年の…そうですね、あなたの誕生日くらいでしょうか」
キョン「なんだよ」
古泉「そのあたりから閉鎖空間の発生が格段に減りました」
キョン「…」
古泉「そして、今度は彼女の誕生日です」
キョン「もういいって」
古泉「その日以来一度も発生していないのです」
キョン「あっそ」
古泉「どういうことなのでしょう」
キョン「知らん」
長門「二人は交際している」
キョン「おい!」
古泉(やはりリア充…死んでほしい)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:27:53.10 ID:fMpNSkyw0
古泉「まあいいですよ。別に貴方たちの関係なんざ興味ないですし」
キョン「お前から話題振ってきたんじゃないか」
古泉「その腕時計が誰からのものかなんてどうでもいいです」
キョン「あ、こ、これは…」
古泉「長門さん、先に行きましょう」
長門「…」コク
キョン「おい、お前らチャリ持ってんのかよ」
古泉「では、また後で」
チリンチリーン
キョン「…」
キョン「ひっでえ奴ら」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:34:41.11 ID:fMpNSkyw0
キョン「歩いて行くと遠いな…」
テクテク
キョン「…」
テクテク
キョン「…」
テクテク
〜10分後〜
キョン「…引き返してきてくれないの?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:47:42.88 ID:fMpNSkyw0
ブロロロロ キキー
キョン「ん?」
古泉「乗ってください!」
キョン「なんだ、わざわざタクシー呼んでくれたのか」
古泉「そんな悠長なこと言ってないで早く!」
キョン「なんだよ…」
バタン ブロロロロ〜
キョン「お、長門もいたのか」
長門「…」
キョン「なんだ?返事してくれてもいいだろ」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 00:55:37.29 ID:fMpNSkyw0
古泉「いいですか?お、落ち着いてk聞いてくださいね」
キョン「うんまずお前が落ち着こうか」
古泉「s涼宮さん、と朝比奈さんが…」
キョン「うん」
古泉「じ、事故に…」
キョン「え」
古泉「事故に泡、遭われました」
キョン「な…」
それを聞いた途端、頭の中が未使用のティッシュのように真っ白になった。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:02:58.36 ID:fMpNSkyw0
古泉「それで今、彼女らが搬送された病院に向かっているのです」
キョン「おいっはやく!もっとスピード出せよ!」ガンッガンッ
荒川「いて、いてて」
古泉「おちn、落ち着いて」
キョン「これが、落ち着いて、られるかよ!」ポロポロ
古泉「…もう少しスピード出せますか?」
荒川「いや、赤信号ですし…」
キョン「ああああああああ!!」ボロボロ
長門「ハンカチ…使う?」
キョン「なんだよハンカチハンカチって!お前はそればっかりか!!」
長門「…ティッシュもある…」ビクビク
キョン「ちょーだいっ!」
ズビイイイイッ
古泉「…」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:11:35.92 ID:fMpNSkyw0
〜病院〜
キョン「どこだ!ここか?」
ガラッ
谷口「お、キョン。見舞いに来てくれたのか?」
キョン「んなわけあるか死ねっ!」バキ
谷口「う…うぐう〜」
古泉「落ち着いてください、今は集中治療室に入っているようです」
キョン「…そうか」
長門「…」キョロキョロ
キョン「…」ポロポロ
古泉「…きっと大丈夫です」
キョン「…」ポロポロ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:21:24.34 ID:fMpNSkyw0
医師「…お友達?」
長門「…」コク
医師「では、こちらに」
古泉「行きましょう」
キョン「…」
〜診察室〜
医師「涼宮さんの親御さんは後ほど来られるようですが、先にあなたたちに説明をしておきます」
古泉「…お願いします」
キョン「二人は、助かるんですか?」
医師「率直に申し上げて」
キョン「…」
医師「非常に難しい状況です」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:31:39.41 ID:fMpNSkyw0
キョン「…どちらがですか」
医師「…」
古泉「どちらも…ですか」
キョン「…」
医師「涼宮さんのほうは外傷がひどいのです」
古泉「ひどい…というと?」
医師「背中にガラス片などが刺さっていて、心臓に達しているものもあります」
キョン「…」
古泉「朝比奈さんのほうは?」
医師「朝比奈さんは…」
長門「…」
医師「外傷は涼宮さんよりはるかに軽度ですが、圧迫により呼吸困難にあったようです」
医師「それで、脳に影響が…」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:44:09.01 ID:fMpNSkyw0
〜待合室〜
キョン「助からないのか…」
長門「まだそうと決まった訳ではない」
キョン「…気休めはいい」
古泉「ぶえっくしょい!」
長門「…」
キョン「…」
古泉「あ、すみません…」
タッタッタ
ナース「キョン、という方は…」
キョン「俺ですけど」
ナース「涼宮さんが呼んでおられるんです。すぐに行ってあげてください」
キョン「ハルヒが?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:49:54.71 ID:fMpNSkyw0
〜集中治療室〜
ナース「ご友人です」
医師「はいってもらいn」
キョン「ハルヒ、ハルヒ!」
ハルヒ「…」パチ
キョン「良かった、ハルヒぃ…」
ハルヒ「…」パクパク
キョン「ん?朝比奈さんか?大丈夫だ、朝比奈さんは大丈夫だぞ」
ハルヒ「…」パクパク
キョン「そうか、よし、今すぐ会わせてやるからな」
ゴロゴロ
ナース「ベッドを動かさないでください、困ります」
医師「いいんだ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 01:55:02.93 ID:fMpNSkyw0
スッ
キョン「朝比奈さんの手だぞ」
ぎゅ
キョン「あったかいな…」
ハルヒ「…」ニコ
フッ
キョン「あっ、ハルヒ、はるひっ」
医師「…」スッ
医師「ご臨終です。午後六時四十五分でした」
キョン「あ…あああ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:02:30.09 ID:fMpNSkyw0
〜キョン自宅〜
キョン「…」
ポフッ
キョン「ハルヒ…」
キョン「…」
キョン「…うぅ」グス
ガチャ
キョン妹「キョン君ハサミー」
キョン「今それはないだろおおおお」グオオオ
キョン妹「え?キョン君どしたの?」
キョン「うえっうえっ」ポロポロ
キョン妹「?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:15:10.42 ID:fMpNSkyw0
prrrrr
キョン「…ん」
ピ
古泉「聞いてください!」
キョン「聞いてるよ」
古泉「朝比奈さんの意識が戻りました!」
キョン「本当か!?すぐ行く!」
ピ
キョン妹「キョン君どこ行くの〜?」
キョン「うるせいやい」
バタン
キョン「あ…チャリないのか」
キョン「…」
キョン「ハルヒ…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:26:24.23 ID:fMpNSkyw0
〜病院〜
キョン「朝比奈さん!」
長門「今はまだ眠っている」
キョン「そうか、でも意識は戻ったんだろ?」
古泉「意識が戻ったといっても、一応の意思表示があるのみです…」
キョン「そうか…」
長門「…」
古泉「事故当時の状況ですが…」
キョン「うん」
古泉「涼宮さんが朝比奈さんを庇うような形で車に衝突されたそうです」
キョン「ハルヒが…」
古泉「そのおかげで朝比奈さんが奇跡的に一命を取り留めたのでは、という話でした」
キョン「ああ…」ポロ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:34:17.19 ID:fMpNSkyw0
キョン「ハルヒ、ハルヒ、ハルヒ…」
古泉「…」
長門「…」
キョン「…うぅぅ」ポロポロ
みくる「…ん」
キョン「!」
古泉「朝比奈さん?」
みくる「…ョン」
キョン「ここです、ここに居ます」
みくる「キョン…あんた……え?」
キョン「え?」
古泉「え?」
長門「え?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:42:58.32 ID:fMpNSkyw0
キョン「朝比奈さん、良かった、声が出るんですね」
古泉「いま医者を呼んできましょう」
みくる「待って」
キョン「うん?」
みくる「医者は呼ばないで、話をきいて」
長門「…涼宮ハルヒ…?」
古泉「え?」
キョン「ははは、それは笑えない冗談だぞ」
みくる「そうよ、私ハルヒよ」
キョン「だからもういいですって」
みくる「私の言うこと信じてくれないの?」
キョン「そりゃあ、信じますよ。でも冗談はやめてください」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 02:51:40.12 ID:fMpNSkyw0
みくる「私ハルヒ私ハルヒ私ハルヒ私ハルヒ…これくらい言えば分かるかしら」
キョン「えーっと…」
古泉「…なんということだ」
キョン「むー…」
長門「…」オロオロ
キョン「あっ…」bomb!
古泉「ちょっと!大丈夫ですか?」
キョン「おっぱいがいっぱい…」
古泉「ダメだ…」
みくる「ねえ、信じてよね!」
長門「う、うん…」
・
・
・
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:00:41.69 ID:fMpNSkyw0
〜数日後〜
みくる「…自分の葬式に出るってのは変な感じだったわ…」
キョン「あ、はい、そうですね…」
みくる「もう、そろそろ慣れなさいよ!」
キョン「いや、無理だろ」
みくる「じゃ、また放課後部室でね」
キョン「うん…」
〜教室〜
キョン「はあ…」
国木田「やっぱり元気ないね」
朝倉「しょうがないわよ、だって…」
国木田「うん…」
朝倉「それにしても、一気に2つも机が減るなんてね」
国木田「寂しいもんさ」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:08:19.70 ID:fMpNSkyw0
〜放課後〜
ガチャ
キョン「ういーす、ん?なにやってんだ?」
みくる「お茶入れてんのよ…意外と難しいものね」
キョン「そうか…」
長門「…」ペラ
キョン「お、長門も居たのか」
みくる「はいお茶!」ダン
キョン「ん、ありがとう…」ズズー
みくる「…どう?」
キョン「…」
キョン「…朝比奈さんのが、美味い」
みくる「…」
ガチャ
古泉「ぶえっくしょい!あ、すみません」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:17:37.81 ID:fMpNSkyw0
みくる「私、生きてていいのかな…」
キョン「何を言い出すんだ」
みくる「みくるちゃんは死んじゃったのに、私だけ生きてるのは…やだよ」
古泉「zzZ」
キョン「そんなこと言うなよ。お前のおかげで朝比奈さんが助かったんだろ」
みくる「でも、助かったのは体だけ」
キョン「も、いいって!」
みくる「…ごめん」
キョン「そんなに自分を責めるなよ」
みくる「…」
長門(本の内容が入ってこない…)
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:26:04.19 ID:fMpNSkyw0
〜あくる日〜
キョン「しかし、ハルヒが上級生ってのがなあ」
古泉「確かに。このままでは涼宮さんが先に卒業してしまいますからねえ」
キョン「うーむ…」
古泉「長門さん、情報操作で彼と同じクラスに出来ませんかね」
長門「可能」
キョン「おいおい、ハルヒにばれたらどうするんだよ」
古泉「もう彼女の能力も消えてしまっていますし、大丈夫でしょう」
キョン「あそうか。じゃ、長門、頼めるか?」
長門「了解」
みくる「だが断る!」
キョン「あ、朝比奈さん!!」
みくる「ちゃうわ!…いや、違わないわ」
キョン「どっちやねん」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:34:52.70 ID:fMpNSkyw0
みくる「みくるちゃんが居たっていう証はなくしちゃダメじゃない!」
キョン「だがなあ…」
みくる「この衣装も!お茶のセットも!全部!大切なものなのおおおううわああああああ!!」ピャー
キョン「ハルヒ…」ポロポロ
みくる「みくるちゃああん!帰ってきてよおおおおう!」ダー
キョン「うえええええええええ!!!」ボロボロ
古泉「長門さん、情報操作で…」
長門「…蘇生は不可能」
古泉「そう、ですか」
みくる「ひっく、ひっく」
キョン「ハルヒ、俺はお前が居ればそれでいいんだ!」ポロロン
みくる「私にはみくるちゃんが必要なのよおおおおおおお!!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:43:27.42 ID:fMpNSkyw0
〜またまたあくる日〜
みくる「ねえキョン。デートしよっか…」
キョン「デート?」
みくる「うん。久しくしてなかったじゃない」
キョン「そうだな、行こうか」
みくる「じゃ、今度の土曜日ね」
一方誕生日の俺は、年齢と彼女いない歴を同時に更新してしまっていた。
〜後日〜
みくる「やっぱりデートは楽しいわね」ニヤニヤ
キョン「ああ、そうだな」ニヤニヤ
ちくしょう、ちくしょう。田舎の山々に叫びが響いた…
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:51:08.90 ID:fMpNSkyw0
みくる「キョン…」
キョン「ん?」
みくる「いつもみくるちゃんと行ってたとこに連れてって」
キョン「いつも行ってたとこ?」
みくる「不思議探索のときに」
キョン「ああ、じゃあ行こうか」
〜いつかの並木道〜
みくる「ここでみくるちゃんとどんなこと話してた?」
キョン「朝比奈さんが未来人だって話」
みくる「え?本当?」
キョン「ああ」
みくる「じゃあ、そっちに家族がいるのね…」
キョン「…」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 03:56:50.13 ID:fMpNSkyw0
みくる「ん…」
キョン「なんだ?そんな顔して」
みくる「キス…」
キョン「…」
チュ
もちろん俺は女の子とキスをしたことなどない。
みくる「…」
キョン「…」
みくる「どんな感じだった…?」
キョン「…ハルヒとしてる感じがしない」
みくる「それで…いいよ。私はみくるちゃんだから…」
チュ
みくる「みくるちゃんとして生きていくから…」
キョン「…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:11:27.03 ID:fMpNSkyw0
〜かつまたがくる日〜
みくる「勝俣が来るの?」
キョン「来ないよ」
みくる「ショボーン」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:16:39.57 ID:fMpNSkyw0
〜ある日〜
ガチャ
キョン「ういーす」
みくる「きゃー!!」
キョン「あ、ご、ごめんなさい!!」
バタン
キョン「やっちまった…」
キョン「ってあれ?」
ガチャ…
みくる「ま、まだ着替えてますぅ!」
キョン「あ、ご、ごめんなさい!!」
バタン
キョン「やっちまっ…んん?」
キョン「あいつそんなキャラじゃないだろ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:21:11.98 ID:fMpNSkyw0
キョン「むむむ…」
みくる「着替え終わりましたぁ」
キョン「あ、うん」
ガチャ
キョン「あの、さっきは…」
みくる「だいじょぶです、気にしてないですぅ」
キョン「ハルヒ?」
みくる「え?」
キョン「え?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:27:57.89 ID:fMpNSkyw0
キョン「かくかく」
古泉「しかじか」
長門「まるまる」
みくる「うしうし」
キョン「ってことなんです」
みくる「え、じゃあ…私死んじゃってたんですか?」
古泉「そういうことになりますね」
キョン「しかし、信じられないな」
みくる「なんで私、今更…」
キョン「とにかく、会えて嬉しいです」
みくる「でも、涼宮さんは…」
キョン「あ…」
古泉「…そのことは、いまは考えないでおきましょう」
キョン「そうだな」
長門(出番少ない…)
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:34:24.48 ID:fMpNSkyw0
みくる「お茶、入れましょうか?」
キョン「あ、お願いします」
みくる「はぁい」
キョン「古泉、これについてお前の見解はどうだ」
古泉「何が何やらさっぱりで」
キョン「長門はどうだ」
長門「これらの事象についてわれわr」
みくる「はい、キョン、お茶よ!」
キョン「あ、どうも…」
ズズー
古泉「え?」
キョン「ふう、さて、一息ついたところで…」
キョン「えええええええええ!!!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:43:59.61 ID:fMpNSkyw0
キョン「あ、朝比奈さん?いや、ハルヒ?」
みくる「あれ?私こんなとこに居たっけ?」
キョン「あじゃぱー」ブクブク
古泉「これは…どういうことでしょうか」
みくる「え?何?どうしたの?」
長門「朝比奈みくるの身体に朝比奈みくるの精神が戻った。そう考えるのが妥当」
みくる「え?みくるちゃん?」
古泉「先ほどあなたは朝比奈さんのように振舞っておられましたよ」
みくる「じゃあ…どゆこと?」
古泉「長門さんの言った通りか、或いは朝比奈さんの精神が残っていたか…でしょうか」
みくる「じゃ、みくるちゃんは生きてたのね」
長門「そうなる」
古泉「…驚きですね」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:52:20.47 ID:fMpNSkyw0
みくる「やったあ!…ってちょっと待ってよ」
古泉「どうしました?」
みくる「私みくるちゃんに会えないじゃない」
長門「あ…」
古泉「あ…あ!」
みくる「ん?なに?古泉君」
古泉「交換日記をされてはいかがですか?」
みくる「あ!それいいわね!」
みくる「さっそく今日からはじめるわ!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 04:58:25.66 ID:fMpNSkyw0
それから奇妙さを増した日常が始まった…
みくる「ん〜」
キョン「ん〜」
チュ
みくる「え?キョンくん!?わー」
キョン「こ、このタイミングでか…」
とか
キョン「朝比奈さん、ハルヒに部屋荒らされたりしてません?」
みくる「物の位置がいろいろ変わったりしています…」
キョン「まったくハルヒは無神経ですからね」
みくる「ちょっと、なに話してたのよ」
キョン「え?あ、いや…いい天気だな〜って…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:06:10.00 ID:fMpNSkyw0
〜そして冬〜
みくる「もうすぐクリスマスね!」
キョン「だな」
古泉「パーティを開きますか?」
みくる「当たり前よ!で、なんか要望はある?」
長門「七面鳥…」
みくる「はいはい、わかったわ。それはキョンが用意してくれるから」
キョン「って俺かよ!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:12:14.67 ID:fMpNSkyw0
〜クリスマスパーティ当日〜
みくる「ようこそ!ささ、入って」
古泉「お邪魔します」
キョン「お邪魔」
長門「します」
キョン「えらく豪勢な料理だな。お前が作ったのか?」
みくる「そうよ。みくるちゃんのときの私がね」
キョン「じゃあ朝比奈さんじゃないか…」
長門「ぱくぱく」
みくる「こら、有希!まだ早いわよ!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:17:33.21 ID:fMpNSkyw0
キョン「ふう、食った食った」
みくる「お茶入れますね」
キョン「あ、今は朝比奈さんなんだ」
みくる「涼宮さんは眠っちゃいました」
キョン「あ、そういう具合なんだ」
長門「ぱくぱく」
ズズー
キョン「…?」
みくる「どうですか?」
キョン「美味しいですよ」
みくる「よかったあ…」
キョン「…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:23:18.13 ID:fMpNSkyw0
キョン「ちょっとベランダにでてもいいですか?」
みくる「?」
キョン「ちょっと火照っちゃって…」
みくる「はい、どうぞ」
ガラ
キョン「ふいー」
キョン「…」
キョン「涼しいな。いやむしろ寒いか」
ガラ
みくる「へへ、私も来ちゃった」
キョン「あ、ども」
みくる「楽しいですねえ」
キョン「ですね」
みくる「涼宮さんと会えないのは寂しいけど…」
キョン「…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:29:59.83 ID:fMpNSkyw0
みくる「ね、キョン君…」
キョン「なんです?」
みくる「キス、してもいいですか?」
キョン「え?」
みくる「ダメですか…」
キョン「いや、あの…」
みくる「…」
キョン「…」
チュ
古泉「あーあ、やってしまいましたね」
長門「がつがつ」
みくる「キョン君…ありがとう」
キョン「…」
ギュ…
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:35:16.15 ID:fMpNSkyw0
〜そして時は過ぎ行く〜
みくる「キョン、そのマフラーあったかそうね」
キョン「え?ああ…」
みくる「…誰に貰ったの?」
キョン「あー、そのだな」
みくる「みくるちゃん…なの?」
キョン「…」
みくる「そう…」
キョン「…」
ハルヒ「良かったじゃない…」
古泉「んもおおおお!!」
長門「…」ピロリン
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:45:32.94 ID:fMpNSkyw0
〜そして卒業式を控えたある日〜
みくる「ふふ」
キョン「で〜なんですよ」
古泉「もういい加減にしてください!」バン
キョン「な、なんだよ」
みくる「ふええ…」
古泉「あなたみたいに軟派な人を見ているとイライラするんですよ!」
キョン「なんだ急に、喧嘩売ってんのか!?」
古泉「…」ブチ
ガシャーン
キョン「てめ、なにしやがる!」バキ
古泉「おらくたばれやあ!!」ドカ
みくる「ちょ、ちょっと何してんのよ!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:49:59.15 ID:fMpNSkyw0
古泉「こいつが…」ハアハア
みくる「…」
古泉「…いえ、なんでもないです」
みくる「…そう」
キョン「…」ハアハア
みくる「みくるちゃんがもうすぐ卒業ってときに、喧嘩なんてしないでよ…」
古泉「…すいません」
キョン「悪かった」
みくる「…」
長門(本の内容がまたしても入ってこない…)
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 05:55:13.99 ID:fMpNSkyw0
〜キョン自宅〜
キョン(なんだったんだ、古泉の奴…)
prrrr
キョン「ん?」
ピ
みくる「キョン?」
キョン「ああ、どうした?」
みくる「…話したいことがあるの。出てこれる?」
キョン「ああ、すぐ行く」
〜並木道〜
キョン「すまん、またせたな」
みくる「…ううん」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:01:36.48 ID:fMpNSkyw0
みくる「なぜここか分かる?」
キョン「え…と。すまん、分からん」
みくる「初デートの場所だからよ」
キョン「え、初デートは…」
みくる「私とキョンの、よ」
キョン「ああ…」
みくる「いままで楽しかったわ」
キョン「?」
みくる「こんなに充実した高校生活が送れるなんて思ってなかった」
キョン「うん、俺も楽しかった」
みくる「不思議な体験もしたし…」
みくる「…恋のつらさも知った」
キョン「…」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:07:14.29 ID:fMpNSkyw0
みくる「ね、キョン…最後にぎゅってして」
キョン「え?最後って…」
みくる「最後は最後よ」
キョン「え…?待てよ」
みくる「…」
ぎゅっ
みくる「これからキスは…みくるちゃんにだけしてあげてね…」
キョン「お、おい!」
みくる「好き」
フッ
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:10:15.70 ID:fMpNSkyw0
キョン「おい、おい!ハルヒ!ハル…」
チュ
みくる「んっ…」
キョン「ハル…ヒ…?」
みくる「あれ?キョン君?」
キョン「あ…あああ…」ジワ
みくる「?」
キョン「ああああああああああ!!」ポロポロ
みくる「え?どうしたのキョン君!?」
キョン「ああああああああああ!!!!」
・
・
・
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:18:42.51 ID:fMpNSkyw0
〜卒業式当日〜
みくる「皆いままでありがとう」グス
古泉「寂しいですね…」
キョン「ああ…」
みくる「また…会えますよね」グシッ
長門「会おうと思えば、また」
古泉「必ず、会いましょう」
みくる「ありがとう…本当に…ありが…」ポロポロ
キョン「う…」ポロ
長門「…グスッ」
古泉(おや、宇宙人でも泣くんですね)メソメソ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:25:19.96 ID:fMpNSkyw0
鶴屋「おーいみくるー。集合写真だって、行くよー」
みくる「あ、はーい…じゃ、ちょっと行ってきますね」グス
キョン「…はい」
タッタッタ
キョン「あ!」
古泉「ぶへっくし!…どうしました?」
キョン「朝比奈さんがしてるネックレス…」
キョン(ハルヒの誕生日にプレゼントした…。二人だけの秘密のはずなんだが…)
古泉「ネックレスがどうかしましたか?」
キョン(朝比奈さんが知ってた…?いや、まさか…)
古泉「おーい」
キョン「どういうことだろうな…」ポロポロ
古泉「?」
長門「ぱくぱく」
完
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/14(火) 06:39:08.72 ID:fMpNSkyw0
元ネタは東野圭吾の「秘密」って本なんだけど、是非読んでね!
読んでくれた人ありがとうね!
ぷん太さん、頑張って書いたので載せてね!
朝倉「眉毛剃ろうかしら…」ハルヒ「だ、駄目よ!」
長門「ハンカチを忘れた…」
ってやつもどうか読んでね!
眠いね!!!